投票結果1位 拠点√ 凪 友情出演 真桜&沙和
「フッ!ハッ!ヤァ!」
「遅い!攻撃の繋ぎをもう少し早めろ!」
迫りくる凪の連撃、でも、その程度じゃ………
「隙あり!」
攻撃途中の隙を狙って掌打を鳩尾に打ち込む。
「グッ!?」
凪っち~てば派手に吹っ飛び倒れこむ。
「ほい、お終い。まだまだ修行が足らんよ~♪」
俺は倒れている凪に手をさし向ける。
「はっ、はい。ご指導ありがとうございました」
うむ、武術とは礼に始まり礼に終わる。………例え俺が大無礼人間と呼ばれようがw
「いや~、精が出とるな~、二人とも」
「汗だくだくなの、うぅ……匂いが」
失礼な観客だなあ、オイ!
「誰かと思えば、友情出演(出番これだけ)のお二人では無いか。このページでの役目は終わったろ?帰れ帰れ」
「ちょっ!?いくらなんでも酷(ピィ~~~~~~~~~~)」
「そうなの!もう少し沙和達にも出番(ピィ~~~~~~~~~~)」
出番を終えた役者は都合上により、舞台から強制退出されましたw
「あれ?真桜と沙和は?今ここにいませんでした?」
「彼女達二人は、森羅万象の神に消されました。怖いよね」
「はあ………?」
いやいや、恨むなら自分を恨め。同じ三羽烏でも一位と、ビリのワンツーフィニッシュでは待遇が違うんだよ。
……………………え?俺は消されないのかって?当たり前だろ、俺がいなければ話が進まん。
第一、俺の扱いは絶滅危惧種、触るな危険、世界が認める人災…etcだぞ?消されるなら既に消されてる。
「と云う訳で彼女達の屍(死んでないw)を踏み越えて、いざ行こう!」
「どこへですか?」
「……………どこへだろうね」
……………正直暇だ。黄巾党が壊滅した今、俺は退屈と云う最大の敵と闘っている。
「よし!凪、今から俺の言う通りにしてみろよ」
「はあ、分かりました」
「じゃあ、行くぞ~―――――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
「カバディカバディカバディカバディカバディカバディ―――――」
約30分後、
「……………やめよっか」
「……………そうですね」
いかん、暇すぎて脳がやられた。いい年した男女が何やってるのか。
ってか、本当なにしよっか。
「ん~、デートでもするかい、凪?」
「でいと?………でいと、泥賭?」
「何やら不気味な事を考えてないかい?デートとはまあ簡単にいえば、仲の良い男女がキャッキャウフフ(誇張)と遊びに行く事だ。
「仲の良い………男女………遊びに……っ!?私と隊長がですか!?」
「他にいねえべ」
何を言っとるんだ、こいつは。
「しかしっ!私のような無骨者と行っても楽しくなぞ……」
「それはお前が決める事じゃない。俺が決める事だ。それともなんですかい?俺と遊びに行くのが嫌だと?」
「いえ!そのような事は!」
「もしや、最近の噂通り、お前ら三人は恋人同士だという説が事実だとか?」
「ありえません!そもそもその噂については大変迷惑しているんです!」
「大人しそうな娘っ子がキラキラとした眼でお前を見てるもんな」
「一体どこからそのような出鱈目な噂が流れたのか――――」
「俺」
俺はブライアン・ホー○ばりのスウェイをして、凪のハイキックを避けるも凪が鷹○守ばりのステップパンチをして、地面に倒した後、俺の胸元を掴み上げる。
「あ、な、た、という方はぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「ごめんなさい、悪かったと思っております、もうやりません、許して下さい」
「くっ!何て反省していない顔を………そもそも、何故そのような噂を?」
「この前、なっちゃんてば遊んでくれなかったし、暇だったし―――――おぶぁっ!?」
「そのような理由でぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
やめっ!ちょっ!マウントポジションでの打撃って避けようが………あひぃぃぃぃい!!!
