No.820779

恋姫無双ー異世界からの銃士ー 第4話

yuukiさん

アニメ本編2話がベースです、この辺は原作とはあまり変わりませんが
楽しんでくれれば幸いです。

2015-12-25 15:48:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1123   閲覧ユーザー数:1082

SIDE 撃

―前回までのあらすじ―

役人を退けたが、気絶してしまった俺は愛紗が鈴々ちゃんを説得した事で

その夜は鈴々ちゃんの小屋に泊めてもらった その後、夜中に目を覚ました

俺は殺した9人の墓を作り、自分が進む道の覚悟を決めた

さらに、本来の目的である鈴々ちゃんの説得もうまくいき、

俺と愛紗、鈴々ちゃんを入れた3人で兄弟の契りを交わした 

そして俺達3人で旅をする事となり、山賊団の子供たち5人に見送られながら俺達

は村を後にした

 

その後、道を進んでいたが、どうにも鈴々ちゃんが不機嫌そうだ

愛紗「どうした、さっきから難しい顔をして?おなかでも痛いのか?」

鈴々「おかしいのだ!」

愛紗「おかしいって何がだ、張飛?」

鈴々「そこなのだ!」

愛紗「そこ?」

どこ?

鈴々「鈴々達は義兄弟の契りを交わしたのに何で鈴々の事を鈴々って真名で

   真名で呼んでくれないのだ、親しい同士は真名で呼び合うものなのだ!」

愛紗「それそうだが、まだ会って間もないだろう。」

ちょっと待て、会って1日しか経ってない俺に真名を教えたのは愛紗だろ!

鈴々「鈴々は関羽とお兄ちゃんの事、真名で呼びたいのに、二人とも教えてくれないし。」

愛紗「わかったわかった、コホン、私の名は関羽、字は雲長、真名を愛紗と言う、

   お前には私の事を真名で呼んでもらいたい、これで良いな、鈴々。」

鈴々「うん!それじゃお兄ちゃんも真名を教えてほしいのだ!」

良し、予想どうりこっちにも振られてきたな......どうしよう

俺が難しい顔をしていると鈴々ちゃんが泣きそうな顔をしている

  「もしかして、鈴々に真名を教えるのが嫌なのか。」

撃「ち、違うんだ!そうじゃなくて、お、俺って真名が無いんだ。」

鈴々「え?どういう事なのだ?」

撃「ほら、俺は遠い国から飛ばされてきたって言ったろ。

  俺の国では真名と言うのは無いんだよ。だから俺は真名を持ってないんだ。」

鈴々「そうなのか...」

何とか納得してもらえたか......けど、鈴々ちゃんがスゲー悲しそうなんだよな

......そうだ

撃「...けど、俺は今この国で生活してるわけだし、どうせだ、真名も考えるか。」

これを聞いて鈴々ちゃんが少し反応した よし

撃「そうだな......よし決めた、俺の真名は白(はく)だ、これでどうだ?」

鈴々「白?それがお兄ちゃんの新しい真名なのだ?」

撃「そう、しろと書いて白、これが俺の真名だ、どうだ?」

鈴々「白兄ちゃん、うん、とっても良いのだ!」

撃「そうか、それじゃ、行くか、愛紗、鈴々。」

愛紗「おう!」

鈴々「了解なのだ~!」

まぁ、白のモデルはコイツなんだけどね

そう思いながら俺は前の町で買った革製の小物入れを改造して

左手首に隠したデリンジャーに触れた

 

その後、しばらく歩いていると町の門が見えてきた

そのまま入ろうとしたんだけど...

門番「ちょっと待て。」

愛紗「何か?」

門番「間違っていらすまぬが、お主はもしや最近噂の黒髪の山賊狩りではないか?」

それを聞いて顔を赤らめる愛紗

待てよ、この展開って

愛紗「いや、まぁ、そう呼ぶ者をおるようですが、自分から名乗っているわけでは...」

門番「そうですか、近くの村に現れたと聞き、それらしき武人に声をかけていたのですが

   きれいな絶世の美人と聞いていたので、危うく見逃す所でした。」

予想に違わず...

愛紗「そ、そうですか。」

そりゃ怒るよな~女の子がそう言われると特に

門番「そうと分かればすぐに我らが主に伝えなければ、しばらくここでお待ちを。」

主?何で?愛紗のファンとか?

撃「なぁ、愛紗、何か心当たりあるか?」

愛紗「いえ、特に、一体どういう事でしょう。」

その後、戻ってきた門番に連れられて、俺達は移動した

庭園の様なところに案内され、時間をつぶしていた

俺は先端に綿が付いた棒でSAAの銃身を掃除していたが

足音がしたので、SAAを上着のポケットにしまった

愛紗が立ち上がったが赤毛の人がそれを制した

???「待たせてすまない、我が名は公孫賛、字は拍珪、太守として

    この辺りを収めている、こちらはお主と同じ旅の武芸者で...」

???「我が名は趙雲、字は子龍、お初にお目にかかる。」

公孫賛「趙雲殿には客将として私の元に留まってもらっている。」

愛紗「お招きにあずかり光栄です。我が名は関羽、字は雲長。こちらは...」

撃「名は神宮司、字は撃と言います。」

愛紗「それと...」

鈴々「鈴々なのだ~!」

...っておい!?何ふつうに真名を教えてるの!?

