No.846332

極リリカル銀魂~魔法少女と死神と女神と悪魔と無敵の万事屋~ 第4訓

作者「今回は新キャラが登場するぞ」

銀時「新キャラって言っても、そいつら某アーサーとポカロを基にしたキャラじゃん。オリジナル要素より原作ネタが強いし」

作者「ネタばれはやめて」

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2016-05-06 19:39:05 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2866   閲覧ユーザー数:2809

 真っ白な平行線上が続く静かな空間。

 そこに三人の青年少女がいた。

 

少女1「前略、両親様。突然ですが私……――死 に ま し た」

少女2「唐突すぎッ。これを聞いた両親は一瞬?マークになっちゃうよ」

少女1「仕方ないでしょう。実際、トラックに轢かれて死んじゃいましたし」

少女2「だったらもうすこしオブラートにできない? 残した両親に送る最後の言葉だし…」

少女1「こんな状況でオブラートに文章をまとめろって無茶をいいますね。第一、死んだ身でどうやって最後の言葉を送るんです? アレですか? フミ○さんに頼めばいいんですか? だったら紙とペンをください。涙腺が刺激する感動の文章を書きますので」

少女2「シ○フムだね。残念だけど紙をペンを持ち合わせていないんだ。ごめん」

青年「そもそも自分が死んだことにあんまり驚かないんだな?」

少女1「ここに来る直前、信号無視して爆走していたトラックに轢かれて、視界が血まみれになって数秒ほど死ぬほどの激痛で生き地獄を味わいながら走馬灯が流れて、最後には感覚が麻痺しながら視界がまっく闇になっちゃった記憶があるので「あぁ~これ私死んだな~」と思うのは不自然ではありませんよ」

少女2「生々しいほどの経験談だった!?」

青年「…軽々しく聞いてすみまなかった」

少女1「いいんです。もう、過ぎたことなので…」

 

 冷淡に話す紫の髪をした少女。

 その言葉に、どこか虚無感を漂わせていた。

 

由香里「それはそうとあなた達は誰ですか? 紹介遅れましたが私、遊月由香里と申します。高校2年生です」

真希菜「私は鶴巻真希菜。同じく高校2年生だよ」

イオン「俺は炎照院イオン。大学1回生だ」

由香里「真紀奈さんにイオンさんにですね。失礼ですが、お二人がここにいるっということはあなた達も…死んだのですか?」

イオン「あぁ、俺は鉄道橋の下で剣の修行をしてたら、突然の大きな地震が起こってな。その自身で橋が崩れて下敷きなってしまったんだ。たぶんそれで死んだと思う」

由香里「イオンさんのほうが私より被害が大きいですねぇ…(汗)」

真希菜「橋に電車が通らなかったことを祈ろう」

 

 さらっと、災害に巻き込まれたことを大雑把に説明した金髪青年。

 死んだというのに冷静沈着なのは、彼が極太の神経の持ち主か、あるいは、器量が大きいからだろう。

 

真希菜「まぁ、私もいろいろとあって死んだ。死ぬ間際の記憶もあるし。あと、なにがあったかは聞かないで。他人に話せるもんじゃないから私の場合…」

 

 複雑な表情で長い金髪を弄る巨乳少女。

 たしかに、自身の死を他人に語るのは気分が悪い。

 由香里とイオンは空気を読んで追求しなかった。

 

真希菜「それにしてもどこだろう此処?」

イオン「あの世ではないのか? 実家が寺だからあの世に関する書物を呼んだことあるが、実際はこんなにも殺風景なんだなぁ」

由香里「察しが悪いですね二人とも。こういう場合は大抵、私たちが死んだ原因である神が私たちを二次元の世界へ転生させる展開ではありませんか」

???「原因といえば原因ですけども、そこまでネタバレされたのは私の仕事上初めてです」

 

 突如、女性の声が白い空間に響く。

 すると、三人の眼前に神々しい女性が降り立った。

 

ヒルヴァニック「はじめまして、みさなん。私は神界と全次元の秩序を守護する神ヒルヴァニックと申します」

 

 深緑の長髪に金色の瞳。

 純白のドレスを金の防具と冠を身に纏う姿は戦いの女神か戦乙女と思わせるほど風格とプレッシャー。

 物静かで腰がやわらかな口調であるも、同時に凛々しさを感じさせる品格をかもし出している。

 そんな神々しい女神にゆかりはじぃ~と見つめ――、

 

由香里「……じsy――」

ヒルヴァニック「自称・神とか神(笑)とかSSで屑転生者を転生させてあとで殺される無能な神とか調子に乗ってトラブルを起こす駄目女神じゃなく、平等を愛する生真面目で良識なまともな神です。少しくらい敬ってくれたらありがたいですけど…」チラ

由香里「くっ、ネタをつぶされましたか」

真希菜「しかも、強引かつ鮮やかにネタに走るという芸当…この人できる!?」

イオン「………(=_=)」

 

 どこか波長が合う二人の少女と女神。

 なお、イオンは娯楽に疎い為、ネタが知らないのであえてツッコなかった。

 

