「言わんこっちゃない!」
TCSによる空力補正を切った途端にツヴァイハンダ―は制御を失い、空中で滅茶苦茶な動きを見せる。
バルフェット少尉は現状での回復不能を判断、グルグル回る空を睨みながら可変シークエンスに突入した。
一気に失速し、錐もみ状態に陥るが折り畳まれた機体の手足はプログラム通りに作動、その身を人型に変える。
少尉はすかさずツヴァイハンダ―の手足を広げてバランスをとる。
大きくなった空気抵抗で回転が弱まったタイミングを見計らって一気各スラスターを吹かして姿勢制御、機体は安定を取り戻す。
人型になればツヴァイハンダ―もカスタムスティレットに過ぎない。
悠々と基地に帰還し着陸した。
帰還したバルフェット少尉がコクピットから降りようとするとツヴァイハンダ―のそばには地上要員に混ざって開発スタッフの姿が見えた。
戦闘機からロボットに変形するフレームアームズなる妄想に取り憑かれて、ボランティア状態で実機制作までこぎつけた正真正銘のバカ集団だ。
さすがに文句の一つも言ってやろうと近づくと彼らは皆、号泣していた。
「ちゃんと変形したよ・・・」
「しかも錐もみからシャキーンって、俺モニターから聞こえたよ・・・」
「よかった、ホント研究続けてて良かった」
唖然としているとバカの親玉、ロバート・ジョンソン開発主任が近よって来て手を握って感謝の言葉を繰り返す。
思わずバルフェット少尉は「夢がかなって良かったですね」と答えると次は手順を改めてこういうパターンにする、また飛んでくれとジョンソン開発主任は満面の笑顔を向けてきた。
男たちの挑戦は始まったばかりだ。
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俺FAの設定を元にしたSSです。
登場する機体は以下になります。
YSA-16XX ツヴァイハンダー
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