...つかはじめてあった時から真名を名乗ってたよな、確か...

愛紗「こら、真名ではなく、ちゃんと名乗って挨拶せんか。」

趙雲「関羽殿、それに撃殿も、お二人ともその年でかなりの大きさの

   子供をお持ちのようですな。」

愛紗「ち、違います!我々3人は義兄弟の契りを交わした仲でして!」

趙雲「ほぉ、では誰が攻めで、誰が受けですか?」

......もし、この場にお茶かなんか出されてて、俺が飲んでたら確実に

噴いただろうな

愛紗も真っ赤になってるし それにいや~な予感が

鈴々「う~ん、どっちかっていうと、鈴々が攻めなのだ。」

絶対意味わかってない! 絶対勝負とかの意味だと思ってる!

愛紗「こら鈴々、意味も分からずに適当な返事をするな!」

鈴々「え?じゃあどういう意味なのだ?」

これは説明できない! まだ鈴々ちゃんには早すぎる!

愛紗「えっと、それはだな...」

公孫賛「ま、まぁ、そういう話は後にして、実は折り入って頼みがあるんだ。

    この公孫賛、辺境の小領主とはいえ、今のこの世を憂いる気持ちは

    人一倍あるつもりだ。冀州の袁紹、江東の孫策、都で最近頭角を現してきた

    曹操と天下に志を持つ者は有為の人材を求めているとか。

    昔日の漢王室の権威は無く、乱れに乱れた世を正す力を我に。」

趙雲「公孫賛殿、お話し中申し訳ないが、それはいささか早計すぎるのではないか?」

公孫賛「と言うと。」

趙雲「私も旅の最中、黒髪の山賊狩りの噂は耳にした。

   しかし、噂とは尾ひれが付きやすい物。」

...あぁ、あれの事か。

愛紗「た、確かに。」

趙雲「まずはその力を見極めてから召し抱えるべきだと思うのですが。」

公孫賛「成程。」

趙雲「よろしければ、その役、私がやりましょうか。」

公孫賛「おぉ!関羽殿、趙雲殿と一手お手合わせ願えないだろうか!」

愛紗「え、いや、わたしは...」

趙雲「...臆されましたか?それに張飛ならまだ納得できますが、この撃殿は

   本当に強いのですかな?少なくとも、彼は要らぬかと。」

...今のは聞き捨てならねぇな その時

鈴々「そんな事ないのだ!」

愛紗「こ、こら鈴々!」

鈴々「愛紗はす~っごく強いのだ!それに白兄ちゃんだってあの鎧を

   纏えば、お前なんか風穴だらけになってあっという間に終わりなのだ!」

不味いな、ここはひとつ

撃「確かに仰る通りかもしれませんが...」

鈴々「白兄ちゃん!」

撃「私には二人ほどの力はありませんが、これでも闘いで敵を倒したことはあります。

  何も知らないあなたが俺の義兄弟たちを侮蔑するのは...やめてもらえませんか?」

趙雲「ほぉ...」

......感じた.........来る!

そう思った刹那、机に飛び乗った趙雲は俺の首筋に自分の槍を突き立てた

  「それがあなたの実力ですか?」

撃「......あぁ。」

一瞬、趙雲の視線が自分の胸に移動した

俺は今、撃鉄を上げたSAAを趙雲の心臓に突きつけていた

趙雲「そんな小物で私を殺れると?」

撃「...試してみますか?」

横を見ると鈴々ちゃんも愛紗も自分の得物に手を伸ばしている

公孫賛「趙雲殿!何をしているのですか!?」

後ろにいた公孫賛が趙雲の裾を引っ張って、強引に座らせた

俺は右手のSAAの撃鉄を戻して上着のポケットにしまった

本来ならこういう場面ではデリンジャーを使うのがセオリーなんだろうが

あっちはまだよく中身を見てないからふつうの銃として使えるか

心配だし......

まぁ、向こうも納得している感じだな

趙雲「失礼をした、確かに、撃殿はただものではないな。」

鈴々「お前!白兄ちゃんに何てことするのだ!」

愛紗「今のはいくらなんでも納得できませんよ!」

撃「もういい、二人とも落ち着け。」

愛紗「ですが!」

撃「これで、合格ですか?」

趙雲「あぁ、貴殿の実力は理解できた。」

もし、あのまま話が進んでいたら、俺が鎧を出す羽目になったからな

それだけは回避できてよかった

鈴々「うぅぅぅ!白兄ちゃんが許しても鈴々はあったま来たのだ!

   鈴々がお前を叩き潰してやるのだ!」

趙雲「なら、試してみるか。」

鈴々「望むところなのだ!」

そして2人の模擬戦が始まった

公孫賛「始め!」

合図で先に前に出たのは鈴々ちゃんか

趙雲はそれを柄で受けた後、鈴々ちゃんの攻撃を回避し続けている

...なるほど、これは鈴々ちゃんにはやりずらい頭脳プレイヤーか

鈴々「ひらひらと逃げてばかりなのだ!」

趙雲「どうした?その程度か?」

鈴々「くっ!まだまだなのだ~!」

だめだ!熱くなったら相手も思う壺だぞ!