ヒルヴァニック「ごっほん。話を始めますが、まずあなたたちが死んだのは私たち神が直接関与したのが間違いありません。ただ、元をたどればあなたたちと世界の間に問題があったからはじまりです」

真希菜「どういう意味?」

ヒルヴァニック「あなたちの因果律…言い換えれば約束された運命でしょう。将来、あなた達は世界を震撼させる偉大な英雄・偉人となるはずでした。しかし、そのスペックと魂はあの世界の容量を軽く超えてもいた。世界の器と合わない容量はいずれ周囲にズレと歪みが発生します。おぼえはありませんか? 自分と他、世界となにかズている、そんなよ感覚が?」

真希菜「そりゃーまぁたしかに…」

イオン「振り返ってみれば、たしかに何度か…」

由香里「まるで、どっかの問題児たちの主人公みたいな環境でしたが…」

ヒルヴァニック「由香里さん、その位置に近いです。しかし、問題の規模はあなた達の方が大です。将来、世界に名を馳せる者たち。同時に世界の摂理に囚われない異常者たち。それは世界を救うと世界を破滅するという同質であり矛盾。この矛盾により世界は摂理は歪み、歪みはさらに大きな歪みと亀裂を生じさせていき、最後には世界は滅びへと結びつく…。ぶっちゃけると世界の破滅です」

真希菜「マジでかッ!?」

ヒルヴァニック「マジです。唐突すぎますが本当です。そのため世界はあなた達をバグと認識。運命を無視して排除しようとしましたのです」

由香里「排除といいますと…死?」

イオン「俺たちをはじめっから無かったことにして、歪みの元を断とうとしたのか?」

ヒルヴァニック「そのとおりです。ですが…約束された因果律は思いのほか大きかった。あなた達がその年まで生存できたのはその因果律のおかげです。その代価として周囲に排除する意思の力が飛び火してしまいましたが…」

由香里、真希菜、イオン「「「…………」」」

 

 無言になる三人。どうやら思い当たる記憶があるそうだ。

 これにはヒルヴァニックは凛々しい表情の裏で彼らに同情していた。

 

ヒルヴァニック「気に病まないでください…とは図々しいですね。でも、これは言わば災害です。あなた達が責任を負う必要はありませんよ」

由香里「…わかってます。あれはもう過去なので、いまさら掘り返す気はありません」

真希菜「右に同じく同意」

イオン「そうだな。話を続けてくれ」

 

 わかりました、とヒルヴァニックは話を進めた。

 

ヒルヴァニック「あなた達と世界との歪みは日に日に大きくなるにつれ、その被害も大きくなろうとしてました。そこで私たち神々は因果律操作の反動を覚悟に違法である人の運命に直接関与して、あなた達の死期を早めました。もっとも、イオンさんの場合は予想外の反動でありましたが…」

イオン「もしかして、本来はあんな死に方じゃなかったんだな?」

 

 すると、ヒルヴァニックは先ほどまでの凛々しさを捨てるように、叫んだ。

 

ヒルヴァニック「あたりまえです! せいぜい、心臓発作程度で周囲に迷惑かけないレベルだと思ったら、なんで、あんな大災害まで発展するのかこっちが聞きたいくらいですよ! なんで一人の命で大震災レベルなのですか! あとで魂と命を整理するこっちの身にもなれって言うんです!」

真希菜「なぜ逆切れする?」

ヒルヴァニック「あっ、失礼。ごっほんッ。しかし、安心してください。私たち神々が全力で対処しましたので、その災害で死亡者はイオンさん以外無事です。怪我人もいません。今頃、ニュースで奇跡的に被害が少ない災害としてテレビで放送されているはずです」

真希菜「奇跡的といわれても、事実上建造物壊れてるし、私の横でその災害の死亡者がいるんだけど?」

ヒルヴァニック「ヴゥッ!?」

イオン「まぁ、なんにせよ俺のせいで無関係な人まで死なずにすんでよかったよ…被災者の皆さんにもうしわけすぎて謝罪する言葉がみつからないが…」

ヒルヴァニック「…私たちが責任もって日本を復興させますので落ち込まないでください。がんばりましすから、おねがいます良心が痛いです」

 

 容赦のない言葉の棘が胸に刺さり、涙目になるヒルヴァニックは頭を下げる。

 ほんとに頼みましたよ神様、三人は内心呟く。

 数分後、気を取り戻し凛々しい表情で本題に入った。

 

ヒルヴァニック「では、ここからが本題です。世界の為といえ、あなた達を死なしてしまったため、その責任としてあなた達を別の世界に転生させます」

由香里「まってました!」

ヒルヴぁニック「――ですが、王の財宝とか無限の剣製など、あなた達が望む特典はあげません」

真希菜「えぇー!?」

由香里「なんでですか!? 特典ないと死亡フラグいっぱいの世界に生きられませんよ!」

イオン「なにか、わけがあるのか?」

ヒルヴァニック「えぇ、実は今年度から二次作品の転生ものでなく、オリジナル転生シリーズ同様の形式でやることにしたんです」

真希菜「それってスライムに転生した件とかこのすばらしい世界みたいな転生の仕方?」

ヒルヴァニック「そうのとおり。なのでここに記入してください」

 

