―― 愛おしいお嬢さんに告げましょう。 今度はきっと、人として巡り合える、ということを ――
僕は、人の姿を持っていなかった。 だから、いつも僕を見てくれているお嬢さんに声をかけることができなかった。 それもそのはず、僕は “ハマナス” という花だったのだから……。
僕が人間になりたいな、と考えているとき、お嬢さんの友人だろうか。 僕の花の名は漢字で “浜茄子” と書くと聞いた。 まあ、こんなことはどうでもよいとして、本当はこの人のようにお嬢さんと話がしたかったのだ。 いつも僕に向かって優しい笑顔を向けてくれるのに、僕はその寂しそうな顔をなでてやることすらできない。 ……僕は、こんな無力な自分が嫌いだった。 いつも “綺麗に咲いているね” と言ってくれるのに、僕は何ひとつ返してやれなかった、この自分が。
そんなことを思いながら、そのまま時が過ぎていった。 どれぐらいの月日が流れたのかは、花である僕にはわからないのだが、その日はとても風が強かった。 といっても、僕の花はけっこう頑丈であるので、ちょっとやそっとでは落ちはしない。 しかし、このときの僕はたくさんの人々に触れられたり、行き違う人々の服にぶつかったりすることが多かったので、花の根元が少し弱っていたのだ。
そんなとき、突然、びゅうっ、と少し強めの風が吹いた。 たまたま目の前を通っていた女の人が持っていたハンカチが、その風に乗ってひらひらと舞っていくぐらいの、強さだった。 だが、今の僕にとってはかなりの強さに感じて、一瞬にして僕は下へと落っこちてしまう。 このとき、ああ、僕にもとうとうこのときがきてしまった、と思った。 どういうことかと言うと、今までにも同じ状況になっていった仲間たちを見てきた、ということだ。 彼らは、無残にも踏みつけられ、せっかくの花の形が台無しとなり、その後の子孫を残すことを許されなくなった。
……これから僕も、そのようになるのか。 せめて、お嬢さんと話がしたかった。 少しでもお嬢さんの心を慰めたかった。 途方のない願いだとはわかっていても、お嬢さんの本当の笑顔が見たい、と思っていたのに……。
「あれ? こんなところに花が落ちてる」
「まあ本当。 今の風で落っこちてしまったのね。 かわいそうに」
と、ありきたりな言葉を投げかける、1組の親子の姿があった。 よくこの建物内で見かける、特に珍しくもない風景だ。 ……下にいる僕には、顔を見ることなんてできなかったが。
「お母さん。 これ、いつも見てるハマナスの花だよね?」
「うーん、そうねぇ。 似てるからそうなんじゃないかしら」
「ねぇ、あたしの部屋に花瓶、あったよね?」
「あるわよ。 でも、他の花を入れているけど」
「じゃあ、他のを買ってきてよ。 ダイソーで売っているようなヤツでいいから!」
「はいはい。 色は何がいいの?」
「そうだなーっ。 うん、この子に似合うピンクのものがいいなぁっ!!」
「わかったわ。 じゃあ、もう部屋に戻りなさいよ?」
「ええーっ、ヤだよ! もうちょっと ――」
「駄目よ。 そんなわがままを言うなら買ってこないわよ」
「……はぁい」
と、1人の少女がふてくされながらも母親のいうことを聞く。 ……誰だろう、何度か聞いたことがある声だけど……。 すると、少女は僕の前にかがみこんで、まだ花の状態を保っている僕を拾い上げてくれた。 しかも、その少女は僕が憧れている、あのお嬢さんだった。 ―― 体が弱いのか、顔色が悪い女の子。 しかし、その目は今まで僕を愛でてくれた誰よりも光り輝いていた。 その輝きはきっと永遠に失われることはないのだろう、と思わせる、素敵なお嬢さんだ。
「もう少し待っててね、そうすればちゃんとお水につけられるから」
と言い、お嬢さんは僕を持ったままどこかへと向かっていったのだった。
僕がお嬢さんの部屋へと来てから数10分後、彼女のお母さんが小さな器を買ってきた。 それは、色がなく硬そうな素材でできていて、底のほうから容器の真ん中辺りまでを、僕の体の色よりも少し薄いもので塗られている。 下から上のほうに段々と色がなくなってきているようで、とても綺麗だった。
「はい。 これでいい?」
「うん! ありがとうお母さんっ」
「あっ、こら!」
