No.851090

真・恋影無想

月神さん

9話の前編になります。少し短いですが今日か明日には後編を投稿しますので勘弁を……

2016-06-02 15:40:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2350   閲覧ユーザー数:2012

第9話 〝再会〟前編

 

 

俺は何をするわけでもなく屋敷や周辺を歩き回っていた。昨日突然〝優、明日私の護衛休んでいいわよ。明日は冥琳と一緒に行動するし冥琳の護衛で他の子がついてくれてるから。最近休み取れてないみたいだししっかり休んで頂戴?ちなみに命令ね。〟とか突然言われて休日に休めないのは一体誰のせいだよ。とか思いつつ命令を受けれ入れた。しかしやることが無い。こっちでは現代みたいに〇〇曜日=休みの日って週間はないから友達や知人と休みが被ることも少ない。なので、休みの人間を探してもそうそういない。やることは無い。武器の手入れとか報告書とかは終わった。外は晴天。ならば散歩でもしようかと屋敷周辺を歩き回っていた。

 

ちなみに既に10周はしていると思う。大体4時間くらい歩いてる。

 

 

「はぁ、暇だなぁ。」

 

 

……じー

 

 

「ん?あれ?気のせいか?」

 

 

じー

 

 

「暇だ、なぁ?」 フッ

 

 

誰もいない。なんだろ?誰かに見られてる気がするんだけど

 

 

じー

 

 

やっぱり見られてる。悪意や殺気がこもってる感じはしないけど、一体どこから?

 

 

じー じー じー じー

 

 

あれ?視線が増えた?どこだ?

 

 

「獲物にゃあ!つかまえるにゃあ!」

 

 

「 !? ってなに?うわぁ!」

 

 

「だいおーしゃま、どうやって食べますかにゃ?」

 

 

「しおがいいにょ!」

 

 

「タレにゃ!」

 

 

「……しおにするにゃ!」 ジュルリ

 

 

え?え?え?なになに?いきなり猫耳の軍団から襲われて縛られて、タレ?塩?焼き鳥の話か?って、なに?引きずらないでぇぇぇーーーーー!

 

 

「どこでやるにゃ?」

 

 

「お庭でやるにゃ。」

 

 

や、殺るにゃ?もしかして俺、食われそうになってる?え?この子達本気?俺、人間だよね?人間じゃないけど。いや、今はそんなことよりどうにかしないと…

 

 

「ちょっと、君たti」 ゴン

 

 

「ん?なにかに聞こえたにゃ?」

 

 

「 ………… 」 キュウー

 

 

「獲物が岩にぶつかっただけにゃ。それより早く行くにゃ!」

 

 

「そうするにゃ!」

 

 

 

 

 

 

わんわんわん!

 

 

「ん、こ、ここは?」

 

 

確か俺、猫耳の軍団に捕獲されて運ばれてる途中で何かにぶつかって、っ!頭が痛い。と、とにかく今は逃げないと……た、立てない。縛られてる。木に。

 

 

わんわんわん!

 

 

犬か?犬まで寄ってきたのか?

 

 

「どうしたの?セキト。」

 

 

ん?人?

 

 

「あ、すみません。縄を、あ、」

 

 

「ん、地和の友達?なにしてるの?」

 

 

この子、確か地和と会った日に護衛で一緒にいた…

 

 

「す、すみません。突然猫みたいな子達に襲われてここに縛られてるんです。縄だけでも解いでくれませんか?」

 

 

「……頭、怪我してる。大丈夫?」

 

 

「だ、大丈夫です。それより縄を、」

 

 

「セキトここにいて。」

 

 

そう言ってあの子は犬を残して行ってしまった。地和を呼んでくれるならそれでもいいんだけど早いとここれ解いて欲しい……あの子らが帰ってくる前に。

 

〝セキト〟と呼ばれた犬は俺の膝の上で心配そうに俺を見ている。

 

「大丈夫だよ。君セキトっていうのかい?」

 

 

わんっ!

 

 

「ごめん。言葉を理解できるかわからないけど急いで誰か呼んできてくれるかな?」

 

 

困った顔をして固まってしまった。多分さっきの子の〝待て〟に従うべきか俺の頼みをきくべきか迷ってるんだな。

 

 

「いや、いいよ。困らせてごめんな。」

 

 

そう言うとセキトはホットした顔になるが、それと同時に俺の匂いを嗅いで何を思ったのか、決心した顔になって〝わん!〟と1つ吠えると走っていった。

 

 

俺、大丈夫なのかな、っ!あ、これヤバイかもクラクラする。

 

あ、そうだ。左慈達に頼もう。

 

 

「左慈、于吉いるか?手を貸してくれ。」

 

 

……ピーッ。ただいま留守にしています。

 

 

「は?」

 

 

今のって電話の留守電機能の声だよな?てか、いないの?常時待機してるんじゃなかったの?

 

てかここどこなんだ?見覚えのない場所だな。確か庭とか言ってたんだけど呉とか蜀の屋敷周辺にこんな庭とかあったか?

 

 

てか、意識覚まして1時間は経ってるよな。セキトが行って30分。もう夕方だ。誰も通らないとこを見るとあの子達にとっての庭なのか。と言うよりあの子達も来ないな。なにしてるんだ?

 

 

※猫軍団→棒や縄、薪を持って逃げようとした所を愛紗が発見、捕獲、説教タイム

 

※セキト→町外れの華佗の診療所まで疾走中

 

※恋→地和を探しているものの見つからず街の中をエンドレスループ。(※地和は桃香達と一緒に視察中)

 

※左慈&于吉→新たな管理者が外史に訪れた事をキャッチ、様子見に出掛け中。

 

 

 

こんな事になるなら休日でも剣を持ち歩くべきだった。頭クラクラする。なんでこんなめに…… フラッ ーっ!ヤバイ……意識が…

 

 

「だ、誰か…」 パタン

 

 

 

 

 

 

 

「ん?今誰かの声が聞こえなかったか?」

 

 

「そうか?俺は聞こえなかったが。」

 

 

「いや、確かに聞こえた。こっちか?」

 

 

「気のせいだろ?早く終わらせて呑みに行こうぜ」

 

 

「ーー!、おい!いたぞ!こっちだ!」

 

 

「なっ!おいおい、マジかよ。頭から血が出てるじゃねぇか。」

 

 

「おい、短刀貸せ。縛られてる。」

 

 

「短刀、短刀、あった!ほら。ソイツのこと頼む!俺は診療所まで行って医者呼んでくる!」

 

 

「医者なら今日は屋敷にもいるはずだ!そっちのが早い。それとこの事を〝曹操様〟にご報告しろ。屋敷の外の庭で人が縛られて怪我をした状態で発見されたと。俺はコイツをおぶって連れていく。」

 

 

「わ、わかった。すぐに応援も呼ぶから待ってろ!」

 

 

「っ、誰がこんなことを……おい、大丈夫か?」

 

 

「 …… 」

 

 

「意識がない!?って、下履きにまで血がたれてやがる。これ血の出しすぎか?確か昔〝隊長〟が言ってたよな……天の国の死に方の名前で…〝出血死〟だったか?ま、マズい早く連れていかねぇと死んじまう。頼む、間に合ってくれよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

前編です。短いですが、ご勘弁を…今日か明日中には後編を投稿できる予定です。

それでは月神でした。

 


 
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