No.825607

とれたて!キュアパイン母娘誕生!!

 フレッシュプリキュア!マイストーリー第3話が完成しました。
 3人目黄色いプリキュア「キュアパイン」扮するブッキーこと山吹祈里のストーリーです。
 ブッキーこと山吹祈里は、このストーリーでプリキュアデビューしますが、ラビリンス軍が繰り出した巨大犬怪獣ナケワメーケ3号が、大きくて手強くて戦線離脱してしまいます。その後、娘に代わって母、尚子が伝説のプリキュア先代キュアパインことキュアパインマザーに変身し、更に、ナケワメーケ3号をラッキーに戻すべく、巨大なプリキュア「ウルトラキュアパイン」に超変身します。その間、ナケワメーケ3号は環八通りを南下して川崎へ向っているシーンでこのストーリーは終わります。
 あまりに手強い大怪獣ナケワメーケ3号との戦いは、このストーリーで決着はつきません!決着の付かないこのエピソードを是非、ご堪能ください。

2016-01-18 18:31:55 投稿 / 全19ページ    総閲覧数:714   閲覧ユーザー数:714

 白詰草女子学院高校 放課後

 

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「ご機嫌よう。」

 「中等部の子。」

 

 回想編 先週の日曜日 ベンチのある場所

 

 「絶対無理。だって、獣医と言っても医師には違いないわ。学問が大変なのよ。過去、芸能人でもこんな人いないわ。」

 「そうか。」

 「ご、ごめんなさい。人前で踊るとか私、そう言うの苦手なの。」

 「ああ~~っ、そうか。」

 「ごめんなさい。」

 

 回想編 昨日の赤塚公園

 

 「ミユキさーーん。」

 「ラブちゃん、こっち。」

 「ミユキさん、こんにちわ。蒼乃美希と申します。」

 「美希ちゃんね。ラブちゃんから話を聞いてるわ。こちらこそよろしくね。」

 「はい。」

 「それではまず、美希ちゃんだけスクワットをやって。」

 「はい。」

 「美希はスクワットをやり始めた。」

 

 スクワット8回後

 

 「良し。次のレッスン始めるわよ。」

 「はい。」

 「次は、上半身だけのゴーゴー振り付けをやってみるからね。ラブちゃん、美希ちゃん、ちゃんと見ていて。」

 「はい。」

 ミユキは上半身だけのゴーゴー振り付けをやり始めた。

 

 しばらくして

 

 「2人共やってみて。」

 「はい。」

 ラブと美希は、ゴーゴー振り付けをやり始めた。

 しばらくして、物陰で見ている女の子がいる。ブッキーこと山吹祈里である。

 

 白詰草女子学院高校 出入口のある校舎内

 

 「ああーーっ。本当はラブちゃんたちとダンスをやってみたかったのです。でも....」

 

 校内にある教会

 

 「いざとなると、尻込みしてしまって。そんな引っ込みじあんの性格を変えたいのです。そんな自分を変えたいのです。」

 しばらく祈願を続ける祈里。教会の天井付近にキルンがいる。

 「キィーーッ。」

 

 都営地下鉄三田線車内

 

 「今日もブッキー、遅く帰るって言ってたけど、一体何があるのかな。」

 

 新高島平駅

 

 「ミキタン、間違っても高島平で降りないでよ。ダンスレッスンの日でもカオルちゃんの店へ行く用事でも無いからね。」

 

 5分後

 

 「ピンポポポピンポポポポロローーーン。」

 「間もなく2番線に西高島平行き電車が到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」

 「ゴオーーーーーッ。」

 「来た。」

 「ゴトンガタンゴトンガッタンゴットン。キューーーーーキューーーーキューーーーウーーーーゥーーーーーッ。プシュッ、ビューーーッピューーーーッ。」

 「新高島平、新高島平。2番線は西高島平行き電車です。」

 「ゾロゾロと降りてきた。」

 「タタタタタターーアーーータタタタターーアーーー。」

 「ピンポン。タタタタタタタンタタタタタタン。」

 「ゾロゾロゾロゾロ。ピッピッピッピッ、スルッスルッ。」

 「ミキタンどこかな。あっ、いたいた。」

 「ミキターーーーン。」

 「ラブ、お待たせ。」

 「ピッ。」

 「私の家へ来てもらうわよ。」

 「うん、分かってる。何か、重大な話があるそうね。」

 「そろそろ。行くわよ。」

 「うん。」

 その時、この駅から通学する都立四ツ葉高校の生徒たちが駅舎に入って来た。

 「うわあ、見ろよ。超美人。」

 「あの制服、鳥越高校よね。」

 「じゃあ、芸能人。」

 ラブと美希は気にしていない。

 

 都営三田線東急5080系車内

 

 「教会で祈願してたらこんなに遅くなってしまった。今頃ラブちゃんと美希ちゃん、ジャージに着替えて練習しているのかな。」

 

 四ツ葉町 桃園家

 

 スウィーツ王国皇太子タルトが桃園家に来て以来、ワープホールなど新設してスウィーツ王国へ自在に行き来できる状態で住み続けています。

 フレッシュ2人目のプリキュアが誕生し、就任した蒼乃レミの娘、美希を桃園家へ呼び出したのであった。

 「ただいま。」

 「おじゃまします。」

 「あーーら、いらっしゃい、美希ちゃん。丁度、ケーキ焼いていたとこなの。後で持って行くわね。」

 「ああ、いえ、お構いなく。」

 「あら、遠慮しなくて良いのよ。」

 「ごめん。女同士の大事な話があるの。だから、絶対に部屋へ入ってこないでね。」

 ラブと美希は、階段を上がった。

 

 ラブの部屋

 

 「スルスルスル。」

 「おいでやす。」

 「キュアーー。」

 「ラブ、この2匹、何者。」

 「わい。」

 「そう。フェレットのあなた。」

 「わいは、タルトっと言って、スウィーツ王国の可愛い可愛い妖精はんや。」

 「タルトね。あたしは蒼乃美希。ラブからミキタンと呼ばれているわ。ところで、このコアラみたいな子、誰。」

 「この子はシフォンと、言う(ゆう)て妖精ウォンバット族の赤子やねん。」

 「キュアー。」

 「シフォンね。覚えておくわ。ところでタルトって、何で関西弁なの。」

 「それも、うさんくさい関西弁。」

 「失礼やな。」

 「プッ。」

 「これは、わいらの国、スウィーツ王国の言葉や。」

 「ホンマかいな。」

 「ラブ、関西弁、移ってるわよ。」

 「しまった。」

 「もう、よろしいでっか。」

 「何よ。」

 「これから、プリキュア隊に関する使命と規則を説明するさかい、まず、リンクルンを出しなはれ。」

 「リンクルンを出すの。」

 「そや。まず縦、横どちらでもええやさかい開いておくれや。」

 「リンクルンを開くのね。」

 「ディスプレイにスウィーツ王国のコマンドありまっか。」

 「うん、ある。」

 「そこをクリックしてや。」

 「スウィーツ王国ね。」

 「これって、スウィーツ王国のホームページなの。」

 「そや。まず、動画を見ておくれや。この動画には、長老から詳しい説明してまっせ。再生マークをクリックして見てや。」

 「うん。」

 ラブと美希は、動画「長老からのメッセージ」を見始めた。

 

 赤塚公園

 

 高島平駅の降りて、ここへ真っ直ぐ向かって来た祈里が姿を現した。

 「今日は、誰も練習してないのね。」

 

 ドーナツカフェ

 

 祈里は横を通過した。

 「ん。」

 祈里のしょんぼりとした表情が、カオルちゃんの目に入ってきた。

 「背中が寂しいぜ。」

 

 山吹動物病院

 