「はあ……はあ……兎に角!責任を持って噂を消してください!」
無理だろ~、一度流れた噂を消すなんざどうやったって……
「キッ!」
ひ~!……しょうがない、裏技を使うか、ウム。
「わあったわあった!噂は何とかするから!ったく!お前は上司を何だと……」
「……………何か?」
「何でもないっす!」
女は怖いぜ、特に曹操さんの所のは特に。
「んじゃ、行きますか」
「は?どこにですか?」
「どこにって、だからデート」
「はっ!?本気だったんですか!?」
「当然!ほな、いきまっせ~!」
俺は凪の手を無理やりに取って、街へと駆ける。
―――――――凪とのデート編、突入♪………マジで?(疑惑の目)
「と云う訳で街へとやってきました。さて、何をするか分かっているかい?」
「えっと……………警邏?」
アッタタタタタタタタ!ホワッチャア!(やや誇張)
「いたっ!」
「下らんボケかましてんじゃねえぞ!デートつったろうが!」
「っつ~、………そもそもでーととは何をするものなのですか?」
うむ、大変良い質問だ。凪はその事については無知。………ならば自分の都合のよいように教えるっきゃ無いよね♪
「凪よ、心して聞くがよい。まずな――――――」
「絶好のデート日和だな。そうは思わないかい?なっちゃん♪」
「そ、そうですね………く、くくくく………くーくん♪」
凪は自分の腕と俺の腕を絡ませ、頭を俺の肩に乗せる。はい、どっから見てもパカップルです♪あっざ~す♪
「なっちゃん、どこに行きた~い?」
「く……くーくんの行きたい所でいいよ♪」(赤面)
「そっか~♪可愛い奴だな~、なっちゃんてば♪」
「……あはははは……そう?」(棒読みw)
「そうだとも。それに……………ん?」
凪が顔を真っ赤にして俯き始めた。台詞でも忘れたのか?しゃあない……
俺はすっ、とカンペを凪に渡す。内容はこうだ。
『偶然を装って頬に接吻、大胆に』
「絶対に出来ません!もう限界です!」
「やれや!第一始めたばっかじゃねえか!」
「私には無理です!」
「お前なら出来る!お前は頑張れば出来る子だ!」
「頑張りたくありません!」
「駄目だ!やりなさい!」
人前での痴話喧嘩。うむ、やるな凪!
「大体、何故ここまでやらなければならないのですか!?」
「俺がしてもらいたいからだ!」
「ええっ~~~!?」
「男の夢です!どうかお願いします!」
ジャンピング顔面スライディング土下座は痛いのでジャンピングスパイラル土下座。まるでガメラみたいと現代の子供達に大受けの技だ。需要が少ないので108には入っていないが。
「自信満々に卑屈な態度を!?やめてください、隊長!街の往来ですよ!」
「馬鹿野郎!人前がどうした!誇りだとか威厳だとか、下らない事に拘って本当に大切な事を見失いたくないんだ!男なら……男なら恥も外聞も関係なく女の子とイチャイチャしてえ!そうは思わないか、皆!」
「思いません!大体皆って………ええっ!?街の人達が一同頷き合ってる!?どうして!?」
「なんて、可哀想な御遣い様なんだ………」
「御遣い様の言う通りだ……」
「男として……男として………男としてえぇぇぇぇ一度くらいはあああああ!!!」
「何故こんな馬鹿馬鹿しい事に一同頷き合ってるんですか!?」
はっはっはっ!漢、漢、漢が萌える!命短しイチャイチャせよ漢!ってかあ!
「まさか隊長、最初から皆さんと口裏合わせていたんでは……」
「何を言うか、俺と皆さんなら口裏なんぞ合わせなくても目で会話できるぜ。なあ、皆」
うんうんと一同頷く。いつか武将達を巻き込んでドッキリを考えているんだ。この程度楽勝だぜ♪
「大体、そもそも私と隊長がいくら暇だからといって、でいとをする理由がないじゃないですか!」
「それを言ったら今までの行為が全否定になるだろうが!しゃあない、後何回土下座すればいいんだ?」
「もう少し自分の行動に誇りを持ってください!」
「誇りで夢が買えるか!俺だって美少女とイチャイチャしたいんや~!」
「全く………この人ときたら」
シクシクシクシク……こうなったら恥も外聞もなく(元々持ってないw)駄々っ子のように泣き叫んでも―――――
「分かりましたよ……一度くらいなら―――――」
「おっしゃあああああああああああああ!!!皆聞いたな?言質取ったど~~~~!!!」
「……………早まったかな?」
「てな訳で行くぞコラ!お前ら、散れ!散れい!」
「ひどい!」
「御遣い様!なんて勝手な御方だ!」
「貴方は鬼ですか!?我等は味方ではなかったのですか!?」
あ~、うっとうしいな~。
「え~と、饅雷屋の旦那の所の貸しがこれくらいで……柏屋の貸しが―――――」
「全員撤収~~~~~~~~~~!!!」
『わあああああああああああああああああああ!!!』
全員、蜘蛛の子を散らしたかのように逃げ出す。
「隊長、友達無くしますよ?」
「大丈夫、日常茶飯事だし。それでも人望無くさない俺凄いよな!」
「ある意味凄いですよ、ホント。どうして無くさないのやら……」
「だって友達感覚だし」
「友達……民がですか?」
「うん?それがどうかしたのか?」
「いえ、別に……変わったお方だ」
「まあねん♪」
何故か凪は俺の事を見て笑みを浮かべている。面白い事言った?
