未来の秋蘭が手にしていたのは、何と未来から持ち出した『時空転送装置』の設計図面だった!!!
一刀はそれを機に未来へ乗り込む驚きの作戦を実行する事を決意する!!!
その為には
逸早い『時空転送装置』の完成が必要だった
六節 ~フューチャー・チャンス・タイムリミット~
于吉「作成はここで行います
お城ですと面積的に不安が残りますから」
于吉は確認の意味を込めて言い、設計図面に目を通す
于吉「主に材料は鉄ですね
鉄を持ってきてください、かなりの量が必要です
鉄の塊でも、鉄屑でも構いません
それと、銅ですね………ゴム関係は私の自前がありますのでそれを使います
出来ればで宜しいのですが、金も多少あると助かります」
蓮華「わかった!!!」
左慈「時間短縮だ、『闇行』を使うから行け」
ズズズズズズズズズズズッ!!!
直ぐ様、『時空転送装置』の作成の為に行動に移しだす一刀達
左慈は『闇行』を出現させ、材料調達の者達を送り込む
左慈「貂蝉、てめーもここに残れ
資格マスターだからな、いた方が効率がいい」
貂蝉「分かったわん
溶接とか高所作業とかある程度ならもってるからん」
貂蝉は親指を立ててニッコリ笑う
一刀「俺も残るよ、少なからず機械の知識はあるから」
この場に残ったのは『時空転送装置』作成チーム
メンバーは華琳・真桜・冥琳・于吉・左慈・貂蝉・一刀・璃々(未来)・秋蘭(未来)
軍師達も最初は手伝いをし、中盤からは作成チームに入る事となる
于吉「……………作り的には然ほど難しいものではありません
ですが、未来⇔過去のプログラミングがかなり難しいです」
華琳「ぷろぐらみんぐ?」
一刀「仕事の手順を精密に記述したもの、それを作成することだよ
設定値とかかな…………未来の言葉だけどね」
一刀は大まかなに説明する
于吉「現場監督は真桜さんにお任せ致します
私は材質の確認と加工等をしますので」
真桜「了解やっ!!!」
華琳「私と冥琳が指示を仰ぐわ」
冥琳「うむ、任されよう」
3人はそれぞれ頷く
…………
………………………
暫くすると、大量の鉄を台車に詰め込んだ春蘭と猪々子・鈴々がやって来た
春蘭「持ってきたぞっ!!!」
鈴々「いーーーっぱい持ってきたのだっ!!!」
猪々子「アニキー!!!これじゃまだ足りないかーー?」
一刀「量からすると十分だ、ありがとう」
于吉「鉄は十分ですね、後は銅と金ですね」
一刀と于吉は鉄の量を見て言う
猪々子「銅はまだ遅くなるって
金も何か分からないけどまだかかるって」
猪々子はざっくりした説明をする
左慈「(もっと事細かな説明が欲しかったんだがな…………まぁ、いいか)」
左慈は心の中で溜め息をつく
于吉「鉄があれば大方の形作りは出来ます
効率を良くする為にもう製造を開始しましょう」
于吉の言葉により、かなり速い段階で『時空転送装置』の製造が開始された
卑弥呼や左慈が鉄を加工し、于吉の白装束による傀儡が製造のスピードアップを行う
そして、真桜と貂蝉・一刀が設計図面を見ながら華琳と冥琳に指示を仰ぐ
一刀「…………複雑な分だけ時間が掛かるが、人数が人数だからなぁ
意外と速く終わりそうだな」
一刀の発言に真桜は首を横に振る
真桜「せやけどな、隊長………ごっつムズいで?
流石は未来の絡繰って感じやわ、半端やないで」
貂蝉「そうねん、ご主人様のいた世界でもこんな緻密な設計図は珍しいわよん」
真桜と貂蝉は眉間に皺を寄せて唸る
一刀「(製造しているのは斬魔か龍天か?