と、うれしそうに器を持って走り出そうとしたお嬢さんの腕を、急いで捕まえるお母さん。 すると、
「走っちゃ駄目でしょ! 発作が起こるかも知れないんだから!!」
「……はぁい」
と、お嬢さんはまたふてくされてしまう。 ……そうか、お嬢さんは病気だったのだ。 だから、この “病院” と呼ばれている部屋へとやってきたのか。 僕たちがこの白い建物の前に植えられたときも、 “これで患者さんが少しでも喜んでくれるといいね” と言っていた理由は、そういうことだったのだ。
僕がそんなことを考えながら天を仰いでいると、唐突に体が宙に浮く。 何だろうと思って見てみると、目の前にお嬢さんの顔が見えた。 その後、僕の花びらが少し潤ったのが感じ取れ、
「これでよしっ……と。 お花さん、今日からここが君のお家だよっ♪」
つんつん、と僕をつきながら、お嬢さんはうれしそうにそう言った。
……花の命の源を送ってくれる本体から隔離された僕は、もう数日と持たないだろう。 だが、いつもお嬢さんを待ち焦がれながら数ヶ月咲いているよりも、今のほうがよいと思った。 だって、こんなに近くでお嬢さんを見ることができるのだから。
僕は、このとき始めて吹いた風に感謝し、吹かせてくれた神に感謝したのだった。
そんなことが起こった今日の夜。 人間たちは確か、7時、と言っていたと思う。花の僕にはそんなこと言われてもさっぱりわからないのだけど、お嬢さんはわかっているようだった。 お母さんが “また明日ね” と言い、去って行ってからしばらくたったが、彼女は一向に戻ってこなかった。 ……何か事情があったのだろうか?
「あーぁ、お母さん帰っちゃったし」
と、大きなひとり言をいう。 だが、その言葉は天井や人が寝るところにかけたのではなく、僕に向かって投げかけていたらしい。 それが証拠になるかわからないが、お嬢さんの顔は、僕の目の前にあった。
「ねぇ、ハマちゃん。 あっ、 『ハマナス』 だから 『ハマちゃん』 ね。 あたし心臓が弱くて、いつもこの部屋にいるんだよ。 そりゃ~、つまんないったらないの!」
だって自由にお菓子も食べられないし、学校にだって行けないし、友達とカラオケにも ―― 云々かんぬん!! と、色々と話してくれる。 普段から人と話していないのか、もの凄い数の言葉がポンポンと出てくるのだ。
……僕はそれを黙って聞いていた。 ちょっとびっくりしたけど、楽しそうに話しているから。 わからない言葉がたくさんあるけど、これに受け答えができたらどんなに幸せなのだろう……。
「それでね、友達 ―― 咲 (さき) ちゃんっていう幼なじみの子なんだけど、その子とプリクラ撮りにゲーセンに行っただけでこっぴどく怒られてさぁ! ちょっとはいいと思わない? 普段は大人しく病室にいるのに。 年頃なんだからたまには遊びたいっつーのっ!!」
と、お嬢さんはひどく怒っている様子。 うーん、僕に人の体があったなら、ここから遊びに行こう、と誘えるのにな。
「まったく、子供じゃないんだからいちいち行き先いわなくちゃいけないっていうのも、どーかと思うんだよねぇ」
ふーっ、と、お嬢さんはため息をついた。 いやはや、よくここまで話ができるものだ。 僕がまだ木の幹についていたころは、そんなに話をしていなかったから、余計にそう思うのだろうか。
すると、お嬢さんは丸い形をしたものを自分のほうへと向け、 “あ、もうこんな時間だ” と言った。 はて? あの丸いものは何なのだろうか。 底のほうに2本の棒がついていて、てっぺんのほうには半円のものが2つ、くっついている。
「もう寝なきゃ……。 でもね、明日は楽しみなんだ! だって、あたしの誕生日なんだもん!!」
えへへ~、と喜びながら、お嬢さんは大きめの布をかぶり、そのまま動かなくなる。それからしばらくして、布が上へ下へと、規則正しく動いていた。
今日は何て素敵な日なのだろう。 普段見ている月が、全然違うように映る。 きっと特別な日の前には、あのような月が浮かぶのだろうな。 それは、いつもより大きく、そして銀色に輝いていた。
翌日、意識が戻った僕は知らないところにいた。 ……どうもおかしい。 木の幹から落ちる前でも、こんなに目線は高くなかった。 昨夜の間に、お嬢さんが位置変えをしたのだろうか?