「(そんな御方だからこそ私は―――)」
「隊長の事を一人の男性として愛して抱かれたいと思っ―――――めがふれあっ!?」
「人の心を読んだ挙句、さもそんな事を思ってるかのように言わないでください!」
「違うの?」
「違います!」
「嘘だ!」
「本当です!」
「嘘だ!」
「本当です!」
「嘘だったら嘘だ!」
「本当だったら本当です!」
「嘘つくな!」
「本当ですったら!」
「本当だ!」
「嘘です!……………あ」
「いえ~い♪やっぱり俺の事を―――――ぎがふれあっ!?」
「だから、どうして貴方はそんなふざけた事ばかり言うんですか!」
「いっつ~……俺はじっとしてると死んじゃうんだもん」
「どこの回遊魚ですか!?」
「俺の前世はマグロ♪」
「…………………実家に帰らせていただきます」
「どこの末期の夫婦っすか!?待って~、ウチを捨てんといて~!」
「離してください!城に帰るだけです!」
「デートは!?」
「お終いです!そもそもそんな事をする理由が―――――」
ヒック……ウェ……グスッ……ウウッ……(演技w)
「泣き落し!?隊長、貴方と云う方は……」
「嫌だ……なっちゃんとデートしたいもん……」
「今度は幼児化ですか。どんどん趣向を変えてきますね……」
「やだやだやだ~~~―――――てらふれあっ!?何故、顔面を踏む!?」
「もう分かりましたから、とっとと済ませましょう」
「面倒事みたいに言うねえ!?」
「面倒事です!」
「ひどい!凪っちの鬼!」
「誰のせいでこんな面倒事になってると思ってるんですか!」
「凪が可愛いせい」
……………………………
「////」
あ、なんか照れとる。褒められる事に慣れとらんよな、コイツ。
「兎に角!さっさと行きますよ!」
「確かにな……周りの人間、ほぼ全員うんざりしてるもんな」
「……………………………え?」
周りを見渡すと、多くの人がうんざりしたような顔で突っ伏していた。
「どうみても、天下の往来で痴話げんかしているアホな男女だもんな、俺達」
「誰のせいですか!」
「誰のせいだろうね?」
「っ!兎に角行きますよ!」
「はいよ~♪」
二人でその場を去る。皆さんホッとした顔になる。失敬な。
―――――――――まだだ!まだ終わらんよ!
「…………………………………………………………」
「凪さ~ん?ひょっとして怒ってらっしゃいますか?」
「…………………………………………………………」
ひい!本気で怒ってらっしゃる!
「悪かったってば!俺が悪かったと思っております」
「……………………………………………ハァ」
いたたまれねえ~。空気が重いのなんのって。
とりあえず、行動しよう。
『……………………………………………………』
は、話が進まん……あれからいろいろ見てまわっているが、あれから一言も会話がない。
ここは一発俺が場を盛り上げますか!
「隣の家に囲いが出来たってね。格好いい~♪」
「…………………………で?」
「……………隣の家に塀が出来たって……」
「…………………………それが?」
「どうもすいませんでした~~~~!!!」
思いっきり失敗した~!成功するとは欠片も思っておりませんでしたがね!
「もう帰っても良いですか?」
これ以上なく危機的状態だ!!!