 すると、頭上より三枚の紙が三人の手にそれぞれ舞い落ちた。

 見ると、紙にはびっしりと項目や空欄が記されていた。

 

真希菜「なにこれ? キャラクターシート?」

ヒルヴァニック「そこに名前や記された質問に記入すれば、あなた達に見合ったステータスやスキル、固有能力と武装が設定されます。装備を増やすまたは成長すれば能力が増えたりチート化することがあるので、自分が憧れる能力と同じのようなものを手に入れることも可能ですよ」

真希菜「ふーん。たしかに、扱い慣れないキャラクターを使うより、自分だけのオリジナル作成して使い慣れていくほうがいいよね」

由香里「はじめっからチート無双するよりおもしろそうですね」

イオン「貰い物の力より、自分で手に入れたほうが人間成長するしな。俺としてはこっちのほうがいい」

 

 三人はヒルヴァニックからもらったペンで、項目に従い空欄を書き埋めていく。

 書き終えると三枚の紙はそれぞれ紫、黄色、赤と光り輝き、光は三人の体を包んだ。

 

 

 

 

 名前:遊月由香里

 種族:人間

 職業:傭兵

 称号;黒衣の紫兎

 固有武装:瞬間展開型収納武装機巧『黒き歯車』(インフィニット・ブラック・ギア)

      頭:黒兎のパーカー 胴体:黒兎のジャケット 靴:黒兎のブーツ

 パラメーター▼

 Power:B Defense:C++(D) Speed:B+(B++) MT:C+ 幸運:B-(B) 

 固有アビリティ▼

 ≪傭兵の鉄則≫≪瞬間判断≫

 装備補正スキル▼

 ≪音波反応レーダー≫≪俊敏強化≫

 戦闘スキル▼

 『バニーバレット』『絶交チェーンソー』『ディアブロ☆ブラスト』『豹式ブレイド』

 『ラビットガトリング』『パープルラビットランチャー』『パープルハルパー』『益荒男アックス』

 『ラビットマシンガン』『UKRナイフ』『絢爛ノ大太刀』『裁判所アハンマー』

 

 

 

 

 名前:鶴巻真希菜

 種族:人間

 職業:格闘家

 称号;激突の拳

 固有武装:双龍の金篭手

 パラメーター▼

Power:A+(A++) Defense:A+(A) Speed:B++(A-) MT:B+ 幸運:C+(B)

 固有アビリティ▼

≪激突≫≪痛覚耐性≫

 装備補正スキル▼

≪気功練丹≫≪金龍の加護≫

 戦闘スキル▼

 『音速拳』『波動掌』『無音脚』

 

 

 

 

 

名前:炎照院イオン

 種族:人間

 職業:剣士

 称号;鋼の器

 固有武装:ハガネノツルギ

      胴体:グレンノマント

 パラメーター▼

Power:A+(S) Defense:A-(A++) Speed:B(A) MT:B 幸運:A(A+)

 固有アビリティ▼

≪鋼の精神≫≪王道≫≪魔法剣士≫

 魔法▼

≪業火≫

 装備補正スキル

≪耐熱≫

 戦闘スキル▼

 『鋼破/斬刃剣』『業火之太刀』

 

 

 

 

 光が収まると三人の姿が少し変わっていた。

 

 由香里の頭部と胴体に兎の耳の形をした黒いパーカーと黒いジャケットが装着され、ベルトには黒いキューブ状のキーホルダー『黒き歯車』が掛かっていた。

 真希菜の両腕には龍と思わせるフィルムの金の篭手が装着されていた。

 そして、イオンの肩には赤いマントがり、右手には金の柄と幅が大きく刃渡り50cmほどのロングソードを持っていた。

 

真希菜「すごい、まるで一から生まれ変わったみたい。それに力も、なんとなく使い方がわかる」

由香里「設定も文句ないほど私に似合ったものですね。気に入りました」

イオン「しかし、身体能力がやけに高くないか?」

ヒルヴァニック「それはおまけです。あなた達のステータスの数値を限界値まで上げときました」

真希菜「いいの?」

ヒルヴァニック「神からの些細なプレゼントです。それと注意しときますが、いかにチートキャラになろうと心と腕前が未熟だと、本物の強者に負けますよ。どこぞの屑転生者みたいに惨めな人生を送らぬよう心身ともに鍛えるように。いいですね?」

由香里、真希菜、イオン「「「はーい」」」

ヒルヴァニック「よろしい。では次に転生する世界を選びましょう」

 

 そう言って、どこから出したのかくじ引きで使う大きい箱を取り出した。

 

ヒルヴァニック「この箱の中から紙を一枚抜いて、その紙に書かれた世界に転生させます。誰が抜きますか?」

イオン「それじゃー俺が…」

由香里「イオンさん。どうかおもしろ楽しい世界を頼みます」

真希菜「緋弾のアリアかフェアリーランサーエフがいい」

 

