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世界が終わりなんて間違っている 第16話

showtさん

第十六話

2016-07-04 16:58:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2913   閲覧ユーザー数:2816

八 幡「はぁ……これからどうしたらいいんだろうなぁ……」

 

材木座「ん? なんか言ったか? 我が同士、八幡よ!」

 

 

 俺のつぶやきが聞こえたらしく材木座がウザいくらいテンション高めに聞いてくる。いや……正直かなりウザいのだが……。こいつに話してもどうせ無駄だろうしな……

 

 

八 幡「いや……なんでもねぇよ」

 

材木座「うむ……何でもないならそれでいいのだが……」

 

八 幡「それより早くここを終わらせて、戻ろうぜ」

 

 

 バリケード用の机を積み込みながら材木座をせかすように手を動かしていく。ここのバリケードさえ作れば校内で生活していく分には十分まともに暮らせるだろう。

 

 既にデパート組や陽乃さんが合流してから二日経っている。その間生活範囲を増やすためメイン校舎三階から下はひとまず置いておいて特別棟の安全地帯の確保を続けてきた。メイン校舎と違い特別教室・部室など多くの教室があり自分たちの安全を確保しながら行動範囲を広げていくには時間が必要となってしまったが、ようやく特別棟の二階に到達し階段のバリケードを作っている最中である。

 

 

材木座「それにしても八幡。これで大分暮らしやすくなるな! 特別棟は部室が多かったから部屋数も多い。これで個人のスペースも確保できる。正直人が大勢いるところだと落ち着けることできなかったからな。それに風呂だって入れるようになるし……」

 

八 幡「材木座……もう外側ができてあとは内側の強化だけだとしても気を緩ませすぎだぞ」

 

 

 作業を止めて自分の世界に入っていた材木座に注意を促す。そう……確かに外側の部分はできているのだ。後は内側を分厚くして壊されたり侵入できないようにしていくだけなのだが注意を怠るわけにはいかない。まぁさっき俺も考え事をしていたから人のことは言えないのだが……。

 

 現にこの回まで降りてくる最中にも何度かゾンビに遭遇していたのだから。全部が全部、音楽に釣られ体育館にゾンビを閉じ込めているわけではなかったのだ。奴らが普段の生活通りに自宅に帰っていたり体育館におびき出されていていたならよかったのだけど……。

 

 ある教室では中に鍵をかけてあったにもかかわらずゾンビがいたのだ。幸い一体だけだったのでおくれを取ることはなかったが……。中に鍵をかけていたということは鍵をかけるまではゾンビになっていなかったのだろう。ゾンビに噛まれてそこに逃げ込み鍵をかけたはいいが噛まれたことによってゾンビになってしまったと俺たちは考えている。

 

 そういうこともあって一教室一教室注意しながらやっとここまで来た。たとえ慎重すぎるといわれても注意を怠ることはできない。そのことをわかってくれたのか材木座も気を引き締めて作業に戻る。

 

 しばらくして

 

 

かおり「比企谷ー。そろそろご飯にしよっか? って陽乃さんが言ってたんだけど……」

 

 

 踊り場から二階に上がる中腹まで敷き詰め終わるころに、玉縄ゾンビを従えたかおりが呼びに来たらしい。かおりはボディーガードとなる玉縄ゾンビを引き連れていることで前線となる場所に伝達として来ることが多くなっていた。電話でと……最初は考えていたのだが、音はゾンビを引き寄せる原因となるし、マナーモードだと作業しているときに気づかない場合あるから大切な役割である。前線となる場所に来てもいつも通りな彼女は思っていたより肝が太いのかもしれない。玉縄ゾンビに関してかおりに付いていけるのか? と疑問を感じていたが、意外なことに玉縄ゾンビはかおりの言うことなら通常のゾンビと違い素早く行動することができたようで問題はなかった。

 

 

八 幡「もう……そんな時間なのか?」

 

 

 作業に夢中になりすぎて気づいてなかったが、スマホで確認すると既に夕方の六時を回っていた。できれば踊り場から二階に上がるまでの間全部敷き詰めて安全を確保したかったが、中腹まで敷き詰めているのだ。ゾンビの大群が来てもある程度は大丈夫だろう……また明日続きをすればいいか……と考えお呼ばれすることにした。

 

 