愛紗「鈴々!そこまでだ!」

と、隣にいた愛紗の掛け声で鈴々が止まった

鈴々「な、なんで止めるのだ!?鈴々はまだやれるのだ!」

愛紗「判っている...ただ、私も手合わせをしたいと思ってな。」

......やれやれ、やる気スイッチが入ったみたいだな。

その後、愛紗は趙雲を向き合うが、薄い笑みを漏らした趙雲は槍を下ろした

......合格、と言いたいわけか

趙雲「本当に強い相手なら、撃ち合わずともわかる。

   公孫賛殿、関羽殿の力、しかと見届けました。」

公孫賛「うむ。」

その後、元の場所に戻ってお茶を飲んでいたが、鈴々ちゃんが不機嫌そうだった

愛紗「どうした鈴々?そんな膨れっ面して。」

鈴々「だってさっきのだと鈴々は本当は強くないみたいなのだ。」

趙雲「それは違うぞ張飛、お前は確かに強いが、力の使い方に馴れていないだけだ。」

鈴々「どういう意味なのだ。」

撃「鈴々ちゃんの場合、闘いの流れが力で相手を押し切る事、一方の趙雲は

  相手の動きを見てその弱点を見る頭脳派、こういう高度な頭脳で戦う相手は

  鈴々ちゃんのようなごり押しで戦う人にとっては天敵ともいえるからね。

  それに鈴々ちゃんの場合、パワーはあっても、斬撃から次の攻撃までの

  間隔があるからね。」

鈴々「...よくわからないのだ。」

撃「まぁそこは追々愛紗にでも鍛えてもらうといいよ。」

趙雲「ところで公孫賛殿、以前話した件はどうですか?」

公孫賛「あぁ、尺銅山の事か。」

撃「何です、その尺銅山って?」

公孫賛「実はここから先はおぬし達にも関わりがある事じゃから聞いてくれ。

    実は最近、賊による被害が頻発していてな。出没範囲から

    尺銅山辺りに拠点があるはずなんだが、それを見つけられずにいてな。」

趙雲「そこで私が先日一計を案じたのだ。」

撃「その内容は?」

趙雲「まず、偽の隊商をたてて、あえて賊に襲わせる、だが隊商の荷物の中に

   人を忍ばせておく、つまり山賊自身にアジトまでの道案内をさせるのだ。」

撃「囮作戦か。」

愛紗「それはおもしろい。」

公孫賛「し、しかし賊のアジトに単身乗り込むなど...」

趙雲「虎穴に入らずんば虎児を得ずと言う諺もある。」

撃「被害を恐れて及び腰になっていては、結果は出ない、と言う事か。

  このまま地道にアジトを探すか、一か八かの作戦か。」

趙雲「そういう事だ、どうだ関羽殿?それに撃殿も?

私と一緒に賊のアジトを訪ねてみないか?」

愛紗「あぁ、引き受けた。」

撃「やります。」

鈴々「鈴々も行くのだ!」

趙雲「お前はダメだ!」

鈴々「何でなのだ!?」

趙雲「良いか、積み荷の中に潜み、賊の隠れ家に着くまでずっと息を殺しておかなければ

   ならんのだぞ。お主のような根が騒がしくできている人間には無理だ。

   きっと一時だって静かにはしていられまい。」

さっきから煽ってるなぁ~ そしてとうとう

鈴々「そんな事無いのだ~!!鈴々はやればできる子なのだ~!」

趙雲「ほぉ、ではこの場で見せてもらおうか。」

鈴々「望むところなのだ!こうして座って黙ってれば良いのだ!楽勝なのだ!」

...座るってそこは机だから座るなら椅子に座ろうね しかし...

大体10分くらい経った頃かな...

俺はお茶の飲みながらぼけ~と空を見上げていた

ふと鈴々ちゃんを見るけど...!(メタギアばりの擬音)

煙!頭から煙!

そう思った次の瞬間

鈴々「ふにゃあぁぁぁぁ!」

爆発した~!

愛紗「どうした鈴々!?しっかりしろ!公孫賛殿!医者を!早く医者を!

   鈴々、目を開けろ鈴々!」

メディック!メディィィィック!...じゃなくて

撃「それはそうと、公孫賛殿、見繕ってほしいものがあるのだが構わないか?」

公孫賛「あ、あぁ、構わないが何だ?」

撃「小太刀を一本、刃渡りは大体...指先から手首くらいまでの長さの物を。」

公孫賛「構わないが、そんなもの役に立つのか?」

撃「えぇ、まぁ、潜入作戦においてはね。」

公孫賛「??」

ま、俺も見よう見真似だけどね

 

その後、俺達は自分たちが入る箱の確認をしていた

人が入る箱は二つ、一つには俺と彼女達用の武器が、

残りの一つに愛紗と趙雲が入る事になった

愛紗「この中に入るのですか?これだと私達の場合、かなり密着しないといけませんね。」

趙雲「心配するな、私にはその気がないわけではないので、むしろ大歓迎だ。」

......ん?今なんか不穏な発言があったような?