「待とうよ!せめてもう少しだけ遊ぼうよ!」
「嫌です」
「嫌ですじゃないよ!このままだと、今後の関係に支障が出る事間違いないよ!」
「そうですか、大変ですね」
「なにゆえに他人事のように!?」
「………あぁ、自分と隊長の事でしたね、アハハハ」
凪が壊れた~!俺のせいか!?俺のせいなのか!?
「ふう、大体私のような女と遊ぶなんて楽しくはないでしょう?」
「あ、なんでよ?」
「私の体を見てください。傷だらけで女性として醜いものでしょう?こんな女性を愛そうとする男性なんていませ―――――」
「――――――お前、馬鹿じゃん?」
「んなっ!?ば、馬鹿ですか?」
「そうだ、大馬鹿者だ。傷だらけ?醜い?……………ハア~?本気で馬鹿だな。俺はお前にデートしたいって言ったんだぞ。俺が嫌いな奴とすると思うか?大体、お前のどこが醜いって言うんだ?」
「いや!ですから、こんな傷だらけの身体が美しい訳が―――」
「ったく!本気で馬鹿だな、俺は外見でどうこういう人間じゃねえよ。俺はお前を醜いとも思わないし、俺はお前がどう云う人間だかを知っている。俺はな、不器用ながらもどんな事でも頑張るお前を本気で美しく愛しいと思う」
「ええっ!?愛おし……ふえぇ!?」
「だから頼むから自分を卑下にしないでくれ。そう言われると俺が悲しくなってくる」
「あ……………あぅ~……」
「これでこの話は終わりだな。今後この話は無しな。聞くだけで馬鹿馬鹿しい事だ」
「…………………………はい!」
なんかよう分からんけど機嫌が良くなってるし。なんで?
「まあ、いいや。凪、仕切り直しで一緒にお茶でもしないか?」
うむ、ここは正攻法で攻めてみよう。どうせ、変則で攻めてみてもロクな結果にはならない。
「………やはり隊長は卑怯ですね」
「なんで!?正々堂々としてみたのになんで!?」
「フフッ、なんででしょうね」
女心って分からねえ~~~。
「行きましょう、隊長。今度は楽しませてくださいね♪」
そう言って凪は俺の手を掴んで駆け出す。
……………まあいっか。凪も嬉しそうだし。
「そうだな、行くか!」
そのまま俺と凪はその日一日を仲良く楽しんだ。
―――――――――――――おまけ
余談ではあるが、三羽烏の睦ましい噂を消すことは困難を極めた。
噂は元を断とうにも俺自身が元であるし、流れてしまったら人々の頭に根付く。
それ故に、消すのは無理かと思われたが俺の斬新な行動によって成功を収めた。
それは三羽烏に関する噂を更にパワーアップして流すという事であるw
当初の目的、最初に流した噂を消すことには成功した。更にすごい噂が流れ始めたが。
当然、後に凪に半殺しにされました。テヘ♪
投票結果2位 拠点√ 華琳
只今、俺はスニーキングミッション中である。
御法度品の裏取引の現場を収めるために奮闘しております。
ただ、普通に隠れてるのは面倒くさいので、(スニーキングを根底から否定するような言葉ですなw)変装をしようと思っております。
「ドレスアァァァァァァァアアアアプッ!!!www」(変身のポーズを決めながらw)
桃色の着物を身に纏い♪魅せるは美しき舞♪天下の舞姫、ここに見参♪
………べ、別に脳なんかやられてないんだからね!
…失礼、兎に角!これぞ108の処世術 NO.9「久遠七変化」(要は女装)、任務で最も使われる技術、その頻度から一桁になった技だ。
更に、NO.12「声帯模写」と同時使用で完璧っすよ♪
髪をF○TEのセイバーの様に纏め、白い下駄を履き、薄い桃色の紅をする。ふっ、完璧だ。
さぁっ~~~て、始めますか♪
―――――で、結果から云うと、成功した。上手く、敵から情報を聞き出し、兵を送った。
男って馬鹿よね~♪鼻の下なんか伸ばして馬鹿みたい♪(なりきってる)
さて、着替えて帰りますか―――――
「………………あら、アナタは?」
華琳さぁぁあああああああああああん!?やっば!見られた!?どうしよう!………いや、まだバレては……
「クスクスクス……ねえ、ちょっといいかしら?」
絶対ばれてるぅぅぅうううううう!!!