八 幡「そういえば……調理室に食材の移動は終わったのか? 今は夏じゃないとしても長い間クーラーボックス→冷蔵室→冷凍室のローテーションはまずいかもしれないしな。早めに調理室の大型冷蔵庫・冷凍庫の中に入れておくほうがいいだろうし……」

 

かおり「うん! みんなで運んだからそこまで時間かからなかったよ。少し悪くなったお肉もあるみたいだけど……これは会長が処理してくれるしね」

 

 

 そうなのだ……ゾンビとなった玉縄に何を食べるか実験を行ったところ、かおりが『食べてもいいよ』と言って渡すと何でも食べたのだ。初日は永山を噛んだこともあり少ないながらパンを食べていたし、賞味期限の切れたものを食べても異常は見当たらない。まぁもともと異常な存在であるし、賞味期限というのは目安であって食べられないわけではないしな……。そういうこともあり玉縄は、カマクラ・サブレとともに残飯処理役となっていた。

 

 

八 幡「それじゃあ調理室に行くか……反対側の葉山たちには伝えてあるのか?」

 

 

 葉山と戸部は特別棟の東階段二階から下のバリケードを作っている。数時間前に一階から上がってくるところにある踊り場で顔を合わせた後それぞれ東西に分かれて作業をしていたためあちらの進行具合はわからない。

 

 

かおり「そっちも大丈夫みたいだよ。ここに来る前に知らせに行ったらこっちと同じくらいまでできていたみたいだし……片づけてからくるみたい」

 

八 幡「材木座。俺たちもここを片付けて今日は終わりにしようぜ」

 

 

 材木座のほうを振り返るもそこにやつの姿はない。見渡すと既に二階まで上がっており親指を立ててこちらを見た後、調理室のほうに向かっていった。奴の行動は不明だ……何がしたかったんだ?

 

 

かおり「なにしてんの? 比企谷。早くしないと比企谷の分までみんな食べちゃうよ。こんだけ働いたのにご飯なしとかウケるっ!」

 

八 幡「ちょ……飯抜きはマジでウケないから! ちょっと待てぇええええ!」

 

 

 俺の叫びもむなしくかおりは玉縄を引き連れ去っていくのだった。そして俺の周りはまだ片付いてない……。今になって気づく。材木座は片づけから逃げたのだ。材木座ぁあああ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ~     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 片付けも終わり調理室に向かうと、すでに中では俺以外のみんなで夕食が行われていた。俺が最初からいなかったかの如く……

 

 

戸 部「あれっ! ヒキタニ君じゃん。まだ来てなかったの? きづかんかったわー」

 

三 浦「ヒキオいなかったん?」

 

 

 ハチマンツヨイコ……キニシナイ……グスン

 

 

 

材木座「八幡。遅かったではないか? あまりに遅いのでおまえの分も食べてしまうところだったぞ。はっはっはっは……ごめんなさい。そんな目で睨まないで」

 

 

 お前のせいで遅くなったんだろっと感情込めて睨みつける。

 

 

雪 乃「……いいからもう食べなさい」

 

 

 いつの間にか俺の分の夕食を定位置に用意しながら声をかけてくれた雪乃に感謝しつつ、いつもの席に座る。この定位置に決まるまでのことを考えると冒頭でつぶやいた言葉が再度出てきそうになる。

 陽乃さんとデパート組が合流した日の夜、雪乃と見張りをしているといきなり告白されたのだ。そしていろはの計画の話も広まっており、そのことが原因となったかはわからないが女性陣から接近されることが多くなった。食事の時の隣の席で揉めたり。休憩していると迫ってくることも……結局食事の際は定位置を決め両隣が固定されることになった。席順でいうと、戸塚・小町・俺・けーちゃん・沙希となっている。両隣には俺に害がない人物で納得してもらうことで解決したが、休憩の時に一人になるといつの間にか誰かいてゆっくりできない状況だ。いろはの計画に乗るのはこんな状況でも人としてまずい気がするんだけどな……はぁ……これからほんとにどうしたらいいんだろうなぁ……。

 

 

京 華「はーちゃん。くるの遅いよぉ」

 

 

 数少ない癒しを受けてほっこりしながら食事をすることになった。

 ……オレ……タブン……ロリコン……ジャナイハズ……

 

 

京 華「はーちゃん。はーちゃん。今日ね。種うえてきたよ!」

 

 

 けーちゃんが今日の出来事を楽しそうに報告してくる。やっぱり癒されるなぁ……。死んで異世界に女神と共に魔王を倒すことになったカ○マさんも癒しを求めていたみたいだけど、人生には癒しが必要だよな。

