No.848300

Triangle Goddess! 第11話「神界からの使者」

Nobuさん

この物語のターニングポイントとなる回です。

2016-05-18 09:03:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:273   閲覧ユーザー数:273

「見つけたぞ……三女神よ」

「!!?」

 トロールを倒し、男の子を助けたのも束の間。

 なんと、謎の人物がジャンヌ達の目の前に現れました。

「三女神だと!?」

 エルダーは謎の人物のその発言に驚きました。

 さらに、それを聞いたジャンヌ達が震えています。

「……ジーン、ゲルダ、ヴィア。何故震えているのだ」

「……とにかく! エルダーさん、逃げましょう!」

「えっ! ちょっと、お姉様!?」

 ジャンヌは風の如きスピードで逃げていきました。

 

「まったく、お姉様はこういう時になると慌てるんですから」

 せっかちで慌て者なジャンヌにゲールはやや呆れていました。

「ほら、行きますよ! バイオレット! エルダーさん!」

「はーい! ほら、エルダー! 早く逃げよう!」

「あ、ちょっと待てよ! オレもオレも!」

 ゲール、バイオレット、エルダー、男の子は、その謎の人物から逃げ出しました。

 

「逃がすか……!」

 その人物は神の如きスピードで、ジャンヌ達を追いました。

 ……いえ、そのスピードは「神」そのものでした。

 当然、人間のエルダーと男の子はすぐに追いつかれてしまいましたが、

 ゲールとバイオレットはぐんぐん距離を離していきます。

「俺達は後から行く、お前達は追いつかれるなよ……!」

「まってろよー!」

 

 三女神と謎の人物の追いかけっこは続きました。

 謎の人物が追いかけると三女神は逃げ、三女神が逃げると謎の人物が追いかけ……。

 繰り返される事、人間の時間で僅か50秒。

 ついに、三女神はギルド本部へ逃げ込みました。

 そして10分後、エルダーと男の子もギルド本部へと入りました。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……。報酬を頼む!」

「は、はあ……随分お疲れのようで」

 ぜえぜえと息を切らすエルダーと男の子を見ながら?マークを浮かべるマーベル。

 しかし、報酬を渡さないわけにもいかなかったので、エルダーに約束の報酬を渡しました。

「ああ、報酬ありがとう」

「一体どうしたのですか? そんなに慌てて……」

「話は後だ! とにかく俺達を匿ってくれ!」

「……分かりました」

 

 どれかの時間が経った事でしょう。

 謎の人物は、何分経っても追ってくる事はありませんでした。

「もしかして、わたくし達……助かったのでしょうか?」

 ジャンヌ達はゆっくりと、ギルド本部を出ました。

 ……しかし、そこにあったのは……。

 

「!!!!!」

 たくさんの魔物が蔓延る、地獄のような地でした。

 まるで、初めてエルダーと出会った時のようです。

「くそっ、また魔物か……!」

 エルダーはぎりっと歯を食いしばり、剣を構えました。

 どうやら、あの魔物と戦おうとしているようです。

「どうしてこんな事が起きたのでしょうか……」

「全部、あいつのせいなの……!?」

「……これも俺の責任だ。全て、俺が取らなければいけない」

「待ってください! エルダーさん! 一人では危険で……!」

 ジャンヌの制止も聞かず、エルダーは魔物の群れに突っ込んでいきました。

 

「……ごめんなさい。あなたがそうするのならば、私達はこうします」

 そう言い、三女神はエルダーから目を背け、逃げました。


 
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