「ほらほら! そんなところにつっ立っていたら邪魔だよっ!!」
「あっ。 すみません……」
と、 “僕” が声を発した。
「あーもう! 掃除ができないってばっ!!」
はぁ……、と、また “僕” が言葉を出す。 いったい、何がどうなっているのだろうか……。
「いよっ!! こんなところにいたのか、探したぞ。 ハマちゃん♪」
と、見知らぬ男の人が、僕に向かって話しかけた。
「あんた、この子の知り合いかい?」
「はいはい、そうですよ~。 ゴメンねおばちゃん、こいつ記憶がなくってさ。 許してやってね」
と、この若い男の人は、僕の肩に手を置いて、そのまま僕の体を引っ張る。
そして、そのままこの場を立ち去ったのだった。
「まったく。 何であんなところにいるんだよ。 探したんだぞ」
「いや、その……。 僕にもさっぱりで ―― って!?」
僕は驚いて、口元に手をやった。 ……えっ、 “口” に ―― “手”!?
そんな僕を見ると、茶色い髪の毛をしている男の人はお腹を抱えて笑い出した。
「あ゛ーっ、おっかし……。 いいモンだろ、人間の体って」
「えっ、えっ? 僕、人間なんですか!? そんなはずは……」
「ああ、知ってる。 浜茄子の花だろ、お前は」
「???」
「ふふっ、まぁ驚くのも無理はないわな。 オレが魔法でお前を今日1日だけ人の姿にしてやったんだよ」
「ど、どうして?」
「あー、話せば長くなるからパス。 それにちょうどいい具合にお前がいたからな」
「あ、あの。 まったく話が見えないんですけど……」
と、僕が言うと、男の人はまた笑い出し、
「今どきいねぇよな。 お前みたいなヤツ」
と、わけのわからないことを言いながら、僕の肩をポンポンと叩き、
「例の少女のところに行ったらどうだ? そんなところにつっ立ってないで」
「は、はぁ……」
「ほら! ボケッとしている暇があるなら早く行けって!! 魔法は今日だけだからな」
どんっ、と背中を押された。 いったい何がどうなっているのかわからず、もう1度話を聞こうとした。 だが既に、彼の姿はどこにもなかった。
……経緯はともかく、1日だけ人間になれたのだ。 早くお嬢さんのところに行こう。 そういえば昨日、遊びに行きたいって言っていたな。 今日はお嬢さんに、思い切り遊んでもらおう。 そうすれば、きっと心臓もよくなるだろうから。
そう思いながら、僕は、お嬢さんの元へと急いだ。
「あのー」
「何でしょうか」
「あ、あの。 その……」
「……?」
と、僕はお嬢さんの部屋を聞こうとした。 ……今わかったのだが、僕はお嬢さんの名前を知らない。 どこにお嬢さんの部屋があるのかわからないのだ。
そのように僕が困っていると、奥のほうから騒がしい声が聞こえてきた。
「んもー! あたしこれからデートなの!!」
「だから、どこに行くのか聞いているでしょ!?」
「デートだから決まってないよっ!!」
「あまり人ごみの多いところに行ったら、また ――」
「お母さんそればっかじゃん! あたしだって恋ぐらいするんだってばっ!!」
と、女の子と女の人が言い争っている。 よく見ると、それはお嬢さん本人とそのお母さんだった。 僕は自分から話しかけた人に “すみません” といいながら辞退し、お嬢さんのところへと行く。 すると、
「あっ、ここにきてくれたんだ!」
と、僕の姿を見るなり駆け寄ってきた。 すると、お嬢さんは僕の腕をつかみ、
「ごめんね、ハマちゃん! さっ、いこいこっ!!」
「え、あ、うん」
と、僕はお嬢さんに連れられるがまま、病院を後にした。