やっぱりこの絡繰人間の戦いの裏には何かがありそうだな………)」
一刀は唸る真桜と貂蝉を余所に考えていた
真桜「形は出来てきたんやけど、金と銅が届かんと巧く作業が進まんなぁ」
貂蝉「こればかりは待つしかないわよん」
一刀「焦らずやろう、失敗したら元も子もない」
真桜「せやなぁ…………」
真桜は小さく溜め息をついた
………………
……………………………
それから数分
金と銅、大量の鉄を取りに行っていた者達全員が戻ってきた
蓮華「一刀!!!これで足りるかしら?」
金や銅の量もかなりの量となっていた
一刀「どうだ?真桜…………」
真桜「これだけあれば何とかなるで!!!」
真桜は量を見てニカッと笑う
華琳「ならば、総員で作成に望みましょう」
華佗「人手は多い方に限るからな」
全員が頷き、武将は現場へ
軍師達は指示を仰ぐ補佐へと廻る
一刀「……………仮に出来たと想定して、この場にいる全員が未来へと行けるのか?」
一刀は貂蝉に聞く
貂蝉「ちょぉーっと待ってねん……」
貂蝉は改めて設計図を見る
貂蝉「…………一応、この大きさの物なら最大10人までなら行ける筈よん?」
一刀は貂蝉の言葉に眉を顰める
一刀「え?たった10人?
行く人数は総勢約50人いるんだぞ?」
貂蝉「大丈夫よん♪それを計算してこの物資の量だからん♪能力値の倍増も計算済み
于吉ちゃんの方にも了承済みよん♪」
貂蝉はグーサインを出して笑う
一刀「……なーんだ、それならそうと早く言って……」
一刀がそこまで言いかけたその時
真桜「あっ!!?アカンっ!!!」
真桜の叫び声が聞こえる
一刀「っ!!!どうした真桜!!?」
一刀は設計図を見てワナワナと震える真桜に呼び掛ける
真桜「アカン……隊長…どないしよ」
一刀「………何があったんだ?」
真桜が口を開く
するととんでもない言葉が
真桜「………重要部分の部品が足りひんのや……」
貂蝉「部品?何のかしらん?」
真桜「于吉はんが作ってくれてる『ぷろぐらむ』とウチらが作ってる『時空転送装置』を繋ぐ部品があらへんのやっ!!!」
一刀「それなら作成すれば………」
一刀が軽い考えで言うと真桜は
真桜「隊長………簡単に言わんといてや………
この部品、『時空転送装置』の中で一番ややこしい作りやで?
正直、ウチでも何日かかるか分からへん……」
一刀「………へ?そんなにか?」
真桜「貂蝉はん、これ見てくださいよ」
真桜は貂蝉にその部品の図面を見せる
貂蝉「………あらん?これはとんでもない代物ねぇ……
一から作るのはこの時代では不可能よん?」
貂蝉も思わず顰めっ面をする
一刀「嘘だろっ!!?」
一刀もその図面を見る
そこには未来でもほぼほぼ聞いた事のない材質の名称が書かれていた
恐らく専門家でないと分からないレベルだ
しかも、形状はパッと見でも分かるほどの難易度が高い複雑な作り
最早、何が何やら分からない程である
一刀「マジかよ…………」
一刀と真桜、貂蝉は残りの管理者を見る
真桜「その物の切削加工だけで数日かかるで?
しかも何の材質か分からへん以上、迂闊に他の物で代用できへん
于吉はんは『ぷろぐらみんぐ』で手一杯やろうし……」
一刀「左慈もかなりキツい状態だ
傀儡を出現させてるから体力の消耗が激しい」
貂蝉「お師匠様と私ははその手の類いはちょっとねぇ…………于吉ちゃん程、詳しくないわん」
3人の会話に沈黙が訪れる
一刀「ここまできて万事休すかよ………」
一刀は苦虫を噛み潰したような表情をして声を絞り出す
真桜「そもそも、何やねん………この訳の分からないややこしい作りは」
真桜は部品の形状にいちゃもんを付けだす
貂蝉「機密情報が漏洩したとしても、簡単に作成出来ないようにでしょうねん……
今の私達のようにね」
貂蝉は腕を組んで答える
一刀「はぁ…………」
一刀は溜め息をついて、再び部品の設計図をまじまじと見る
すると
一刀「………………んん~?
…あれ?この形、どっかで見たことが…………?」
一刀はボソボソと呟く
一刀「何処でだっけかな~………?
