No.833554

【さいば】薄いpdfが取り持つ仲【交流】

サヤエル http://www.tinami.com/view/828690
盟子お姉ちゃん http://www.tinami.com/view/779418
スライムぬいさん http://www.tinami.com/view/827722
スライムちょうちん http://www.tinami.com/view/827807
リトルTOY戦士 http://www.tinami.com/view/796392  

2016-02-26 22:58:05 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:683   閲覧ユーザー数:671

 カオス団アジト。現在、苦蓬(にがよもぎ)サヤエルは、スライムぬいと同室で生活している。

 今日は土曜日。学校が休みなので、サヤエルは自室でのんびりしていた。

「やっほーサヤエル! 遊びに来たぜー!」

「あ、盟子お姉ちゃん!」

 出門盟子(でもんめいこ)がひょっこり顔を出した。彼女は、カオス団の正式な団員ではないが、時々こうして遊びに来ているのだ。

「なあ、なんか面白いものないか?」

 好奇心の塊のような盟子。

「盟子お姉ちゃん、この部屋のマンガ全部読んじゃったよね? 他にはあんまり……そうだ!」

 サヤエルの顔が輝いた。

「おい、勝手にスライムぬいのパソコンいじっていいのか? 見るなって言われてんだろ?」

「見るなって言われるとよけい見たくなっちゃうでしょ?」

 サヤエルはいたずらっぽい笑顔を浮かべて、マウスをクリックした。と。

『このPCはロックされています。パスワードを入力してください』

「ほら。諦めようぜ」

「えーい、ハッキングごっこ~!!」

 キーボードをでたらめにタイプするサヤエル。と。

『ようこそ、スライムぬいさん』

「パスワード解除されちゃった……」

 サヤエルが打った文字列が、偶然にもスライムぬいが設定したパスワードと一致してしまったのだ。

「すげえな! お前、ハッカーの才能あるんじゃないか?」

 盟子がサヤエルの頭をワシャワシャとなでる。

「えっへん!」

 渾身のドヤ顔を披露するサヤエル。

「せっかくだから、いろいろ見てみようよ!」

 サヤエルはずかずかとハードディスクを開いていく。と。

「『リトルtoy戦士』? なんだろこれ?」

 フォルダを開くと、画像ファイル名がずらりと表示された。

「これ、みるくちゃんとこのはちゃんのマンガみたい」

 リトルTOY戦士の二人を演じているのは、サヤエルのクラスメイト、弐輪(にわ)みるくと司馬田(しばた)このはだ。友人の出演作のタイトルを見て、興味を惹かれない訳はなかった。

「開いてみようぜ」

「なあスライムぬい、昨日発売されたルチアさんの新作はもちろん買ったよな?」

 天空ソード&マジックワールドの休憩室で、スライムちょうちんとスライムぬいが雑談していた。

「もちろん! ただ、ファイルのダウンロードと解凍まではやったんだけど、夜も遅かったし眠かったから、そのまま見ずに寝ちゃったんだ」

「あらら。ネタバレするのも野暮だから一言だけ言っとこう。リトルTOY戦士はいいぞ」

「これ……」

「すっごくエッチなマンガだよね……」

 二人が見ている画面には、リトルTOY戦士のみるくとこのはが、スライムまみれで抱き合っている画像が表示されていた。

 「リトルTOY戦士・スライム百合天獄(てんごく)」。それがルチアの新作のタイトルだ。

 トイリアルスティックが暴走し、「本物」になってしまったスライムに襲われてしまったリトルTOY戦士のみるくとこのは。グローブとブーツ以外のスーツをすべて溶かされ、スライムの成分の影響で、女の子同士でHなことを始めてしまう……そんな内容だ。

「……」

「……」

 盟子とサヤエルは困ったようにお互い見つめ合った。二人とも、熱でもあるかのように顔が赤い。

しゅるっ。

ぱさっ。

 二人は、グローブとブーツ以外は生まれたままの姿になって、唇を重ねあった。

 夕方。一日の仕事を終えたスライムぬいが帰宅した。

「ただいま。あー、今日も忙しかったな。でも、目的があると仕事にも張り合いが出……お、盟子、来てたのか」

「こ、こんにちはスライムぬいさん! 今日はお日柄もよく!」

「わたしたち、ちょっとお散歩してくるね! いこ、盟子お姉ちゃん!」

 ドタドタと慌てたように部屋を出て行く盟子とサヤエル。

「お、おう。行ってらっしゃい。……しかし二人とも何だか毛皮とか肌が妙につやつやしてたような……気のせいか?」

 スライムぬいは気が付かなかったが、姪子とサヤエルの手は、しっかりと恋人つなぎで握られていた。

 この日を境に、盟子とサヤエルは、単なる友達以上の強い絆で結ばれたそうな。とっぴんぱらりのぷう。

 


 
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