No.847567 英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク 改訂版soranoさん 2016-05-14 00:53:57 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2233 閲覧ユーザー数:1955 |
~隠者の庭園~
ケビン達と共に戻ったティータは封印石を解放した。すると封印石は光を放ち、その光の中から見覚えのある人物が現れようとした。
「ようやく、探していた内の一人を解放できたな。」
「ええ。協力してくれてありがとうございます。」
ケビンの言葉にヨシュアは静かに頷いた。そして光の中から地面に膝をついたレンが現れた。
「……っ!―――お兄様、大丈夫!?どこのどなたか知らないけど”八葉一刀流”の”皆伝者”にして高ランクの遊撃士のレンとお兄様に喧嘩を売るなんて随分とおバカな事を考えて…………あら?」
目を見開いて立ち上がったレンは瞬時に後ろに跳躍すると同時に二振りの小太刀を構えて不敵な笑みを浮かべたが目の前にいるケビン達に気づくと呆けた。
「えへへ……久しぶりだね、レンちゃん……!」
「ハハ、久しぶりだね、レン。」
「……ティータ?それにヨシュアまで………一体どういう事なのかしら?」
嬉しそうな表情で自分に声をかけるティータと懐かしそうな表情で自分を見つめるヨシュアを見たレンは不思議そうな表情で首を傾げた。
「ハハ、幾ら自分の事を”天才”と豪語するレンちゃんでもこの状況には戸惑うか。」
「あら、神父さん。それになんだか見覚えのある人達が一杯いるわね。―――!うふふ、どうやら面白い事になっているみたいね♪それで?これは一体どういう状況なのかしら?」
苦笑しているケビンの言葉を聞いてケビンに気づいたレンは周りにいる懐かしの面々を見回して目を丸くした後初対面のティア達に気づくと小悪魔な笑みを浮かべてケビン達に訊ねた。そしてケビン達はレンに事情を説明し、初対面のティア達は自己紹介を行った。
「………”影の国(ファンタズマ)”、ね。………うふふ、中々この世界にピッタリな名前ね。」
「へ………」
「まさか何かわかったのかしら?」
事情を聞き終えた後口元に笑みを浮かべて呟いたレンの言葉を聞いたケビンは呆け、アーシアは目を丸くしてレンに訊ねた。
「わかったって程じゃないわ。確証できるような事が起こっていないから、まだ推測の段階よ。」
「ええっ!?それってどんな事なんだ?」
レンの答えに仲間達と共に驚いたロイドはレンに訊ねた。
「うふふ、悪いけどそれは言えないわ。まだ推測の段階だから、間違っているかもしれない推測を口にしたらみんなを混乱させちゃうし、それに………秘密を持っている方がレディとして魅力的でしょう?」
「レ、レンちゃ~ん……」
「このクソガキは……」
「ハア……こんな時くらいその秘密主義は止めなさいよね………」
しかし笑顔を浮かべて明確な答えを口にしないレンの答えに仲間達と共に脱力したティータは疲れた表情をし、アガットはレンを睨み、シェラザードは呆れた表情でレンを見つめ
「何を言っているんですか!?そこがレンちゃんの可愛い所でもあるんですから!ね、ティアさん♪」
「ええっ!?な、何でそこで私に振るのよ!?た、確かに彼女も可愛いけど………」
真剣な表情で声をあげたアネラスに話を振られたティアは驚いた後小声で呟いた。
「ハハ……そう言えばレン、ルーク兄さんの事だけど……解放されたレンの反応を見る所兄さんと一緒にいたようだね?」
「ええ、それぞれの仕事が終わって一緒に家に帰っている最中に白い光に包まれたわ。」
「!と言う事はルークもこの”影の国”に巻き込まれている可能性は高くなったな……!」
「早くご主人様に会いたいですの♪」
ヨシュアの疑問に答えたレンの答えを聞いたガイは血相を変え、ミュウは嬉しそうな表情で呟いた。
「それとレン。ルーク兄さんの出身や出生だけど……」
「ああ、お兄様が異世界の人で”レプリカ”とかいう存在って話かしら?レンはルークお兄様の正体が何であろうと全然気にしないし、そもそもレンは”ルークお兄様が異世界の人である事を前から確信していたもの。”」
複雑そうな表情で答えを濁しているヨシュアの疑問に答えたレンは驚くべき事実を口にしてケビン達を驚かせた。
「ええっ!?”前からずっと確信していたという事”はレンちゃん、ルークさんが異世界の人だとこの”影の国”に巻き込まれる前から気づいていたと言う事ですよね?」
「一体どこにルークが異世界の奴だって確信するような証拠があったんだ?」
ケビン達と共に驚いたクローゼは信じられない表情でレンを見つめ、フレンは不思議そうな表情でレンに訊ねた。
「一つはお兄様が大切に持っている写真よ。」
「写真……?その写真とやらに一体何が写っていたのだ?」
レンの答えの意味がわからないミュラー少佐は眉を顰めて続きを促した。