 

 

八 幡「けーちゃん。何の種植えたの?」

 

京 華「うんとね~人参とサニーレタス? と、なんとか大根? こまったな?」

 

八 幡「なんとか大根? こまったな?」

 

結衣母「あ~二十日大根と小松菜のことですね~他にもホウレン草や紫蘇なんかも植えましたよ。少し時期が早いものもあるんでビニールとかで小さなハウス作るのもいいかもしれないですね」

 

 

 ゾンビ発生前は自宅のマンションのベランダで野菜などをプランターで育てていた経験があったらしく頼もしく感じる。作物関連はこの人に任せておいて大丈夫だろう……

 

 

結衣母「もう少し暖かくなって来たら別の野菜も育てられるけど~この時期と育ちが速い野菜だとこのあたりね~。野菜を育てるには肥料とかもほしいのだけど……たぶん今の生ごみを利用した肥料作成だけじゃ足らなくなるわ」

 

八 幡「それじゃあ次に調達に出かけるとき探しておかないといけませんね」

 

 

 こうやっていつも食事の時間に集まってはこれからの話し合いを行ってきていた。各担当に分かれて昼間作業し足りないもの・必要なものがあれば報告、次の調達リストを作っていく。しばらく話し合いが続き

 

 

葉 山「じゃあ、必要なものはこれくらいかな? とりあえず明日はバリケードの続きをして調達は明後日になると思うけど……」

 

雪 乃「いいんじゃないかしら……とりあえずは」

 

平 塚「ではこれくらいで終わりかな? 今日の話し合いは……何か報告とかある者はいるか?」

 

 

 いつものように平塚先生がまとめに入ろうとするが……

 

 

小 町「はいはーい! 小町からですけど今日特別棟の二階部分が確保できたのでやっとお風呂に入れるようになりました!」

 

 

 特別棟二階の安全を確認した後、生活利便性を考え拠点をメイン校舎から移すため部屋の準備をしていた小町からの報告に女性陣は歓声をあげる。今まで汗を拭いたりしかできなかったことを考えれば仕方のないことだが……

 

 

八 幡「んじゃ……今まで使っていた子供用プールは菜園用の貯水に使うか……底のほうに何か重しになるものを入れておけば風で飛んでいくこともないだろうな」

 

葉 山「次の調達でポリタンクでも持ってくるか? たまった水を保存していれば夏場になったとき使えるだろ? その分とは別に今ペットボトルに入れているものもタンクに入れておけばいいと思うんだが……」

 

結衣母「夏場は人も畑も水分補給は大切だからね~いいと思うわ~」

 

 

 これから先、水道がどうなるかわからない以上必要なことだ。あって損はしないだろう。まぁ回収時にかさばるのが問題ではあるが……

 

 食事も話し合いも終わり、風呂に入るもの、屋上に外の空気を吸いに行くものなどそれぞれ自由行動に入る。俺は男子風呂の最初をもらったので今は宿泊用の部屋に戻ってきている。今は戸塚が入浴中だ……一緒に入りたかった……。材木座はこの時間いつも三階のIT教室で情報を集めている。葉山はあーしさんに呼び出されて屋上に、戸部は今日見張りの日になっている為ここにはいない。……つまり今この部屋には俺しかいない。

 

 

トントン

 

 

 入浴後のくつろいでうたた寝をしかけたその時、ドアをノックされて起こされる。今日は見張りもないしこのまま寝てしまおうかと思っていたところだったのに。起き上がってドアを開けるのが面倒になった俺は無視をして居留守を使うことにしたが……

 

 

トントン

 

 

 しばらくして再度ドアをノック。ドアをノックするということは男性陣ではない。更に言えば葉山を呼び出したあーしさんでもない。ということは残りの女性陣の面々を考えるとここは居留守を使うのが妥当な判断だと思うが……どうしたもんだろうか? ノック音を聞こえてないように偽装するため布団を顔まで深くかぶり寝たふりを始めたのだが

 

 

ガラガラ

 

 

 いきなりドアが開いた。しかし足音はなく近づいてくる様子もない。これは諦めて帰ってくれるかな? と高をくくりもうそのまま寝てしまおうと瞼を閉じようとしたのだが何かが布団の中に侵入してきた。俺は慌てて布団から出て距離をとると武器を探す。すぐに見つけたのだが布団の横に置いたままだった。可能性は低いと思うがゾンビだとしたら……

