No.820230

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第135話

2015-12-23 00:10:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1146   閲覧ユーザー数:1055

~ジュライロッジ・最奥~

 

「……あ…………」

「ぼ、僕達、勝ったの……?」

ヨアヒムが消滅した所を見たアリサとエリオットは呆け

「ああ。―――文句なしの君達の勝利だ。」

パントが笑顔を浮かべてリィン達の勝利である事を伝えた。

 

「やったぁぁぁ~~っ!!」

「わたくし達、勝ったのですね……!」

「これでようやくエレボニアに平和が訪れるな……」

「ミッションコンプリート、だね。」

「ああ……!そしてこれでようやく”かけがえのない毎日”を取り戻す事ができる……!」

「最後まで皆さんの足をひっぱらずにお役に立てて本当によかったです……」

「はあああああ~……”神”を相手に本当によく勝てたよ……」

「フン、”神”と言っても偽物だろうが。」

「やれやれ……さすがに今回ばかりは肝が冷えたわよ。」

パントの言葉を聞いたミリアムは無邪気な笑顔を浮かべ、セレーネとラウラ、フィーとリィンはそれぞれ嬉しそうな表情をし、エリスと共に安堵の表情で溜息を吐いているマキアスにユーシスは鼻を鳴らして口元に笑みを浮かべて答え、セリーヌは疲れた表情で溜息を吐き

「”影の国”以来の大規模戦闘による勝利でしたね。」

「フフ、言われてみればそうね。」

「リフィアがこの事を知れば羨ましがるだろうね、キャハッ♪」

「ふふっ、リフィアなら間違いなく自分も混ぜてくれなかった事に文句を言うでしょうね。」

ツーヤの言葉にプリネは微笑み、無邪気な笑顔を浮かべているエヴリーヌの予想を聞いたエリゼは苦笑しながら同意した。

 

「フフ、それにしてもまさかエマどころか”蛇の使徒”であった私が”星杯騎士”と共闘するなんてね。”魔女の眷属(ヘクセンブリード)”は七耀教会からしたら異端の存在で、”蛇の使徒”であった私は七耀教会にとっては天敵のような存在なんだけどねぇ。」

「ア、アハハ……そんなの今更よ、姉さん。」

「何せその七耀教会が崇めている”空の女神”自身も一緒に戦ったからねぇ。」

クロチルダの言葉を聞いたエマとサラ教官はそれぞれ苦笑し

「うふふ、それにしてもこうして改めて見ると”結社”出身の方達が随分と集まりましたわね♪」

「シャロン……”結社”の”執行者”だった貴女がそれを言うの?」

「”死線”、”漆黒の牙”、”剣帝”、”蒼の深淵”、そして”鋼の聖女”。フッ、少なくても”福音計画”のメンバーよりは確実に上だろうな。」

「レ、レーヴェ。」

「それ、冗談になっていないんですけど?」

「ア、アハハ……」

微笑みながら呟いたシャロンの言葉を聞いたアリサは疲れた表情で指摘し、静かな笑みを浮かべているレーヴェの言葉を聞いたヨシュアは冷や汗をかき、エステルはジト目で指摘し、ミントは苦笑していた。

 

「フフ、向こうの言う通り”執行者”どころか”蛇の使徒”とも共闘するなんておかしな縁ね。」

「いや~、そんなのオレらにとったら今更やで、姉さん。」

「”結社”より更に上の私達にとっては天敵のような存在とも既に共闘しているのだから、本当に”今更”。」

「確かに神を殺した存在やソロモン72柱の魔王達が相手だとさすがの”結社”も霞むよねぇ?」

「ワ、ワジ君!」

クロチルダ達を見つめて呟いたルフィナにケビンとリースはそれぞれ苦笑しながら指摘し、口元に笑みを浮かべて呟いたワジの言葉を聞いたノエルは慌てた様子で声を上げた。

 