それから僕たちは色々なところに行った。 まあ、僕は人間の遊びなんてものは知らないから、すべてお嬢さんに任せていたのだけれど。 でも、とても楽しかった。 カラオケというところに行ったり、遊園地というところに出かけたり、大きな建物の中へ入って売っているものを見たり ―― など、僕が体験したことのないものばかりだった。 そんな僕の傍ら、頭ひとつ分ぐらい小さいお嬢さんは、とてもはしゃいでいる。 きっと、楽しんでくれているのだろう。
「ハマちゃんってさ。 背が高いし、カッコイイし、優しいし♪ うん、とっても理想だよ!」
「そ、そうなんだ。 ところで、どうして僕のことがわかったの? 始めて会うよね?」
「始めてじゃないじゃない。 病室で会ったでしょ」
「あ、そうか」
と、僕は納得した。 今まで、どうして僕をお嬢さんの呼んだ “ハマちゃん” だとわかったのか不思議だったのだが。
「……あの人も言っていたしね……」
「えっ?」
「ううん、何でもない!」
「そう? じゃあ、次はどこに行く?」
「うーん、もうそろそろ病院に戻らないといけないから……」
「そ、そうなのか……」
と、気落ちしてしまう。 すると、お嬢さんは、
「まぁ、病院の中ならまだ大丈夫だから! ……まだ、時間大丈夫?」
「うん、大丈夫。 じゃあ、行こうか」
と言い、僕たちは名残惜しくも病院へと戻ることにした。
このとき僕は、あの男の人の言葉を思い出していた。
病室へと戻った僕たちは、もう一度看護婦さんに許可を得て、病院内にあるベンチに座っていた。 今の時間は午後6時半。 もう少しでお嬢さんとは会えなくなってしまう。 なぜなら、患者さんには “面会時間” というのが存在していて、よほどのときでない限りはその時間以外会うことができないからだ。 僕は、このとき始めて、時間に対し苛立ちを覚えた。 普段は何気なく過ごしていたのに、どうして楽しい時間は過ぎるのが早いのだろう、と。
「もう少しで会えなくなっちゃうね……」
「…………」
「ねぇ。 ハマちゃんにとって、あたしって何?」
「うん? 僕にとって?」
「そ。 ハマちゃんにとっての、あたし」
「僕にとってお嬢さんは、大切な人だよ」
「そのお嬢さんってのは ―― まぁいいや、もう」
はぁ、と、どういうわけかため息をつく。 ……やはり、花の僕に想われるのは嫌なのだろうか……。
「あっ! 今ため息をついたのは呼びかたについてだよっ」
「あ、そうなの?」
「そうだよ。 ハマちゃんみたいな人に好かれて、イヤって奴のほうが見てみたいし」
と言うお嬢さんに、少々あっけにとられてしまう。 正直、そう言われてもよくわからないのだけど。
「……うん、そっか!」
「えっ、何。 どうしたの?」
「ううん! 何でもないよっ!!」
と、うれしそうに僕の腕を奪う。 それからは、お嬢さんの体に響かないよう、ゆっくりと終着点へと向かう。 僕たちの、切ない想いへの終着点へと……。
病室へ向かう途中には、重苦しい雰囲気が流れた。 しかし、それも部屋へとついた瞬間に消え去る。 そして、終わりを象徴するかのように、扉が“勝手”に閉められた。
「ま~、ギリギリで許してやるか」
「!! ど、どうしてここに……」
「ん~? おしごと、で」
「あ…………っ」
何と、部屋にいたのは、僕を人間の姿にしてくれたらしい人だった。 お嬢さんは、彼のことを知っていたらしく、男の人の顔を見るなり自分の表情を青ざめている。
「元に戻れ、浜茄子の花よ」