しょうがない、ここは正直に――――
「貴女、名前は?」
……………………………は?
「貴方が事件を知らせてくれたのよね?」
「はあ………まあ、そうです」
「礼を言うわ。それに貴女みたいな可愛い娘………好みだし♡」
やっぱばれてねぇぇぇえええええええええええええええ!!!それはそれとして新たな問題が発生しましたああああ!!!
「えっと、名前ですか……名前は……桐絵(トンフイ)です♪」
自分の義母の名前言っちゃった!
「桐絵………変わった名だけど、良い名前ね」
「ど、どうも~♪」
と、とりあえず、このままさっさと帰る―――
「待ちなさい」
掴まれたぁぁぁぁああああ!!!
「貴女、今から暇?」
「えっと……別に暇では」
「暇でしょう?」
「いえ、ですから暇では……」
「暇よね?」
「暇じゃ―――」
「暇に決まっているわ」
「……………………暇です」
「そう、それは都合がいいわ。私についてきなさい」
なんと強引な!
「えっと、私、知らない人にはついて行ってはいけないと教えられてるもので……」
「それは失礼したわ、私の名は曹孟徳。この陳留を治めているわ」
知っています。
「曹操さまでいらっしゃいますか!?そんな、畏れ多くてご一緒になんか行けません」
と云うか帰して下さい。
「構わないわ。畏まる必要なんかないわ。さあ、行きましょう」
行きたくねええええええええええええ!!!
それでも、ついて行くしかないので、ついて行く。
着いたのは、近所でも旨いと評判の食堂だ。
「ここは?」
「ちょうど、昼食時だし、ここで食事をしましょう。お昼は済ませた?」
「いえ、まだですが………」
「それは都合がいいわね……………本当に♪」
何やら不穏な空気が!?
とりあえず席に座り、菜譜を取ろうとするが―――――
「ああ、大丈夫よ。注文は私に任せなさい」
任せたくないんですが………
「ちょっと貴女、………ゴニョゴニョ」
なんで耳打ち!?何で普通に注文しないの!?
「か、かしこまりました!」
店員さ~ん!?何で顔を赤らめるんですか~!?
もの凄い不安を抱えながらも、料理を待つ。
「ウフフフフフ♪」
華琳さ~ん、そんなに楽しそうにコッチを見るんですか~?そんなに見られちゃ―――
「ヒャウッ!」
「ああ、柔らくて綺麗な肌ね。フフ、美味しそうね♪」
俺はエサですか!?喰われるの!?俺喰われるの!?
「お待たせしました~」
忘れよう、兎に角、食事でも取って気を紛わせよう。
「えっと………料理は―――」
清蒸甲魚(スッポンのスープ)、紅棗粥(なつめのおかゆ)、胡桃炒鶏仁(くるみと鶏の炒め物)、焼猪蹄(豚足の焼もの)、炒鱔絲(うなぎの細切り炒め)………
精のつくもんばっかだあああああああああああああああ!!!
「さあ、たんとお食べなさい♪」
何故だろう?気分は魔女に肥えさせられようとされているヘンゼルとグレーテルの気分だ………
「こほん、こんなに食べては太ってしまうのでは………」
「太る………桐絵が太る……ふくよかに……プニプニ……それもいいわね♪」
フォアグラ!?俺はガチョウっすか?
「それとも、私の好意を無駄にする気?」
「………いただきま~す」
覚悟を決め、俺は箸を取るが――――――
ガシャーーン!と何かが机に倒れこみ、料理がひっくり返る。天の救いか!?
倒れこんだのは若者の様だが、近くに鼻息の荒い若者がいる。喧嘩か?
「テメエ!」
「やんのか、オラア!」
そう言って男達は取っ組み合いを始める。助かっ―――
「貴様ら………よくも私の桐絵の食べるはずだった料理を!!!」
『ヒッ!』
―――てねえ!てか、いつの間に俺は華琳のモノに!?
華琳の殺気により喧嘩は治まって、男達はガタガタと震えている。
まずいな、このままでは猟奇的殺人事件に発展しかねないな。しゃあない………
「貴様ら、生きてこの場から逃げられると思――――」
パチィィィィィィィン!!!
