No.826435

しまのりんち 8話

初音軍さん

一言で言うと制服プレイ。プレイと言えどキス止まりですけどね。リリアンですしw 当時乃梨子はもっとイチャイチャしたかったに違いないと妄想をしたのを書き綴りました(*´ڡ`●)書いていてしまのり(のりしま)大好きやなぁって思いましたw



*志摩子と乃梨子が大学生(?)になって同棲生活をしている設定のお話。1話完結なのでどこから読んでも大丈夫です♪*

2016-01-23 17:43:43 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:822   閲覧ユーザー数:822

しまのりんち 8話

 

 【志摩子】

 

「ただいま~」

 

 アルバイトから帰ってくると、いつも玄関先で待っている乃梨子は今日そこには

いなかった。何かあったのかと思って少し早足でいつも寝ている部屋を覗いてみると。

そこには・・・!

 

「乃梨子・・・何をしているの・・・?」

「え、うわぁ!志摩子さん!?」

 

 タイムスリップでもしたかのように目の前には懐かしい制服姿の乃梨子の姿があった。

驚いたのと呆れた感情が入り混じるも、最終的には「やっぱり制服姿の乃梨子は可愛いわ」

と思うのだった。

 

「これはね、ちょっと部屋を掃除してたら懐かしいものが出てきたなぁって思って」

「本当に?」

 

 気まずい笑いを浮かべながら言い訳をする乃梨子に少しずつ近づいていってキスを

しそうなくらい近くなると乃梨子は白状をした。

 

「ごめん、嘘です。本当は着てみたくなって菫子おばさんに頼んじゃって」

「もう・・・。私たちもう高校生じゃないのよ?」

 

「わかってるけど・・・後、志摩子さんのもあるよ」

「なんで!?」

 

「お義父さんに頼んじゃって」

「私にコスプレをしろと?」

 

「志摩子さんなら今でも現役だよ!」

 

 乃梨子の開き直りとも思える態度に苦笑いをしながらもこれだけ必死になって

頼んでくる乃梨子は珍しい。普段はあまり自己主張してこなかったのに。

 

「わかったわ…」

「志摩子さん…!」

 

「今日だけよ」

「うん!」

 

 我ながら少し妹・・・いえ、恋人に甘いとこがあるなと思ってしまう。

でも、昔に戻っての遊びも一度くらいはいいかもしれないと軽く思っていたら。

 

「やっぱり志摩子さん似合う!」

「そうかしら…」

 

「うんうん、それでさ。この後、リリアンで出来なかったこと・・・しよ?」

「え?」

 

 いきなり何を言うのかと思いきや。私は昔の感覚に戻っているのか少し固い考えに

なっていたのか、乃梨子に注意するように言った。

 

「だめよ、この服を着ている時は清純でなければいけないの。マリア様も見ているでしょ」

「だから、激しいことはしないよ。でもね、ただ・・・私には未練があってさ・・・」

 

「え・・・?」

「一度だけ・・・その・・・。これ着てる時にキス・・・したかったんだよ・・・」

 

 私が卒業する時、泣きはしなかったけれど寂しそうにしていた乃梨子の顔を思い出した。

あの時、少しだけ違う感情が見えた気がしたけれど。

 もしかしてそのことだったのだろうか…。

 

「志摩子さんにとって大事なもので神聖なものでもあることは承知してるけど…」

「いいわよ」

 

「え!?」

「乃梨子の気持ちが、本当に一途にそう思ってくれたのなら。

許してくれるんじゃないかしら」

 

「志摩子さん・・・!」

 

 私が笑顔でそう言うと「志摩子さんはやっぱり天使だ!」とか大きめの声で

発しながら喜びを動きで表現していた。

普段クールな雰囲気で通ってる乃梨子のこんな姿、他の子が見たらどう思うだろう。

 

 何だか彼女の特別が私にだけ向けられていてすごく嬉しかった。

 

 

***

 

「乃梨子…」

「志摩子さん…。それとも…お姉さまがいい?」

 

「いつも通りで…あ、いえ。でもたまには」

「えへへ、おっけーだよ」

 

