No.837753

艦隊 真・恋姫無双 107話目

いたさん

洛水での争い前編です。

2016-03-17 13:32:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:919   閲覧ユーザー数:854

【 脅迫 の件 】

 

〖 司隷 洛陽付近  洛水 にて 〗

 

 

戦艦棲姫「アッハハハ…………アーッハッハッハッハッ!!」

 

愛宕「……………………!!」

 

ーー

 

戦艦棲姫は、愛宕達を見て愉快そうに嗤う。 あまりにも仕掛けた悪戯が、予想以上に上手く作動し得意気になった幼子のように。

 

愛宕や他の艦娘達も、洛陽を狙う16inch三連装砲の口を見て、艤装の砲塔を力無く下方へ向けた。 しかし、重巡棲姫が油断なく艦隊の動きを注視、砲塔を左右に動かして警戒を続ける。

 

ーー

 

戦艦棲姫「貴様等ガ………待伏セスルナド………分カッテイタ。 アマリニモ……単純……芸ガ無イ。 ソウソウ……支援艦隊モ……知ッテイル。 情報収集………ハ………大事ダカラナ………」

 

龍驤「───白波賊っ!?」

 

戦艦棲姫「………………白波賊? アア………私達ニ尾ヲ振ル……駄犬ノ事カ。 ヨク……働イテイルゾ………クックックッ」

 

那加「ファンを大事にしないアイドルなんてぇ、すぐ落ち目になるんだよ!」

 

天津風「───違うでしょ!? でも、やっぱり洛陽の城の中にも………」

 

ーー

 

戦艦棲姫の言葉に、龍驤が該当する集団の名前を叫ぶ。 那加がボケて天津風が突っ込むが、それはさておき──戦艦棲姫は、それなりの肯定する言葉を出している。

 

つまり、深海棲艦と白波賊は………繋がっていると。

 

そして、白波賊の事を語った戦艦棲姫は、勝ち誇ったように笑顔を向けて、艦娘達を侮辱する言葉を浴びせていく。

 

ーー

 

戦艦棲姫「フッ………貴様達ガ……取ルニ足ラヌ……害虫共ヲ………大事ニスル事……私達ニモ………届イテイル。 ソンナ弱味ヲ……簡単ニ敵ヘト見セルトハ……愚カ。 貴様等ヲ束ネル者ハ……実ニ………無能ダナァ!」

 

龍驤「ウチらが………大人しゅうしてんのに、いい気に………」

 

高雄「て、提督を侮辱するなんて───『待ってぇ!』──愛宕!?」

 

愛宕「駄目、攻撃しちゃ駄目ぇぇぇ!!」

 

龍驤「───う、うっぷぅ!? ウグゥ、ウグゥゥゥッ~!!」

 

高雄「離しなさい! 私達自身が作戦ミスで、敵に制裁を加えられても仕方ないわ! だけど、提督の考えまで汚されるのは、さすがに我慢できない!!」

 

ーー

 

高雄が、一度下げた砲塔を再び上げる直前、振り返った愛宕が腕を伸ばして制止! 驚いて目を丸くする高雄に、愛宕は必死に説得する。

 

因みに、高雄の横に居た龍驤は、愛宕の胸に密着。 兇悪な肉体的精神的ダメージをコンボで喰らい続けているようだ。 

 

ーー

 

愛宕「…………今、動いちゃ駄目! 動けば………あの艤装から、砲撃されて……洛陽の街が………破壊されちゃうのよ!? それに──私達の大事な!!」

 

高雄「─────!」

 

龍驤「ぷ、ぷはぁっ! ───せ、せやかてなぁ! この敵艦は危険や! 早う轟沈せな、ウチらがぁ──」

 

愛宕「駄目ったら駄目ぇっ! ───皆も動かないでぇ!」 

 

山城「愛宕…………」

 

那加「…………」

 

北上「………面倒な事に巻き込まれないんなら……いいよー」

 

大井「北上さんが………そう言うのなら………」

 

ーー

 

しかし、他の艦も攻撃する意思表示を出して来たため、愛宕は両手を広げ大声で艦隊に中止するよう呼掛けた!