店内に俺が持つ扇子の音が響く。その場にいた全員の眼が俺を見る。
さて始めますか、一世一代の舞いを特とご覧あれ♪
チリンチリンと腰につけている鈴が鳴る。
俺が踊るのは日本舞踊の白拍子をベースにしたある人から教わったオリジナルだ。
本来なら男装の遊女が今様や朗詠を歌いながら舞うものなんだがな。
義母の知り合いから礼儀作法の為に教わったコレがこんな所で使われるとは思ってもみなかった。
上手く踊れてるかは………大丈夫そうだ。完全に喧騒は治まっている。後は踊りきるだけか。
数分ほど踊り、シャンと最後を決めると、ペコリと頭を下げ最後を締める。
その瞬間、鼓膜が割れんばかりの拍手が送られる。フッ、決まったな。
これで華琳も落ち着いて―――――
「ハァ~~~♡」
ねええええええええええ!!!むしろ、目標が俺にすり替わっただけ!?
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイパパイヤヤバイヤバイヤバイヤバイ!はっ!?今、途中でパパイヤって言った!?
こうなりゃ最後の手段じゃ!
「ああ!いきなり、癪(しゃく)と咳と鼾(いびき)と歯軋りが同時併発を!これはいけない!早速帰って休まないと!」
「どこからツッコメばいいのかしら?癪と咳は兎も角、鼾と歯軋りって不調でも何でもないわよ?そもそも、鼾と歯軋りは同時に出来ないわよ?」
「……………ああ!目眩が!頭がフラフラとしてきました……」
「それは大変だわ、そこの宿で部屋を取るからいらっしゃい」
…………………………………………………あれ?墓穴掘った?
「さあ、いらっしゃい♪早くね、フフフ♪」
あっるええええ!?眼がヤバイ色に輝いてますよ!?
「あらあら、急に元気に―――っていやあああああああ!引きずらないで~~~!!!」
ズルズルと俺は華琳に連れられて宿に連れられた。
―――――――我が貞操の運命や、如何に!?
「桐絵、可愛いわよ、桐絵♪」
この人、手が早すぎ!
どなたかヘルプミ~!
現在の状況:二人ともベッドの上、華琳さんに押し倒されている。逃げ場なし!
考えろ!考えるんだ、俺!俺はやれば出来る子!
ポク、ポク、ポク、ポク、……………チィ~~~~~~ン!
見えた!光明が全部で4つ!選択肢は………コレだ!
A.諦める
B.正体をばらす
C.犯られる前に殺ってやる
D.いっそ楽しもう♪
どれも使えねえ~~~~~~~!!!
はっ!Bはどうだ?正体をばらせば―――――
(想像中)
「実は俺、男でした~~~♪」
「よくも私を弄んだわねぇぇええええ!!!」
ザブシュ!ブシャアアアアアアアア!
キャアアアアア!!!血がぁぁあああ!!!
桐生久遠、絶にて心臓を貫かれ死亡、享年??
やがて、後に人々は語る。彼は女装好きで最期の姿も女装であったと―――――
Sさんの部下、頭の中が春なKさん(姉)の証言
「あいつは間違いなく変態だ」
Sさんの部下、実は変な人?Kさん(妹)の証言
「いつかはやると思っていた………」
Sさんの部下、変態猫耳軍師、Jさんの証言
「アレは間違いなく人として終わってるわ!汚物そのものだわ!」
Sさんの部下、大食い少女、Kさんの証言
「兄ちゃんって姉ちゃんだったの!?」
他にもいくつかの証言があります。近日中に彼の実態が暴かれることでしょう。では!
―――――想像終了
絶対、嫌だああああああああああああああ!そんな最期は嫌だああああああ!!!そんな形で歴史に残りたくねえ!
だからと云ってAとCは論外だ。Dはどうだ?華琳のような美少女と戯れるのも――――
Dを実行:男が女装して女相手に受けに回って苛められて楽しむ。
間違う事無く変態だぁぁぁぁああああああ!!!
Dもあかん!そんな黒歴史、俺の人生に!……………(過去を思い出し中)……あった!?消しされたい事を思い出しちまったぃ!これ以上黒歴史を創りたくない!
最早、万策尽きたか…………
「ひょっとして怖がっているのかしら?」
今、気付いたの!?