愛紗「成程、そういう事なら...って、その気って!?あの、その...」

...はぁ、先が思いやられる

 

SIDE 関羽

その後、3つの荷車の内、一つに撃が、もう一つに私と趙雲殿を入れた箱が

乗せられ、今は山中の中を移動している......のだが

愛紗「ちょ、趙雲殿...」

趙雲「静かに、もういつ賊が来てもおかしくない。」

愛紗「しかし、趙雲殿の膝が...」

趙雲「ほう、私の膝が何か...」

そう言って私に膝を押してつけてきた

あっ、ちょっ、や、やめ、あん

 

SIDE 撃

やっぱ暇だな~ 前の二人は...なぜか創造がつく

俺はSAAをいじりながら暇していた、が

......いるな...2人、斥候か...近いな

案の定しばらくすると外から大勢の足音と声が聞こえてきた

...いよいよ本番か、ぞくぞくするぜ

荷車はそのまま賊に奪われ、俺達を入れた箱は倉庫らしき場所へと運ばれた

愛紗「きゃつ!」

まずい! 二人の入った箱が地面に置かれた際、愛紗の声が漏れた

俺はSAAを抜き、いつでも箱から飛び出して撃てる準備をした

山賊ボス「ん?今女の声がしなかったか?」

山賊A「はぁ?何言ってるんすか兄貴、幻聴がするなんてよっぽど飢えてるんすね。」

良し、気づかれてない

山賊ボス「そうかもな...うし、また村の娘にお酌でもさせるか。」

そう言うと山賊たちは倉庫の扉を閉めて出て行った

......待てよ、村の娘?どういう事だ

俺は足音が遠ざかってから、一旦箱を少しだけあげ、そこから中の様子をうかがった後

蓋をずらしてゆっくりと箱から出て、愛紗達の箱を叩いた

撃「...もう、大丈夫だ、出てこい。」

入口を警戒しつつSAAを向けながら箱から出てくるように促した

すると箱から趙雲、愛紗の順に出てきたが、なぜか愛紗の服の胸元がはだけていたし

なんか出来上がってるし

......箱の中で何やってたかは聞かないようにしよう

趙雲「成程、ここは地下なのか。」

愛紗「地下?」

俺は左手にSAAを持ち、扉の少しだけ動かし、外の様子を確認してから

扉を開けた

そこは洞窟だった

趙雲「おそらくここは鉱山の後だったのだろう。それを奴らがアジトにしたのだ。」

撃「成程、人間が入口の近くを通っても、あるのは廃れた鉱山の入口だけ、

  中に入らなければ人がいるとは思いもよらないだろう。」

愛紗「いくら探しても見つからないわけか。」

撃「それより覚えてるか?あいつらの頭らしき奴が言ってた『村の娘』っての。」

愛紗「どういう事だ?」

撃「あくまで推察だけど、ここには少なくともその娘1人が囚われていると思う。 

  おそらくこの付近に来たとき、捕まったのだろう。そうだ、趙雲殿、これを。」

そう言って腰に下げていた俺が公孫賛殿に貰った小太刀とは別の短刀を渡した

これで剣は俺の小太刀を入れて3本、俺の持つSAAとデリンジャーで銃が2つ

だがデリンジャーは使い物になるかわからないし、SAAの自動補給サイクルも

わからないから、むやみには使えないか。

愛紗「にしても、敵中にあって、得物がこれだけとは...」

趙雲「やむ終えまい、そなたの乳が思いのほか場所を取ってしまったのだから。」

愛紗「べ、別に私の乳だけが場所を取っていたわけではあるまい!」

趙雲「ふむ、確かにそなたの乳よりも尻の方が場所塞ぎだったかもしれんな。」

愛紗「なっ!?」

撃「...おい、いい加減に......しっ!」

愛紗「ん?」

遠くから、笑い声が聞こえてきた

俺は両手でSAAを構え、壁に背をつけ、二人に後を付いてくるように目で伝えた

二人の表情も真剣になり、警戒をしたまま音と声のする方に進んでいった

趙雲「なぁ、関羽殿、気になったのだが、撃殿が先ほどから構えているあれは何だ?

