No.825130 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2016-01-16 00:24:52 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1332 閲覧ユーザー数:1210 |
屋上を目指して探索を続けていたリィン達は広間に出た。
~真・煌魔城~
「ここは一体……」
「今までの場所と雰囲気が違いますね……」
「ハハ、こういう所は大抵強力な敵が待ち構えているんだよね。」
「しゃ、洒落になっていませんよ、アドルさん……」
「何で強力な敵って、大抵広い所にいるのか意味不明なの。」
「フフ、それが”お約束”という事なのでしょうね。」
広間に出たフィーナとエレナは不思議そうな表情で周囲を見回し、苦笑しながら呟いたアドルの推測を聞いたナユタとノイは疲れた表情で呟き、二人の言葉を聞いたクレハは苦笑していた。
「!この気配は……!ナベリウス。」
「ん……冥き途に……いきそこねた人…………いる……」
「亡霊ね……」
一方何かに気づいて血相を変えたリタの言葉に頷いたナベリウスの話を聞いたロカは警戒の表情で周囲を見回した。
「風が上の方へと流れているようだが……」
風の流れに気づいたガイウスは上を見上げ
「あれは、もしかして昇降機でしょうか……?」
「どうやらあれで上の階層に行けるみたいですけど……」
目の前に見える昇降機に気づいたエマは呆けた表情で呟き、シュリは真剣な表情で呟いた。
「!―――構えなさい!亡霊が現れますわよ!」
そしてフェミリンスが仲間達に警告をしたその時
「フフ、この私を”亡霊”のひとくくりにしてもらわないでもらおうか?」
何と”怪盗紳士”ブルブランが昇降機までの道のりを防ぐかのように広間の中央に現れた!
「”身喰らう蛇”の”執行者”No.Ⅹ――――”怪盗紳士”ブルブラン……!」
「ええっ!?という事はあの人が”怪盗B”なのですか!?」
「”怪盗紳士”はユミルにてプリネ姫達に討ち取られたとの事でしたが……」
「エレボニア存亡会議のオズボーン元宰相の発言から何となく察していましたが……」
「―――やはり奴も亡霊と化していたか。」
ブルブランの登場にエリゼは真剣な表情で声をあげ、エリゼの言葉を聞いたエリスは驚き、リースとツーヤ、レーヴェはそれぞれ厳しい表情でブルブランを見つめていた。
「フフ、御機嫌よう。まさか死してなお、このような最高の舞台で貴殿らと再び見える事ができるとはこれも女神(エイドス)の導きというものだな?」
「さ、最悪の舞台の間違いだと思うんですけど……」
「そうですわよね……」
ブルブランの言葉にジト目で答えたアリサの意見にセレーネは苦笑しながら答え
「おい……お前のせいで余計な奴と出会う羽目になっただろうが。」
「そうだ、そうだ~!責任を取ってよ~!」
「何でそこで私のせいにするのですか。私は”空の女神”ではなく、”ただの新妻”ですよ?」
ユーシスとミリアムに責められるような視線で見つめられたエイドスがジト目で答えるとその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力した。
「エ、エイドス様……お願いしますから少しは空気を読んで発言してください……」
「そんなんだから”KY女神”って呼ばれるの~!」
「ハア……それで今更あたし達になんの用よ!?」
「まさかとは思いますが貴方一人でこの戦力を相手に勝てると思っているのか?」
ルフィナとノイは疲れた表情で指摘し、溜息を吐いた後気を取り直したエステルはヨシュアと共にブルブランを睨んだ。
「フフ、勝つ事が目的ではない。これも死した我らが輝く場所を用意してくれた宰相殿の作戦だ。」
「宰相というと……」
「…………”鉄血宰相”。」
「”勝つ事が目的ではない”……―――!まさか屋上までの道のりで待ち伏せている”捨て駒”に私達をぶつけ、屋上に到着した頃にはそれまでの道のりで待ち伏せた”捨て駒”との戦いで疲弊した私達に止めを刺すという作戦ですか!?」