 そして、イオンが箱から引いた紙に書かれていたのは……

 

イオン「魔法少女リリカルなのは(無印)?」

真希菜「二次小説において古典的な転生先になってしまった」

由香里「せめてvividかinnocentがよかったです。あちらのほうが爽やかで熱い青春ができますし」

 

 と、愚痴を零す二人。

 イオンはもうしわけなさそうな顔で頭を垂らした。

 

ヒルヴァニック「リリカルなのはですか。しかも無印なるとすこし設定を付け加えなくてはいけません」

由香里「それってどういう…」

真希菜「ッ!? 由香里!? イオン!? 自分の体見て!」

 

 大声で叫ぶ真希菜に、イオンと由香里は?マークを浮かべて自分の体を見ると……

 

由香里「ななななななっなんですかこれはー!?」

イオン「俺たち…子供になっている…!?」

 

 小学六年生時代の身体になっていた。

 三人は互いの体を確かめて驚く。

 どうして子供なったのかヒルヴァニックが言うには「無印では主人公が小学生なので」という転生で当たり前の理由だった。

 そして、叫んだ真希菜ももちろん幼女になっている。

 

 小学生とは似つかぬ拳サイズの双玉が実っていたが。

 

由香里「っていうか真希菜さんだけ幼女なのにおっぱいがあるんですか!? バグですか!? バグが発生したんですか!?」

真希菜「…いやいや、私小さいころからこのサイズだったけど…?」

由香里「リアルロリ巨乳がここにいた!? ずるいです! 私は幼稚園児から高校まで平行地平線といわれてきたのに、真希菜さんだけはじめっから富士山ふたつ持っているなんて! しかも、同じ年で富士山からエレベストに進化するなど神は不公平です!」

イオン「その神様が目の前にいるが?」

由香里「………(じー)」

ヒルヴァニック「な、なんですかッ…?」

 

 パニクッていた由香里は、先ほどと打って変わってヒルヴァニックを見つめる。

 その視線の先にあるのは、彼女の白いドレスの上からでも分かる巨大な丸みだった。

 

由香里「恵みをください!」

ヒルヴァニック「すみません。わたし豊満の神ではないので無理です。あと欲しい特典はあげられないと言ったはずですよ」

由香里「だったら吸わせて下さい! そのタプタプの栄養源なら絶対効果があるはずです!」

ヒルヴァニック「嫌ですよ!? そんな破廉恥なことできません!?」

真希菜「おちつけ由香里。聞いているとこっちまで哀しくなる」

由香里「盛っている人にはわからないんですよ!? 盛ってない人の悲しみを!? 一度でもいいから肩こりしたいんです!!」

イオン「だったら素振りとかなにかの重りを背負えば肩こりになるぞ?」

由香里「脳筋はだまってください!!」

 

 イオンの天然ボケに怒鳴る由香里。

 由香里は光がない瞳で、手をわしわしと動かしヒルヴァニックに近づく。その身体から怪しくも殺伐としたオーラが発せられていた。

 

ヒルヴァニック「ひっ!?」

由香里「さぁ、その乳をください。どうせ重くて邪魔なんでしょう? 運動すると左右に揺れて痛いんでしょう? 絞れば軽くなってサイズが小型になりますよ。大丈夫、痛みより快楽のほうが早いです」

真希菜「由香里、そのセリフ大半が変態のセリフだ」

イオン「たかが乳ひとつでこれほどまで狂気に走るとは…。女ってよくわからん」

 

 由香里の殺気にビビる戦女神。

 真希菜とイオンはやれやれと肩をすくめた。

 止めなくていいのか? 嫉妬で暴走した貧乳をどう止めろという?

 

ヒルヴァニック「(こうなれば…)強制転生!!」

 

 貞操の危機にヒルヴァニックは声をあげて叫ぶと、イオン、由香里、真希菜の足元に魔方陣が出現し、陣は巨大な奈落の穴へと化した。

 

イオン「のっわぁ!?」

真希菜「ちょっ、まだ心の整理が――」

由香里「無い乳に恵みをォォォォ」

 

 三人はそのまま底なしの闇へと吸い込まれるように落ちていった(最後まで貧乳の叫びが木霊したが)。

 そして、穴はすぐに塞がり、消えた。

 

ヒルヴぁニック「ふぅ、危うく百合の世界にイカされるところでした……」

 

 額の汗を腕で拭う。同姓に貞操を捨てる気は毛頭ない。むしろ、自分は初恋の人に捧げたい乙女である。叶わぬ恋でも…。

 そんな感情に浸っているとポケットに入れていたスマホが鳴った(銀魂の『バクチ・ダンサー』)。

 

「緊急連絡?」

 

 上司から緊急連絡だった。

 電話に出て数秒後、彼女の表情が一変した。

 

「へっ? 『リリカルなのは』系統世界番号M-371にイレギュラー発生!? 別次元の因子と未知の因子が流失を確認したから念のため、あの三人をリリカルなのはに転生するなって先ほどその世界に転生させたところですよ!?」

 