   あんな小さな物が役に立つのか?」

愛紗「案ずるな、あれは一撃で人を倒す武器だ、名前は銃というそうで、この国から

   遠く離れた場所でのみ作られている武器だそうだ。」

趙雲「ふむ、信用できるのか。」

愛紗「それも大丈夫だ、私がこの目でその威力、しかと見届けた。心配には及ばん。」

趙雲「ふむ、わかった。」

角での接近戦を警戒しながら、そのまま進んでいった

すると明るい部屋が見えてきた

入口の影から中をのぞくと山賊たちが食べたり踊ったりしながら騒いでいた

賊どもが、今の内に騒いでろ、もうすぐ三途の川送りだ

その時、部屋の奥で、山賊のボスらしき野郎の傍に場違いが服装の女の子

を置いていた 

なるほど、あれがさっき言ってた村の娘か

山賊ボス「へっへっへ、良いじゃねぇか減るもんじゃねぇし、それとも減るのかな?」

そう言っていやがる娘の胸元に手を突っ込んだ

愛紗「己無体な!」

そう言って立ち上がる関羽を抑える

撃「待て愛紗。」

愛紗「しかし、このまま見ているだけなど!?」

撃「安心しろ、俺が狙撃する。」

そう言って右手に持っていたSAAを振る

俺は左肩を壁にくっつけ、両手で保持し、部屋の奥のボスを狙った

距離は15メートルも離れていない

 「ふぅ...すぅ......ふぅぅぅぅ.........」

体の中から息を吹き出し、狙うは頭!......そして

   『ガアァァァン!』

銃口から発射された弾丸は山賊のボスの眉間を捕らえた

ボスも下っ端も何が起こったのかわからなかっただろう、

だが少なくとも、奴らの頭は死んだ トップのいなくなった組織ほど

単純になる 俺はというと

撃「そこの女の子!こっちだ!」

入口から奥に向かって叫ぶ

山賊A「お前ら何者だ!?」

それには当然あいつらも気づいた

撃「へっ!俺たちは...死神だ!」

そう言って前の方にいる3人に向けて射撃した

   『ガアァン!ガアァン!ガアァァァン!』

それはそいつらの胸や腹に命中した

これで残り2発 今ここで試すか

   『ガアァァァン!』

俺は残りの1発で男を倒し、その横の男に向けて2回、撃った

   『ガアァァァン!』

1回目は当然弾が出たが、2回目の時は...撃てた

   『ガアァァァン!』

弾はちゃんと発射され胴体と腹を貫通して後ろの男も倒した

どうやら、こいつの弾は無尽蔵らしいな!ありがたい!

俺はSAAを左手に持ち替え、右手でデリンジャーを抜いた

親指で撃鉄を操作して、剣を持ったこちらに向かってきた奴の胸に向けて

引き金を引いた

飛び出したのは、弾丸だった

どうやらこっちもふつうの銃として使えるらしい

それに女の子は趙雲が保護したみたいだ

良し、もうここにいる理由はない

撃「撤退するぞ!」

横で上がってきた敵と戦っていた愛紗と女の子を守っていた趙雲に叫んだ

女の子「ま、待ってください!ここには私以外にも囚われた子供たちがいるんです!

    お願いします、あの子達を助けてください!私がお酌をやらされていたのも

    あの子達を人質にされたせいで...」

撃「何だと!?」

ちっクズ共が!しかたない

 「その子供たちの居場所は!?案内できるか!?」

女の子「は、はい!あそこの洞窟から行けます!」

部屋の奥にある入口を指す女の子

撃「そうか!なら!」

俺は左右の手のSAAとデリンジャーで部屋の明かりとなっていった

たいまつを破壊した

山賊B「くそ!何も見えねぇ!?」

山賊C「誰か明かりもってこい!」

撃「愛紗!趙雲!行くぞ!」

俺は明かりが完全に消えるまでに居たであろう敵の位置に向けてSAAを発砲し

そのマズルフラッシュを頼りに穴へと駆け込んだ

そのまま後ろを警戒しつつ移動した

しばらくして敵が追ってきていない事を確認すると一息いれた

3人は壁際に腰を下ろしているが、俺はSAAとデリンジャーを持ったまま

辺りを警戒していた

女の子「危ないところを助けていただき、ありがとうございました。」

愛紗「いや、気にするな、当たり前の事をしただけだ。」

撃「君、一つ聞いて良いか?」 

女の子「はい、何ですか?」

撃「なぜ君は賊に?」

女の子「私は、この山の麓に住んでいるんです。町の子供たちと山菜取りに

    近くまで来た際、ここの入口を見つけてしまって。」

撃「それで捕まったのか。」

愛紗「それにしても、このようないたいけな娘を!許せん!」

撃「落ち着け、その怒りは次にあいつらとの戦闘になった時に

  爆発させろ。」

趙雲「その口ぶりから察するに、撃殿はまだここに留まるおつもりか?」

撃「まぁ、頭は潰しましたからね、後は烏合の衆、何とかなる。

  とにかく、今の第一目標は子供たちを救出してここから脱出し、

  公孫賛殿にこのアジトの場所を知らせることだ。君、子供たちがいる場所は?」

聞くと女の子が立ち上がった

女の子「こっちです。」

俺達は移動を再開した

 

SIDE 鈴々

鈴々は今、森の中なのだ 何故かと言うと愛紗や白兄ちゃんの帰りが

遅いから心配になったので公孫賛の部下の人に尺銅山の場所を教えてもらって

ここまで来たのだ......でも...

鈴々「迷子になったのだ~~!」

鈴々が叫んだら、周りからカラスが出てきたのだ

  「う~ん困ったのだ、これだと愛紗と白兄ちゃんを迎えに行けないのだ。

   ...そうだ、山で迷った時は木の切り株を見ればいいってじっちゃんが

   言ってたのだ!」

その後、木の切り株を見つけたのだ

  「う~ん、年輪の間が広い方が南だから...こっちなのだ!」

きっとこっち行けば愛紗達に会えるのだ

 

