No.846948 英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク 改訂版soranoさん 2016-05-10 00:18:17 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2541 閲覧ユーザー数:2287 |
~隠者の庭園~
「あ、あれ………!?」
封印石を解放したケビンは光の中から現れようとした人物を見て驚き
「シェラさんじゃない…………?」
ヨシュアは困惑の表情で呟いた。すると光の中から以前と違い、短い髪にし、さらに仕事着も変わったシェラザードが現れた!
「う、うーん…………」
「あ………」
「え………」
「「まあ……」」
「ほう……」
「………おお………」
シェラザードが目を閉じて唸っている中、イメージチェンジをしたシェラザードにティータとヨシュアは呆け、クローゼとカリン、バダックとオリビエは驚いた様子でシェラザードを見つめた。
「ふむ………髪を切ったのか。」
「ええ、一月くらい前にバッサリやったみたいです。それと合わせて仕事着も新調したみたいで。」
ジンの言葉にアネラスが頷いた後、説明し
「いっそ、お前もシェラザードみたいにイメチェンしたらどうだ?そうしたら二人がお前と再会した時色々な意味で驚くぜ?」
フレンはからかいの表情でアーシアを見つめて指摘した。
「あら……なら貴方は丸坊主にしてみたら?そうしたら貴方の婚約者さんも色々な意味で驚くでしょうしね。」
「すみません……丸坊主は勘弁してください……」
「ハハ……」
そして膨大な威圧を纏って微笑むアーシアの言葉を聞くとすぐに降参した様子のフレンをロイドは苦笑しながら見つめていた。
「くっ、おかしいわね………このあたしが、この程度の酒で目を回しちゃうなんて………いやっ、なんのこれしき!」
その時目を覚ましたシェラザードは戸惑った表情で呟いた後顔を上げ
「さあアイナ!今夜こそどちらが上か―――あら?………………………」
大声で叫んだ後、目の前にいるケビン達に気付き、不思議そうな表情をした。
「………シェラさん。どうもお久ぶりです。」
「ヨシュア………!?一体いつ戻って………エステルはどこにいるの?というか、あんた少し逞しくなったみたいじゃない。」
「はは………どうも。」
「フッ………このボクも忘れては困るね。シェラ君の忠実な下僕にして永遠なる恋泥棒のことをっ!」
「オ、オリビエ………!?っていうか、見覚えがある顔や初対面の人達がこんなに………し、しかも何だかあたりが妙なことに………ああもう、一体なんなのよ!?」
ヨシュアに声をかけられたシェラザードは懐かしそうな表情をしたがオリビエに声をかけられると驚き、更にケビン達に気づくと周囲を見回して混乱した様子で声をあげた。
「先輩、先輩。どうか落ち着いてください。」
「ふふ………驚かれるのも無理はないです。」
「ま、これが普通の反応だよね。」
シェラザードの反応を見たアネラスとクローゼは苦笑し、ジョゼットは納得した様子で頷き
「ガイ、説明を。」
「ちょっ、何でここであの女性と初対面の俺なんだよ!?」
ジェイドに説明を促されたガイは表情を引き攣らせて指摘した。そしてケビン達はシェラザードに状況を説明し、自己紹介をし合った。
「コホン…………話はだいたいわかったわ。しかしまあ、普通だったらとても信じられる話じゃないわね。まだ、酔い潰れて見てる夢とかルシオラ姉さんの幻術とかの方が説得力あるんだけど?」
「はは………そう仰るんも無理ないですわ。」
「おお、何という悲劇!シェラ君がこのボクを見て本物だと信じてくれないとは!」
シェラザードの答えを聞いたケビンは苦笑し、オリビエは冗談か本気かわからない芝居がかかった悲しみ方をして叫んだ。
「はいはい。普通だったらって言ったでしょ。第一、こんな馬鹿げた幻術、誰が仕掛けたりするもんですか。それに夢にしてはあまりにも整合性が取れすぎているしね。」
「はは、違いない。」
「信じてもらえて何よりです。さっそく協力してもらってもええですかね?」
「ええ、もちろんよ。聞いた感じだと、エステルも取り込まれているみたいだしね。遊撃士として、姉貴分として喜んで一肌脱がせてもらうわ。」
「シェラさん………」
「フッ、さすがシェラ君。相変わらずの気っ風の良さだ。」
シェラザードの答えを聞いたヨシュアは感謝した様子でシェラザードを見つめオリビエは感心した様子で呟いた。
「おおきに、助かりますわ。―――状況についてはだいたい説明した通りです。今はその”第四星層”を探索してるまっ最中ですわ。」
「ふむ………ル=ロックルの訓練場か。あたしも何年か前に訓練生として使った場所だわ。その意味では………あそこで訓練したことのある人間が放り込まれたのかもしれないわね。」
「なるほど………あり得るかもしれんな。」
「エステルちゃんとレンちゃんは当然として…………クルツ先輩にグラッツ先輩、カルナ先輩も候補に入りそうですね。」
シェラザードの推測を聞いたジンは頷き、アネラスは不安そうな表情で推測した。
「ふむ、どうかしらね。あの3人は、どちらかというと教官として行ったみたいだし。たしか3人とも純粋な訓練生として使ったことはなかったんじゃないかしら?」
「そうだったんですか…………」
「あ、あの、シェラさん………アガットさんってその訓練場を使ったことは………?」