 驚きの声を上げるヒルヴァニック。

 あと五分連絡が早ければ問題が発生したリリカルなのはの世界に行かせなかったのに…、とタイミングの悪さに悔しがる。

 電話を切ったヒルヴァニックは、先ほど転生させた三人を心配した。

 

「あの三人…大丈夫なんでしょうかぁ…」

 

 

 

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 小鳥の鳴き声が町中に響き朝日が町を照らす。

 そしてここは銀時達が泊まっているフェイトとアルフの住むマンション。

 現在、銀時は左右に千雨とフランに挟まれながら三人ともソファの上でいびきをかきながら気持ちよく寝ていた。隣のソファにはナギとこいし、カーペットにはラグナが同じく寝ている。

 ほかのメンバーはというと銀時たちより早く起きており、ネプテューヌとヤミ、カオス、ライダー、魔理沙は別の部屋に、セイバーはベランダで瞑想、アーチャーと霊夢は冷凍食品を調理して朝食の準備、アルクェイドとチャチャゼロは朝の散歩、一刀と一誠はジョギングに出かけていた。

 

アルフ「フェイト。やっぱり銀時達に手伝ってもらわない? 聞く限りかなり実力ありそうだし、わけを話せば……」

フェイト「ダメだよアルフ。無関係な銀時達を巻き込む訳にはいかないよ」

 

 フェイトとアルフは霊夢とアーチャーに頼まれ朝食の準備。テーブルに食器を並べていた。

 

フェイト「とりあえず、銀時たち起こそう。もうすぐご飯できそうだし」

 

 そう言って、フェイトは銀時側を、アルフはナギとラグナのほうを起こそうとする。

 

フェイト「銀時~フラン~千雨~朝だよー。起きてよー」

アルフ「ほら、ナギもラグナも起きな」

 

 三人の体を揺さぶって起こそうとするも…

 

銀時「後30分~」

フラン「夜になるまで~」

千雨「昼に起きるから~」

ナギ「もう少し寝させてくれ~」

こいし「後4時間~」

ラグナ「ぐがぁ~」

アルフ「どんだけ寝る気なのあんたら!? ラグナにいたっては爆睡してるし!?」

霊夢「あら、まだ起きないのそいつら?」

 

 フェイトが後ろを振り返ると霊夢がやってきた。その後ろには魔理沙、セイバーもいた。

 

霊夢「仕方ないわねー。フェイト、アルフ。紅白マダオズにくっついてるフランとこいしをつれって頂戴」

セイバー「千雨のほうはいいんですか?」

魔理沙「抵抗(レジスト)があるから大丈夫だろ」

 

 何をする気? と、首を傾げるフェイトを他所に霊夢はリビングに結界を張った。同時にセイバーは不可視の剣を、魔理沙は八卦炉を取り出し、魔力を込める。結界を張り終えた霊夢も札や陰陽玉を周囲に展開する。

 これを見たフェイトとアルフは直感した。

 これはやばい。

 急いでフランとこいしを銀時とナギから引き剥がし、二人を連れてリビングから離れた。

 数秒後……

 

 

ドッゴーン!!!!

 

 

銀時、千雨、ナギ、ラグナ「「「「ぎゃっぁぁぁぁあああああああああ!?!?!?」」」」

 

 

 

 リビングから轟音と四人の悲鳴が廊下から木霊した。

 フェイトとアルフは一旦リビングに戻るとリビングは黒焦げのボロボロ。中央にはこれもアフロ状態になった黒こげのズタボロの四つの死体(死んでない)が横たわっていた。

 で、この現状をした張本人たちは、何食わない顔でアーチャーがいるキッチンで朝食の準備をしていたという。

 

フェイト「…四人とも、ごめんね」

 

 苦笑するアルフの隣で、フェイトは手を合わして死体(笑)に謝罪した。

 なお、フランとこいしは連れて行く際起きて、今は洗面所で顔を洗っていた。

 

一誠「おいおい、リビングめちゃくちゃだぞ。一体何があったんだ?」

一刀「どうせ銀さんたちがまた何かしたんだろう。まぁ、後でアーチャーに直してもらえばいいけど」

フェイト「あれ、一誠に一刀? いつの間に?」

一刀「さっき帰ってきたところ」

 

 隣にジョギングに出かけていた一刀と一誠がいた。

 

 

 

 

 ――見知らぬ三人の子供を連れて。

 

アルフ「…一刀、一誠。そこにいる子たち…誰?」

由香里「はじめまして、遊月由香里です」

真希ナ「鶴巻真希奈だよ」

イオン「炎照院イオンだ」

 

 そう。この三人はヒルヴァニックに転生させてもらった転生者だった(剣とマント、篭手は亜空間に収納している)。

 なぜ、彼らが一刀と一誠にいるのだろうか?

