No.83927

真・恋姫†無双~舞龍伝~第四章

cielo spadaさん

短いですがすみません

今回で一旦蜀√終わります
次はどの√でしょうか
第四章始まります

2009-07-12 19:27:47 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2538   閲覧ユーザー数:2070

その頃―――

 

天和を無事街に連れ帰ってきた

 

天和は旅をしながら、歌ってまわる旅芸人だった

 

頌明は歩けるようになった天和と門のところでまたいつか会おうと約束して別れた

 

そして、街に少し入ったところでオロオロとしている桃香をみつけた

 

「おーい!桃香ー」

 

「えっ、あっご主人様!」

 

「こんなところで何してるんだ?」

 

「なにって言われても・・・」

 

そこで頌明の頬に血が付いてるのに気がついた

 

「ご主人様!!?」

 

いきなりの大声に驚くが、しまったというような顔をした

 

「どうしたんです!?その血は!」

 

「え~と、それは・・」

 

などと話していると愛紗と引き連れた兵たちが帰ってきた

 

「「ご主人様(お兄ちゃん)!?」」

 

「よう、おかえり」

 

「よう、おかえりなどではありません!!一体今までどこをほっつき歩いてたんですか!

気がつくといなくなってて店の雑務をやらされ、盗賊が近くに現れたので制圧に行くことになっても帰っていらっしゃらないで!!!」

 

今までため込んだ愛紗の怒りが爆発する

 

「えっ、どこに行ってたかと言われても、ただお金を稼ぎに行ってただけで・・・(やば、すっかり忘れてた、盗賊の討伐?見られたかな)」

 

「ならいったいどこまで「待って愛紗ちゃん!」はい」

 

「ご主人様、お金を稼ぎにいってたならどうして頬に返り血がついてたの?説明して!」

 

「返り血?桃香様それは本当ですか」

 

「うん、本当だよ。さっきふらっと帰ってきて、そしたら頬に血が付いてたの」

 

「まさか、人からお金を・・・」

 

「違う、違うって!」

 

「何が違うのですか!私たちが納得いけるように説明してください!!」

 

「はぁ、わかったよ」

 

頌明は諦めて、最初は天界の筆記用具を売りに行って、そのあと盗賊たちをやっつけに行ったことすべてを話した。けど、天和のことは黙っておいた。ややこしくなりそうだったからね

 

「ご主人様、疑ってごめんなさい」

 

「いいよ、桃香、俺も悪かったし」

 

「それにしても、あれはご主人様がなされたことだったとは。」

 

「お兄ちゃんすごいのだ!見直したのだ!」

 

「そうだね~、愛紗ちゃんとどっちが強いのかな?」

 

「えっ、俺なんて別に強くな「ご主人様、私と手合わせ願いたい!」でもー」

 

「でもではありません!これは私たちに雑務を押し付けた罰としてお願いします!」

 

「そう言われると断れないな、よしこれから一刻後、街を出て少しの所でやろう」

 

「なぜ今すぐではないのですか」

 

「疲れたから!それに今すぐだと、ここにいる人たちみんな付いてきそうだから」

 

そう言われてあたりを見回すと、義勇兵も町の人もみんな聞いていて、義勇兵のなかには先ほどの光景を作り出した人だとかなんやら言って、すっごく盛り上がっていた

 

一刻後―――

 

町を少し出たところには、さっき程ではないがかなりの人が集まっていた

 

「うーん、かなり集まっちゃったな」

 

「そうだねご主人様」

 

「いいな~愛紗、鈴々もやりたいのだ」

 

「そう駄々をこねるな鈴々」

 

「鈴々もやりたい?なら一緒にかかってきてもいいよ」

 

「「「「「ウォォォォオオオオ!!」」」」」

 

いきなりの余裕宣言に周りにいた人たちは盛り上がる

 

「ご主人様?それはそれは、ずいぶんと余裕じゃありませんか」

 

「いや、愛紗怒らないで」

 

「この関雲長、生まれて初めてこのような侮辱を与えられました。いいでしょう、手加減はするつもりでしたが、本気でまいらせていただきましょう!」

 

「鈴々も怒ったのだ!」

 

そう言い終わると二人からものすごい闘気があふれ出した

 

