No.833554 【さいば】薄いpdfが取り持つ仲【交流】2016-02-26 22:58:05 投稿 / 全8ページ 総閲覧数:683 閲覧ユーザー数:671 |
カオス団アジト。現在、
今日は土曜日。学校が休みなので、サヤエルは自室でのんびりしていた。
「やっほーサヤエル! 遊びに来たぜー!」
「あ、盟子お姉ちゃん!」
「なあ、なんか面白いものないか?」
好奇心の塊のような盟子。
「盟子お姉ちゃん、この部屋のマンガ全部読んじゃったよね? 他にはあんまり……そうだ!」
サヤエルの顔が輝いた。
「おい、勝手にスライムぬいのパソコンいじっていいのか? 見るなって言われてんだろ?」
「見るなって言われるとよけい見たくなっちゃうでしょ?」
サヤエルはいたずらっぽい笑顔を浮かべて、マウスをクリックした。と。
『このPCはロックされています。パスワードを入力してください』
「ほら。諦めようぜ」
「えーい、ハッキングごっこ~!!」
キーボードをでたらめにタイプするサヤエル。と。
『ようこそ、スライムぬいさん』
「パスワード解除されちゃった……」
サヤエルが打った文字列が、偶然にもスライムぬいが設定したパスワードと一致してしまったのだ。
「すげえな! お前、ハッカーの才能あるんじゃないか?」
盟子がサヤエルの頭をワシャワシャとなでる。
「えっへん!」
渾身のドヤ顔を披露するサヤエル。
「せっかくだから、いろいろ見てみようよ!」
サヤエルはずかずかとハードディスクを開いていく。と。
「『リトルtoy戦士』? なんだろこれ?」
フォルダを開くと、画像ファイル名がずらりと表示された。
「これ、みるくちゃんとこのはちゃんのマンガみたい」
リトルTOY戦士の二人を演じているのは、サヤエルのクラスメイト、
「開いてみようぜ」
「なあスライムぬい、昨日発売されたルチアさんの新作はもちろん買ったよな?」
天空ソード&マジックワールドの休憩室で、スライムちょうちんとスライムぬいが雑談していた。
「もちろん! ただ、ファイルのダウンロードと解凍まではやったんだけど、夜も遅かったし眠かったから、そのまま見ずに寝ちゃったんだ」
「あらら。ネタバレするのも野暮だから一言だけ言っとこう。リトルTOY戦士はいいぞ」
「これ……」
「すっごくエッチなマンガだよね……」
二人が見ている画面には、リトルTOY戦士のみるくとこのはが、スライムまみれで抱き合っている画像が表示されていた。
「リトルTOY戦士・スライム百合
トイリアルスティックが暴走し、「本物」になってしまったスライムに襲われてしまったリトルTOY戦士のみるくとこのは。グローブとブーツ以外のスーツをすべて溶かされ、スライムの成分の影響で、女の子同士でHなことを始めてしまう……そんな内容だ。
「……」
「……」
盟子とサヤエルは困ったようにお互い見つめ合った。二人とも、熱でもあるかのように顔が赤い。
しゅるっ。
ぱさっ。
二人は、グローブとブーツ以外は生まれたままの姿になって、唇を重ねあった。
夕方。一日の仕事を終えたスライムぬいが帰宅した。
「ただいま。あー、今日も忙しかったな。でも、目的があると仕事にも張り合いが出……お、盟子、来てたのか」
「こ、こんにちはスライムぬいさん! 今日はお日柄もよく!」
「わたしたち、ちょっとお散歩してくるね! いこ、盟子お姉ちゃん!」
ドタドタと慌てたように部屋を出て行く盟子とサヤエル。
「お、おう。行ってらっしゃい。……しかし二人とも何だか毛皮とか肌が妙につやつやしてたような……気のせいか?」
スライムぬいは気が付かなかったが、姪子とサヤエルの手は、しっかりと恋人つなぎで握られていた。
この日を境に、盟子とサヤエルは、単なる友達以上の強い絆で結ばれたそうな。とっぴんぱらりのぷう。
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