最近の筈なんだけどなぁ~………」
一刀は頭に手を添えて考え出す
真桜「??どないしたんや、隊長……?」
貂蝉「ご主人様ん?」
一刀の考える素振りに真桜と貂蝉は首を傾げる
その時、一刀は大きく目を見開き声を荒げる
一刀「っ!!!思い出したっ!!!絡繰人間の心臓だっ!!!」
真桜「な、何がや?」
一刀の声に真桜は驚きながら聞き返す
一刀「この部品の形状、絡繰人間の心臓と同じなんだよ!!!」
真桜「………そうなん?」
貂蝉「…………偶然にしては出来すぎてるような気がするわねん……」
貂蝉は顎に手を添えて頷く
真桜「せやけど……ただの偶然ちゃう?分からへんけど」
真桜は改めて設計図を見る
端から端、隅々まで見てから真桜はニヤリと笑う
真桜「…………隊長の勘、当たりのようやで?」
一刀「え?」
真桜は一刀に設計図を見せて、端の枠外を指差す
そこには小さくこう書かれていた
『※なお、使用不可となった絡繰人間の心臓部を代替としても【時空転送装置】は問題なく起動できる。
ただし、かなり古くなった物を使用すると、機器自体の回路が焼け切れる可能性があるので少なくとも1ヶ月以内の物を使用すること。』
一刀「1ヶ月以内……………」
貂蝉「全部で幾つ必要なのかしらん?」
貂蝉は真桜に聞く
真桜「今ので10人未来にいけるから………ひぃ、ふぅ…みぃ……
8個あれば問題ないですわ
せやけど、さっき戦った絡繰人間達は赤壁の奥底でっせ?」
一刀「いや、まだ残ってるぞ?」
貂蝉「ご主人様達と対峙した9体の絡繰人間がねん♪」
今回の『時空の戦い』以前に戦った絡繰人間は
初期初型:絡繰人間7号
呉の型:絡繰人間8号
蜀の型:絡繰人間9号
魏の型:絡繰人間10号
十の型:絡繰人間11号
魏呉蜀十の型:絡繰人間12号
量産型:絡繰人間369号
量産型:絡繰人間907号
量産型:絡繰人間1580号
量産型:絡繰人間4493号
以上の9体
一刀「流石に一番最初の奴は厳しいとしても、合計8体……ぴったりいるな」
一刀は真桜と貂蝉を見る
真桜「…………やりまっか?」
貂蝉「やるかしらん?」
貂蝉と真桜はニヤリと笑う
一刀「あぁ、やるぞ!!!
異常が生じる前に全部を回収するんだっ!!!」
貂蝉「んじゃあ、皆を呼ぶわよん?」
貂蝉は大声を上げて皆を集合させた
貂蝉の呼び掛けにより、武将・軍師・管理者全員が集まり、事情を説明
愛紗「………つまり、絡繰人間達の心の臓を持ってきて欲しいと?」
一刀「うん、それがないと未来に行けないんだ」
一刀は真剣な表情で言う
左慈「相変わらず、悪運だけは良いみてぇだな…………」
左慈は腕を組んで皮肉混じりに言う
一刀「誉め言葉として預かっておくよ」
一刀も開き直るしかない
雪蓮「まさか死んだ絡繰人間すら道具に利用なるなんてね」
雪蓮は呆れ顔で呟く
華琳「全く…………とことん許せない輩ね」
凪「隊長、それで自分達はその全てを回収して来ればいいのですね?」
一刀「あぁ、全部な
何かしらの支障が来していたら、真桜と于吉が修理するよ」
于吉「お任せ下さい
ですが、プログラミングに思いの外手間取ってしまって『闇行』を使うのは些か厳しい状態です」
蓮華「まぁ、『龍走』をすれば何とかなる」
皆が頷く
一刀「武将達は半分程の人数で回収に回って
後は引き続き作成を………」
半数の武将達は頷くと直ぐ様、『闇行』をして空の彼方へと飛び立って行った
一刀「真桜、少しの間ここは任せていいか?」
真桜「へ?構わへんけど、隊長も行くんか?」
一刀「あぁ、ちょっとな…………」
一刀は神妙な顔つきで『空立』をすると『龍走』で素早く飛び立って行った
真桜「何で隊長まで行く必要があんねん?」
左慈「さぁな………ほら、とっとと再開するぞ」
刻々と未来への路が出来上がる
次回、遂に未来へ赴く…………!!?
……終……
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斬魔の策により、殆んどの戦力を奪われた一刀
だが、未来の秋蘭が奇跡的な偶然により、『龍天城』から持ち出した『時空転送装置』の設計図を持ち出していた
一刀は『時空転送装置』を作成し、未来へ乗り込む前代未聞の作戦を決行する!!!