 「ただいま。」

 「あっ、お帰りなさい。」

 「ねえママジャージの生地、取り寄せてくれた。」

 「うん、祈里の部屋に置いてあるわよ。確か、ピンクと水色と黄色だったよね。」

 「そう。」

 「この生地で何を作るの。」

 「ダンスの練習着。」

 「そうなの。習いに行くの。」

 「うん、ラブちゃんに誘われたからね。」

 「なるほどね。」

 「じゃあママ。家に入るからね。」

 祈里は、動物病院正面入口から自宅へ入って行った。

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「とまあ、そう言うワケでんねん。」

 「何だって。分かった。」

 「つまり、あのナケワメーケって化け物を操っていた女は、ラビリンスの軍人でイースって言う、総統メビウスの忠実な僕(しもべ)で。」

 「他に、ウェスターとサウラーってのもおりまっけどな。」

 「タルト、ウェスターって男なの。」

 「そや、筋肉モリモリの粗暴な幹部軍人で、階級は少尉やで。」

 「少尉。」

 「あら、イースと比べてエライ格下だね。」

 「体鍛え過ぎて、頭良くありまへん。」

 「それもそうだね。」

 「脳みそが筋肉になっているからね。」

 「タルト、もう1人、サウラーは。」

 「長身の男で、階級は中将。何でも、ナケワメーケ兵器を次から次へと開発しているらしいねん。」

 「ねえ、ラブ、温水プールで見た弟をいじめたあの大男たちに似てない。」

 「あっ、思い出した。もしかして、ダフ屋の兄ちゃんたちじゃない。」

 「似てまっか。」

 「そうかも知れないよ。特に、ウェスターはその内、警察にマークされそうよ。」

 「そうでっか。」

 「あれだけ大きい体して不審な行動すれば、バレやすいからね。」

 「ヘエーーー。」

 「ねえタルト、男には弱点があるのご存知。」

 「ギューーーーーッ。」

 「イテーーーーーーッ、何しまんねん。」

 「タルトも雄でしょ。だったら、人間の男性と同じモノを股間に持っているよね。」

 「そうでっか。」

 「確か、お母さんから聞いてるわよ。伝説のプリキュアは、男に敗れたことは一度も無いってことを。」

 「そうなんでっか。」

 「男は、性欲を堪え切れない生き物よ。だから、伝説のプリキュアに魅了され支配され観念したことを。」

 「そんなことあったんかいな。」

 「タルトより、お母さんから聞いた方が早いよ。」

 「そうは言っても、サウラーとウェスター相手に接近戦及び肉弾戦を行うのは極めて危険でっせ。」

 「じゃあ、どうすれば。」

 「離れて、飛び道具か魔法で攻撃するのが適正でっせ。」

 「うん、分かった。」

 「で、そいつらの怪物兵器で繰り出してきたナケワメーケを倒せるのは。」

 「愛と正義の戦士プリキュアしかいない。」

 「それがあたしたち。」

 「あたしとラブが愛と正義の戦士。アハハハハハハハハッ。」

 「私だって、初めはよく分からなかったよ。けどさあ。」

 「変身しちゃったもんね。」

 「私なんか2回もだよ。」

 「でもさあ、プリキュアになって活躍したら。

 

 回想編 火災現場

  

 「まず、テレビニュースで報道されるじゃない。」

 鳥越高校の制服を着ている美希が姿を現した。

 「チェンジ。プリキュア、ヒーーートアーーップ。」

 美希はキュアベリーに変身した。

 「ハアーーーーッ。」

 キュアベリーは、火事が起こっている建物に入った。

 「プリキュア・ウォーターシューーーート。」

 「プシュッ、ピュウーーーーーッ。」

 「ジューーージューーーッ。」

 「さあ、こっちよ。」

 「キャンキャン、ニャーーー。」

 キュアベリーは、逃げ遅れた子犬と子猫のいる付近の火を消した。その直後、子犬と子猫を抱き抱え外へ向かった。

 「ご覧ください。今、プリキュアが逃げ遅れたペットを救出しました。」

 

 回想編 コンサート会場

 

 「で、その内、大物ミュージシャンに呼ばれてコンサートにゲスト出演。」

 

 回想編 神宮球場

 

 「プロ野球の始球式にも呼ばれちゃったりして。」

 

 現実に戻って

 

 「あたしたち超有名人よ。」

 「やはーーーっ。そしたら、ミキタン。ファッションモデルはもちろん。」

 「アイドルよ。」

 「ああーーーーっ、アッ、イタッ。」

 「ポテッ。」

 「何でやねん。ええでっか。あんさんたちがプリキュアであることは、ここにいるわいら以外に絶対に知られたらあきまへん。」

 「エエーーーーッ。」

 「ちょっと何でよ。」

 「そう言う決まりやねん。詳しくは、プリキュアの掟第2章第9条をもう一度見ておくれやす。」

 

 桃園家 階段

 

 「女同士の大事な話って。もしかしたら、彼氏ができたとか。ウフフッ。」

 

 ラブの部屋

 

 「ねえタルト。ところで、プリキュアって他にもいるの。」

 「それなんやけどなあ~。」

 「コンコンコン。」

 「入るわよ。」

 「ああーーっ。ちょっと、お母さん。『入って来ないで。』って、言ったでしょ。」

 「まあまあ、照れない照れない。でっ、どんな子、イケメン。」

 「はあっ、何の話。」

 「ふわあーーーっ。」

 「あら、シフォンちゃん。」

 「エッ、この子知ってるの。」

 「そうよ。この子は、スウィーツ王国ウォンバット族パフェの娘、シフォンよ。」

 「シフォンの母親まで知ってるなんて違うわ。やっぱり、ラブのママって。」

 「レミから聞いてない。私も伝説の戦士だってこと。」

 「恐れい入りました。」

 「あっ、そうそう、ケーキケーキ。」

 あゆみは、ラブの机のある方向へ歩き始めた。

 「パタッ。」

 「どう、タルトケーキ作ってみたの。」

 「タルトやで。」

 「あら、タルト。ベッドの下に隠れて。」

 「ヘッ。オカン、すんまへん。」

 「ところで、何を話していたの。」

 「プリキュアの使命とルールやねん。」

 「あら。それなら、美希ちゃんもお母さんから教わってるはずよ。」

 「そうでっか。」

 「ねえ、おばさん。本当に知れたらダメなの。」

 「確かに、タルト言う通り規則は規則だからね。でも、おかしいわね。」

 「お母さん、何が。」

 「『ここにいるわいら以外』って。私たち母親でもある伝説の戦士も、わいら以外に該当するわよ。」

 「じゃあ、ママも。」

 「そうよ。」

 「タルト。」

 「ギクッ。」

 「それを言うなら、『過去プリキュアに就任した人たち及びスウィーツ王国の民以外』でしょ。ところであなた、最初にピックルンを渡した人は誰。言いなさい。

 「知らへん。忘れた。」

 「タルト。」

 「ヒエーーーーッ、すんまへん、すんまへん。」

 「最初にピックルンを渡した人って、この子の母親、レミさんじゃなかった。」

 「失礼ね。このクソイタチ。」

 「クソイタチやない、可愛い可愛い妖精はんや。」

 「全然可愛くない。」

 「そんなあ。」

 「お母さんも伝説の戦士何だから。これらの説明をあなたがする必要ないでしょ。パフェもいるんだから。」

 「そんなこと言うたて、長老に言われとるさかい。」

 「そう。ところで、この規則には例外もあるのよ。」

 「エエッ、そんなのあるんでっか。」

 「タルト。私とラブが板橋区立文化会館の中、大勢の前で変身したよね。」

 「あん時、言うてる間ありまへんでした。」

 「そうでしょ。正当な理由があれば、やむなく大勢の前で変身することだってあるのよ。」

 「すなわち、正当な理由さえあれば、規則を破って良いってこと。」

 「おばさん、これを正当防衛とも言うよね。」

 「そうそう。」

 「こう言う時は良いんだ。」

 「そうよ。」

 「そんでも。」

 「タルト。」

 「すんまへん。」

 「全く、頭が固いんだから。プリキュアの掟、隅々まで見てないでしょ。長老や国王様に言いつけるわよ。」

 「それだけは、堪忍してや。」

 「じゃあ、良いわよ。」

 「お母さん、すごいね。」

 「流石、伝説の戦士だね。」

 「ところで、タルトの件。もうお父さんにも知らせないとね。」

 「そうだね。安心して過ごせないからね。」

 「オトンでっか。」

 「そうよ。じゃあ、遠慮なく食べてね。」

 「はい。いただきまーす。」

 あゆみはラブの部屋から去った。

 

 その日の夜 桃園家

 

 「フェレットを飼いたいってーー。」

 「キュッキュッ。」

 「ウハハハハッ。ヘェーーーッ、意外とおとなしいなあーーー、こいつ。」

 「男タルト、ここは辛抱や。」

 「変な顔。」

 「辛抱やで。」

 「ねえ、良いでしょ。」

 「良いんじゃない。」

 「あーーーっ、やったあーーー。」

 「はあーーーあーーーっ。」

 

 山吹家祈里の部屋

 

 「カシャカシャカシャカシャ。」

 「こう言う風に縫い合わせてっと。」

 祈里は、ダンス練習着の製作に入った。

 

 翌日 四ツ葉高校放課後

 

 「さよなら。また明日ね。」

 ラブは新高島平駅へ向かった。

 

 新高島平ファミリー名店街

 