ブルブランの話を聞いたゲルドは心配そうな表情でリィンに視線を向け、フィーは真剣な表情で呟き、あることを察したクレア大尉は厳しい表情で問いかけた。
「フフ、その通り。さすがは”氷の乙女(アイスメイデン)”。」
「チッ、顔に似合わずセコイ事を考えやがって……」
「で、でも女神様達を相手にしなければならないんだから有効な策かも……」
「まあ、この面子を相手に正面から戦えば普通に考えたら負けるからねぇ。」
「というか自分が”捨て駒”にされる事がわかっていて、何でお前さん達はオズボーン元宰相に協力しているんだ?」
クレア大尉の推測をブルブランが肯定するとクロウは舌打ちをし、トワは不安そうな表情で呟き、アンゼリカは疲れた表情で呟き、トヴァルは真剣な表情でブルブランに問いかけた。
「フッ、それぞれに様々な思惑があるだろうが我々も宰相殿同様この”改変された世界”の為の生贄にされた事には納得していなくてね……だからせめてものささやかな反撃として宰相殿に協力することにしたのだよ。」
「そ、それって……!」
「……”零の至宝”によって今の状況になったこの世界の事ね……」
ブルブランの話を聞いてあることを察したエリスは不安そうな表情をし、エリゼは厳しい表情で呟いた。
「その通り。クク、それにしてもまさか我が好敵手と麗しの姫の片方と再び相見えるとは……これも宰相殿のお導きという事か。」
「一体どんな導きですか……」
「レン君から私の好敵手たる君が死んだ話を聞かされた時は正直残念に思っていたが……―――こんな美しくない再会をしてまで、私達と相見えたかったとは見損なったよ。」
「お兄様……」
口元に笑みを浮かべているブルブランの言葉を聞いたプリネは呆れ、溜息を吐いた後真剣な表情でブルブランを見つめるオリヴァルト皇子をアルフィンは心配そうな表情で見つめていた。
「クク、ちなみに私も彼同様知り合い達との再会を望んでいたのだよ?」
するとその時ブルブランとは違う声が聞こえた後ブルブランの隣に眼鏡の男性の亡霊が現れた!
「!あの方は……!」
「”教授”!?2年前に死んだ貴方まで”鉄血宰相”に協力しているなんて……!」
「”教授”……結社の”蛇の使徒”の第三柱―――”白面”ゲオルグ・ワイスマンね。」
「何ですって!?」
男性の登場にシャロンは目を見開き、クロチルダは信じられない表情で声を上げ、クロチルダの言葉を聞いて目の前の男性――――ワイスマンの正体に気づいたセリーヌの言葉を聞いたサラ教官は血相を変え
「彼が”最悪の破戒僧”にして”白面”……!」
「確か彼の者は2年前の”リベールの異変”でそちらの神父に”狩られた”という話でしたが……」
「奴もしぶとくこの世に留まっていたということか。」
「……哀れな人ね。」
「やれやれ……”煉獄”に続いてここでもまた会うとか、つくづく奴とは縁があるな……」
「ケビン……」
ルフィナは厳しい表情でワイスマンを睨み、フェミリンスはケビンに視線を向け、セリカは静かな表情で呟き、サティアは憐みの目でワイスマンを見つめ、溜息を吐いた後冷徹な笑みを浮かべるケビンをリースは心配そうな表情で見つめ
「し、しつこいわね~!”リベルアーク”で死んだ後”影の国”では”煉獄”で化けて出てケビンさん達にやられて、”碧の大樹”でも化けて出てあたし達にやられた癖に、また化けて出るとか何回やられたら懲りるのよ!?」
「アハハ……厳密に言えば”影の国”の”教授”もそうだけど”碧の大樹”で戦った”教授”は”本物の教授”じゃないから、ミント達が”本物の教授”と戦うのはこれで2回目だよ、ママ。」
ジト目になって呟いたエステルの言葉を聞いたミントは苦笑しながら指摘した。
「今更結社の最高幹部が増えた所で、お前達なぞ余達の敵ではない!」
「フフ、それに以前と違い、私達もいるのですから貴方達如きすぐに滅してさしあげますわ。」
「精鋭部隊の中でも”本隊”である我らを阻もうとしたことに後悔しながら、滅されるがいい。」
「くふっ♪またエヴリーヌ達に嬲り殺される為に現れるなんて馬鹿だね♪」
リフィアは堂々と胸を張って答え、シグルーンとゼルギウスはそれぞれ全身に莫大な闘気を纏い、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべて武器を構え、仲間達も続くように武器を構えた。