 

アルフ「…この子たち、いったいどうしたの?」

一刀、一誠「「ジョギングの最中拾った」」

アルフ「拾ったって!? どうしてジョギングしてたら子供三人家に連れてくることにつながるわけ!?」

フェイト「一体何があったの?」

一刀「説明すると長くなるので回想シーンでどうぞ」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

一刀の回想。

 

 俺たちは近くの川場の道を清清しく走っていた。

 朝日と爽やかな青空と風が心地よかった。

 なによりも薄手の服で汗を流す人妻や女子学生の揺れるおっぱいと露出した胸元や太もも、ピチピチのスパッツで輪郭が露わになったお尻が、異世界だろうと同じであることに俺たちに安心感をくれた。

 

 

 

 

アルフ「ちょいまってぃ!? 純粋にジョギングしてると思ったらなにジョギングしてる女たちを視姦してんのさ!?」

一刀「視姦とは失礼な。俺たちはただ朝にジョギングする奥様とか女子学生の肢体を観てただけだ!」

一誠「そうだそうだ! 薄手の服の下で左右にゆれるおっぱい! 朝の湿った空気で潤う肌! 引き締まった腰や太もも! こんなお得なモーニングコースを食べずにして今日一日を迎えるなんてこどできるわけがないだろう!」

アルフ「警察に突き出すぞ変態義兄弟!!」

フェイト「アルフ、落ち着いて…!?」

真希菜「あのさぁ。変態の口論はどうでもいいから話進めてくれない?」

フェイト「それもそうだね。ねぇ一刀、由香里たちと出会った所だけ説明してくない?」

一刀「わかった…」

 

 

 

 

 すばらしい美を観賞しながら俺たちが走っていると頭上から……

 

由香里、真希菜、イオン『『『そこどいてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?』』』

 

 

 ドッカァァァァァァン!!!

 

 頭上を見上げた瞬間、気づいたときにはなぜか俺たちは三人の下敷きになっていた。

 これが約マッハ2で落下してきた由香里たちとの衝撃的な出会いだった。

 

 

 

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アルフ「衝撃すぎぃぃぃぃぃ!! どうしてガキどもがマッハ2で落下して激突するわけ!? つうかなんであんたら平然と生きてんの!? おかしすぎるでしょうよ!?」

一刀、一誠、イオン「「「鍛えてるから?」」」

由香里、真希菜「「ギャグ補正?」」

アルフ「その答えに私はびっくりだよ!? しかもなんで息ぴったりなの!? もうあたしの中で常識が壊れたわ!?」

フェイト「ア、アルフどうどう…」

 

 非常識すぎる一刀たちにアルフが連続でツッコミを炸裂させた。

 フェイトは息が荒いアルフを宥める。

 

一誠「その後、事情を聞くと、こいつらも俺たち同様この世界に来たみたいでさー何かの縁だし連れてきたんだ。行く所がないみたいだし」

一刀「宿主の許可を取るのが後になったけど、こいつらも一緒に住まわせくれない? 生活費とかは俺たちがバイトとかで何とかするから頼む」

 

 先ほどのボケを無視するように、一刀は真剣な表情でフェイトに言う。

 するとフェイトは「そこまで考えなくていいよ一刀。私は別にかまわないから」と居候が増えるこに問題ない顔で微笑む。その笑みに一刀と一誠は「やだ、この良い子すぎ」と懐柔されかけていた。

 一刀に言うとフェイトは先ほどまで放置されていた由香里たちの方を振り向く。

 

フェイト「由香里に真希菜にイオンだね。私、フェイト・テレサロッテ。こっちがアルフ。よろしくね」

由香里「はい、こちらこそ厄介になります(フェイトちゃんとの友達フラグゲット!)」

 

 由香里たちと自己紹介するフェイト。

 由香里は心の中でガッツポーズをした。

 そんな時、

 

銀時「イテテテテテ…霊夢の野郎~! 起こすのに弾幕使うか普通ぅ?」

ナギ「危うく永眠するところだったぜ」

千雨「一般人のあたしに弾幕どころか宝具使うってどういう神経してるんだあいつら…」

ラグナ「たっく、おかげで俺まで巻き添えじゃねぇかぁ」

 

 背後でズタボロのアフロになっていた銀時たちがむっくりと起き上がった(髪型は戻っている)。

 

銀時「オイ、アルフ。なに息を荒くしてるんだ? 発情期か?」

アルフ「違う。ただ、変態どものツッコミに疲れただけ…」

 

 ハァハァ、と息が荒いアルフに銀時はボケるが、一刀と一誠のボケに体力を消耗したため声にメリハリがなかった。

 そんな他所に、転生組みは銀時たちの姿をみて内心驚いていた。

 

由香里(リリカルなのは世界に恋姫とハイスクールD×Dの主人公がいたことに驚きましたが、まさか銀魂とか他の作品の登場人物が出てくるとは驚きを超えてびっくり仰天です)

真希菜(こんだけいろんなキャラがいるってことは、たぶんこの世界はクロスオーバーの世界だねきっと)

イオン(漫画やゲームに乏しいが、この世界にいるだけでなんだかおもしろい予感がしてたまらないなー)

 

 新たな人生にわくわくする転生者たち。

 その後、由香里、真希菜、イオンは銀時らに自己紹介し、新しい居候を加えて朝食にありつけた。

 

 

 

 

 

 朝食を食べてる最中にフェイトは話しを切り出した。

 