 

ーー

 

愛宕「……お願い…………お願いだからぁ……………」

 

扶桑「…………仕方ないわね………旗艦の命令に従いましょう?」

 

天津風「…………ふん! 借りは、ちゃんと返して貰うわよ!」

 

ーー

 

こうして、愛宕達は………抵抗を完全に止めた。

 

艦娘達の動きを監視する重巡棲姫だったが、愛宕達へ成敗は加えなかった。 

 

実質的な危害も無かった事もあったが、戦艦棲姫からの命令も無い。 それに、戦艦棲姫としても、さも面白い芝居を観たと言わんばかりに、上機嫌の顔をしていたからだった。

 

 

◆◇◆

 

【 要求 の件 】

 

〖 洛陽付近  洛水 にて 〗

 

艦娘達が悔しそうに自分達を睨み付ける様子を、実に愉快そうに嗤う。 しかも、それだけで足りないようで、軽い挑発も仕掛けてくる。

 

ーー

 

戦艦棲姫「クックックッ……物分カリガ良クテ………助カル。 …………イヤ………選択肢ガ……無イダケカ………? 何ニシテモ……貴様等ハ………終ワリ……ダ!」

 

高雄「そ、そんな卑怯な事されれば………どうしようもないでしょ!?」

 

戦艦棲姫「卑怯………卑怯……カァ! ハッハッハッハッ!」

 

高雄「───な、何が可笑しいのですかっ!」

 

戦艦棲姫「哀レナモノダ。 ………アレホド分カリヤスイ……弱味ヲ持ツ者方ガ………悪イノニ……何故……貶サレナクテハナラン! 『戦イトハ……非情ダ』ト…………少佐モ……言ッテイタダロウ? クックックッ!」

 

愛宕「……………………」

 

戦艦棲姫「………サテ……貴様等ヲ……壊滅サセル前ニ……ヒトツ問ウ………」

 

天津風「な、何よ! 深海棲艦なんかに………教える事なんかぁ………」

 

戦艦棲姫「教エレバ……助ケテ………ヤロウ………! ソコノ………二隻ノ艦以外ハ………………」

 

那加「愛宕と…………高雄は………駄目なの?」

 

戦艦棲姫「ソウダ………。 ダガ………安心スルノハ……マダ早イ。 気紛レ故、直グニ……気ガ変ワルカモシレン。 返事ハ……早イ方ガ良イ………ゾ…………!」

 

山城「…………アンタが得たい情報って………なんなのよ!?」

ーー

 

戦艦棲姫は、艦娘達を少々からかい気味に話した後、急に真顔になり──ある事を尋ね始めた。 

 

この話は、餌を揺らして情報を得ると同時に、その仲間の絆も壊す離間策でもあるが、戦艦棲姫の飽くなき悲願を叶える手立てでもある。

 

戦艦棲姫──サウスダコタが追い求め、打倒を目指す金剛型戦艦!

 

ーー

 

戦艦棲姫「………『霧島』ダァ! 『霧島』ノ居場所ヲ……教エロッ!」

 

「「「「「「 ──────!!! 』」」」」」」

 

ーー

 

その声は鬼気迫る物を含む、比較的整った戦艦棲姫の白い顔には、狂気が宿りし怨念の炎が揺らぐ。 霧島と過去に何があり、どんな因果で………このような怪物が生まれたか………知りたいと思う艦娘達であった。

 

 

◆◇◆

 

【 復讐の誓い の件 】

 

〖 洛陽付近  洛水 にて 〗

 

愛宕「……………覚えもないわねぇ?」

 

戦艦棲姫「………貴様等ガ……覚エガ無クテモ………私ハ受ケタノダァ!! 貴様等ノ様ナ……鉄屑如キ艦ニ………何故、最新鋭ノ私ガダァアアアッ!!」

 

高雄「──失礼なっ! 自分の弱さを……面識も無い私達の原因するなんてぇ! ただ単に貴女が弱かっただけではないの!?」

 

戦艦棲姫「………私ガカ………? コノ私ガ…………アーッハッハッハッハッ!!」

 

高雄「な、何が……可笑しいのよっ!?」

 

ーー

 

高雄が反論すると、戦艦棲姫の目が丸くなると……高笑いを上げる。 

 

高雄は馬鹿にされたと思い、更に語気を強めて問うと、意外な事を語り出した。 それは───戦艦棲姫自身の正体を示す、過去の出来事!