 「こんにちは、魚屋さん。」

 「よおっ、ラブちゃん。珍しいな。こんな時間にここの商店街に来るなんてよ。」

 「今日、西台駅前にあるスポーツクラブへ行くんだ。」

 「ほおっ、体鍛えに。」

 「うん。」

 「そうか。良い事だぜ。」

 

 東中野駅

 

 「着いたわ。ん、ブッキーからメールが。」

 「何々、『今日も遅くなる。』って。そうか。今日のレッスン会場は違うからね。返信しておこう。」

 その後、改札へ入り、家路へ向かい始めた。

 

 白詰草女子学院内 教会

 

 「変えたいのです。」

 今日も祈願続けた。

 

 新高島平ファミリー名店街

 

 「それじゃあ魚屋さん、これにて失礼します。」

 「そうかい、気を付けて行きな。」

 「はい。」

 

 新高島平駅

 

 「あら、珍しいわね。この地下鉄で通学していない子がいるよ。」

 「芸能人を伴っている子だ。」

 「この前の3人。」

 「そうよ。」

 「どちらへ。」

 「西台へ。」

 「西台。もしかして、スポーツクラブ。」

 「芸能人と伴っているからね。」

 「じゃあ、チケット買うからね。」

 ラブは券売機へ向かった。

 「PASMO持ってないんだ。」

 「地元だからそんなカード持たしてもらえないの。」

 「それもそうだね。」

 「まだまだいつもニコニコ現金払いの店多いからね。」

 ラブは、西台までの片道乗車券を購入した。

 「一緒に行く。」

 「うん。」

 4人の高校生は、改札へ向かった。

 「ピッ、ピッ、ピッ、スルッとパッ。」

 

 池袋駅7番ホーム

 

 「ブッキーから連絡無いわね。もう、次の電車で行くよ。」

 「ピコピコピコピーーーーーーン。」

 

 新高島平駅1番ホーム

 

 「ピンポポポピポポポポロローーーン。」

 「間もなく1番線に巣鴨、大手町、日比谷方面、白金高輪行きが到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」

 「ゴオーーーーーッ、キューーーンキューーーンキューーンキューーンキューーーーウーーーーゥーーーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「ピューーーッピューーーッ。」

 4人の高校生は乗り込んだ。

 「タタタターアーーーーータタタターアーーーーー。」

 「プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「タタタタタタタンタタタタタタタン。」

 「ブーーーーーッ、キューーンキューーン。」

 「次は高島平、高島平。お出口は右側です。」

 

 大崎駅

 

 「今日も遅くなったわ。速達線で池袋まで行こうっと。」

 

 巣鴨駅

 

 「地下鉄に乗り換えてっと。ラブにメールしておくわ。」

 

 都営三田線 白金高輪行き車内

 

 「次は西台、西台。お出口は右側です。」

 「ツインテールのお嬢さん、次よ。」

 「うん、ところで皆さんはどこまで。」

 「私、板橋区役所まで。」

 「僕は新板橋まで。」

 「私は板橋本町までよ。」

 「皆、板橋区東部地域から通ってんだ。」

 「同じ区でも東に位置するからね。」

 「だから、地下鉄が足何です。」

 「そうそう。」

 「もうすぐ着くわ。」

 「キュウーーーーーゥーーーーッ。カクッ。」

 「プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「ピューーーッピューーーッ。」

 「じゃあね、バイバイ。」

 「バイバイー。」

 ラブは、白金高輪行き地下鉄電車から降車した。

 

 西台駅

 

 「スルッ。」

 「着いたあーーーー。ところで、ミキタンはどうしてるのかなあ。メール来てる。今頃どこかな。何々『巣鴨から都営地下鉄に乗車した。』って。よし、このまま待ってみよっと。」

 

 20分後

 

 「ゴオーーーーーッ。」

 「来た。これで3本目よ。今度はどうかな。うわっ、ゾロゾロと降りて来た。」

 「ピッピッピッピッ、スルッと。」

 「あっ、いたいた。ミキターーーン。」

 「ラブ、お待たせ。」

 美希は改札を出た。

 「ピッ。」

 「さあ、行こう。時間無いよ。」

 「うん。」

 ラブと美希は、西台駅前にあるスポーツクラブ「セントラルフィットネスクラブ西台」へ向かった。

 

 セントラルフィットネスクラブ西台

 

 「いらっしゃいませ。」

 「ラブちゃん、美希ちゃん、こんにちわ。」

 「こんにちは。」

 「ミユキさんにマネージャーさん。」

 「お待ちしておりました。」

 「2人の会員証が完成しているから渡しておくわね。」

 実は、前日のレッスンにマネージャーが現れ、スポーツクラブでもレッスンができるよう、事前にデータ収集を行っていたのだ。

 「費用は全額、当事務所が出しているからね。安心して受講しなさい。」

 「はい。」

 「では、会員証を渡すからフロントで手続きをしなさい。」

 「はい。」

 早速、ラブと美希はフロントで手続きをし始めた。

 

 手続きを終えて

 

 「レッスン会場へ向かう前に、更衣室へ案内するわ。」

 「はい。」

 

 都営三田線車内

 

 「今頃、公園にいるのかなあ。」

 

 セントラルフィットネスクラブ西台内更衣室出入口

 

 「2人共、着替えたね。」

 「はい。」

 「では、会場へ案内するよ。」

 

 5階スタジオ「ディアナ」

 

 ここでのレッスンは、雨天などの荒天日中心にレッスンを行うからね。今後は、会場も確認しなさい。」

 「はい。」

 「それでは早速、レンスン開始よ。」

 「はい。」

 マネージャーはディアナを出た。

 

 都営三田線車内

 

 祈里が乗車する西高島平行き地下鉄電車は、蓮根駅を出た。

 「次は西台、西台。お出口は左側です。」

 

 4分後

 

 祈里はこの駅で降車しなかった。

 「次は高島平、高島平。お出口は右側です。」

 

 高島平駅に到着して7分後

 

 祈里は、この駅で下車して赤塚公園に向かい到着した。

 「今日もいないのね、ラブちゃんたち。」

 

 赤塚公園内ドーナツカフェ

 

 「お嬢ちゃん。ドーナツ食べて行かない。」

 「カオルちゃん。」

 「今なら100万円にマケてあげるよ。」

 「うはっ。あはははっ。じゃあ、ドーナツセット1つ。」

 「ドーナツは。」

 「フレンチクルーラーとダブルチョコ各1個」

 「ドリンクは。」

 「パイナップルジュース。」

 「350円でい。500円お預かり、150円のお返しでい。今日はオールドファッション1個サービスしとくぜ。毎度あり。」

 祈里は、テーブルに着いた。

 「ヘイ、お待ち。」

 「いただきまあ~す。」

 ドーナツを食べ始めた。

 「あん、アグン。うん、美味しい。」

 「だろう。だって俺、フランス生まれだもの。って、関係ないか。グハアッ。」

 「....。」

 「あれ、イターリア生まれの方が良かった。」

 「あのね、カオルちゃん。」

 「うむ。」

 「私、自分に自信が持てないの。だから、肝心な時に消極的になっちゃって。」

 「消極的。うーーーん、積極的過ぎるのもドギマギしちまうけど、これを見るんでい。」

 「何、ドーナツ。」

 「これ、みんな俺の失敗作。グハアッ。」

 「エッ、どうして。ちょっと揚げ過ぎみたいだけど、十分美味しそうよ。」

 「べらんべい。ダメでい。おじさん、これでも自分の味には、こだわりを持っているんでい。」

 「そうなの。」

 「誰だってさあ、どうかしら自分に自信が無いんじゃねえかい。」

 「エッ。」

 「でもなあ、それも全部ひっくるめて自分。誰かが代わってくれるワケ無いでい。だから結局、最後は自分を信じて結果出すしか無いでい。」

 「自分を信じて。」

 「集金に来たよ、ミスターカオル。」

 「またまたジュリアーノ。」 

 「この黄色いブレザーの女子高生は確か白詰草女子学院。どうしたの。」

 「何だか自信が持てなくて。」

 「そうなの。」

 「だから言ったんでい。『結果出すしか無いでい。』でね。」

 「そう。ところで、黄色いブレザーのお嬢さん。」

 「はい。」

 「お友達待っているの。」

 「いいえ。」

 「今日は、ダンスレッスンしていないんでい。」

 「それで元気ないの。」

 「うん。」

 「お友達からメール無かった。」

 「あっ。」

 「ちょっと調べてみて。」

 「うん。」

 祈里は、携帯電話を出しメールを確認してみた。

 「あれ。」

 「新着メールのコマンドをクリックしてみて。」

 「うん。あっ、ミキタンとラブちゃんからメールが来ている。」

 「読んでみて。」

 「うん。」

 「それと、ミスターカオル。」

 「ヘエ。」

 「あなた、フランスでもイタリア生まれでもないわよ。」

 「すまん。」

 「ミスターカオルも私もメクルメク王国出身よ。」

 「そうなの。」

 「メクルメク王国は、小さな島国だけど安心して。親日国家なの。」

 「そうなの。」

 「ところで、メールは何て書いてあった。」

 「『西台駅前にあるスポーツクラブにいる。』って、書いてあるの。」

 「どうする。戻って会いに行って来る。営業時間中、無料見学やってるらしいの。」

 「行って来るんでい。」

 「カオルちゃん、ジュリアーノさん。」

 「お友達なんでしょ。西台なら定期券で行けるはずよ。行ってみて。」

 「うん。」

 その後、祈里はドーナツカフェを後にした。

 「ミスターカオル、売り上げ集金するよ。」

 「トホホ。」

 