「ティアお姉さん達――――お兄様の昔の仲間の人達が全員お兄様と一緒に写っている写真よ。」
「え………もしかしてその写真って………」
「”エルドラント”に行く直前にとった写真だろうな。」
「フフ、懐かしい話ですわね。私も自分の執務室に飾ってありますわ。」
「僕にとってもあの写真は宝物ですの!」
「確かあの写真を撮るのを提案したのってノエルでしたっけ?」
「ええ。―――しかしそれのどこに彼が私達の世界の出身だという証拠があったのですか?」
レンの答えを聞いて心当たりがあるティアは目を丸くし、ガイとナタリア、ミュウは懐かしそうな表情をし、アニスの疑問に頷いたジェイドはレンに訊ねた。
「その写真をお兄様は大切にしていてね。仲間の人達と一緒に写っていた写真を大切にしているんだから、当然お兄様にとってその仲間の人達は大切な存在でしょう?なのにお兄様は今までその人達と接触するような事はなかった上手紙で連絡を取り合っていたのもイオンお兄さんだけだったもの。」
「フム……死別した可能性は考えなかったのか?」
レンの説明を聞いて頷いたバダックは自分が気になっていた事を問いかけた。
「その可能性も考えたけどお兄様、誰かのお墓参りなんて今までした事ないもの。お兄様の性格を考えたら親しい人を亡くしたら絶対お墓参りくらいはするでしょう?だから写真に写っている人達―――ティアお姉さんたちは死別ではなく何らかの事情で会えなくなってしまった……つまり、”連絡が絶対に取り合えない場所”―――”異世界”って事になるでしょう?最初は異世界なんてお伽話のような存在は信じていなかったからその可能性は一端除外していたけど、異世界出身のリオンお兄さんとソフィお姉さんの存在で除外していたその推論が再び浮上したわ。」
「写真一枚だけでそこまでの推論を出すなんて……」
「ハハ、相変わらずとんでもなく頭が冴えている嬢ちゃんだな。」
「あのルークの妹とはとても思えない賢い妹ですよねぇ?」
「というか絶対彼女の方がルークの何十……いえ、何百倍も賢いですよ。」
レンの答えにケビン達と共に驚いていたロイドは信じられない表情をし、ジンは苦笑し、アニスとジェイドはそれぞれ意味ありげな笑みを浮かべてレンを見つめていた。
「レンちゃん、さっきルークさんが異世界の人であると確信する証拠の時に”一つは”と言っていたけどまだ他にもあるの?」
「ええ。もう一つは”環”を取り込んだ”教授”の絶対障壁をルークお兄様が破った件よ。」
そしてティータの疑問にレンは頷いて話を続けた。
「何……?”環”を取り込んだ”教授”の絶対障壁をルークが破った件だと……?」
「そう言えばあの時絶対障壁を破壊するつもりでいたレーヴェは”教授”の攻撃によって中断されて、レーヴェの代わりにルークさんが破壊しましたよね……?」
レンの話を聞いてかつてのワイスマンとの戦いを思い出したアガットは眉を顰め、カリンは戸惑いの表情で呟いた。
「………―――!なるほどね………あの絶対障壁を破るには『外の理』――――”ゼムリア大陸に存在しない力”が必要だったから、『外の理の力』でワイスマンの絶対障壁を破ったルークさんは『外の理の存在』―――――つまり異世界の存在だと判断したのね?」
「大正解♪」
「絶対障壁を破壊できる程の異世界の力……―――!まさかその時ルークが使った”力”は……!」
「間違いなく”超振動”か”第二超振動”でしょうね。そこに付け加えて言えば”ローレライの鍵”も関係しているかもしれません。あの剣もルーク同様あの戦い以降見つかっていませんし。」
アーシアの推測にレンは笑顔で答え、話を聞いていて考え込んでいたガイは何かに気づくと目を見開き、ジェイドはガイの続きの言葉を静かな表情で答えた。
「”ローレライの鍵”……そう言えばルークが得物としている剣もそんな名前だったわね。」
「今まで見た事がない上、どんな名剣にも見劣りしない剣でしたからそれが気になってどこで手に入れたか訊ねても先輩はいつも誤魔化していましたけど……やっぱりそっちの世界の剣だったのですか?」
ジェイドの言葉を聞いてある事を思い出したシェラザードは考え込み、アネラスはティア達に訊ねた。
「……やはり”ローレライの鍵”もルークと共にそちらの世界にあったようですね。あの剣は少々特殊でしてね――――」
そしてジェイドはルークが持つ剣―――”ローレライの鍵”が第7音素(セブンスフォニム)の集合体―――”ローレライ”の力を集結させてその力を自由に扱える剣であり、かつてヴァンとの決戦の際”ローレライ”をその身に宿したヴァンからその剣を使ってローレライを解放した事を説明した。
今更ですけどレンはまさに見た目は子供!頭脳は大人!ですねwwというかむしろ、某少年探偵よりも賢い上スペックも高すぎるから確実に格上でしょうねww
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第142話