周りが静かになり、三人は間合いを取って構えた

 

愛紗と鈴々は驚き、そして得体の知れない違和感を感じ取っていた

 

頌明は両手に篭手らしきものを付けてはいるが

 

両手はぶらんと下に下げていた

 

「さあ、おいで!」

 

「鈴々、行くぞ!!」

 

「おうなのだ!!」

 

掛け声とともに二人は駆け出し

 

横一線・切り返し・袈裟切り

 

と嵐のような連撃だが、見る者を魅了する雰囲気を放つ愛紗

 

突き・切上げ・薙ぎ払い

 

と野生の獣のような猛攻だが、見る者を引きつける雰囲気を放つ鈴々

 

怒涛の攻撃を二人は繰り出すが

 

頌明は紙一重でかわしていき、動作の後の一瞬に相手の得物を狙って攻撃する

 

その攻撃は、一撃一撃が手を槍で叩かれたような衝撃が走る

 

「くっ、一撃も当たらないだと?」

 

「おとなしく当たれなのだ」

 

「いや、当たったら俺死んじゃうでしょ!」

 

しばらく攻防を続けると

 

「鈴々あれでいくぞ!!」

 

「おうなのだ!!」

 

と言って頌明から一旦距離を置き二人の息を合わせると

 

「ハアァァァァァ!!」

 

「うりゃーーー!!!」

 

二人同時に突撃してきた

 

頌明も先ほどのようによけるが

 

スピード、きれ、パワーのどれもがけた違いだった

 

そうしてついに

 

「そこだっ!ハァァァァ!!」

 

「くらえー!うりゃぁぁー!」

 

頌明以外の者がきまったと思った が、

 

「(仕方無い)ヴァロン」

 

ブゥオンッ

ヒュィンッ

 

ガキィィィィィン

 

「「「「なにっ」」」」

 

頌明以外のみんなは目を丸く見開いていた

 

それもそのはず、さっきまで何も持っていなかった頌明の手には一振りの刀が握られていた

 

「ふぅ、愛紗、鈴々今の本気で死んでたぞ!当たってたら!」

 

「なっ、その武器は!!」

 

「えっ、知ってんの?」

 

「はい、初めてお会いしたときにその剣はご主人様をお守りしてて、私も攻められました」

 

「なっ(どういうことだよ、ヴァロン?)」

 

(どうもこうもあるまい、マスターが気を失っていたからな、それとも盗賊どもに身ぐるみを取られた方が良かったかな?マスター?)

 

「(うぅ~減らず口を~!わかったよ、ありがとな!)まあいいか、愛紗、鈴々いくぞ」

 

「愛紗!来るのだ!」

 

「わかっている!!」

 

さっきまでと打って変わり、攻め込んでくる頌明

 

二人も連携して立ち向かうが

 

ヒュゥン、ヒャッ、シュッ・・・・・・・・

 

ガキィン、ガキッ、ガッ・・・・・・・・

 

ブォン、ヒュッ・・・・・・・・・・・・

 

キィン、カッ・・・・・・・・・・・・

 

さっきまでのように避けられ、いなされ、攻め込まれる

 

そしてその衝撃も格段に上がっていた

 

「よく自分の武器をおとさないな、でもそろそろかな?」

 

「くぅっ(なんなんだあの攻撃は、腕まで痺れてる)」

 

「にゃぁ~(もう手の感覚がないのだ)」

 

「辛そうだね~、でもこれで最後だよ・・・奥義」

 

そういい刀を鞘にしまうと、周囲の風が止んだ

 

「鈴々!何かくるぞ!おそらく避けられないだろう、全力で防ぐぞ!!」

 

「愛紗もがんばるのだ!!」

 

「あれっ?ご主人様の鞘に風みたいなのが集まっていく」

 

「(桃香、もしかして見えるのか?ならあの二人も・・・)

 

――――疾風乖離斬――――!!」

 

「「っ!!!」」

 

ガキャャァァァァンッッ

 

ブゥオンッ、ブンブンブンブンッ、ザクッ

 

頌明が抜刀した直後今までで一番大きな音をたてて、青龍偃月刀と蛇矛が飛んで行った

 

「「「「っっ!ウォォォォォォォッ!!!」」」」

 