SIDE 撃

俺達は洞窟の中をゆっくりと進んでいたが

その途中、角を曲がった所で前を行く巡回の兵士に出くわした

驚いて声をあげそうになる女の子の口を咄嗟に抑えて

角に引き吊り込んだ

巡回「ん?...気のせいか。」

それを聞いて一安心する4人

角から頭を出して確認するが、どうやら奴は慌てていない

こちらの存在に気づいていないようだ

趙雲「どうする?殺るか?」

撃「俺が行く。」

愛紗「大丈夫ですか?ここは私が...」

撃「いや、こういう時の一撃必殺技があるんだよ。」

そう言うと、右手のSAAを懐にしまって、俺は腰から公孫賛殿に

貰った小太刀を抜いた

それを構えながら、ゆっくりと抜き足で巡回の後ろに近づいた

そして空いている左手で巡回の口を塞ぎ

逆手に持った小太刀をのど元に当て、横に引いた

すると頸動脈を切られた巡回はのど元から血を吹き出しながら息絶えた

 「......よし、これで...」

俺は後ろに向かって手を振り、3人を呼び、遺体は近くの倉庫の

中に押し込んでおいた

そして先を急いだ

趙雲「撃殿、先ほどのあれは一体?」

撃「あぁ、あれか。あれは人間の弱点を狙った技だ。」

関羽「技?」

撃「人間ののど元には多くの血が通う太い血管がある。

  人間は血を流し過ぎるとすぐに死ぬ、だからより多くの血が流れる

  のど元が弱点なのさ。」

趙雲「その技、一体どこで?」

撃「言って無かったっけ?俺はここからとても離れた国から、ここに

  飛ばされてきた。はっきり言ってそこはこの国よりも進んだ文明と技術を

  持っている。俺のはその技の見よう見真似だがな。」

趙雲「成程、ではその銃と言うのも?」

撃「あぁ、俺の国の物だ。...それより、今は子供たちの救出が先決だ。

  君、子供たちは何処に?」

女の子「あの角を曲がった所です。」

俺は角までくると3人を後ろに下げ、頭を30度ほど右に傾けて、先の様子を見た

子供「ううぅぅぅ...うぅぅぅ...」

門番「うるせぇぞガキども!!」

門番がいら立っているのか牢屋の木の枠を殴っている

チャンスだ 俺は手ごろな小石を拾って、俺達のいる角と門番がいる位置を

線で結んだ延長線上に向かって石を投げた

   『コォォォン』

  「あん?何だ?」

良し、門番の気がそれた 俺は3人を押しとどめ、

音がした方に歩く門番の後ろ5メートルくらいまで接近すると

一気に地面を蹴って、突進し、振り返ってきた男の脇腹に剣を突き刺した

  「ぐぉっ!?」

そのまま剣を捻ってから引き抜いた

痛みに膝を折り、地面にうずくまる男の首筋に剣を突き立てた

男が動かなくなるのを確認していると、後ろから3人が出てきた

俺は男の体を漁り、鍵を手に入れ、子供たちを解放した

撃「よし!子供たちは解放した!後は逃げるだけだ!走るぞ!」

俺達は迷路のような洞窟の中をひた走った

趙雲「娘!出口は知らないのか!」

女の子「すみません、わたしには。」

すると前にT字路から一人の山賊が出てきた

アイツ、確か広間にいた

山賊B「居たぞ!こっちだ!」

案の定気づきやがった

撃「ちぃっ!」

俺はUターンしながら撃ったSAAの弾は当たりはしなかったが十分なけん制にはなった

 「走れ!今はとにかく走れ!」

そのまま俺達は愛紗を先頭にどこまでも走った

何処をどう走ったかもあまり覚えてはいない

そのまま走っていると明かりが見えてきた

そしてそのまま飛び出したが...

そこは、崖になっていた

山と山の間の深い溝になっていて、今俺達がいるのは片方の山から突き出たテーブル状

の場所だった

 「まずい!このままだとダメだ!戻るぞ!」

だが、引き返そうとしたとき、洞窟の中から山賊が迫ってきていた

趙雲「だめだ!もうすぐそばまで来ている!」

女の子「そんな!」

女の子B「お姉ちゃん!」

女の子「大丈夫、大丈夫だから。」

今にも泣き出しそうな顔の子供たちと、それを女の子がなだめている

クソ!あの鎧が使えれば!この状況をひっくり返せるってのに!

こんな、こんな所で...

撃「こんな所で......死ねるかぁぁぁぁっ!!」

俺の叫びが山々にこだまする その時、俺のポケットが強い光を放ち始めた

愛紗「これは!もしや!」

趙雲「これは一体!?」

俺はポケットから光る物体を取り出した

それは真っ白な銃弾だった 大きさからしてSAAのじゃない

これは一体? それを回しているとある場所に目がひきつけられた

そこには菱形の中に両腕を広げ、足を開き、頭を垂れた状態の

白い鎧が...以前使った鎧が小さく描かれていた

愛紗「っ!撃!それは!」

どうやら愛紗も気づいたみたいだな

俺は無言でうなずき返した

その時、もうすぐそこに敵が迫っていた 考える時間はない

俺はデリンジャーのバレルを跳ね上げ、上段の弾を抜き取りポケットにしまい

いまだ光を放つ白い銃弾を押し込み、バレルを下げた

そして撃鉄を上げ、洞窟の中の方に向かって引き金を引いた

飛び出したのは、以前と同じ姿の白き鎧だった

それは出口付近まで接近していた先頭の賊をショルダータックルで

なぎ倒すと、出口を塞ぐように俺達と賊との間に割って入った

愛紗「あの絵、もしやと思っていたが!やはり!」

趙雲「これは、一体、私は夢でも見ているのか。」

女の子「きれい...」

驚く趙雲と子供たち、興奮する愛紗

そして最も動揺していたのは山賊たちだった

山賊B「おい、何だあれ!?」

山賊C「あれなんだよ!?分けわかんねぇよ!?」

さてと、これがお前達を三途の川に送る死神の鎧だ

 

SIDE 趙雲

一体、この男は一体何者なんだ!?

