第58話 紅い血
ラカイとクウヤがでていった後でマツブサとリクガの戦いが始まった。
「頼むぞ、ジュカイン!」
「早々に始末しろグラエナ」
真っ先にジュカインがリーフブレードでグラエナを攻撃、直後グラエナが反撃のシャドーボールを放ちそれを正面から受けながらもジュカインはアイアンテールをぶちかましてくる。
「ほぅ・・・攻撃を受けてでも攻撃にでるとはな」
「ボクの猛攻はここで終わらない、
ジュカイン、リーフブレード!」
「グラエナかげぶんしん」
リーフブレードは虚像をきったのみでそのまま背後からシャドーボールを受ける。
すぐに立ち上がりあたりを警戒するジュカインにリクガは冷静に指示を出した。
「ジュカイン、右から来るぞ・・・みきりだ」
彼の指示通りグラエナは右から攻撃してきた。
それをみきりで回避した直後ドラゴンクローでグラエナを倒した。
倒れたグラエナを無視してマツブサはそのまま次のポケモンを出す。
「ゴルバット!」
「ジュカインありがとう!
次はボスゴドラ、君に任せる!」
リクガが次に出したのは堅い体の巨大なポケモン、毒や飛行に有利な鋼と岩のボスゴドラだ。
ふざけるな、とマツブサはエアカッターを放つがボスゴドラには全く通じていない。
「ボスゴドラ、がんせきふうじだ」
がんせきふうじがゴルバットを襲い急所に当たる。
そこでもゴルバットはエアカッターで攻撃してくる。
どうしてだ、と思った刹那、その一部が的をはずれリクガの方へ向かってきた。
「!」
ヒュン、とエアカッターがリクガの肩をかすめる。
同時に紅いものが飛び散った。
それを見てリクガはマツブサのねらいを知る。
「ボスゴドラじゃなく、ボクが狙いか」
「貴様さえ消えてしまえばトレーナーのポケモンなど無力なものだ」
「・・・ふぅん?」
リクガの口元が笑みを浮かべた瞬間、ゴルバットがマツブサめがけて吹っ飛んだ。
ぐぁ、と短い悲鳴を上げて後ろに倒れ何事かと確認すれば
ゴルバットが戦闘不能になっていた。
「な、なにをした!?」
「簡単なことさ、ボクとお前が話している隙にボスゴドラのメタルクローでとどめをさしただけのこと。」
「貴様・・・いつ指示をした?」
「ずいぶんと前に。
ただもしボクの指示がなくても目の前の敵を倒せと教えただけなんだけどね」
だから指示なしでも自分の意志で戦うんだ、とつけたしリクガはにっこり笑う。
「ここでけりをつけてみせよう・・・バクーダよゆけ!」
「この戦いはここで終わらせるよ、トドゼルガ」
ボスゴドラをボールに戻しトドゼルガを出す。
バクーダはふんかしたがトドゼルガを倒すことはできない。
「こいつは♀だけど体力が自慢なんだよ、みずのはどうだ!」
みずのはどうがバクーダを襲うが直前にだいもんじをふっかけられ相殺、とんできたかえんほうしゃを受ける。
ひるむことなくリクガはのしかかりでバクーダを押しつぶしそのままみずのはどうをあびせた。
「バクーダ早く起きあがれ!」
「トドゼルガ、とどめのふぶき!」
ふぶきでバクーダを倒し、勝敗はきまった。
「ボクの、勝ちだ」
「うぐぅ・・・!」
マツブサは観念したかのように両膝をついた。
「私はもう戦えない・・・好きにすればいい」
そう言うマツブサにリクガは彼にげんきのかけらを数個わたし背を向け目覚めのほこらをでていこうとする。
彼の行動に驚くマツブサはリクガに向かって叫ぶ。
「どうした・・・私を殺さないのか!」
「殺さない」
ずぱっと言ってのけたリクガにマツブサは驚く。
そんな彼の様子に気づきながらもリクガはそのまま話を続けた。
「お前だって人間だし、そこにいる彼らもポケモンだ。
それだけで・・・命を救う理由にならないか?」
「かつて、私を殺そうとしていた貴様がいうか」
「ああ・・・もうあの時のボクとは違うさ。」
思い出すのはサイユウでの邂逅。
あの時は怒りに我を忘れこの男を殺そうとしていた、自分の大事なパートナーであるはずのポケモンを人殺しの道具にしようとしていた。
でも、今は違うと彼は断言したのは成長に絶対の自信がありその自信を与えてくれる存在がいるからだ。
「だから、誰かのためにポケモンの力を使いたい。
それだけだよ」
それだけ言い残し、リクガは目覚めのほこらを後にする。
気を失ったマツブサをジュカインに抱えさせて。
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リクガVsマツブサです。