「うふふ、”影の国”以来のとっても賑やかで楽しい”お茶会”だったわ♪ティオもそう思わない?」

「それについては同感です。……わたしをあの滅茶苦茶な面子と関わらせたキーアには感謝していますよ。」

「フフ、そう言う意味では私も彼女には感謝すべきでしょうね。貴女のお蔭であの忌々しい呪いが解かれたのですから。」

「アハハ……正確に言えば”今のキーア”じゃないけどね。」

レンの意見に同意したティオと共にフェミリンスに微笑まれたキーアは苦笑し

「フフ、気付けば随分と様々な組織の方々が集まりましたね。」

「それも彼らが持つ”絆”の力なのでしょうね。」

「フフ、彼らもリウイ陛下達のように良き”縁”に恵まれましたね。」

「ええ……エレボニアは今後苦しい立場に立たされることになるでしょうが、彼らのような存在がいればいつか必ず持ち直せるでしょうね。」

ルイーズやシグルーン、リアンヌとパントは微笑ましそうにリィン達を見つめていた。

 

「フウ。さっきは空気を読んで猫を被って久々の”女神モード”になりましたけど、やっぱり”女神モード”は疲れますね。」

疲れた表情で溜息を吐いて呟いたエイドスの発言を聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力し

「く、空気を読んでって……」

「しかも女神が猫を被る”女神モード”で何なのですか……」

「ううっ、私の時代のエイドスは真面目な娘なのに、一体何があってあんな娘になったのよ……」

「というか途中から既に”本性”をさらけ出していたわよ……」

「いい加減自分が”女神”である事を自覚しろなの~!」

「ア、アハハ……本当に一体誰に似たんだろうね、あの性格は。」

アドルは表情を引き攣らせ、エレナとフィーナ、クレハはそれぞれ疲れた表情になり、ノイはエイドスを睨み、ナユタは苦笑していた。

 

「あ。そうだ、ミントちゃんに頼む事があったんだった…………!」

「ほえ?ミントに頼む事??」

その時ある事を思い出して声を上げたツーヤの言葉を聞いたミントは首を傾げ

「あ……!クロウの治療の事だね……!」

「色々な事が起こってすっかり忘れていたね。」

「フィ、フィーちゃん。さすがにそれは酷いと思うわよ?」

「まあ、フィーさんのお気持ちはわかりますが……」

ツーヤの言葉にエリオットは反応し、フィーが呟いた言葉を聞いたエーデルとセレーネは冷や汗をかいた。

「ミントさん、お願いします!どうかミントさんの力―――時空を操る”真竜”の力でクロウを元に戻してください……!」

「え…………」

「ええっ!?な、何でリィン君達がミントの力や正体を知っているのよ!?」

「もしかして姉さん達が……?」

リィンの嘆願を聞いたミントが呆けている中エステルは驚き、ある事を察したヨシュアはプリネ達に視線を向け

「ええ……実は――――」

そしてプリネ達はエステル達に事情を説明した。

 

「そんな事が……」

「ま、さすがに仲間の命の危機なんだから、ミントちゃんの事を話したのも仕方ねぇかもしれねぇな。」

「はい………もし話さなかったあたしだったらきっと一生後悔しています。」

「………………」

「―――ですが話を聞く限りその者がそうなってしまったのもその者自身の責任だと思うのですが。」

「……そうですね。ヨアヒムの甘言に乗せられたとはいえ、彼も自分がどうなるかわかった上で”グノーシス”を服用したのだから、厳しい事を言うようだけど彼がそうなってしまったのも彼自身の”自業自得”よ。」

事情を聞き終えたティオは辛そうな表情をし、ランディとノエルは重々しい様子を纏って呟き、キーアは複雑そうな表情で黙り込み、フェミリンスとルフィナはそれぞれ厳しい意見を口にした。