 山吹動物病院

 

 「シャカシャカシャカシャカ。」

 「今日は祈里、遅いわね。」

 「ウィーーーーーン。」

 「ワンワン。」

 「もし、またどこか具合が悪くなったら、いつでも連れてくるんだぞ。ガハハハハハハッ。」

 「はい、ありがとうございました。」

 「ワンワン。」

 「あっ、受付のおばさん。」

 「ラッキーね。退院したの。」

 「うん。ところで、祈里お姉ちゃんはまだ帰って来ないの。」

 「今日は遅いみたい。何か知らせたいことがあるなら言ってみて。」

 「うん、明日、赤塚公園で散歩しに行くから来てください。」

 「分かったわ。知らせておくわ。」

 「ありがとうございます。」

 「ワンワン。ウーーッ、ベロベロ。」

 「エヘッ、ウハハッ、ハハハハッ。」

 

 セントラルフィットネスクラブ西台

 

 「いらっしゃいませ。」

 祈里はフロントへ向かった。

 「あの~、見学したいんですけど。」

 「畏まりました。担当のスタッフ到着までこちらでお待ちください。」

 「はい。」

 すると、マネージャーが姿を現した。

 「あら、こんにちは。」

 「こんにちは。」

 「ジュリアーノさんから聞いてるわ。君がラブちゃんが言ってた黄色いブレザーの子。」

 「あなたは。」

 「私はトリニティ所属事務所のマネージャー。」

 「トリニティのマネージャーさんですか。」

 「そうよ。今日は、見学を兼ねてラブちゃんたちに会いに。」

 「はい。」

 「まず見学を終えたら、ここでもレッスンが受けられるよう、会員証発行の手続きを行うわよ。」

 「私、お金持っていないけど。」

 「大丈夫。事務所が負担するから安心して。」

 「はい。」

 「担当のスタッフが到着したら、知らせておくわ。一緒に5階にあるダンススタジオへ来てもらうからね。」

 「はい。」

 

 5階 スタジオ「ディアナ」

 

 ダンスレッスン中。新しいエクササイズは行っていない。

 「ふわあー、ハーーーッ、ハアハア。」

 「お疲れ。」

 「今日は、これくらいにしよう。」

 「ハアハアハアハア。」

 「もうダメ、体力の限界。」

 「あたし完璧には程遠いわね。」

 「トリニティのダンスは3人編成だからね。イマイチ、決まらないのよ。ねえ、あと1人誰かいないの。」

 「あと1人か。」

 「いるにはいるんですけどね。」

 「そのあと1人、連れてきたわよ。」

 「エエーーーッ。」

 「マネージャーさん、この子。」

 「そうよ。」

 「ブ、ブッキー。」

 「良かった。メール見て気付いてくれたのね。」

 「ジュリアーノさんが教えてくれたの。それまで、メールの存在に気付かなかったの。」

 「ブッキーって言ったけど、本当のお名前は。」

 「山吹祈里と申します。」

 「祈里ちゃんね。覚えておくわ。」

 「はい。」

 「良かった、ブッキー。」

 「これで3人揃ったね。次回から新しいエクササイズへ進めるわ。」

 「やったあーー。」

 「それじゃあ、あたしは後方付けするから、マネージャーさんの言う通り行動して。」

 「はい。」

 

 数十分後 フロント前のロビー

 

 「やったね、ブッキー。」

 「これで会員証が発行されたわ。」

 「3人共。」

 「はい。」

 「明日、土曜日だから、朝から長時間レッスンを行うわよ。祈里ちゃん、ちゃんと来てくれるね。」

 「はい。」

 「良かった。」

 「今日は遅いから、これにて解散します。」

 「はい。」

 「解散。」

 ラブ、美希、祈里の3人は、セントラルフィットネスクラブを後にした。

 

 西台駅駅舎内

 

 「私、チケット買ってくるわ。」

 「そうか。」

 「ICカード持ってないからね。」

 

 しばらくして

 

 「買ってきたわよ。」

 「じゃあ、行こうね。」

 「うん。」

 改札口へ向かった。

 「ピッ、ピッ、スルッとパッ。」

 

 2番ホーム

 

 「ピンポポポピンポポポポロローーン。」

 「間もなく、2番線に西高島平行き電車が到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」

 「フォン。ゴオーーーーーーッ、キューーンキューーンキューーンキューーンキューーーウーーーーゥーーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「ピューーーッピューーーッ。」

 降客が多数います。

 「ゾロゾロゾロゾロ。」

 降客がいなくなった。

 「さあ、乗り込むよ。」

 「うん。」

 「西台、西台。2番線は西高島平行き電車です。」

 「空いてる空いてる。」

 「座ろう。」

 3人揃って着席した。

 「まだ発車しないね。」

 「この駅で乗務員交代するからね。」

 「車庫がこの駅にあるからね。」

 「タタタタタターータタタタタターーーーーー。」

 「プシュッ、ピンポンピンポン。」

 「タタタタタタタンタタタタタタタン。」

 「ブーーーーーッ、キューーン。」

 「やっと動いた。」

 「次は高島平、高島平。お出口は右側です。」

 

 4分後

 

 新高島平駅に到着した。

 

 駅舎を出て

 

 「これで3人揃ってレッスンね。」

 「本当、よく来てくれたよ。」

 「道理でいないと思ったわ。」

 「これからは、公園でもスポーツクラブでもレッスンを受講できるね。」

 「うん。」

 「ところで明日、歓迎セレモニーやらない。」

 「歓迎セレモニーって。」

 「ブッキー、明日楽しみにして。」

 「うん。」

 「首都高の高架下まで来たわ。ここでお別れね。」

 「じゃあ、また明日ねバイバイーー。」

 「バイバイ。」

 3人は、別れてそれぞれの家路へ向かった。

 

 その日の夜 山吹家

 

 「シューーッ、シューーッ、シューーッ、シューーーッ。」

 「練習着の完成を急がないと。」

 「コンコンコン。」

 「祈里、入るわよ。」

 「スルスルスル。」

 「明日、タケシ君が公園に来て欲しいって。」

 「今日、退院したもんね。初散歩ってこと。」

 「そうよ。」

 「ママ、明日、トリニティのダンスレッスンを受講するわ。」

 「その話も、マネージャーさんから連絡があったわ。」

 「本当。」

 「頑張って行って来て。そのうち、たけし君にも会えるはずだからね。」

 「はい、ママ。」

 

 ラビリンス 首都ピョンピョン総統官邸内謁見の間

 

 「何、より巨大で凶悪なナケワメーケを繰り出して見せると。」

 「ハッ。今まで室内での戦いでしたから、体を巨大化できなかったのも確かです。私の魔力はこんなものではありません。」

 「イースよ、確かに君の魔力は3幹部の中では一番だ。これまで繰り出したナケワメーケではないはず。」

 「ご理解いただけましたか。今度こそ屋外で体長40m級の凶悪ナケワメーケを繰り出して見せます。そして、日本国の首都東京を壊滅さして見せます。」

 「相分かった。行くがよい。」

 「ハッ。」

 

 翌朝 土曜日 赤塚公園

 