 

 

いろは「せんぱーい。逃げなくてもいいじゃないですかぁ」

 

 

 モゾモゾと布団から顔を出してきたのは膨れ面をしたいろはだ。ゾンビでなかったのはありがたいがそれでも生存メンバーの中では危険な人物には違いない。

 

 

八 幡「だ、誰だっていきなり布団の中に何か入ってきたら驚くだろ。それに見張りがいるとはいえゾンビだったら……」

 

いろは「ぶぅー。せんぱいにゾンビだと言われたくないんですけど……」

 

八 幡「……おい。それどういう意味で言ってる?」

 

いろは「ご想像にお任せします。それより先輩最初から起きてたでしょ? いくらなんでも私が布団に入ってから逃げるのが速すぎたんですけど…………寝ていれば既成事実まで持ち込むつもりだったのに」

 

 

 最後のほう小さな声でやばいこと言っている気がするが、起きていたことがばれるとこいつのことだ。めんどくさいことになりそうだな……

 

 

八 幡「……さっきも言ったと思うがいきなり布団の中に何か入ってきたからビックリして起きたんだよ」

 

 

 俺がそういうといろはは、フムフムと相槌を打っている。上手く誤魔化せたかと胸を撫で下ろすが

 

 

いろは「嘘ですね。その頭のアホ毛が反応してましたよ」

 

八 幡「アホ毛が反応ってなんだよ……ってこれ……」

 

いろは「そうですよ。何日かしかたってないのに随分前のことに感じますね」

 

 

 そうだ……このやり取り……あのゾンビが発生したあの日、いろはと交わした内容に似ているのだ。いろはの言う通りあまり時が経ってないのにいろいろな事があり過ぎて懐かしくも感じる。あの時はまだこんなことになるとは思いもしなかった……。

 

 

いろは「それで何で嘘ついたんです?」

 

八 幡「……別に嘘とは断定できんだろ?」

 

いろは「いいえ、あの時は誤魔化しましたけどせんぱいの事はいつも見てるんですよ。だから嘘吐こうとしているときぐらいわかりますよ。好きな人の事ですもん」

 

 

 あの時とは違いあの断り芸で返ってくることはなく、正直に思いを伝えてくる。

 

 

八 幡「……お前何気に恥ずかしいこと平気で言うよな……それで何で俺の布団に入ってきた?」

 

いろは「そんなの決まってるじゃないですかぁ。……夜這いですよ。ヨ・バ・イ」

 

 

 いろはは俺の質問に恥じらう様子も見せず、返事を返しながら近づいてくる。だんだん近づいてくる彼女に対して俺は後ずさりしながら回避しようとするが壁のところまで追い込まれていく。

 

 

八 幡「…………えっと……あのぉいろはさん……ここは男子の部屋だからすぐに他のみんな帰ってくるぞ」

 

 

 身の危険を感じた俺はほかのメンバーを理由に逃げようと試みるが

 

 

いろは「大丈夫ですよ。せ・ん・ぱ・い。葉山先輩は三浦先輩に連れられ屋上に行ってますし、戸部先輩は見張り、戸塚先輩はお風呂、木材屋さんはこの時間パソコンで情報集めているからここには当分帰ってきませんよ」

 

 

 いろはの言う通り男子ですぐにここに来る奴はいなそうだ。とうとう逃げる場所もなく壁に当たる衝撃が体に伝わってくる。それを見た彼女は舌なめずりしながら近づいてくる。逃げ場を封じ獲物をしとめる肉食獣のごとく。

 

 

いろは「せーんぱい。私言いましたよね。もう世界は変わってしまったんです。おとなしくハーレム作りましょ。今まで雪乃先輩が告白してなかったから我慢してましたけど……もういいですよね?」

 

 

 彼女はまるで年下に見えない色気を見せてくる。俺はのどを鳴らすことしかできず……

 

 

いろは「じゃあ……せんぱいの初めてもらいますよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラ

 

 

京 華「はーちゃん! あそぼー! ……ってはーちゃんといーちゃん何してるの?」

 

 

 突然の乱入者によって二人は固まってしまう。

 

 

沙 希「どうしたの? けーちゃん? 遊んでもらうんじゃなかったの?」

 

 

 けーちゃんの後ろのほうから沙希の声も聞こえてきた。

 

 

京 華「あのね。はーちゃんといーちゃんが何かしてるみたいだけど……」

 

 

ガラガラッ!!