初めてあった時の一瞬の怒気を孕んだあの言葉、私の速度についてくる反射

私には理解できない二つの武器と技、そして今度は光る何かを小さい方の筒に

押し込むとそこから白い鎧が現れた

こいつは、本当に何者なんだ!?

 

SIDE 撃

行けるぞ!これなら!

そして俺は叫ぶ

撃「SET UP!」

   『GET READY!』

俺と鎧が意味不明な言葉としての英語を喋った事で動揺は広がった

その隙に鎧は俺の後ろへと移動し、俺の体を包み込み、俺の戦うための鎧となった

 「うおぉぉぉっ!」

鎧が装着されると俺は最後に右手で拳を作り、それを気合いと共に右に振った

それには初めての鎧を見るさしもの趙雲も驚いていた

趙雲「お前は...撃殿、なのか。」

女の子「お兄さん!」

男の子A「すげ~!かっこいい!」

趙雲と女の子は驚き、子供たちはキラキラした瞳でこちらを見ていた

撃「よし!後は俺に任せろ!」

そう言いながら右ひじから射出されたグリップパーツを掴んだ

 「コマンド!タイプアサルト!モデルショート!」

   『GET SET!』

俺は音声入力で武器に装着するパーツを選んだ

俺のこの姿の時の武器は言ってしまえばシステム・ウェポンと同じだ

システム・ウェポンとは簡単に説明すると1つの銃の機関部に対して

複数の銃身やパーツを取り替える事で、突撃銃、軽機関銃、重機関銃、狙撃銃と

その用途を変える事が出来る銃の総称である

俺の場合、基部となるのがこのグリップ

そして組み合わせるパーツは俺が選ぶ事によって両腰のバインダー部分から

取り出す事が出来る

そして右バインダーからは銃の命とも言える機関部が出てきた

それを俺は取り出してグリップと合体させ、左バインダーから出てきた

銃身を取り出して機関部と合わせると自動で接続され、一本の銃が出来上がった

それは、アサルトライフルだった

今のこの状況では賊は前か後ろにしか進めない

その状況を利用させてもらう

俺はバインダーからさらに50連発のマガジンを取り出し、機関部の後ろから

装填した 本来ならマガジンは下から装填するものだがこれはマガジンの挿入箇所が

複数あり、後ろのストックがない代わりのこの銃では後ろからマガジンを入れる事が

出来た 俺は左手で銃身を支えながら、銃のマガジンを挿入した

そして安全装置を外し、フルオートに切り替え、引き金を引いた 

   『ガガガガガガガガガガ!』

腰だめに放たれた銃弾は薙ぎ払うようにして集まっていた賊に命中し

さらにその体を貫き、次々と死体の山を築き上げた

元々高さがあまりなかった洞窟はやがて死体で埋まってしまった

だが、気づくころには時すでに遅く

......やっべ~やりすぎた

俺は銃口を下ろして左手で後頭部をかいた

...え?ヘルメしてんのにかけるのかって?そこは突っ込みなしで

他の誰かに質問しようと思ったけど、愛紗も趙雲も女の子も子供たちも

さすがにアサルトライフルの連射と地面に散らばった薬莢を見て

驚いている

どうすっかな~って俺が思っていた時...

???「ぉ.........ぉ~ぃ...」

...どこからか声が聞こえてきた

鈴々「お~~い!お~~い!愛紗~!白兄ちゃ~~ん!」

見ると対岸の崖、その先端に鈴々ちゃんが立っていた

撃「鈴々ちゃ~ん!どうしてそこにいるの~!」

両手でメガホンを作って叫んだ

鈴々「愛紗と白兄ちゃんの帰りが遅いから心配になって来たのだ~!