 「おはようございます。」

 「おはよう。今日は、ナナもレイカも来ているね。」

 「はい。私、初歩的なエクササイズを考案したわ。」

 「ナナ、何のエクササイズ。」

 「マーチよ。」

 「マーチ。」

 「と言うことは行進。」

 「それ良いわね。」

 「本当、初歩の初歩だね。」

 「レイカは。」

 「あたしは腰振りだけど、左右繰り返しだけで良いかな。」

 「初心者だから、それで良いんじゃない。」

 「やったあ。」

 「午後は1曲やってもらうからね。」

 「何の曲。」

 「行進曲はどうかしら。」

 「それ、良いわね。」

 「ナナがマーチの振りを組み入れると言うからね。」

 すると、美希が姿を現した。

 「おはようございます。」

 「おはよう。」

 「あれ、ナナさんとレイカさん。」

 「そうよ。明日、公演があるから、レッスンの様子見に来たのよ。」

 「よろしくね。」

 「はい。」

 続いて、ラブが姿を現した。

 「おはようございます。」

 「ラブちゃん。」

 「ラブ。」

 「皆に起こされて、早めに来たよ。ブッキーに先を越されたくないからね。」

 「ブッキーって。」

 「祈里ちゃんのことよ。」

 「今日から新たに受講する子ね。」

 「はい。」

 すると、祈里が姿を現した。

 「おはようございまーーす。」

 「うわっ。」

 「2人とは違う格好ね。」

 「おはよう。」

 「皆様にお願いがあります。」

 「お願い。」

 「どうぞ、何なりと言いなさい。」

 「はい。ダンスユニットに私も入れて。」

 「パン。」

 「待ってましたあーーー。」

 「もちろん大歓迎よ。」

 「それでね。ラブちゃんとミキタンにこんなの作ってみたんだけどどうかな。」

 「新しい運動着。」

 「はい。では、ピンクがラブちゃんでライトブルーが美希ちゃん。」

 「今、着ているのが私。」

 「手作り。」

 「はい。」

 「まあっ、可愛い。」

 「て、言うか、準備良過ぎ。」

 「どれどれ、あたしにも見せてくれる。」

 「はい。」

 「本当、ジャージの生地だわ。」

 「動きやすそう。」

 「祈里ちゃん、よくこんな服、作れるね。」

 「はい。」

 「驚きだよ。」

 「ラブちゃん、美希ちゃん、着替えてみてはどう。」

 「よろしいのですか。」

 「君たちの手製ジャージ姿、是非見たい。」

 「はい。」

 「じゃあ、最寄の女子トイレで着替えてきて。」

 「はい。」

 ラブと美希は、祈里が作った練習着を持って女子トイレへ向かった。

 「あらあら、クラッカーのゴミ。」

 「私、捨ててきます。」

 「行って来て。」

 「はい。」

 

 数分後

 

 「3人共、お揃いね。」

 「はい。」

 「じゃあ、レッスン始めるわよ。」

 「はい。」

 「ダンス頑張ろう。」

 「良い決心よ。」

 「まず、祈里ちゃんから基礎の基礎。スクワットからやってもらうわよ。」

 「はい。」

 「他の2人は、ナナとレイカの指導のもとで、これまでのエクササイズを復習して。」

 「はい。」

 こうしてレッスンは始まった。

 祈里は、スクワットを無事こなしゴーゴーダンスへ。

 「良いわよ。上半身の振り良いわね。」

 「はい。」

 「次は、ゴーゴーをやりながらスクワットもやってみて。」

 「はい。」

 ミユキと祈里の1対1のレッスンは、しばらく続いた。

 「祈里ちゃん、もう良いわね。これで3人揃ってのレッスンを受けてもらうからね。」

 「はい。」

 「皆、休憩するよ。」

 「はい。」

 休憩時間に入った。

 

 15分後

 

 「それでは、次のエクササイズに入るわよ。まず、ナナの案件でマーチをやってもらうわ。」

 「はい。」

 「皆さん、マーチとは行進のことよ。まず、足踏み行進からやってみるからね。見ていて。」

 「はい。」

 ナナは、足踏み行進を始めた。

 「1、2、1、2、1、2、1、2。」

 「今度は歩いてみるからね。」

 「1、2、1、2、1、2、1、2。」

 ナナは、周囲を1週、行進した。

 「さあ、基礎中の基礎『マーチ』をやってもらうからね。」

 「はい。」

 ラブ、美希、祈里の3人はまず、足踏み行進をし始めた。

 「1、2、1、2、1、2、1、2。」

 「ラブちゃん、背筋伸ばして。」

 「はい。」

 「美希ちゃん、もっと脚上げて。」

 「はい。」

 「祈里ちゃん、行進遅いよ。」

 「はい。」

 足踏み行進はしばらく続いた。

 「良いね。今度は歩いてもらうわよ。」

 「はい。」

 ラブ、美希、祈里の3人は歩き始めた。

 「バラツキがあるね。」

 「初めはこんなものかな。」

 

 1週しかかった時

 

 「全員、足踏み。」

 「はい。」

 再び、足踏みし始めた。

 

 しばらくして

 

 「全体、止まれ。」

 「ハアーハアーハアーハアー。」

 「初めはこんなものよ。何度も何度も繰り返して行けば、必ず揃うようになるからね。」

 「はい。」

 「次、レイカさんのエクササイズをやってもらうからね。」

 「はい。」

 「皆様、おはようございます。」

 「おはようございます。」

 「あたしのエクササイズは、腰の左右グラインドをやっていただくからね。」

 「はい。」

 「では、まず、両手の親指と人差し指の間を腰の上に付けて。」

 「はい。」

 「それでは、左右に振ってみるからね。」

 「左、右、左、右、左、右、左、右。」

 「さあ、皆もやってみて。」

 「はい。」

 ラブ、美希、祈里の3人は、腰のグラインドをゆっくりやり始めた。

 

 お昼 正午

 

 「今日の午前中のレッスンはここまで。1時間後、今度はBGM付きでレッスンを行うからね。」

 「はい。」

 

 60分後

 

 「皆、集合したね。」

 「はい。」

 「それでは、今まで行ってきたエクササイズを組み合わせて、行進曲のBGMに乗せてやってもらうからね。」

 「はい。」

 ミユキは、オーディオポットのスイッチを入れた。行進曲が流れ始めた。

 「さあ、行進して。」

 「はい。」

 「こうして午後のレッスンが始まった。」

 

 50分後

 

 「はい、ちょっと休憩。」

 「ふわあーー。」

 「疲れる。」

 「まだまだ完璧じゃないね。」

 すると

 「ワンワンワン。」

 「祈里お姉ちゃん。」

 「タケシ君、ラッキー。」

 「あら、お知り合い。」

 「はい。」

 「明日もダンスの練習をするのですか。」

 「タケシ君ね。明日のスケジュール教えておくわ。」

 「タケシ君。」

 「はい。」

 「明日、トリニティの3人は公演で地方へ行くから。レッスンはお休みです。」

 「本当。じゃあ、祈里お姉ちゃんたちは。」

 「本人たちに聞いて。」

 「はい。」

 「ねえ、祈里お姉ちゃん。明日、荒川河川敷へ付き合ってくれない。」

 「荒川河川敷。」

 「祈里ちゃん、行ってあげなさい。」

 「はい。」

 「私たちも一緒に行って良いですか。」

 「もちろんよ。」

 「河川敷良いわね。広いからね。自由練習するには絶好の場所よ。」

 「そうですか。」

 「レッスン無しだから、この子の犬の散歩でも付き合いながら練習するのも1つの手段よ。」

 「はい。」

 「じゃあ、タケシ君、祈里ちゃんたちいつ頃来て欲しいのかな。」

 「朝、8時。いつもは、早朝に行くけど、まだ夜が明けるのが遅いから、朝食食べてから散歩に出かけるの。」

 「なるほどね。」

 「待ち合わせ場所、河川敷で良いね。」

 「うん。」

 「じゃあ、約束しておくからね。」

 「はい。」

 「明日、ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃんの3人は荒川河川敷に8時までに集合。」

 「はい。」

 「河川敷は広いから、今回、笹目橋寄りの河川敷でお願いします。」

 「分かったわ、笹目橋寄りね。」

 「ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃん良いわね。」

 「はい。」

 「それじゃあ、レッスン再開するよ。」

 「僕はここで失礼します。」

 「気を付けて帰るのですよ。」

 「はい。」

 「ワンワンワン。」

 タケシ君と犬のラッキーは去った。レッスンは再開された。

 

 翌日 日曜日

 

 3人は荒川河川敷へ向かった。ところが、3人の後を付けてくる女がいた。東せつなである。

 「フフフフフフ。覚悟しなさい。今度こそ、凶暴なナケワメーケを繰り出し、首都東京を壊滅に陥れるわ。」

 せつなは、タケシ君の飼い犬ラッキーを狙っていた。

 

 荒川河川敷

 