「大丈夫よ、痛くしないから。むしろ気持ちよくしてあげるから♪」
ひぃ!どう見ても獲物にしゃぶりつこうとしている肉食獣の眼だ!
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ――――――
―――――――――プツン♪
「ウッキャアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ドシュっと俺の貫手が華琳の腹に突き刺さる。
「………………………………………………カ……フゥ……」
意識を失うまで何が起きたのかを理解できないまま華琳は倒れた。
チャァ~~~~~~ンス!!!今のうちに逃げなければ!おっと、せめて置手紙だけでもしておくか。
フンフン………よし!ではサラバじゃ!
俺はそのまま窓から飛び降り姿を消す。逃げろ~!
華琳SIDE
「う~ん、一体何が?………はっ!桐絵?桐絵はどこ!?」
周りを見回すも、室内に自分以外はいない。
「桐絵はどこに………あら、この紙は?」
私はつかみ上げた紙を見て愕然とする。
――――――――――――――――――――――――――――
拝啓、曹操さま
眠ってしまわれた曹操さまに黙って出ていく事をお許しください。
ですが、もし、曹操さまが起きていらしたなら私は泣いてしまっていたでしょう。
私の家はかつては栄えていましたが、悪人に騙され財を失い両親は失意のあまり、死んでしまい、残った私も借金のカタにとある豪族に嫁ぐことになっていたのです。
この陳留での自由行動が私の最後の我儘だったんです。
曹操さま、貴方に出会えた事、優しくされた事、それら思い出を宝物にして生きていきます。
ですが、これ以上貴方といたら私はきっと自分で選んだ選択を後悔してしまいます。
もう会う事もないでしょう。
さようなら、曹操さま。
…
…
過ごした時は短くも私は貴方を愛してしまいました
きっと貴方が私にとって最初で最後の愛する人なのでしょうね
桐絵より愛をこめて
――――――――――――――――――――――――――――
私は手紙を握りしめ、外に駆け出す。
当然の如く、桐絵はどこにもいなかった。
私の涙腺が緩みだす。
だが、そこは白昼の往来、王として泣くわけにはいかなかった。
それでも私は只一度、天を呪った。
桐生SIDE
うっわ~、出づれぇ~…
先ほど着替え、宿に戻ってきて華琳に見つからないように隠れている。
華琳は宿にもたれかかりながら俺が書いた手紙を何度も読んでいた。
今、思い出すもこっ恥ずかしい内容だ。事実がばれたら悶死するなw
ふむ、ボソボソと呟いてる。えっと………
「文字が滲んでいる……桐絵、貴女はコレを泣きながら書いたのね……」
いえ、ソレ多分俺の冷や汗ですw
「桐絵………この手紙は大切にさせてもらうわ」
燃やしてぇぇぇぇえええ!お願いだから燃やしてぇぇぇぇえええ!!!
そう言うと華琳は城へと足を向ける。
俺はいつか隙を見て手紙を燃やすことと、この事を自分の胸に永遠にしまい込む事を決め込んだ。
思い出は美しいままにしておこう………決して命が惜しいからじゃ無いっすよ?
やれやれ、ま、これであのパターンの変装は使えんな。
俺も帰るとしますか。
余談ではあるものの時折華琳は悩ましげな溜息をつく。
それにより春蘭、秋蘭、桂花をそれはそれは悶えさせたとさ。
…………俺も少しキュンってなっちゃいましたw(● ̄ω ̄●)
後編に続くw
あとがき
どうも、紅い月です。
そんなわけで『愉快な殺し屋さん 閑話二の巻 前編』お送りしました。
最近時間無い………(汗)
次回は閑話の後編です。
時間無かったのでまず2名だけ書きました。
後編では同点2位の秋蘭と4位の春蘭の夏候終いです。
1ページ1ページが多いな。その為、総ページ数は少なめ。1ページの量は多いが
……途中で区切るのが難しい…。
では、前回、読んでくれた方、支援してくれた方、コメントしてくれた方に感謝を。
そして、今回読んでくれた方にも感謝を。
誤字、変なところがあればお知らせください。
ではでは本当にありがとうございました!!
それでは、また次回にお会いしましょう!!
ではではー。
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どうも、紅い月です。
愉快な殺し屋さん、閑話二の巻 前編。
オリキャラ主人公なので、嫌いな方は戻ることをお勧めします。
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