 

ーー

 

戦艦棲姫「…………前ノ大戦デ………霧島ト合同デ……砲撃ヲ喰ラワセタ……貴様等ガ……ソンナ事ヲ使ウノカ? イヤハヤ………分カラナイ………モノダナ………」

 

高雄「霧島さんと──ですって? 前の大戦で………共同の………?」

 

戦艦棲姫「貴様等モ………私モ………変ワッタ。 ダガ………アノ怨ミ……屈辱……幾星霜経トウガ………忘レル訳ガナイ!!」

 

愛宕「霧島さんと……私達が合同で砲撃………敵艦に当てた………えぇ!?」

 

戦艦棲姫「アノ暗キ闇ヲ切リ裂キ……浴ビセラレタ……サーチライト! 撃チ込マレ……火炎ニ包マレル船体! 味方デアル………艦隊モ……貴様等ニ轟沈、モシクハ……呆ケルダケ! 無様ニ……霧島……貴様等カラ……受ケタ……恥辱!!」

 

愛宕「………………あ、貴女───」

 

高雄「サウス………ダコタ………!?」

 

 

★☆★

 

 

ここで、過去の話をさせて頂くとしよう。

 

提督諸兄も御存知かと思われるが、第三次ソロモン海戦で、霧島がサウスダコタに砲撃を仕掛けた……というのは有名な話。 当時、最新鋭艦であったサウスダコタを、旧型の霧島が集中砲撃を与えてボコボコにした出来事である。

 

そのような理由になったのも、サウスダコタが戦いの真最中に、全電源が落ちた事で動作不良に陥ったり、僚艦であるワシントンが、敵艦と味方艦の位置が把握できず攻撃を中止していたとか、原因は色々とあるようである。

 

ーー

 

『おいっ! 艦内通信は? 無線も駄目か!? こんな戦時中に、何で停電なんかぁ───『発見しましたよ?』───ヒイッ!?』

 

『速度と火力………ふふっ、夜戦開始よ! 狙い──前方敵艦! 全門、斉射ー!!』

 

『────グワァッ!? て、敵艦は…………霧島!? い、いや──霧島だけじゃねぇ………艦影が複数!?!?』

 

『───喰らいなさい!』

 

『馬鹿め…と言って差し上げますわ!』

 

『Don't fuck with me!(ざけんなぁ!)…………貴様等ぁあああっ!!』

 

ーー

 

そんな獅子奮迅の活躍を見せた霧島も、僚艦ワシントンの反撃により大破、その後………自沈。 

 

霧島に付いていた艦も、この海戦では生き延びたもの……後に潜水艦で撃沈されたり、他国で処分されたりと──サウスダコタ自身の手で引導を渡す事無く………世を去る。

 

大破までいかなかったサウスダコタは、結局生き延び……ワシントンと共に逃れた。 その後の騒動は……此処で語る事も無いだろう。 

 

だが、身体こそ修理で癒えたが、あの時の恐怖、絶望を味わい、彼女なりに心へ深い傷を負う事になった。 

 

そして、数年の後……大戦が終わる。

 

ーー

 

『私に………こんな侮辱を与え、自分は自沈しただとぉ!? 他の艦共も……居ない!? これ程、侮辱を与えて負け逃げなんて……許されるかぁ……!!』

 

ーー

 

暇になったサウスダコタの元にも、敵国の情報が入り、自分を砲撃した艦を確認できた。 『霧島』『愛宕』『高雄』………だが、どの名の艦も……今は───全て居ない。

 

サウスダコタに頭に横切るのは、ワシントンに引っ張られて撤退する時に観た、霧島の嗤い顔。 あの嗤いが………当時、どう意味かは解らなかった。 

 

だが、もしかしたら………この事を既に予見していたのかと思うと、怖さと同時に歯噛みする! 

 

そして、此処から、サウスダコタが霧島達を追う起点になったのだ。

 

ーー

 

もし、霧島に問えば……

 

『ああ……アレですか? 悔しかったので嗤ってみたんです。 ちょっとした意趣返しです………ね。 相手が深く考えれば、ドツボに嵌まってくれればいいかな的みたいな。 はい、所謂(いわゆる)《孔明の罠》ですよ』

 

と、にこやかに語る程度の……悪足掻きだったのだが。

 

ちなみに、ドツボの意味は野壺。 俗に言う肥溜である。

 

……………だが、『艦隊の頭脳』と言われる(自称)霧島の策は、あまりにも効果が効きすぎた。 相手は『艦隊の疫病神』と言われる艦!

 

まさか───ここまで効果があったとは、予想外だった!!

 

ーー

 

『…………I'll be sure to get his revenge! Iro wait!! (必ず復讐してやるっ! 待っていろぉ!!)』

 

ーー

 

───彼女は、後に役目を終え解体されたが、その船霊だけは残り、艦娘になることも、深海棲艦に堕ちることも許否し、宙を漂う選択を取る。

 

そして……………彼女は探した。 サウスダコタとして矜持、復讐の念が消えぬ限り………探し続けた。 居ない、居ない、居ない! 何度も繰り返し、落胆に心が折れそうになるが、霧島憎しの一念で立ち上がる!