 「タケシくーーん。」

 「僕はここだよ。」

 「じゃあ、ブッキー。付近で練習するからね。」

 「うん。」

 「タケシ君おはよう。」

 「おはよう、祈里お姉ちゃん。」

 「広いわね。十分目に届く位置だから、ここで練習しよ。」

 「うん、ミキタン。」

 「ラッキーってば、走りたくてうずうずしてるんだ。」

 「ウフッ。でも、まだまだ病み上がりだもの。あまり無理させてはダメよ。ラッキーはお調子だから。直ぐ。」

 「ワーーーーーッ。」

 「ワン、ワンワン。」

 「もうーーーっ、言ってる側から。ダメよ、ラッキー。」

 「ワンワン、ザブーーーン。」

 ラッキーは荒川に飛び込んだ。犬掻きで泳いでいる。

 祈里はラッキーを追って、川の側まで来た。

 「戻りなさい、ラッキー。」

 「ワンワンワン。」

 ラッキーは、戻って川から上がって来た。

 「ワン、ワンワン。」

 「ブルブルブル。」

 「うははははっ、ラッキー。やったわね、エイッ。」

 「バチャッ。」

 「うふふふっ、うはははははっ。」

 「ワンワンワン。」

 「うふふふふっ、うはははははっ。」

 「ミキタン、あれは。」

 「キルン。」

 「キィーーーッ。」

 「ワンワン。」

 「うふふふふっ、うはははははっ。」

 「はははははははっ。」

 

 笹目橋

 

 「幸せなど無くなってしまえ。」

 「スイッチ・オーバー。」

 

 河川敷

 

 「ワオーーーン、ワンワン。」

 「本当、祈里お姉ちゃんって動物大好きなんだね。」

 「でもね。実は、どうしても苦手な動物がいるの。」

 「エーーーッ、何々、教えて。」

 「それはね。」

 「ウーーーーーーッ。」

 「あの女は。」

 「イースよ。」

 「ブッキーとタケシ君が危ない。」

 「急ごう。」

 「ワン。」

 「ラッキー。」

 「ダメ、戻りなさい。」

 「ウーーーーーッ。」

 「ナケワメーケ3号、我に仕えよ。」

 「シューーーーッ、ペタッ。」

 「ドローーーーン。」

 ラッキーの細胞が膨張し始めた。

 「ラッキー。」

 ラッキーは、体長40mの巨大犬怪獣「ナケワメーケ3号」に変身した。

 「ガルルルルルルルルルッ、ガオーーーーーーーーーーーーーーーン。」

 「ラッキーが。」

 「はぁっ。」

 「ナケワメーケ3号、暴れ回れ。」

 「ワアーー。怪獣だ。」

 「逃げろー。」

 堤防及び河川敷にいた人々は逃げ始めた。

 「ガオーーーーーン。」

 「キャインキャイン。」

 ナケワメーケ3号は、堤防を越え中央卸売市場板橋市場を襲い始めた。

 「ブッキー、タケシ君。」

 「今のうちに、新河岸小学校経由で逃げるわよ。」

 「嫌だ。ラッキーを戻して。」

 「タケシ君、今、自分の命を大切にして。」

 「何でだよ。元に戻してえーーーーっ。」

 「それは、警察か自衛隊に任せるしか無いの。」

 「ミキタン、ブッキー。とにかく抱えて山吹動物病院へ急ぐわよ。」

 「嫌だあー。戻して。お願いだよ。」

 

 中央卸売市場駐車場

 

 「逃げろ。」

 「うわあーーっ。」

 「キャアーーーッ。」

 「ガシャッ。」

 高級車1台をぶっ壊した。

 

 プリキュアパレス

 

 「マリー様、何か。」

 「たった今、ラビリンス軍人イース中将が、この時点で殺人未遂罪の犯罪を犯した。よって、この女のプリキュア就任は、一切禁止する。」

 「ハッ。」

 「薫子、イース中将の余罪を調査せよ。全パラレルワールドで多くの戦争犯罪を犯している疑惑がある。頼むぞ、薫子。」

 「ハッ。」

 

 新河岸小学校前

 

 「ラッキー。お姉ちゃんたち、ラッキーを戻してよ。」

 「私たちでは無理。だから、警察か自衛隊でしょ。」

 

 笹目橋

 

 「ドスン。」

 

 高島平駅前界隈

 

 笹目橋から大きな音が聞こえた。

 「やめて、ラッキー。うわーーんうわーーん。」

 「大通りへ来たわ。」

 「警察署が近くにあるよね。」

 「でも見て。」

 「ウーーウーーウーーウーーウーーーーーッ、ピュピュピュピュピュピュピュピュ。」

 「パトカーだけじゃない。自衛隊の装甲車もいたわ。」

 「たくさん出払ってるね。いるのかな。」

 「高島平警察署に着いたわ。タケシ君、相談してみよう。」

 「うわーーんうわーーーん。」

 

 高島平警察署

 

 「あいにく出払っていて、鑑識課しかいないんだけど。」

 「お願いです。」

 「この子の飼い犬ラッキーを助けてください。」

 「何、この子の飼い犬が怪獣にされたのか。」

 「うわーーんうわーーん、ラッキー。」

 「ひどいことするな。分かった。ここも危険だから、家族のいる場所へお送りしましょう。」

 「では、山吹動物病院までお願いします。」

 「ここに、この子の家族も避難で来ているんだね。」

 「はい。」

 「では、緊急搬送しましょう。パトカーに乗り込んで。」

 「はい。」

 ラブ、美希、祈里、タケシの4人は、鑑識課保有のパトカーに乗り込んだ。

 「ガラガラガラピシャ、バタンバタン。」

 「ウーーーッ、ウーーーーーッ。」

 

 笹目橋

 

 ナケワメーケ3号がやりたい放題大暴れしていた。

 「もっとやれ。逃げ惑う民衆共、もっと泣けワメケ。」

 「うわっ。」

 「キキーーッ。」

 「ガブッ。ムシャムシャムシャムシャ、ポイ。ドボン。」

 「く、車を噛み砕いた。」

 「ペッ。」

 「バチャバチャバチャバチャ。」

 警視庁の特殊狙撃隊及び陸上自衛隊が到着し狙撃の準備を始めた。更に、北から埼玉県警の特殊狙撃隊が到着し狙撃の準備を始めた。

 

 山吹動物病院

 

 「これは、タケシ君のご両親。」

 「先生、タケシ君は来てませんか。」

 「今朝、娘と一緒に荒川河川敷へ散歩に出かけたのだが、どうかしましたか。」

 「その荒川河川敷に怪獣が出現したのです。」

 「エッ。」

 「まさか。」

 「その怪獣出現騒動に巻き込まれていないか心配です。」

 すると

 「ウーーーーーッ、ピュピュピュピュ。ウーーーーーーッ。」

 「パトカーだ。外へ出てみよう。」

 「はい、あなた。」

 「ガラガラガラ、パタパタッ。」

 「ラブちゃん、美希ちゃん、祈里。」

 「タケシ君もだ。」

 「パパ、ママ。ラッキーが。うわーーんうわーーん。」

 「タケシ、どうしたの。」

 「ラッキーが、人相の悪い女に怪獣にされたんだよ。」

 「何、あの犬怪獣、ラッキーか。」

 「ひどい。」

 「タケシ、君が無事であることにホッとしている。」

 「3人のお嬢さん及び刑事さん、ありがとうございます。」

 「タケシ、まず、自分の命を大切にしろ。ラッキーはその次だから。」

 「パパ。うわーーんうわーーんうわーーんうわーーん。」

 「良かった。」

 「タケシ君。」

 「ご家族の皆様、ラッキーのことは、警察及び自衛隊に全てお任せください。」

 「なあ、そうするんだ。」

 「我が国の治安と国家権力を信じて。」

 「うわーーんうわーーん。」

 「あら、ママ。」

 「お母さん。」

 「私たちは、この近辺を守るから2人共、行って来なさい。」

 「はい。」

 ラブと美希は笹目橋方面へ再び向かい始めた。

 「祈里。」

 「どうしたの。」

 「キィーーッ。」

 

 回想編 ドーナツカフェ

 

 「誰かが代わってくれるワケ無いでい。だから結局、最後は自分を信じて結果出すしか無いでい。」

 

 現実へ戻って

 

 「私がやらなくちゃ。自分を信じて、私を信じて。」

 祈里も笹目橋方面へ向かい始めた。

 「祈里お姉ちゃん。」

 「祈里。」

 「祈里。」

 「もしかして、笹目橋方面へ向かったのでは。」

 「刑事さん。」

 「畏まりました。現地の部隊に報告します。」

 「お願いします。」

 

 建物の陰

 

 「ところで、今度のナケワメーケ大きくない。」

 「2人がかりなら、何とかなるよ。」

 「ラブと美希はリンクルンを差し出し、外部メモリーを差し出し、90度に捻った。」

 「チェンジ。プリキュア・ヒーーーーート・アーーーーーッッップ。」

 例の如くラブと美希はプリキュアに変身した。

 「飛んで向かうわよ。」

 「OK。」

 

 笹目橋

 