「! お、お願い、もう少し」
「駄目だ。 これ以上は契約違反になるが?」
「ちょ、ちょっと待ってください! いったい何が……」
「後から追うことになる。 だから先に逝ってろ。 それぐらいはできるだろう」
と言いながら、男の人は僕に向かって腕を伸ばし、そのまま僕はまぶしい光の中へと溶けていった。
……僕が最後に聞いたのは、悲痛に泣き叫んだお嬢さんの声だった……。
次に目が覚めたのは、光が取り巻く不思議なところだった。 そこは、人も建物も花もなく、ただ一面に白い、白い光があった。 どうして僕がこんなところにいるのか疑問に思ったとき、後ろから誰かが走っているような足音が聞こえてきた。 振り返って見てみると、何と、お嬢さんがこちらへ向かっているではないか!
「お、お嬢さん!」
「えへへっ、間に合ったよっ」
「ま、間に合ったって……。 発作が出たら」
「もう出ないよ。 うん、絶対出ない!」
「そ、そうなんだ! じゃあ、病気が治ったんだね!!」
「違うよ、ハマちゃん。 あたし、死んじゃったんだよ。 あの後、ハマちゃんが花に戻されてから3日後に」
「――― ……え?」
その言葉を聞いたとき、僕は何も言葉が出なかった。 ……死んだ? お嬢さんが? どうして、そんなことに……。
「気にしないで。 あたし、元々そう言われてたんだよ。 もしかしたら、15歳の誕生日までもたないかもしれない、って」
「…………」
「だからあたし、1回でいいから彼氏作ってデートしたかったんだ。 普通の女の子として生きたかった。 病室や病院の空しか知らないあたしは、もっと色々な空を知りたかったの」
「…………」
「そうしたら、あの男の人が夢の中に現れてこう言ったの。 お前のその儚い願いを叶えてやろう ―― てね」
「じゃあ、あの男の人は……」
「そう。 どっから出てきたのかは知らないけど、たぶん、神さまみたいな人だったんじゃないのかな。 よくわからないんだけど」
んー、と、隣で考え込むお嬢さん。 本当のところは、僕にもさっぱりわからない。
ただ、言えることがひとつある。
「死んだ後でも、愛おしい人に会えたのはとても幸せだね」
「ハ、ハマちゃんっ!!」
と、何故か顔を真っ赤にしているお嬢さんは、不思議と怒りだしてしまった。 さて、どうして怒っているのだろう? 僕がこのように考えていると、どういうわけか、天から浜茄子の花の部分が一斉に振ってきた。 もちろん、これは偽物だということは一目瞭然なのだけど。
「うわー、綺麗!」
“楽しませてもらったせめての礼だ。 久々に美しいものを見させてもらったからな”
と、あの不可思議な光を放った男の人の声がした。 その声は弾んでいて、いかにも楽しそうである。
僕たちはこの花の雨の中を前へと進んで行った。 大切なお嬢さんに想いを告げながら、僕たちはまた巡り合うことを約束する。 もちろん、今度は人間同士で、だ。
―― 今度こそ幸せになろう。 今度こそ温もりを感じよう。 そして必ず、生きている間に存在する “永遠の愛” に包まれよう ――
僕たちは、共に次なる幸福をつかむために、歩き続けたのだった。
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短編第4弾です^^
テーマは花言葉だったような気がします。 うろ覚えですみません。
ひとりの病弱な少女に恋をした “浜茄子 (ハマナス) ” という花が、一時の間だけ人間になりデートするお話です。
今回も楽しんでいただけたら幸いです^^