No.821070

超次元の外れ者・リメイク

ヒノさん

やる気が起きない…

2015-12-27 00:42:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:317   閲覧ユーザー数:317

「卒業式」

 

<12歳>

 

あれやこれやと時は進み、皆と一緒にワイワイガヤガヤ。

以前より緩くなったレッドチェッカーズで楽しくやっていた中、卒業式が訪れた。

表彰式や校歌斉唱、国歌斉唱に在校生と卒業生(大体が進学生)、そして進学先の在校生、それぞれの代表の言葉……

そんな割とスタンダードなプログラムが体育館で執り行われる……筈なのだが、そこはこぼれ者たちが集まる央共学園、プログラム通りにいくわけがなかった。

ちょっとした事が大問題になる……これがバタフライエフェクトか。

 

「肩ぶつかってんだよテメェ!」

「あんだとゴラァ!そっちだって角がゴツゴツゴツゴツ当たっていってえの我慢してんだよ!」

「お腹すいた~……あ、おや~つだぁ~」

「ヒィィィィィ!食べないでェェェェェェェェ!!!」

「つっまんねええええええええええええ!!!」

「うるさーい!寝かせろ~!!!」

「あーあ、やっぱこーなっちまったか~……開校して4~5年ぐれーだしそーなるわな。」

「多種族混同だとどうしてもこうなってしまうな……」

「……しゃーねーな、治療の準備しとくわ。誰か数人手伝い頼む、人手が足りん。」

「じゃあ俺達が行きます」

「俺も」「俺も」「私も」「僕も」

 

進学先の先輩たちが保険医のアシストに行った後、残されたのは暴れる生徒と逃げ惑う生徒…僕は前者だ、止めるなら力で何とかするしかない。

だから僕は手持ちの武器を手に、争いの渦中に飛び込んだ。

まず最初に向かったのは、奈落ガマの生徒に食べられそうになってるプチビーの生徒の元に駆け付けた。

必死に逃げているが、長ったらしい卒業式で腹をすかしているガマは舌を伸ばした。

僕は魔力で覆った投剣を投げて間一髪の所で舌を斬った。ガマは思わず舌を引っ込めその場で暴れ出した。

僕はその隙に投げた投剣を拾ってプチビーを体育館の外に連れ出した。

その後再び体育館から入った瞬間、真空波の流れ弾が横ぎった…まともに喰らったらひとたまりもない。

弾道に沿って視線を向けると、そこには喧嘩をする二人の生徒がいた。

幸い、目の前の相手以外眼中に無く、双方ともに夢中で殴り合ってる。

(力づくでは僕じゃどうにもならないなら……)

僕は助走を付けて跳びあがり、喧嘩をしている二人の真上を取る。

そしてすかさず10の杭で二人を円状に囲い、着地後に床を強くたたいた。

すると二人の周囲に結界が出現し、二人を閉じ込めた…にも関わらず二人は殴り合っていた。

ともかく、これで大抵の被害は抑えられた筈だ。後は……

「いいいいいいいいいいいいだあああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいい」

「うをあああ!!!」

「誰だコイツの舌切った奴!止まらねぇぞおおお!!」

「このままじゃ体育館が潰れちまう!!」

「助けてええ!!」

体育館内を飛び跳ねて暴れている奈落ガマくらいだ。

何故か暴れていた他の生徒も逃げたりのびたりしてるし、後はコイツを何とかすれば……

 

「げえええええええええがあああああああああああああああああ」

「っ!?」

 

奈落ガマが僕に向かって勢いよく跳んで来た。

僕は横に跳んで紙一重で避けたが、飛んで来たガマ油に直撃して倒れた。

立ち上がろうとするが、脂で滑って手すら突けない…あ、これってもしや絶体絶命?

舌を切られた恨みからか跳びあがって僕目掛けて落ちて来る奈落ガマ、いくら生徒でまだ成長期だとしても体格はこちらの数倍、このまま潰されたら……

 

ドッッ

 

死を悟った瞬間、奈落ガマが吹き飛ばされた……そして目の前には、左肩に青と白のラインのマントが付いたプロテクターを付けている中等部の人がいた。

髪は尖り、顔は女子の集まりが話題にしていた所謂ワイルド系という奴で、手には卒業生が渡される筒を持っていた……この人も卒業生なのか…っていうかもしやあの筒でガマを倒したのかこの人。

「よーっし片付いたか……大丈夫か?」

「……誰?」

僕が尋ねると、その人は「後で分かるさ」と一言返した……どういう意味なんだろう。

そして先輩風を吹かせたいのか「卒業祝いに先ず、お前に一個だけ先輩からのアドバイスがある」と言って。

「誰かと尋ねる前に、お礼を先に言って置いた方が良いぜ?」

「あ、忘れてた…ありがとう」

「素直で宜しい……宜しいけど……あんまり口に出さねぇ方が良いよ?それだけでキレる大人気ない奴だっているんだから……それじゃまたな少年…いや、担徒(ニナイト)有座(ユウザ)君」

そう言うと謎の卒業生は、体育館から立ち去った……どうやら殆どあの人が一人でやってくれたようだ。

それにしてもあの人、初対面の筈なのに何で僕の事知ってるんだろう……?


 
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