No.847179

Triangle Goddess! 第10話「倒せ、トロール!」

Nobuさん

この物語も二桁話に達しましたね。それはともかく、次は二番目のボス戦です。

2016-05-11 16:53:21 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:301   閲覧ユーザー数:301

 ジャンヌ達は行方不明になった息子を探すため、洞窟の中を探索していました。

「洞窟の奥まで来ましたね……」

「さて、この奥に本当に依頼主の息子はいるのだろうか」

「依頼内容が依頼内容だし、信用できる、よね」

 バイオレットはやや不安を抱いていました。

 

「いたぞ!」

 エルダー達が歩いていくと、男の子を見つけました。

 彼こそ、依頼主が探していた息子なのでしょう。

「大丈夫ですか?」

「ああ、オレは大丈夫だ」

 男の子は木の棒を持っていました。

「それで、何故お前はそれを持っているんだ」

「だってよ、この辺にいるモンスターをやっつけたら、かーさん喜ぶかと思って……」

「だからといって、小さい子供が大きなモンスターに立ち向かえば、危険です!」

 ゲールの言う通り、子供が大きなモンスターと戦うのは、

 何の装備もせずに獰猛な獣に挑むのと同じです。

 そのため、彼女は男の子を守ろうとしましたが、もちろん男の子は聞きませんでした。

「やなこった。だって、ヒーローになりたいんだもん!」

「ヒーローになるのはいいんだけど、もう少し身の程を弁え……」

 バイオレットがそう言いかけた、その時でした。

 

「ヨ コ ゼ ッ !!」

 突然、男の子の後ろから巨大なモンスターが現れました。

 そう、ボストロールです。

「よしっ、見つけたっ!」

 男の子はそのモンスターに向かって木の棒を振り下ろそうとしましたが、エルダーが止めました。

「何するんだよ!」

「冒険者でも騎士でもないのに、モンスターに立ち向かうのはおかしい」

「だ、だってよぉ、ヒーローになりたいのに……」

「ヒーローになる前に死んでは意味がない」

「ひっ!」

 死ぬ、という言葉を聞いた男の子は、素早くエルダーの後ろに隠れました。

 

「ンン? オマエラ、ウマゾウダナ……」

 そのモンスターは、何でもいいから人を食べたがっているようです。

 当然、ジャンヌ達は放っておくわけにはいきませんでした。

「あなたに恨みはありませんが……」

「野放しにしておくわけにはいきませんからね」

「あたし達が、ここでやっつけるからね!」

「早く退治して、ここを脱出しよう!」

「……が、頑張れよ!」

「イダダギマァズ!!」

 男の子に応援されつつ、ジャンヌ達はボストロールと戦う事にしました。

「ウマゾウダナァ!」

「いやっ!」

 ボストロールが棍棒を振り下ろしてジャンヌに攻撃しました。

「大丈夫? お姉ちゃん!」

「ええ、大丈夫ですよ……エアリアルブラスト!」

「えーいっ!」

「ウギャアッ!」

 バイオレットが影でできた刃を構え、ボストロールに突進して斬りつけました。

 ジャンヌは彼女の後ろから、風を飛ばして攻撃しました。

「俺も戦わせてもらうぞ! パワークラッシュ!」

「いきますよ……ドレインライフ!」

「ウグオォ!」

 エルダーも剣を力任せに叩きつけ、ボストロールにダメージを与えました。

 ゲールも生命を操る魔法によってボストロールを攻撃しました。

「かなり効きましたか……?」

「ボストロールは物理攻撃には強いが、魔法には弱いからな。

 魔法を中心に使っていけばいい。だが、俺は魔法は使えない。魔法はお前達に任せる」

「ええ、分かりましたよっ!」

「ナニガナンデモ、オマエラヲ、クウ!」

 ボストロールは棍棒でジャンヌ達を薙ぎ払いました。

 衝撃波がジャンヌ達の身体を打ち据え、かなりのダメージになったようです。

「ぐっ……! 知能の低さと反比例するまでの怪力……ですね!」

「大丈夫ですか? ヒールライト!」

 何とかゲールが回復魔法で傷を癒したため、戦闘不能にはなりませんでした。

「バイオレット、恐れてはなりません。相手には必ず、弱点が存在するはずです。はあっ!」

「うん!」

 ゲールが光を飛ばし、ボストロールを攻撃しながら言いました。

 バイオレットは姉の言葉に頷き、敵の弱点を見極めながら攻撃していきました。

「グオォッ! マブシイ! マブシイ!」

 するとどうでしょう。

 ゲールの光を浴びたボストロールが、目を覆ってしまったのです。

「トロールは日光に弱い、この光は日光じゃないけどそれに近かったよ!」

 そう、トロールは日光だけでなく、それに近い強い光にも弱いのです。

 石化はしませんでしたが、大ダメージは受けてしまいます。

「お姉ちゃん、一気に攻めていこう!」

「はい!」

「サセルカ!」

「させない!」

 エルダーはジャンヌ達に攻撃が届く直前で剣を振りました。

「ありがとうございます、エルダーさん」

「ああ。よし、一気に行くぞ!」

「ええ! 力の種が、秘められし武の才能を目覚めさせる……シャープネス!」

 ゲールが強化呪文を唱え、エルダーの武器を強化しました。

「助かる!」

「さあ、これで奴に止めを!」

「ああ。……これでとどめだ! グランドクロス!!」

 エルダーの強化された武器が光り輝くと、その光がまるで十字架の如き斬撃を放ちました。

「グギャアアアアアアアア!!」

 眩い光の攻撃に、トロールが耐え切れるはずがなく、トロールの身体は溶け、死んでしまいました。

 

「や、った……」

「これで、トロールは倒れましたね……」

 見事トロールを撃破したジャンヌ達は、ほっとしました。

「すげえ……」

 男の子は、ジャンヌ達の活躍を見て見惚れました。

「ヒーローになりたかったのに、ヒーローに助けられちまったな……オレ、まだまだだよ……」

「まだまだだと思うなら、これからしっかりと修行をしていけばいい」

「ああ、そうだな! あんちゃん! オレ、ちゃんと頑張っていくよ!」

 男の子はエルダーに撫でられ、顔が赤くなりました。

 

「仲が良さそうですね」

「ええ」

「うん!」

 ジャンヌ達三女神は、その様子を微笑ましく見守っていました。

 その時です。

 

「見つけたぞ……三女神よ」

「!!?」


 
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