「クク、威勢のいい事だ。それにしてもレーヴェやヨシュアはともかく、まさか君達まで”そちら側”につくとは思わなかったよ、”死線”に”蒼の深淵”。」
「うふふ、”盟主”やメンフィルに所属を変えた御二方を除いた”蛇の使徒”全員がお亡くなりになった事で”結社”は事実上崩壊――――つまり”倒産”した事によって”結社”に勤めていたわたくし達は失業してしまったのですから、新たな職に就く事は人として当然のことかと思われますが?」
「シャロン、貴女ね……」
「”執行者”とラインフォルトグループ会長の秘書の2足のわらじをはいていた癖によくそんなことが言えるわね……」
「フッ、”化物”揃いの”執行者”であった自分を”人”と言い切るとはな。」
「それ、レーヴェ自身の事も指している事、わかっているの?」
「ハハ……」
ワイスマンの問いかけに微笑みながら答えたシャロンの答えに仲間達と共に冷や汗をかいて脱力したアリサとサラ教官はジト目でシャロンを見つめて指摘し、静かな笑みを浮かべて呟いたレーヴェにエステルはジト目で指摘し、ヨシュアは苦笑していた。
「まあ、”死線”もそうだけど私にも色々と思う所があってリィン君達と共に行く事にしたのだけど……今ここで貴方達を見た時に改めてリィン君達と共に行く事を決めてよかったと思ったわ。」
「姉さん……」
クロチルダの答えを聞いたエマは微笑み
「ハッ、まさかヴィータの口からそんな言葉が出てくるとはな。改めて思ったがヴィータをも落としたリィンの女運は一種の才能なんじゃねぇのか?」
「……それに関してはアタシも同じ意見ね。」
「す、すみません、お兄様。全く反論が思いつきませんわ……」
「うふふ、実際リィンさんが築いたハーレムによって”奇蹟”のような出来事が何度もありましたものね♪」
「エレボニアを救った事とクロウとクロチルダさんを救った事ね。」
「フフッ、テロリストや裏組織の最高幹部をもハーレムの一員にしたリィン君の女運は間違いなく双界一だね♪」
「ア、アンちゃん!」
「ハ、ハハ……褒められているんだか、貶されているんだか……」
クロウの言葉にセリーヌは同意している中多くの仲間達は冷や汗をかいて呆れ、セレーネは申し訳なさそうな表情でリィンに謝罪し、アルフィンとゲルドはそれぞれ微笑み、口元に笑みを浮かべているアンゼリカの言葉を聞いたトワは声をあげ、リィンは疲れた表情で乾いた声で笑っていた。
「クク、なるほど……色恋に走って寝返るとは所詮君も感情や誘惑に囚われた愚かな人間か。君のその答えを聞いて君のような愚か者が敵である事に改めてよかったと思ったよ。」
「あら、奇遇ね。私も前から貴方が私達”結社”の敵だったらよかったのにと思っていたのよ?”外法狩り”に”狩られた”話を聞いた時はその瞬間に立ち会えなかった事を非常に残念に思っていたくらいよ。」
互いに不敵な笑みを浮かべて見つめるワイスマンとクロチルダの様子を見たその場にいる全員は冷や汗をかき
「え、えっと……」
「ふえ~?あの二人って仲がいいのでしょうか~??」
「いや、どこからどう見ても悪いでしょ……」
我に返ったエリオットは困った表情をし、首を傾げているサリアにマリーニャは疲れた表情で指摘した。
「ケビン、お主の出番じゃ!あの魔女の希望通り、もう一度同じやり方で奴を滅してやれ!」
「いや~、そんな事言われても”ロアの魔槍”はともかく”アレ”は持って来てへんねんから同じ殺し方で奴を殺るのは無理やな~。」
「というかレシェンテさんは星杯騎士団(われわれ)の事を何だと思っているのですか?星杯騎士団は暗殺者の集団ではありませんよ。」
レシェンテに促されたケビンは苦笑し、リースはジト目で指摘した。
「フフ……―――おしゃべりはそこまでにして、貴方達に聞きたい事があります。」
その様子を微笑ましく見守った後気を取り直したエイドスはブルブランとワイスマンを睨んで問いかけた。
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第642話