ラグナ「二人で出掛ける?」

フェイト「うん。ちょっと探し物を…」

銀時「探し物ねぇ…」

 

 銀時は顎に手を当てて考えた。フェイトとアルフは今牛乳を飲んでいる。

 

銀時「もしかしてドラゴ○ボールみたいな願いが叶う玉的なものか?」

フェイト、アルフ「「ブーッ!!?」」

 

 銀時が冗談で出した答えを聞きフェイトとアルフは盛大に牛乳を吹いた。

 原作知識がある一刀と千雨、由香里、真希菜も、口に含んだオカズを噴出すところだった。

 

銀時「えっ? その反応当たり!? えっ? 俺当てちゃった!?」

ネプテューヌ「すごいよ銀さん!」

一誠「まぐれで当てたの?」

魔理沙「霊夢みたいな直感があるんじゃないか?」

霊夢「銀時の場合、むしろ本能じゃないかしら?」

由香里(ありそうですね…)

真希菜(博麗の巫女の未来予知レベルの直感同様の本能とは…坂田銀時、おそろしい人…)

イオン(さすが、侍だな…あこがれる)

 

 フェイトはタオルで吹いてしまったものを拭いている。

 

ラグナ「でも、マジであんのか? そんな都合のいいもん?」

フェイト「銀時が言ってるのとは違うと思うけどね。私たちが探してるのはジュエルシードって言うんだ」

銀時「ジュエルミート?」

フラン「十円シール?」

こいし「ジュエルシールド?」

ネプテューヌ「ジュース?」

ナギ「樹液?」

魔理沙「獣医さん?」

カオス「じゅげむじゅげむごこうのすりきれぇ~」

フェイト「ミートでも十円のシールでもシールドじゃないよ。あと、後半ジュしかあってない」

 

 フェイトは苦笑いしながら、7人にツッコミを入れる。

 

アーチャー「それで、そのジュエルシードを何故集めるているんだ?」

 

 疑問に思ったアーチャーがフェイトに聞くと……

 

フェイト「わからない」

霊夢「わからないって、アンタが集めてるんでしょ?」

フェイト「母さんから集める様に言われたから……」

 

 フェイトがそう言った瞬間、アルフは険しい顔をした。

 銀時とナギとラグナと霊夢などは何かあると思い、原作知識ある者たちは口を閉ざしているが内心複雑になる。

 

フェイト「何に使うかも知らないんだ」

銀時「何に使うかも知らない……ねぇ」

 

 フェイトの表情から事情があることが銀時の目でも分かる。

 銀時はため息を吐いて言う。

 

銀時「ジョエルシードだったな。なら、それを集めるの手伝うぞ?」

フェイト「え!?」

銀時「俺は万事屋だ。それに、衣食住付けてもらってる礼もあるしな」

ラグナ「俺もだ。借りを借りたままにしねぇよ」

一誠「美少女の願いなら、何だってやるぜ!」

ネプテューヌ「友達のために人肌縫いであげるのが友達ってもんだい♪」

フェイト「でも……ジュエルシードは危険な物なんだよ?」

ナギ「なら、尚更だな。テメェみたいなガキにそんな危ねぇもん集めさせるっかよ」

一刀「危険なトラブルは日常茶飯事で慣れるから任せて」

霊夢「えぇ、私達も手伝うわ」

イオン「新入りだが、俺たちも手伝うぞ」

 

 銀時に続く様に、ラグナたちもも言う。転生組みも原作云々抜きで、純粋にフェイトを助けてやりたいと心から思った。

 フェイトは彼らの言葉を聞いて戸惑うが……

 

アルフ「フェイト、手伝ってもらおうよ」

フェイト「……うん」

 

フェイトはアルフからも言われて、頷いた。

 

フェイト「でも、無理はしないでね?」

銀時「それはこっちからも言えるセリフだお前もあんま無理すんじゃねぇぞ?」

フェイト「……わかった」

 

 銀時の言葉に、フェイトは頷いた。

 両者とも、無理をしないと言う理由で納得した様だ。

 そんな二人に由香里が……

 

由香里「――銀フェイは銀と金の鎮魂歌(レクイエム)!!」

イオン「どうしたんだ由香里? いきなり大声で叫んで?」

真希菜「頭のネジが三本ほど吹っ飛んだ?」

由香里「違いますよ。なんでかどこから電波が着信したので……――」

 

フラン、ライダー「「……(*⌒∇⌒)」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 気配を感じ、気配のあるほうを見るとフランとライダーが素敵な笑みをして由香里を見つめていた。

 背後に「これ以上のフラグはいらん!」という威圧を発して。

 

由香里「なななななななんでもありません! ただの戯言です!!otz」

フラン、ライダー「「それでよし♪」」

千雨「ハァァァ。銀八、おまえも一刀みたいにフラグ建設すんなよなぉ…」

銀時「えっ? 千雨さん、どういう意味それ??」

 

 鈍感な天パに、一刀、一誠、ラグナは同情し、千雨たちは深くため息を吐いた。

 フェイトとアルフはただ苦笑するだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 朝食の最中、アルフがあることに気づいた。