一瞬の間をおいてギャラリーが騒ぎ始めた

 

「大丈夫か?愛紗?鈴々?」

 

「ご自分でおやりになったくせに」

 

「痛かったのだ~」

 

あのとき、何が起きたのかわからなかった。

 

ご主人様のもとに何かが集まり始め

 

抜刀すると同時に空間を裂きながら何か大きなものが飛んできた

 

大きいけれど研ぎ澄まされ、とてつもなく速かった

 

それを防いだ瞬間、今までなんて比にならないほどの衝撃に襲われた

 

今でも肩からさきの感覚がしびれている

 

「ごめんごめん、久しぶりに使ったから加減が分からなくて」

 

先ほどの強さでも加減されていたらしい

 

「愛紗ちゃ~ん、鈴々ちゃ~ん!大丈夫?」

 

「いえ、全然大丈夫ではありません」

 

「ご主人様~」

 

「イタイ!イタイ、桃香!つねらないで~」

 

そんなやり取りをしつつ町に帰ってきた

 

見ていた人たちは、興奮していて

 

「あれは、龍だった」

 

「いーや、あれは・・・」

 

などと盛り上がっており

 

あっという間に天の御使いだと町じゅうに広まった

 

そのおかげで、

 

「今日はぜひうちの宿にお泊りください」

 

「ご夕飯はぜひうちで」

 

といろんな店から頼まれた

 

そんなわけで今は夕食を摂ってるんだけど・・・

 

「////」

 

「じと~~~~」

 

「はやくなのだ!」

 

愛紗は顔を真っ赤にしてるし

 

桃香は拗ねてじと目で睨んでくるし

 

鈴々からは催促されるし

 

今日一番の大変さだと思う。なぜこうなってるかだってそれは・・・

 

――――半刻前

 

「あれ?愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、食べないの?」

 

「そっ、それは~//」

 

「手がしびれて動かないのだ~」

 

「ブッ!まっ、本気?」

 

「はい//」

 

「え~あれから一刻も経ってるのに?」

 

「そうだ!はい、愛紗あ~ん」

 

「ご主人様!?/////」

 

「だって食べれないんだろ?こうするしかないじゃん」

 

「それはそうですが~/////」

 

「じぃ~~~~~」

 

「お兄ちゃん!鈴々もなのだ!」

 

「じゃあ、あ~ん」

 

「あ~ん、なのだ」

 

「ほら、愛紗も、食べてくれないと俺が困るから、俺を助けると思って」

 

「そうですかなら、あ、あーん」

 

「じぃ~~~~~~~~~~」

 

ってなことがあったんです

 

「桃香~、そんなに拗ねないでくれよ。しょうがないだろ」

 

「いいも~ん、ご主人様は愛紗ちゃんと鈴々ちゃんでいっぱいだもんね~わたしなんかかまってる暇なんかないもんね~」

 

「(どうする?俺?女の子の機嫌を直すには~)」

 

(アリサと同じでいいんじゃないかマスター?)

 

「(ああ、そうか・・・ってヴァロン?出してないのにどうしてだ?)」

 

(さぁ、ワタシにもわからない。ただこの世界は特別なのでは?)

 

「(たしかに、桃香たちも氣が見えてたみたいだし・・・)」

 

「ご主人様~?」

 

「いや、なんでもない。それより桃香ちょっとこっちに」

 

「な~に?」

 

「今度さ、桃香だけにごにょごにょごにょしてあげるからさ」

 

「え~いいのっ!しょ~がないな~今回だけだよ~♪♪」

 

なんて忙しかった一日が終わった

 

数日後―――

 

近くの賊などを討伐して毎日を過ごしていると

 

人々は凱旋した頌明、桃香、愛紗、鈴々達に感謝し、自分達を見捨てた役人達に代わってここを治めて欲しいと四人に願い出た

 

はじめは戸惑った頌明ではあったが、桃香や愛紗や鈴々そして、人々に応えるため県令になることにしたのであった

 

さて、これにて一件落着となりました

 

次回~舞龍伝~第伍章

 

二人目の御使い!?

 

どの√になるのでしょうか

 

戦乱の幕はまだ開いていない

 

どうぞお楽しみに~


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
26
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択