 

ある時は争い、ある時は取込み、自分の力を強めていく。 自分のプライドを砕き、逆に恐怖を刻み込んだ──霧島達へ復讐の刃を届ける為に!

 

そして、この世界に召喚され───遂に知る霧島の存在。

 

しかし、彼女には器が無い。 戦うだけの武器も無い。 だから、取り合えず自分を招き寄せた召喚主に取り憑いた。 

 

だが、生身の身体に憑依して戦ったが役に立たない。 霧島の影を掴んだが、異性の身体による邪魔な生存本能により、行動が阻害されてしまった。

 

『強固な身体、巨大な艤装、目指すは最強の力を!!』 

 

そう考えたサウスダコタは、金剛達との戦闘で再び身体を失った後……機会を待ち、あれから潜伏。 そして、昨夜……チャンスは訪れた。

 

それが───戦艦棲姫の大破! 

 

サウスダコタは、別の肉体に取り憑き、昨夜の戦いで大破した戦艦棲姫に近付き乗っ取ろうとした。 ニ、三の会話を交えれば──戦艦棲姫は元ワシントンだったと判明。 だが、そんな些細な事は──即座に斬り捨てた。

 

自分を囮にして、霧島を大破させた彼女だ。 サウスダコタにしては、憎しみはあれど感謝も恩など無い。 虫ケラの如く扱い、なんの躊躇もなく身体を乗っ取る。 そして、なに食わぬ顔で深海棲艦側に入り込んで行った。 

 

そして、身体が無い時に取り込んだ『物』を深海棲艦化して服属。 鬼灯率いる深海棲艦勢も、近い内に逆転して己の手足として、動き始めるだろう。

 

どれもこれも、皆───

 

『ソロモン海戦デ………受ケタ屈辱! ───晴ラサズベキカッ!!』

 

自分に対して行った事への───復讐だったのだ。

 

そして、今回の作戦に参加し、敵対する艦隊に近付いた時、戦艦棲姫は歓喜に打ち震えたのだ! 

 

霧島に助力して砲撃していた重巡洋艦『高雄』『愛宕』が居る事を!

 

 

★☆★

 

戦艦棲姫は、愛宕と高雄の言葉と様子に満足気に頷く。

 

愛宕と高雄は………声を出す事を忘れ、昔の敵であるサウスダコタ──いや戦艦棲姫を、黙って見つめるしかなかった!

 

 

 

◆◇◆

 

【 妙手 の件 】

 

〖 洛陽付近  洛水 にて 〗

 

戦艦棲姫「───理由ハ……納得………シタカ? ナラバ……早ク答エヨ!」

 

愛宕「みんなぁ………私達の事は…………いいからぁ………」

 

高雄「………霧島さんも………許してくれる筈です………」

 

ーー

 

戦艦棲姫が、口角を上げながら催促を行う。 人質の効果に疑いを懐いていないのだろう。 必ず、情報を得られると確信している顔だ。

 

愛宕と高雄も覚悟を決めている様子。 自分達が犠牲になれば、洛陽の民も、守りたい者達も………皆が助かると考えている為なのか? 静かに目を閉じ、仲間達からの声を待っている。

 

他の艦娘は、一斉に龍驤へ顔を向けると……頷いて前に出た。 

 

龍驤は気負った風も見せず、ユックリと水面を歩き、前に居る愛宕や高雄を越えて戦艦棲姫の前に立ち、対峙する。 先の話を聞いていたのに、怯えたところは全く無い。 小さい身体を向けて……その返答を答えようとしていた。 

 

ーー

 

戦艦棲姫の要求は、確かに無理難題である。 

 

だが……人質は、洛陽に居る者全員。 戦艦棲姫の昨夜の実力からしても、洛陽に広大な被害を与えるのは間違いないだろう。 

 

直撃で無くても、かなりの被害を与え死傷者を出した。 鍛えた兵士でも被害が出るのに、普通の民だと被害は更に増加する。 電文で連絡すれば、洛陽内に居る艦娘達が動いてくれるが、守る民達の数が多すぎる。

 

この場合───艦娘達が取る行動は決まっている。

 

愛宕、高雄の命を戦艦棲姫に渡し、霧島の居場所を教え、残りの艦娘は残りの仲間達の場所へ向かう。 戦艦棲姫の助けるという意味は……この場所から無事に逃走を許すとの事だろう。 次に会う時は……容赦しないと。

 

だが、ここで策を講じ、霧島の居場所は教えるではなく、洛陽に出張して貰えば、時間が稼げ戦艦棲姫打倒を狙う事も出来る。 あくまで戦艦棲姫が認めればの話だが………条件付きで交渉すれば、上手く話が纏まるかもしれない。

 

 

 

────だが、龍驤はハッキリと言い放った!

