第31話:あがってくだって?でこぼこ山道
えんとつ山に残るというリクガに別れを告げてクウヤはこのでこぼこ山道をくだっていた。
ここを超えれば、フエンタウンだ。
でこぼこ山道とは、その名に相応しく岩が出っ張ったところばかりで平らなところはない
普通なら専用の道があるのだが、それでは遠回りだ。
元々身軽で体力もあるクウヤはこの近道を選んだ。
「ふぅ~~~!
にしても、ほんとにでこぼこしてるな」
「ピカ」
「ま、いざとなればアーチもナークもいるし、コレくらいは自分でやらないと・・・・うわっ!」
「ぴかっ!」
「へへ・・・さんきゅ」
落ちそうになったとこをピーカに助けられつつクウヤは山道を下へ下へと下る。
途中逆に上がらないと落ちる道があり 少々大変な道のりだ。
隅を見ればドンメルが背中のこぶから蒸気を出しここにも沢山の炎ポケモンがいるんだな、と思いつつひょいひょい先へ進む。
だが彼を待ち受けていたのはポケモンのみではなかった。
「お前ポケモントレーナーだな!」
「へ!?」
「ポケモンバトルだ、いくぞ!」
「OK,やってやるぜ!」
ここは地形を利用した修行に向いているのかトレーナーも数多くいた。
流石に男ばかりで女子は今のところ見かけない。
「アーチ、かえんほうしゃ!」
「あ・・・テッカニン!
きみ強いなー!」
こうしてバトルを続けていたクウヤ。
何度か危ないところもあったが連勝を重ねていく。
しばらく進んでいくとなんとか休めそうな地形につきそこで休憩を取ることにした。
エーネはこんなとこで好き勝手に動かれては困るため彼女の世話をアーチに任せ、
ヒーンは奇跡的に発見した水場でくつろいでいる。
適当にレトルトのスープを煮込み、メンバーを眺めながらさっき入ったセイからの通信に応える。
『じゃあクウヤ、今のキミの手持ちポケモンを教えてくれるかい?』
「オッケーだぜ!
ワカシャモのアーチ、
ピカチュウのピーカ、
ビブラーバのナーク、
エネコのエーネ、
ヒンバスのヒーン!
これがオレのポケモンだぜ!」
『5体か・・・じゃあ持ち歩けるのはあと1匹だね』
「え、そーだっけ?」
『予想はしてたけど・・・本当に忘れたの?
ちゃんと旅立たせるとき説明したじゃないか』
「ははは、ごめんごめん!」
『あはは・・・。
と、とりあえず7匹目以降は僕のトコにくるように設定しておいたからね』
「え、それ大丈夫?」
確か部屋は何度も両親や使用人が見張りに来るはずだが。
『ばれないトコに転送マシンを置いたから平気だよ』
「そっか、ならいいな!じゃ頼むぜ」
『ああ』
通信をきった時にはスープが温まっていた。
ポケモン達にフーズを与え呑んでいると匂いにつられたのか1匹のドンメルが彼等に近寄ってきた。
どうやら、お腹をすかせているようだ。
「なんだ、ハラへってんのか?」
「める」
「ヒンヒン」
「め?めるるぅ~」
優しいヒーンは自ら進んで餌を分け与える。
ドンメルはヒーンにお礼を言うとその餌を食べ始める。
その様子を見てクウヤはヒーンに微笑む。
「優しいな、ヒーンは。
そんだけ優しいなら十分だぜ」
「ひん・・・」
そう言われて少し照れるヒーン。
恐らく今まで言われた事がないせいだろう。
立ち上がりそこを去ろうとすると悲鳴が聞こえた。
クウヤはそれを聞き取るとその声の元へ向かう。
1人の少女によってたかって2~3人の色黒の女子がぶつくさ言いまくっていた。
「てめぇセンコーにアタシらのことちくっただろ!」
「だ・・・だって」
「あぁん!やんのか弱いくせに!」
「・・・・ひっ」
「やめろ!」
アーチと共に彼女らの中に割ってはいる。
「あんた誰?」
「オレはクウヤ、ポケモントレーナーだ!
お前らこそなんなんだよ」
「アタシらはな、フエンの3つご美女姉妹だよ!」
「・・・・・・・・・・・美女?どこが?
汚い顔にしか見えないけど」
その言葉は彼女達を怒らせる爆弾となった。
全身に色黒のメイクだけではなく、派手なメイク、何個ものピアスやアクセサリー、ミニスカにルーズソックス、派手に染められた髪など・・・古典的だ。
「このやろー!いってちょプリン!」
「アーチ、にどげり!」
「あっプリン・・・!」
一人目のが出したプリンを簡単にやっつける。
「次ぁあたしだ、バネブー!とびはね」
「かえんほうしゃ!」
「くそぉ~!」
二人目。
「てめぇうぜぇんだよ!
キリンリキ、サイケこうせん!」
「アーチ、かわしてメガトンキック!」
3人目も簡単に突破しギャル三姉妹に連勝したクウヤ。
三人はチクショーなどと奇声を発しながら逃げ去っていく。
クウヤはふぅ、と一息をつき少女に手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
「ありがとう・・・えっと」
「クウヤだよ。
でもなんであんなケバケバな連中に襲われてたんだ?」
「・・・わたし達、フエンにある学校の生徒なの。
さっきの人たちはみんなから問題視されてる不良よ」
「ふぅん?」
「でもあの人たちは、そこら辺の不良と違う。
酒や煙草に手を出して、さらにはカツアゲも・・・それをわたしは見て、写真にとって先生に見せて報告したの。
これじゃいけない、彼女たちのためにはならないってそう思ったから・・・
そうしたら・・・・」
「ああなった・・・てか?」
「うん、さっきはごめんなさい。
きみみたいな子どもを巻き込んじゃって・・・。
わたしもきみみたいに強くなるからね」
「おぅ!大丈夫だ!」
彼女を町まで見送るとクウヤはやれやれとした様子で呟く。
「あんなヘンなメイクして何が面白いんだ?」
不思議な疑問を浮かべたクウヤ。
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これ書いたのは中~高ぐらいなんで、細かいところはスルーで頼みますw