 ナケワメーケ3号はやりたい放題暴れている。だがこの橋は、一般道及び高速道両方併せて片側6車線もある巨大橋梁で、欄かんは破損しても、橋桁及び橋脚の破損は無い。

 「ガルルルルルルルルルルルルルルルルッ。」

 「装甲車及び砲撃隊、準備は良いか。」

 「ハッ。」

 「装甲車及び砲撃隊。」

 「撃てーーーーーーーーッ。」

 「ボン、ボンボンボンボンボンボンボン。」

 「ガルーーーーーッ。」

 逃げ遅れている人(既に死亡かも)がいる上、2次被害防止対策により威力の小さい砲玉しか使えず、ナケワメーケ3号にはあまりダメージを受けていない。

 

 荒川堤防

 

 「埼玉側、準備は良いか。」

 「準備完了です。」

 「よーーーし。」

 「撃ち方、始め。」

 「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。」

 「コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン。」

 「ガルルルッ。ブルブルブルブル。」

 「うわあーーっ。」

 「弾丸が360度全方向へ飛んで来たぞ。」

 「伏せろーーーーーー。」

 「キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン。」

 「ああ、だらしない警察と自衛隊。フフフ。愚かな日本の警察・自衛隊共。もっと泣けわめけ。」

 「クソーーーーッ。」

 「成すすべが無い。」

 「怪獣を討伐するヒーローはいないのか。」

 「もっと暴れろ、ナケワメーケ3号。街を破壊し、愚かな者共を不幸のどん底へ叩き落としてやれ。」

 「空を見ろ。」

 「あの派手な格好した者たちは。」

 キュアピーチとキュアベリーは、笹目橋東側の荒川河川敷で着地した。

 「警察隊及び自衛隊の皆様、私たちプリキュア隊がこの犬型大怪獣を倒して見せます。」

 「何で、チュチュコスだ。」

 「モームスみたいだ。」

 「ピンクのハートは愛ある印。」

 「パンッ。」

 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」

 「ブルーのハートは希望の印。」

 「パンッ。」

 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」

 「アイドルのような格好しているけど大丈夫か。」

 「何言ってるの。私たちこそ正義の味方『プリキュア隊』よ。」

 「うわさでは聞いていたが2人ではね。」

 「まあ、見てなさい。」

 「ハアーーーーッ。」

 「バシン。」

 「キャーーーッ。」

 「現れたか、プリキュア。」

 「行くよ。」

 「OK。」

 ピーチとベリーは一斉に大ジャンプした。

 「ダブル・プリキュアキィーーーーーク。」

 「バシン。」

 前足で叩かれた。

 「キャーーーッ。」

 「手強い。」

 「大丈夫やろか。かよわき女子(おなご)2人で。」

 「フッフッフッ。何をやっても無駄よ。」

 

 荒川堤防付近

 

 「お願いです。通してください。」

 「君は女子高生ではないか。」

 「お願いです。今、怪獣と戦っている女の子たちの仲間です。」

 「君もプリキュア隊の一員だと言うのか。」

 「た、隊長。」

 「通してあげろ。数が増えた方が良いに決まってる。」

 「畏まりました。君、行っていいよ。」

 「ありがとう。」

 祈里は、警察隊が仕切った立ち入り禁止エリアに入った。その直後

 「キィーーッ。」

 キルンが姿を現した。

 

 荒川河川敷

 

 「ガオーーーーン。」

 「ヒョイヒョイ。」

 「ドスン。」

 「ガルルルルルルルッ。」

 すると、祈里が姿を現した。

 「もうやめて、ラッキー。」

 「ブッキー。」

 「ダメよ、ラッキー。やめて、もう暴れちゃダメ。」

 「ドスンドスン。」

 「ガルルルルルッ。」

 「動きが止まった。」

 「私には分かるわ。ラッキー、あなたは、本当は助けて欲しいんでしょ。」

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「キュア。」

 「オッ、どないしたんや。」

 「プリーーーーッ。」

 

 荒川河川敷

 

 「ガルルルールーーーッ。」

 「おおーーーーっ。」

 「おとなしくなったぞ。」

 ラッキーはおとなしくなった。しかも泣き出すような表情をした。

 「通したかいがあった。」

 「あの女の子に、そんな能力があったのか。」

 「あの娘、きっとやってくれるだろう。」

 「ナケワメーケ3号が。」

 「泣いている。」

 「お願いです。警察も自衛隊もプリキュアも皆さん、攻撃しないでください。」

 「エッ。」

 「エエーーーッ。」

 「だってそいつは。」

 「ラッキーと言う飼い犬なんです。本当は悪い子じゃないの。」

 「エエーーーッ。」

 「飼い犬なのか。」

 「ブッキー。」

 「あへっ。」

 「何している。ナケワメーケ3号、我に従え。」

 「残忍な声が聞こえたぞ。」

 「キィーーーッ。」

 「ガルルルルルルル。」

 「よけろ。」

 「ガオーーーーン。」

 「パッ、ヒョイ。」

 ピーチとベリーはブッキーを抱え、かろうじて回避した。

 「おおーーーっ、間一髪だ。」

 「バタン。コンコロロ--ン。」

 祈里の携帯電話がポケットから落下した。

 「ガルーーーーッ。」

 「キィーーーッ。」

 「何。」

 祈里の携帯電話がリンクルンに変化した。

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「キュアキュアフリップウーーーッ。」

 「何やて、まさか3人目のフレッシュプリキュアが。」

 

 荒川河川敷 

 

 「ブッキー、自分携帯電話を拾いに行って。蓋を横に開いて外部メモリーを90度に捻って。」

 「分かったわ。」

 祈里は、自分の携帯電話を拾った。外部メモリーは最初から差し込んである。蓋を横に開け、メモリーを差し込み90度に捻った。

 「チェンジ。プリキュア・ヒーーートアーーーッッップ。」

 強制的着替えが始まった。

 祈里はまず黄色濃淡チュチュドレス、ライトイエローのバニエとアンダースコート、四ツ葉フレプリ紋様バッジ、右頭にイエローハートエンブレムの付いたオレンジのリボン、両耳にイエローハートピアス、首にライトオレンジチョーカー、胴体ストラップキャリーケース、両脚にオレンジのハイソックスと黄色濃淡ブーツ、両腕にイエローブレスを自動装着した。そして....

 「イエローハートは祈りの印。」

 「パンッ。」

 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」

 「プリキュア隊が3人になったぞ。」

 「ブッキー。」

 「ブッキーもプリキュアだったのね。」

 「ブッキーって。もしかして、ラブちゃんとミキタン。」

 「そうだけど、変身中はピーチと呼んで。」

 「あたしはベリーよ。」

 「さあ、もう1挨拶よ。」

 「OK。」

 「レッツ!プリキュア!」

 「ゲッ、また増えたか。何がレッツプリキュアだ。ナケワメーケ3号、始末せよ。」

 「ガルルルルルルルル、ガオーーーーーーン。」

 「キャーーーーッ。」

 「ヒョイヒョイヒョイ。」

 「ドスーーーン。」

 「タアーーーッ。」

 「バシン。」

 「ダメ、攻撃しないで。」

 「タアーーーーッ。」

 「バコン。」

 「エイッ。」

 「シューーーッ、パタッ。」

 「2人じゃダメだわ。」

 「ドスン。」

 「パイン、あなたも力を貸して。」

 「でも。」

 「ラッキーを戻すためよ。」

 「ラッキーを。」

 「そのために、あなたの力が必要なの。」

 「自分を信じて。分かったわ。ラッキーは、私が元に戻してみせる。」

 「うん。」

 「ガオーーンガオーーーン。」

 「ヒョイヒョイヒョイ。」

 3人は一斉にジャンプした。

 「トリプル・プリキュア・キィーーーーーック。」

 「バコンバコンバコン。」

 「キャイーーーーーン。」

 「ズザーーーーーーーッ。」

 「キャンキャンキャンキャン。クーーーーーン。」

 「パイン、今よ。」

 「後は任せて。」

 「OK。」

 「さあ、ラッキー、この魔法でおとなしくなりなさい。悪いの」

 「そうは行くか。今度こそ始末せよ。」

 「ガルルルルルルルル。」

 「危ない。」

 「避けろ。」

 「パイン、危ない。」

 「ガオーーーーン。」

 「悪いの飛んで行け。プリキュア・ヒー....キャッ。」

 避けようとしたが、牙がかするようにヒットした。

 「ドデッ。」

 「へ、変身が解けた。」

 「ヤバイよ。ここは一旦引き付けてベリー、向かって。」

 「OK。」

 

 山吹動物病院

 

