No.827561 九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 Secret Missionokakaさん 2016-01-29 23:57:55 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:630 閲覧ユーザー数:493 |
番外編~Secret Mission~ TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか13
「結局何もなかったってことか」
「ええ、移動した痕跡はありましたがそれ以外は・・・」
旅団のいつもの騒ぎを尻目に進丿介と武は情報を交換する。やはりここには財団Xに繋がる何かがあったようだ。
「クソっ!もう少し早く気付いてれば・・・」
「いえ、移動したのは一週間以上前です、私達が情報を手に入れたのは昨日なんですから、どんなに早くても・・・」
「もしかしたら、普通に外れてただけかもな」
「一城・・・」
話に割って入ってきたokakaがルパンの寄越したカードを二人に見せた。
「おそらく大筋は合ってたと思う、だがやっぱりこの【雄大な自然】ってのがネックじゃないか?」
okakaが示したのは最後まで意味の分からなかったキーワード【欲望と記憶で雄大な自然は朽ち】という部分を示す、欲望と記憶はヤミーとドーパントだろうが、最後の雄大な自然という部分がどうしても解らなかった。
「行ってみりゃ解ると思ったが、どうやらちゃんと解かなきゃいけないらしいな」
「それにしてもなんでアタシ等が入ったのと同時に奇襲されたんだ?」
疑問を投げかけたのは拓海だ。話の輪に加わった拓海は更に続ける。
「もう移動してるってことはここはもういらないって事だろ?じゃあなんでわざわざ罠まで張ってやがったんだ?」
「そうだなぁ・・・「恐らくは自動防衛システムのようなものだろう」お、晶葉、怪我は無いか?」
okakaの言葉を遮って現れた晶葉が自身の端末と眼鏡を繋ぎながら現れた。
「うむ、この通り問題無い、それよりこれを見てくれ。先程施設のデータログを確認したものだ」
そう言って晶葉が端末を皆に見せる、そこには侵入と同時に起きた電力供給の異常と、電力の一極集中が示されていた。
「恐らく誰かが侵入すると電力を供給されたロイミュードと封印されていたヤミーを起動して迎撃するシステムだったのだろう、ここは既に放棄していたから通常時よりも電力が少なかったのだろう、それで照明の電力を回したんだ」
「ってことはアタシ等に喧嘩売ってきたのは残りカスってことか・・・」
「そういえば残滓の中に水力発電機らしきものがありました」
武の補足にokakaと進丿介が納得する、突入時に照明が消えていたのは水力発電が無くなったのが原因でまず間違いないだろう。そうなると完全にお手上げだ。
「「結局振り出しかぁ・・・」」
「あの・・・泊さん、「おう霧子」こちらの方が」
溜息をつく二人の元に晶葉と一緒に戻ってきていたのであろう、霧子が一人の男性を連れて来ていた。その顔にokakaは見覚えがあった。
「あ、アンタさっきの」
「はい、私テレビ大阪東京支局の篠崎と言います、先程はありがとうございました」
先程襲われていた篠崎と名乗る男はそう言って頭を下げた。
「いえ、市民を守るのは警察官の仕事ですから、それよりどうしてこんなところに?」
進丿介の言葉に篠崎はポツリポツリと話し始めた。
「実はウチも全国ネットのニュースを扱うことになりまして、それでこの辺の取材をしてたんですよ、と言っても私等落ち目の窓際族みたいなもんでして・・・扱ってるニュースもしょっぱいもんですわ」
「どんなニュースを?」
「なんでも各地で起きてる土の異常乾燥がどうとかそんなんですわ。いやぁまさか怪物に襲われるとは思いませんでしたわ、それにうわさの仮面ライダーにまで合えるとは!」
最後の方を少し興奮気味に話す篠崎の言葉にokakaは軽く引っかかりを覚えた。
「土の【異常乾燥】?具体的にはどんな?」
「いやぁなんでもね、湿度が高い場所でも地面がひび割れるくらいに乾燥してるなんていう変な異常気象が起きてるんですわ、なんでも山や川の近くに多いって言うんでね、それで取材してたんですわ」
「山や川の近く・・・それで川の貯水施設に近いここに来てたのか」
