No.841720

ポケットモンスター トライメモリーズ 第21話

フウイさん

ラカイに視点がうつり、そして本来この時点ではでてこないポケモンが出ます。

2016-04-10 15:46:21 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:496   閲覧ユーザー数:496

第21話 災いと救い

 

「え、解決された?」

「はい、その事件なら旅のトレーナーが解決させましたよ」

 

カイナシティに到着したラカイは以前起こったカイナ造船所襲撃事件の情報を集めていた。

彼女が到着したときにはすでに解決していたというその事件はとあるポケモントレーナーがアクア団を追い払った事により解決したものらしい。

 

「多分、クウヤあたりの可能性が高いわね」

 

とりあえずは急ぐたびでもないのでカイナシティの観光を楽しもうと思ったラカイであった。

手元には3つのモンスターボール。

ここらで一匹仲間を増やしたいと思っていたのだ。

 

「まずちょっとだけ110番道路のほうに出てみましょうよ」

「まーくろぅ!」

「がっさ!」

 

ヌマクローとキノガッサが彼女の言葉にうなずいた。

ポワルンはボールの中ですっかり眠ってしまっている。

それに苦笑いしつつもポケモンゲットに飛び出すラカイ一行であった。

 

 

「どういうこと?

さっきからトレーナーとしかあたってないし、野生ポケモンの影も見当たらないんだけど」

「まく?」

 

110番道路を数十分まわってみたが今のところ野生のポケモンが見当たらない。

何人かポケモントレーナーと戦ってはみたがここで見つかるポケモンはみんなそのトレーナー達が使うものばかりだ。

 

「なにかあるの、この辺に」

「ま、まっくぅ!まくろーっ!!」

「どうしたのラグジー!?」

 

彼女の目の前に現れたのは白い体毛と黒い角を持つポケモンだった。

 

「!?」

 

図鑑で見てそのポケモンは「アブソル」という名前である事が判明した。

 

「あなた・・・どうしたの、その怪我?」

「ぐるるるるる・・・」

 

確かにアブソルは体中を怪我していた。

特に左目の下の傷は深いようにも見える。

警戒するアブソルにラカイは大丈夫と促し少しずつ近寄っていく。

 

「がうぅっ」

「怖がらなくてもいいよ、私はあなたを助けたいの」

「ぐぅ・・・」

「・・・・・その傷をつけたのは・・・人間、なのよね?

もしもそうならあなたが私を怖がる理由もわかるよ。

私だって結局人間であることにはなにも変わらないもの。」

「・・・」

「あなたに信じてもらいたいなんて贅沢なのは分かってるわ。

でも、それでも私はあなたを助けたい。

だから怪我の治療だけでもさせてほしいの!」

 

アブソルは彼女の説得に応じたのかラカイのほうに少しずつ歩み寄る。

しかし・・・

 

「ちょいと待ちな」

 

「!?」

 

現れたのはゴロ-ニャをつれたごろつきだ。

アブソルはその男を見て低く唸る。

 

 

「あんた、何者?」

「貴様のような小娘に構うほど俺は暇じゃない。

それよりそのアブソルから離れて貰おう」

「ろくでもなさそーなおっさんね・・・あんたみたいな意味不明な不審人物にアブソルは渡さないわよ!」

「生意気な口を・・・二度と動けぬようにしてくれる、ゴローニャころがるだ」

「ラグジー、じしん!」

 

ころがってきたゴローニャの動きをじしんで鈍らせみずのはどうで吹き飛ばし戦闘不能に追い込む。

 

「なに、ゴローニャが!?」

「さぁどうするつもり?」

「っこのやろおおおおおおおおおおおお!」

 

きれて殴りかかってきたごろつきだったが・・・

 

「せいっ!!」

「うごほぉ!」

 

咄嗟に落ちてた鉄パイプを拾い上げそれを脳天めがけて振り下ろした事によりごろつきはあっけなく気絶した。

ラカイはこれでも剣道の有段者だったのだ。

 

「さてと、アブソルおいで。」

「・・・」

 

目を丸くしつつも彼女に近寄り崩れ落ちる。

一瞬あわてるが眠ってるだけだと分かり傷薬を使って回復させていく。

本当はポケモンセンターまで引き返したいのだがカイナシティとはだいぶ離れてしまい次の町キンセツシティとも距離があった。

 

「・・・大丈夫」

 

徐々に体中の傷は癒えていったが目の下の深い傷は塞がりはしたが後がはっきりと残ってしまった。

 

「・・・」

「ぶるる」

「あ、気がついた?

でもまだ動かないほうがいいわよ、体力はまだ戻ってないんだもの」

 

アブソルは彼女の空ボールをじっと見た。

それに気付きラカイはボールを見せる。

 

「ああこれはね、最後の手段として一度あなたをボールに入れてポケモンセンターへつれていこうとも思っちゃった」

「・・・」

「あいつがあなたを傷つけたのね」

「ぶるるる」

 

肯定するようにアブソルは鳴く。

 

「・・・ねぇアブソル。

このままほっといたらあいつはまたあなたを狙うかもしれない。

変な話になっちゃってるかもしれないけど私とこない?」

「!」

「強制じゃないけど、どうかな」

 

アブソルは少し考えた後、ラカイが持っていたボールに自分から入っていった。

それを見てラカイは微笑む。

 

「・・・今日からよろしくね」

 

彼女の仲間がまた一匹増えた。

 


 
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