 赤らめた顔で笑みを浮かべながら言う乃梨子はすごく可愛くて、制服もその可愛さを

増しているような気がした。

 

 本人は髪型と合ってないと言っていたけれど、私はそれこそ誰よりも似合っている

ように見えた。もうその頃から貴女のことを意識していたのね…。

 

 そう思っていると乃梨子は私の首筋に軽くキスをしてから制服越しから胸を触り

優しく撫でるようにした後、優しく包み込むように握ってきた。

 

「あぁ、お姉さまのおっぱい最高・・・」

「こら、乃梨子。そんなこと・・・んっ、言葉にしないで・・・」

 

 触り方が気持ちよくてつい言葉の合間に声が漏れてしまう。叱ろうとしても叱れない。

そんなことおかまいなく、乃梨子は触った手を離した後に私を抱きしめて耳元で

愛の言葉を囁いてくる。

 

 体のあちこちがいつもより敏感になっているのに気付いた。

制服を着ているからだろうか、規則とか背徳感とか、そういうのから逆らっているもの

からきているのだろうか。私にはわからない、わからないけど。

 

 今、乃梨子のことが愛おしくて愛おしくてたまらないということだけはわかっていた。

昔嗅いだ乃梨子の匂いが蘇るかのように感じてほどよく力が抜けて乃梨子に身を委ねた。

 

「お姉さま、かわいい」

「乃梨子・・・」

 

「してほしいことある?」

「あ…うぅ…」

 

 さっきまで言ったことを乃梨子が忘れるわけがない。

私の口からその言葉を聞きたいのだろう。乃梨子のいじわる!

でも、そういう風に私をずっと見て想ってくれてるからこそそんなことされても

嬉しい気持ちが残るのね…。

 

「キス…」

「聞こえないよ…」

 

 今にも唇がつきそうな距離で聞こえないはずはない。私は顔が真っ赤になるのが

わかるほど熱くなって必死に言葉を搾り出した。

 

「キス…して…!」

「うん、ありがとう。お姉さま」

 

 乃梨子のさらさらの黒髪から覗く笑顔が眩しくて、前と変わらず胸の辺りが

キュンっとなる。

 

 そして少しずつ乃梨子の顔が近づいていって私は瞼を閉じて乃梨子の唇の

感触をゆっくり味わっていた。

 

 チュッ チュッ。

 

 軽く二回の口付けをした後、今度は長くお互いを求めて貪るように

長いキスをしていた。

 

 どれくらいの時間が経過しているかわからないくらい私と乃梨子は夢中になっていた。

 

 

***

 

「あぁ、すごく良かった!」

「もう・・・少し汚れちゃったじゃない・・・」

 

「へへっ、もう学校に着て行くことないからいいじゃん。まぁ、跡にならないように

クリーニングにでも出す?」

「そうしましょうか」

 

「じゃあ、志摩子さんと一緒がいいな」

「仕方ないわね」

 

 長いキスの時間が終わった後、私たちは制服を脱いで普段着に着替えてから

こういう何気ない会話をしていると乃梨子もさっきより近い距離感で喋ってくれて

何だか落ち着く。

 

「あ、そうだ。最近この辺で銭湯があってさ。珍しいなぁと思って。

そんなに遠くないから服出してから行かない?」

「あら、いいわね。行きましょうか」

 

「やった~」

 

 銭湯という言葉を聞いて珍しさから少し興味の湧いた私を見て喜ぶ乃梨子は

私の腕を取って組んできた。そんな何気ないスキンシップも心がこそばゆく感じさせた。

 

 そして、私たちは準備が出来てから二人手を握りながらマンションを出た。

白い息が星が散りばめられた真っ暗な空へ吸い込まれていく。

 

「星、綺麗だね」

「そうね」

 

 それから言葉少なく、ただ歩くだけだったけれど。手から伝わる乃梨子の温もりが

私の心を暖めてくれた。

 

 色々言い合うこともあるけど、いつもこうやって乃梨子は私を支えてくれて

本当に幸せなのだと思って乃梨子に気付かれないように幸せの笑みを浮かべた。

 

 お終い。

 


 
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