「ええ、まぁここは外れみたいでしたがね」
そう言って篠崎はディアたちの方を見た、okakaが釣られてそっちを見るとハルカが服についた土をはらっていた。
「ちょっと土が付いちゃったわね、はぁ・・・湿った土って落ちにくいのよねぇ」
「ごめんね、今度代わりに服を買って弁償するよ」
「別にそこまで気にし・・・そうね、今度買いに行きましょう、二人で、【二人っきり】で!」
「ちょっとハルカ!抜け駆け禁止!」
いつものラブコメをスルーしながらokakaはハルカの言葉の中にあった【湿った土】というキーワードで外れの意味を察した。
「この辺でも一週間くらい前までは乾燥の報告があったんですけどねぇ・・・」
篠崎のボヤキに進丿介とokaka、そして武が反応した。
「一週間くらい前って・・・」
「アイツ等の移動時期と重なる!」
「もしかして関係があるのでしょうか?」
この奇妙な一致は偶然とは思えない、okakaは名刺を取り出すと篠崎に渡した。
「その異常乾燥の情報、このアドレスに転送してくれないか?」
「ええ構いませ・・・グ、グランダーIG!?あの医療と重機メーカーの!?」
「ちょっといろいろあってな、今は警察に捜査協力中なんだ、それと、この異常に気付いたアンタ等の身柄も危ない、どこかで保護してもらうほうが良いだろう」
「ああ、それなら特状課の方にもお願いできますか?良ければ身柄の保護もこちらで行いますので」
okakaに続いて進丿介が名刺を差し出し、篠崎に渡した。
「解りました、すぐに送ります・・・俺や、皆集まってるか?よっしゃほんならこのままちっと行くとこあるからそこ行くで」
篠崎は名刺を受け取ると、携帯を取り出し、先ほどのテレビクルー達に連絡を入れた。
「泊、一応うちからも一人連絡員を置いてもいいか?」
「ああ、解った、課長に連絡しておく。霧子、ゲンさん達が来てくれるから彼等をまとめといてくれ」
「解りました」
「A子、ツバメ連れてすぐに来い、トライドロン使っていいから」
新たな情報にそれぞれが一斉に動き出す、暗礁に乗り上げかけた事件が再び動き出そうとしていた――――――――――――――――
――――――――――――――――「これでお宝にあり付ける、僕を騙した分、役に立ってもらうよ?一城」
そしてその裏で別の思惑が働いているのには、まだ誰も気づいていなかった――――――――
――――――――その頃、楽園団長オフィスでは――――――――
「報告致します、マッハドライバー炎、壱号機、弐号機のロールアウトを完了、現地にて先行して開発されていたシフトデッドヒートと共に実地テストを開始しました」
「ふむ、ようやくここまで来た、といったところか」
桃花の報告にクライシスが頷きながら炒飯の山を崩した。
「はい、ですが一城様用に調整されている弐号機と違い、壱号機のAIはまだ未完成、本格的な実戦投入にはまだアップデートが必要です、シグナルバイク共々今しばらくお待ちいただくことになるかと」
「完全に重加速対策が出来上がるのは少し時間がかかりそうですねぇ」
そう言いながらオーナーが二本のスプーンで器用に表面の薄焼き卵を切り取り、その下の炒飯ごとすくい取った。
「アカツキ君にはもう少し付き合っていただきましょうか」
そう言いながら駅長が黄金のスプーンで豪快に炒飯をすくい取った。
(・・・俺の足止めはまだ続くってことか・・・何故だ?俺が特異点だから?いや、だとしたらあの晶葉という子も特異点のはず・・・一体何故?)
支配人が解けない疑問を抱えながらティースプーンで表面の薄焼き卵を切り崩した瞬間、卵に引っ張られて旗が倒れた。
「あ」
「「「!!!!!!!!!!!」」」
(一体俺の知らない所でなにが起きてるんだ・・・?)
三人の非難の視線もどこ吹く風、と言わんばかりに考えこむ支配人、彼もまた、少しだけストレス耐性という形で成長しているようだ。
あとがき
なんでこんなにめんどくさいシナリオにしちゃったんだろう・・・ま、いっか。
ちなみに今回も伏線が張られまくってます。回収は・・・うん、できるできる。
おまけ
今回回収された伏線:ディアのジャーマンスープレックスとラッキースケベ(ハルカの服についた土)
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第13話です