 

 その言葉を聞くと沙希は半開きになっていたドアを勢いよく開けて中を覗き込んでくる。

 

 

沙 希「一色! あんたまた抜け駆けしようとしたね!」

 

 

 俺といろはの様子を見た沙希は、いろはを睨みつけながら怒鳴り込んでくる。

 

 

いろは「ひっ……」

 

 

 いろはは俺を盾にするように後ろに隠れながら小声で

 

 

いろは「ちぇっ……また失敗かな……」

 

 

 悪びれた様子も見せずにつぶやいている。そして

 

 

いろは「いいじゃないですか~。沙希先輩だってけーちゃんを理由にせんぱいに会いに来たんでしょ?」

 

沙 希「なっ!!」

 

 

 確かに夕食後、けーちゃんが遊びに来るときにいつも沙希の姿があるが……。

 そのやり取りが外まで聞こえたのだろう。複数の足音が近づいてくる。

 

 

雪 乃「……また抜け駆けしようとしたのね? 一色さん」

 

結 衣「いろはちゃんずるい! 私も……」

 

陽 乃「あらあら……比企谷君ったらいろはちゃんを最初に選ぶの? おねぇさんじゃなく……」

 

かおり「比企谷……それ全然ウケないから!」

 

玉 縄「うがーっ」

 

めぐり「駄目だよ比企谷君。いろはちゃんだけじゃなくみんなを見てくれなきゃ」

 

留 美「八幡……サイッテー」

 

 南 「比企谷……」

 

姫 菜「ヒキタニ君! 隼人君たちはどうするの!?」

 

彩 加「八幡。遊ぶんならみんなで遊ぼうよ」

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ」

 

 

 いろはの行動が原因なのにほとんどが俺を攻めてくる。理不尽だ。先生は言葉を残して走り去ってしまったが、他のみんなは次々と俺やいろはを問いただしてくる。ただ……こんな状況でも楽しいと感じている俺がいるのも事実だ。こいつらとだったら終わった世界でも楽しく生きていけるかもしれない。

 

 

みんな「聞いてるの!?」

 

 

 考え込んでいた俺の目の前にいる仲間やここにはいないが葉山たちを思い浮かべながら一人ごちる。

 

 「世界が終わりなんて間違ってる」と……

 

 

八 幡「あ……ノック二回はトイレの時にする回数だからしないほうがいいぞ」

 

いろは「やっぱり起きてたんじゃないですかぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダー

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ!」

 

 

 そう叫びながら走り去っていく先生。

 

 

仲 町「ん? どうしたんだろ?」

 

戸 部「あぁ~またなんかヒキタニ君がしたんでしょ~」

 

仲 町「そうね……かおりが何かしでかしてないといいけど……って……先生……屋上のほうに行ったけど……やばくない?」

 

戸 部「……あ」

 

 

 

 

 

 

 

葉 山「なんか聞こえないか?」

 

三 浦「え……別にいいんじゃない。それより隼人。あーし…………隼人の事……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダー バタン!

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ! はぁ……はぁ……何で生徒ばかり……って……ん?」

 

 

 屋上まで全速力で駆け上がり叫び疲れて周りを見渡すと生徒二人がここでもいい雰囲気に……

 

 

三 浦「な、何でいいところで来るのよぉおお」

 

 

 三浦は顔を真っ赤にして立ち去ってしまった。残った葉山の顔を見ると苦笑いしている。

 

 

平 塚「……やってしまった……」

 

 

 膝をつき心の中で三浦に謝るがやってしまったことは戻らない。三浦すまん……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小 町「平和だね~」

 

結衣母「そうね~」

 

カマクラ「にゃ~」

 

サブレ「わん!」

 

結衣母「で、小町ちゃん的にはだれにおねえさんになってもらいたいの?」

 

小 町「ん~全員でもいいですね~。ただしおにいちゃんの事を理解してくれる人限定ですけど……」

 

結衣母「それって……わたしでもいいの?」ニコニコ

 

小 町「おおぉ! まさかの参戦ですか! 小町的にはOKですよ。こうなったら小町も参戦するかなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の知らないところで更に広がってることとは思いもしなかった。八幡の未来はどうなることやら? それは別の話で……

 

 

 

 

 

 

 

第一章 完

 

 

 

 

 


 
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