「それでも俺達はクロウを助けたいのです!お願いします!俺達でよければミントさんの望む事を何でもしますのでどうかクロウを助けてください……!」

「お願いします!!」

「はわわわわっ!?み、みんな、頭を上げてよ~!」

リィンがミントを見つめて頭を下げて嘆願するとアリサ達もそれぞれ頭を下げ、それを見たミントは慌て

「……あたしからも頼むわ、ミント。―――この通りよ。」

「”黄金の百合”――――いえ、”真竜”殿。どうか御身の御力でクロウの寿命を戻してあげてください……!」

「ミント殿。人の生きた”時の流れ”を無暗に捻じ曲げる事を戒めている事は存じていますが、どうかフェミリンス殿の時のように彼らに対しても一度だけ慈悲をお願いします……」

「サラさんやクロチルダさん、それにシルフィアさんまで…………」

サラ教官やクロチルダ、リアンヌも頭を下げてミントに嘆願し、それを見たミントは困った表情をして考え込んでいたがふとキーアと目が合った。

 

「……………………」

ミントに視線を向けられたキーアは真剣な表情でコクリと頷き

「(キーアちゃんが頷いたって事はこれも”改変された歴史の正しい流れ”って事なんだ……)……フウ……今回だけだからね。」

キーアの意志を理解したミントは疲れた表情で溜息を吐いて答えた。

「ほ、本当ですか!?」

「その代わり2度とミントの――――”真竜”の力に頼らない事を約束してね?本来”人の時の流れ”は歪めてはいけないんだから。」

(そう言っているわりにはフェミリンスの時は出し惜しみもせず使っていたよね。)

(エ、エヴリーヌお姉様!)

(うふふ、それは言わないお約束よ、エヴリーヌお姉様♪)

(え、え~と……フェミリンスさんの場合は事情が特殊でしたし……)

答えを聞いて仲間達と共に明るい表情になったリィンの問いかけを聞いた後リィン達に念押しするミントの言葉を聞いて小声で呟いたエヴリーヌの言葉を聞いたプリネは慌て、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、ツーヤは苦笑していた。

 

「……ねえ。どうせならついでにその力で部長も元通りにできないの?」

「あ……っ!そうでしたわ……!ミントさんの力でしたら部長も人間に戻れますわ……!」

フィーの言葉を聞いてある事を思い出したセレーネは声を上げてエーデルを見つめ

「へ……」

「まさか彼女も”C”のように……」

二人の話を聞いたエステルは呆け、ある事を察したヨシュアは真剣な表情をした。

「……ああ。ブルーメはヨアヒムがこのジュライロッジ内に幽閉されていた人質達に手を出さない代わりにブルーメ自身が奴の”実験”に協力する事を申し出て、その結果ブルーメは人体実験をされた事や奴が開発した”新型のグノーシス”によって純粋な魔族と化した。」

「なっ!?それじゃあそちらの方もティオちゃん達と同じ……!」

「あの外道!こんな将来が楽しみなお嬢さんにそんな事をしていやがったのか!?」

「…………確かに彼女はティオや”殲滅天使”と違って純粋な魔族だね。」

「………………」

(ごめんね……エーデル……)

「ティオちゃん達と違って純粋な魔族になったのも”新型のグノーシス”のせいかしら……?」

「ああ……恐らくそうだろう。」

レーヴェの話を聞いたノエルは驚き、ランディは厳しい表情をし、ワジは真剣な表情でエーデルを見つめ、ティオとキーアは辛そうな表情でエーデルを見つめ、不安そうな表情をしているエリィの疑問にロイドは静かな表情で頷いた。

 

「ミント。」

「うん、そう言う事情ならエーデルさんの時間も戻すよ。エーデルさん、今から何日前までは普通の人間だったか、覚えているかな?」

そしてエステルに視線を向けられたミントは静かな表情で頷いた後エーデルに問いかけたが

「えっと……その……ミントさんのお気持ちは嬉しいのだけど、私は元通りになりたいとは思っていないから必要ないわ。」

エーデルはその場にいる誰もが予想していなかった答えを口にした。

 

 

 


 
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