 

ーー

 

龍驤「よう………分かったでぇ! せやけどな、ハッキリとウチの答え、聞かせてやるわぁ。 答えはなぁ………一昨日きぃやぁぁやぁっ!!」

 

「「「 ───────!! 」」」

 

龍驤「………ウチらの絆を舐め腐りおって! ええかっ!? そんなんでぇ、仲間を裏切るって思うんのが……大きな間違えやで! 馬鹿も休み休み言え!」

 

ーー

 

龍驤の答えは──『拒否』を明快に関西弁で示す!

 

愛宕と高雄は勿論の事、戦艦棲姫でさえ………その様子に目を丸くする。 

 

しかし、龍驤は自信漫々で話を続けたので、戦艦棲姫の顔が険しくなり、目が吊り上がる! そして、再度問い質すと同時に……16inch三連装砲に発射を促すようを命じた!

 

ーー

 

戦艦棲姫「ホウ…………コノ様子ガ………目ニ入ラナイノカ?」

 

16inch三連装砲「グルルルゥゥゥッ!!」

 

龍驤「んなデカイもん、どおやって目に入れるんや!」

 

戦艦棲姫「…………ボケデ返ストハ………トンダ愚カ者ダ。 ナラバ………大局ヲ見レナカッタ……自分ヲ………恥ジルガイイ………! ヤレェ!!」

 

16inch三連装砲「ガァアアアアッッッ!!」

 

龍驤「へぇへぇ、お好きなようにぃ………っと。 だけど、それを撃つのは、ちいっとばか………遅かったわぁ!!」

 

戦艦棲姫「何ィ───ウッ、ウワァ!?」

 

ーー

 

だが──それでも、龍驤は揺るがない。 それどころか龍驤は、懐より巻物を取り出すと命じる! 重巡棲姫が阻止しようと砲塔を龍驤に向けた!

 

だが、別に艦載機を今から発艦させる訳では無い。 それでは『間に合わない』のだ。 先程まで偵察で空の上に滞空していた艦載機達が、重巡棲姫と戦艦棲姫達に接近し、攻撃を行い行動を阻害して行く!

 

ーー

 

戦艦棲姫「オノレェ! 私ヲ……謀ッタナアァァァ!?」

 

16inch三連装砲「グオッ! グウウゥゥゥ………ガァアアアア!!」

 

重巡棲姫「──────アレハッ!?」

 

ーー

 

戦艦棲姫や重巡棲姫の慌てる様子を見定めた後、龍驤は足下を見てニヤリと笑顔を浮かべる。 この辺りの出来事は、先に飛ばした艦載機達を通して『観察』を行い状況を把握していた。 

 

そう、水路で磯風達と戦闘を開始する───軽巡棲鬼の様子さえも!

 

好機到来と見た龍驤は、愛宕と高雄が此方に来ている事を確認すると、足下に呼び掛けた。 水面下に潜むは『潜水艦』──軽巡棲鬼の追撃から免れ、龍驤の水面下で待機していた──艦娘!

 

ーー

 

龍驤「さぁて、出番やでぇ! 酸素魚雷、発射ぁ!!」

 

イク「んしょっと! いっひひひひ………イクの魚雷攻撃、行きますなのね!」

 

ーー

 

イクが発射した酸素魚雷は三本、其々の敵艦に向かって行く。 

 

酸素魚雷と言えど、航跡は発射した数百㍍範囲なら残る為、白い帯状が水面上に浮かび上がる。 イクの狙い通り、魚雷は敵艦に吸い込まれて行く。

 

艦載機に気を取られていた戦艦棲姫達は、酸素魚雷に気付くのに遅れた! そして、無防備な場所に───酸素魚雷が突き刺さる!

 

 

──────!!!

────────!!!

──────!!!

 

三本の水柱が高く上がり、その威力を思い知らせたのであった!!

 

 

ーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

相変わらず、他のサイトでの小説に嵌り込み、読んでは文書の作成方法を参考にしたり、楽しんでいます。

 

その分、投稿が遅れますが、一週間に一回は何とかしたいと、思っています。

 

 

 


 
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