 

アルフ「ところでさー、アルクェイドとチャチャゼロは?」

ヤミ「そういえばまだ、散歩から帰ってきてませんね」

霊夢「どうせ、どっかで道草してるんじゃないの?」

銀時「ま、あいつらを心配するは無駄だし、あいつらの分の朝飯食べとくか」

 

 

 と、銀時たちが一人+一体をあまり心配していない頃、とある公園では……

 

 

 

 

 

 

屑転生者たち「「「「ぎぃっやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」」」」

 

 

 結界が張られた公園で、由香里たちと違う形で転生した子供の皮を被った屑共が絶叫しながら殺されていく。

 あるものは腕を引き裂かれ、あるものはバラバラに切断され、あるものはミンチになるまで踏み潰される。

 一方的な殺人だった。

 昼には遊ぶ子供たちで賑わう公園のグランドは彼らの血肉で真っ赤に染まっていた。

 

屑転生者1「そ、そんな…せっかくチート特典をもつ俺たちが全滅寸前だと…!?」

屑転生者2「オリ主である俺たちが、たかが二人相手に負けるなんて…!?」

屑転生者3「あっはははは…悪夢だ…これは悪い夢だ…絶対にそうだ…」

屑転生者4「し、死にたくない!? 死にたくないよォォォォ!?」

屑転生者5「リセット!? 誰かリセットしてれぇぇぇぇ!!」

屑転生者6「おちつけお前ら!?」

屑転生者7「くっそ! テメェら! なんの権利があって俺たちを殺すんだよ!」

 

 グロすぎる目の前の現実に、あるものはおびえ、あるものは発狂し、あるものは現実逃避する。

 その中で独善的な屑転生者7がこの殺人現場の元凶に叫ぶ。

 血肉のカーペットの中心で立つ二体の殺人機械(キル・ドール)がいた。

 

「権利はあるわ。星はあなたたちを病原菌として認識した。それもばっちいすっぎる膿みたいなバイ菌。ならば星の使徒である私が星のため、あなたたちを処分する。殺す理由はそれだけ十分よ」

屑転生者7「ふざけん! 俺たちは選ばれた主人公だ! おまえらみたいな死ぬ覚悟のないやつに負けるわk――」

 

シュッパパパパパパパパ!!!!

 

 ――彼は自分勝手な道徳を論じることはできなかった。

 気づいたときには眼前の自身の胴体と手などの体のパーツが真っ赤な血の池に落ちていた。彼の意識はそこで途切れ、ただの肉塊となる。

 

「主張ハ自由ダガ、ドンナニ常識的ナコトヲ吼エテモテメェラガ登場人物トシテノ資格ガナイノハ確カダゼモブキャラサンヨ。ケケケケケ♪」

屑転生者たち「「「「「ひぃぃぃ!?」」」」」

 

 巨大な双剣を屑の血で汚して、殺戮人形は笑う。

 その横で金髪の星の傀儡は冷徹な瞳で手に付いた血を振り払う。

 片や殺しを愉しむように、片や汚物を片付けるように次の獲物を狙いつける。

 生き残りは死の恐怖に心を折られ、命乞いをするも物語の掃除屋はゆっくりと彼らに近づく。

 

「痛ミアアタエネェ。ソレ以前ニ、テメェラ人間失格者ニ人トシテノ苦痛ヲ与エルホドノ価値ハネェヨ」

「恨むなら自身の蛮行と運命を恨みなさい。それでも、幸せな人生を求めるなら来世で楽しみなさい――うんじゃ、アーメン」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

ニュースキャスター『次のニュースです。今日の明朝8時ごろ、兼公園で数十人の児童が体をバラバラにされた死体を近隣の住民が発見しました。警視庁は殺害の手口から犯人は猟奇的殺人鬼として睨んでおり――』

 

一誠「ひでぇことしやがる」

霊夢「どの世界も物騒ねぇー」」

ヤミ「時間からしてまだ町に潜伏してるかもしれません。新八たちを探すとき注意しなくては…」

ネプテューヌ「でも、どんな人なんだろうね犯人?」

セイバー「きっと血も涙もない愉快犯でしょう。殺害からして殺しが生きがいというどっかの聖処女の将軍みたいな殺人鬼だと思います」

アルクェイド「たっだいまー♪(* ̄▽ ̄*)ノ」

ヤミ「おかえりなさい」

チャチャゼロ「俺タチ朝飯ハ?」

霊夢「もう、食ったわ。あんたたち帰ってくるの遅いし」

アルクェイド「そんな~(;△;)」

アーチャー「安心しろ。こんなことだろうと思って残しておいた」ドッサ

アルクェイド「さっすがアーチャー! よっ、一家の一台ほしい家政婦さん♪」

チャチャゼロ「ケケケケケ、伊達ニ家政婦ノサーヴァントヲヤッテナイゼ」

アーチャー「フッ、誰が家政婦の英霊だ、この殺戮人形に吸血鬼めが」

 

 

 

 

つづく

 


 
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