   そしたら変な光が見えたからこっちに来たのだ~!」

やれやれ、そういう事か その時

愛紗「鈴々、お前の横にある木を切ってこちら側に倒すんだ!」

鈴々「え?何でなのだ?」

愛紗「良いから早くしろ!」

鈴々「わ、わかったのだ。」

鈴々ちゃんは持っていた蛇矛で木を切り裂き、バランスを失った木は

こちら側に倒れてきて、即席の橋となった

愛紗「...よし、みんな、これを使って向こう側にわたるんだ。」

やがて一人ずつ、慎重に木の上を渡って対岸に渡った

撃「愛紗、趙雲も先に行け!殿は俺がやる!」

愛紗「わかった!」

趙雲「任せたぞ!」

残りは俺と愛紗と趙雲だけになったが、どうやら賊はまだあきらめてないらしく

残りの賊全員が死体をかき分けてこちらにこようとしている

撃「まだやるってのか、しつこい奴らだな...コマンド!グレネード!」

   『GET SET!』

開いた左のバインダーに銃身を差し込んで一旦両手を自由にして

右のバインダーから拳大の大きさの破片手りゅう弾を取り出した

俺は左手に保持し直したライフルで牽制しながら木の橋の方を見るが

愛紗も趙雲もあと少しで渡り終わる

撃「これで、最後だ!」

銃をバインダーに収納し、俺はグレネードの安全ピンとカバーを外した後、

洞窟の死体の山の向こうに向けてグレネードを投げ込んだのを確認すると

入口の横の壁に背をつけて身を隠した

そして次の瞬間

   『ボガアァァァァン!』

くぶもった音と煙が洞窟の中から聞こえてきた

俺は洞窟の中をのぞき込む、生きてる奴がいない事を確認すると木の橋の上を渡って対岸に行こうとした

愛紗「撃、無事か!?何ださっきのすごい音は!?」

撃「心配するな、あれもこのスーツ、鎧の力だ。」

そのまま木の上を渡る よし、これで終わりだ、後はみんなと帰るだけだ

そう思った時、出口側の掛かっていた岩が崩れ、木が滑り落ち始めた

愛紗「っ!?撃!」

鈴々「白兄ちゃん!」

俺は肩越しに振り返るがすぐに前を向いて走った そして...

撃「なん......のぉぉぉぉっ!」

思いっきり木を蹴って崖に向かって飛んだ

だが届きそうにない

趙雲「だめだ!」

愛紗「撃!」

撃「ま・だ・ま・だぁぁぁぁっ!」

その時、俺の背中のバックパックの下部が開き、そこからスラスターが

現れ、俺の背中を押した

そして右手が崖をしっかりと掴んだ

愛紗「撃!待っていろ!今引き揚げる!」

鈴々「白兄ちゃん!手を伸ばすのだ!」

その腕を愛紗と鈴々ちゃんがしっかりと掴んで引き揚げた

そのまま地面のへたりこむと俺は唐突に笑い出した

撃「ははははははっ!」

愛紗「どうしたのだ撃!?頭でも打ったのか!?」

鈴々「白兄ちゃんがおかしくなったのだ~!」

撃「ははっ、違うって、あんな絶望的な状況からよく生還できたなって思ってさ。」

メット越しに愛紗達と話していたがやがてスーツが光に包まれると俺は元の姿に

戻った

 「おっ?戻った。」

俺が元の姿に戻ったのを見てさらに趙雲と女の子たちもびっくりしている

そりゃあんだけの事があれば誰だってびっくりするか

撃「え~っと、説明した方がいいのかな?」

趙雲「...説明求む。」

撃「...了解。...と言いたい所だけど、俺も良くは知らないんだ。

  これを使ったのも今日が2回目でね。」

そう言いながらデリンジャーから白い銃弾を抜き取った

 「どうやら、こいつを使えばあの鎧を装着できるらしいけどね。」

趙雲「......もしや、鈴々が言っていた鎧とはもしや?」

撃「そ、これの事だよ。」

俺はさっきしまった弾丸と入れ替えて白い銃弾をポケットにしまった

 「そうそう、趙雲殿と女の子と子供たちに約束してほしいんだ。」

趙雲「何だ?」

女の子「はい?」

撃「俺のこの力を周りの人に言いふらさないでほしい、俺、目立つのはあんまり

  好きじゃないから。」

趙雲「...肝に銘じておこう。」

女の子「お兄さんには助けられましたから...わかりました。みんなもいいよね?」

子供たち「「「「「はぁ~い!」」」」」

撃「...ありがとう、それじゃ、帰るか。」

 

その後、子供たちを送り届けた4人は公孫賛殿の待つ所へ報告に戻った

なぜかそこでは公孫賛殿が鎧を身に着け、剣を振り、馬を準備していた

...もしかして...

公孫賛「おぉ!関羽殿!趙雲殿!撃殿!張飛殿!みな無事だったか!

    して首尾はどうじゃ!?」

愛紗「はい、無事に賊のアジトを見つけました。」

公孫賛「そうか!では早速出陣の準備を!」

撃「いえ、その必要はありませんよ。」

公孫賛「へ?それはどういう?」

撃「もう賊は残ってないと思いますよ。あ~俺達3人で殲滅してきました。」

公孫賛「一人も?」

撃「詳しくは見てきませんでしたけど、大体はやっつけました。」

公孫賛「......そんな、折角白馬将軍として華々しく戦果を飾ろうと

    したのに...」

......今のは聞かなかった事にする

後ろで愛紗は苦笑してるし、鈴々ちゃんは訳が分からないって感じだし

趙雲は、ため息か まぁ、これでこの辺りも少しは平和になるだろう

俺達は趙雲こと、星と一緒に林道を歩いていた

あの後、俺達と一緒に行くと言い出したので、俺達は笑顔で了承した

愛紗「しかし、良かったのか?私達はともかく、星はあのまま公孫賛殿の元に

   留まっていれば一角の将として兵を率いていただろうに。」

星「確かに公孫賛殿は決して悪い人ではない、だがそれだけだ。

  それにこの乱世を収める器ではなかった、影も薄いしな。」

愛紗「何気にひどい事を言ってないか。」

御最も

撃「良いじゃねぇか、自分の道を決めるのは自分だ。俺達が口出しする事じゃないさ。」

星「まぁ、私もお前達と共に旅をしながらこの広い国の中で真に使える主を

  探すだけだ。これからはよろしく頼むぞ。」

こうして更なる仲間『星』を入れた俺達4人は更なる旅へと出かけた

         第4話 END

 

 

 


 
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