 「ウッ。」

 「不吉な予感が。」

 「まさか、あなた。」

 「タケシ君、部下たちとずっと居て。」

 「祈里お姉ちゃんに何が。」

 「心配しないで。」

 「絶対に動いたらだめだぞ。」

 正と尚子は外へ出た。

 

 出入口外

 

 「どうなさいました。」

 「頼む、戦いの現場を行ってくれないか。」

 「お願い、娘が心配なの。」

 「分かりました。乗ってください。」

 「ありがとう。」

 「ガラガラガラパタン、パタン。」

 「ウーーーーーッ。」

 

 荒川河川敷

 

 「ダブル・プリキュア・キィーーーック。」

 「ベリー今よ。」

 「OK。」

 ベリーは倒れてるブッキーを救出に向かった。ところが、

 「しまった、追って来た。」

 

 スウィーツ王国ナノ研究所

 

 「クソッ、こうなったら。」

 「ポチッ。」

 

 荒川河川敷

 

 「ボン、シューーーーッ。」

 キュアベリーのヒールの底がジェット噴射した。その凄いスピードでブッキーのもとへ向かい、抱え、間一髪、救出した。

 「堤防の反対側へ隠れるわよ。」

 「OK.」

 

 荒川堤防外側

 

 「ブッキー、ブッキーしっかりしてぇ。」

 「出血が多いわ。」

 「オーーイ、どうした。」

 「け、怪我人よ。」

 「これは、いかん。担架を持ってきてくれ。」

 「ハッ。」

 

 荒川河川敷

 

 「ヘッ。怖気づいたか、プリキュア共。ナケワメーケ3号、川崎へ向かうぞ。関東中を火の海にしてやる。」

 「ガオーーーーーーーーーーーーン。」

 「ナケワメーケ3号は南進し始めた。」

 「行ってしまったわ。」

 

 荒川堤防外側

 

 「ウーーーーーーッ。」

 「救急車があるぞ。」

 「隊員がいない。」

 「来たぞ。」

 「これは鑑識課課長。」

 「頼む、プリキュア隊の両親だ。心配しているからここへ連れて来た。」

 「プリキュア隊メンバーの両親ですか。」

 「畏まりました。」

 「それでは、娘のお父さんお母さん、降りてください。」

 「はい。」

 「ガラガラガラ。」

 「さあ、運ぶぞ。」

 「痛い。」

 「ブッキー、我慢して。」

 すると

 「祈里、祈里、しっかりして。」

 「お父さん、お母さんですか。」

 「ハイ。」

 「娘さん、出血さえ止まれば、なんとかなります。」

 「あなた、一緒に救急車に乗って。」

 「わ、分かったよ。」

 正も救急車に乗った。

 「それでは、怪獣は南の方へ行きましたので、北の方の救急指定病院へ急行します。それでは、

失礼します。」

 「バタン。.....バタン。ピーポーピーポーピーポーピーポー。」

 「行ったわね。娘のリベンジ果たさしていただくわ。」

 「ブッキーのお母さんも。」

 「伝説のプリキュア。」

 「そうよ。ここでは狭いから、堤防を上がって。」

 「はい。」

 「あなた様もプリキュア隊ですか。」

 「そうよ。」

 「どうぞ、お通りください。」

 

 荒川河川敷

 

 「これは、黄色いリンクルン。」

 「今、変身して見せるわ。」

 尚子はリンクルンの蓋を横に開き、付属の外部メモリーを差し込み90度に捻った。

 「チェンジ。マザープリキュア・ヒーーーーーート・アーーーーッッップ。」

 強制的着替えが始まった。

 まず尚子は黄色濃淡チュチュドレス、ライトイエローバニエとアンダースコート、四ツ葉フレプリ紋様バッジ、右頭にイエローハートエンブレム付きライトオレンジのリボン、目元にダイヤモンドアイメイク、首にライトオレンジのチョーカー、左太ももにビーエヌオーガーターベルトキャリーケース、両脚にオレンジのハイソックスと黄色濃淡ブーツ、両腕にイエローブレスを自動装着した。そして...

 「イエローハートは祈りの印。」

 「パンッ。」

 「とれたてスウィート。キュアパイーーーーーーーンマザーーーーーーーーッ。」

 「パインマザー。」

 「改めて、挨拶するわよ。」

 「はい。」

 「レッツ!プリキュア!」

 「犬を巨大化した怪獣に対抗するには、巨大化するしかないわ。」

 「巨大化。」

 パインマザーはリンクルンを取り出し横に蓋を開け、今度は外部メモリーを270度に捻った。

 「チェンジ。ウルトラプリキュア・ヒーーーーート・アーーーーーッッップ。」

 身長40mまで巨大化した。ウルトラプリキュアの誕生である。

 「これなら、あの凶悪怪獣を倒せるぞ。」

 「待ってました。ウルトラマンならぬウルトラプリキュア。」

 「これこそ、真の救世主だ。」

 「頼むから、あの巨大犬怪獣倒してくれ。」

 「分かったわ。その前に、ピーチとベリー。パインが敗れ戦線離脱した経緯まで説明して。」

 「はい。」

 

 一方

 

 ナケワメーケ3号は、東武練馬駅南にある陸上自衛隊駐屯地が狙われた。それに対し、自衛隊も大量の砲台を準備して待ち構えてた。

 「ここは、日本国自衛隊基地。ヤレ、ナケワメーーーケ3号。」

 「スッ。」

 「イースは一旦消えた。」

 「来たぞ。」

 「対策は考えてる。全て砲だけで揃えたからな。」

 「撃ち方始めーーーーーーーーーーっ。」

 「ボン、ボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボン。」

 「バンバンバンバンバンバンバン。ドカンドカンドカンドカンドカン。」

 「ダメだ。微動だにしない。」

 「ガルルルルルルルルル。ガオーーーーーーン。」

 「ブーン。」

 「ドーーーーーン。ガラガラガラ。」

 「ガオーーーン。」

 「ドン、ガラガラガラガラグシャグシャグシャ。」

 「ガオーーン。」

 「ガブッ。グニャーーーーーッ。ボリボリボリ。ピューーーーーッ。」

 「コンコンコンコンコンコン。」

 「何と、通信鉄塔を噛み砕くとは。戦車隊及び重火器隊、撃ち方始め。」

 「ボン、ボンボンボンボンボンボンボン。」

 「コンコンコンコンコンコン。」

 「ガルルルルルルルルルルルルルッ。ガオーーーーン。」

 「ドカッ、バキッ、グシャグシャグシャグシャ。」 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。逃げろーーーーーーっ。」

 「ヘッ、愚かな自衛隊。環八通りを南下するぞ、ナケワメーケ3号。」

 ナケワメーケ3号は、自衛隊駐屯地を後にした。

 「クソーーーッ。なんて化物だ。ウルトラ隊のような特殊部隊はいないのか。」

 「シューン。」

 

 荒川河川敷

 

 「本当に情けないねえ。」

 「警察なんて、自衛隊なんて、巨大怪獣にかかったら本当に手に負えないんだから。」

 「でも、ラッキーでしょ。」

 「だから、タケシ君のためにこの姿で動くしかないわよ。犬はリーダーシップを取ると暴走してしまうわよ。」

 「そうなの。だから、ブッキーは怪我をしてしまったワケ。」

 「娘は優し過ぎるからよ。説得は一切通用しないわ。」

 「でも、一時的に通用したらしいの。」

 「豹変しなかった。」

 「したわ。」

 「操っている人いなかった。」

 「いたわ。イースよ。」

 「恐らく、怪物を繰り出した犯人ね。」

 「そうらしいの。先に、イースを突き止めていたのなら、恐らく娘の説得効いたのかもしれない

ね。」

 「そう思うと悔しいね。」

 「今更言っても仕方ないわ。怪獣にされたラッキーを元に戻すには、服従させるしかないわ。」

 「どうすれは。」

 「犯人を追い詰め操れなくすること。次に、リーダーシップを否定させる目的で攻撃を加え弱体

化させること。この2つをクリアーしたら3人でフィニッシュよ。分かったわね。」

 「ハイ。」

 

 環八通り 井荻駅付近

 

 「だ、大怪獣がもの凄いスピードで襲って来る。」

 「キャーーーーッ。助けてーーーーーぇ。」

 「曲がれ、曲がれ、真っ直ぐ逃げたら噛み殺されるぞ。」

 「ハハハハハハハ。もっと泣け、ワメケ、悲しめ、死んだ者は生き返らん。不幸のゲージは下がることなく上昇し続けるのだ。ハハハハハハハハ。」

 「ガオーーーーーン。」

 「ピョン、ドカッ。」

 

 第4話へ続く


 
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