シェラザードの話を聞いたアネラスは意外そうな表情をし、ある事に気付いたティータは不安そうな表情で尋ねた。
「うん………確かあったはずよ。カシウス先生にまんまと乗せられて酷い目にあったとか言ってたから。4年くらい前じゃないかしら。そう言えば……同じ時期にルークもちょうど訓練生としてル=ロックルを使っていたから、その時に二人が知り合ったと聞いているわ。」
「「「「!?」」」」
「みゅっ!?」
「………………(やはり異世界で生きていましたか……)」
(やれやれ……まさかこんな形で判明してしまうとはな。)
シェラザードの話からある人物の名が出た事に驚いたティア達が血相を変えている中ジェイドは冷静な様子で黙り込み、その様子に気づいたバダックは心の中で溜息を吐いた。
「そ、そーですか…………お姉ちゃんとレンちゃん、ルークさんとアガットさんも捕まっているかもしれないなんて………」
「ティータ………」
「………大丈夫。きっと大丈夫ですよ。」
一方ティア達の様子に気づいていないティータの言葉を聞いたヨシュアは表情をわずかに暗くし、クローゼは優しい微笑みを浮かべて励ました。
「いずれにせよ………3つあるという『修練場』も残るは一つだけということですね。」
「ああ………誰が囚われているかなど挑んでみればすぐにわかるだろう。」
そしてユリア大尉の意見にミュラー少佐は頷いた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!今、”ルーク”の名前が出たが……まさか、あいつもそっちの世界で生きているのか!?」
「へ…………」
その時ガイは真剣な表情でシェラザードに訊ね、訊ねられたシェラザードは何の事か理解できず呆け
「――――ラルゴ、単刀直入に聞きます。貴方を除き、”私達と共にヴァン達を倒したルーク”を含めて何人そちらの世界で謎の復活を果たしているのですか?」
ジェイドは冷静な表情でバダックを見つめて訊ねた。
「………フッ、あの小僧以外の人物達の復活の可能性まで読んでいたとはさすが”ネクロマンサー”だな。」
ジェイドの予想外の質問にバダックは静かな笑みを浮かべて答えた後話を続けた。
「お前の読み通りだ、ネクロマンサー。先程シェラザードの口から出てきた”ルーク”はお前達と共に俺やヴァン達を倒した”ルーク”で、ルークを含めて3人ゼムリア大陸で謎の復活を果たしている。ちなみに残りの二人はアリエッタとお前達と共に旅をした導師だ。」
「ルーク…………よかった……やっぱり生きていたのね………!」
「みゅう~……!ご主人様、生きていましたの~!」
「ったく、帰ってくる場所が間違っているぞ、馬鹿野郎が………!」
「ルークどころかイオン様とアリエッタまで生き返っているの!?」
「……お父様、何故ルーク達の生存を今まで黙っていたのですか?」
バダックの答えを聞いたティアは一筋の涙を流してルークの生存をミュウと共に喜び、ガイは涙ぐんだ声で呟き、アニスは信じられない表情で声をあげ、ティア達がそれぞれの人物の生存に喜んだり驚いたりしている中、ナタリアは不思議そうな表情でバダックに訊ねた。
「……奴等まで巻き込まれているという確証はないからな。ぬか喜びをさせるつもりはなかったから、奴等の内の誰かが現れるまで黙っていただけだ。」
「……ルーク達が生きていても、この”影の国”に巻き込まれていなければ私達が失意に陥ってしまうと思い、私達の為に敢えて黙っていたのですね……」
そしてバダックの答えを聞いたナタリアは複雑そうな表情をした。
「ちょ、ちょっと待ってくれへんか!?さっきから俺達の知り合いの名前が次々と出てきているねんけど、一体どういう事なんですか!?」
その時ケビンが慌てた様子で声を上げてティア達に訊ね
「ティアさん達の反応を考えるとルークさんとイオン様、アリエッタさんがティアさん達の世界の出身……と言う事になるわね。」
「うん……これでようやくわかったよ。何故遊撃士のルーク兄さんが守護騎士(ドミニオン)であるイオンさんと昔から親しい関係であったのかを。」
戸惑いの表情をしているカリンの推測に頷いたヨシュアは真剣な表情で呟いた。
「フム……場が混乱しているようですし、まずはルーク達の説明をした方がよさそうですね。―――ガイ、説明を。」
「また俺かよ!?えっと、実は――――」
ジェイドに説明を促されたガイは表情を引き攣らせたがすぐに気を取り直してルークが自分達の仲間であり、ヴァンとの決戦後生死不明になった事から”七英雄”の中で唯一死亡判定がされていたオールドラントの”英雄”の一人である事、イオンがローレライ教団最高指導者である”導師”であったが預言(スコア)を妄視する大詠師モースによって病弱な身体を持っている事から譜術を使う事や預言を詠む事が禁止されているにも関わらず無理矢理惑星預言を詠まされた事によって死亡し、そしてアリエッタはバダックと同じ”六神将”でありルーク達との戦いによって死亡した事を説明し、その後ケビン達はティア達の疑問―――ルーク達とケビン達が知り合いである理由を説明した。
ついにティア達アビスパーティーメンバーもルーク達の生存を知りましたwwちなみに肝心のルークの再登場は4章終了時ですので後少しですww
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第138話