No.818744

北郷一刀と新たな英雄が紡ぐ外史 8話

あなたまさん

孫策軍登場です

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2015-12-13 22:35:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4877   閲覧ユーザー数:3753

壺関で黄巾党を圧倒した涼州軍は曹操の提案によって連合を組み討伐を続けた。上党の黄巾党を根絶やしした後は晋陽・渤海で暴れている黄巾党や暴徒を次々鎮圧、早くも残る敵は青州のみ。これほど素早く鎮圧出来ているのは、涼州軍の機動力はさることならが、そんな涼州軍に負けず劣らずの機動力を持つ幽州騎馬隊の存在が大きい。

 

両軍とも騎馬隊がメインで、長距離移動などに適しているため、鎮圧は予想を大きく上回る速度で行われているのだ。

 

しかし、ここで一刀に一つの疑問が浮き上がる。

涼州軍と同等の騎馬隊を持つ曹操軍がなぜ共闘を持ちかけたのか……騎馬隊だけじゃなく、これほど精強な軍を持つ曹操軍ならば独自でも討伐など簡単に出来るはず。なのになぜ連携の取れない連合などを提案したのか……

 

連合すれば純粋な兵力は増すが、即席の連合は足並みが揃わずに各個撃破される可能性が高い。相手が賊だから大丈夫だと高をくくっているのか……それとも別に思惑があるのか……

 

この時代を代表する軍略家・策略家である覇王・伏龍・鳳雛の考えはなんなのか……それを必死に模索する一刀ではあるが、あの3人の考えをそう簡単には見抜けずに毎日頭を悩ましている

 

 

翠「こんなに順調に討伐が進むなんてな、順調すぎて心配になるぐらいだぜ」

 

シャオ「確かにね、一刀が用意してくれた兵糧もかなり余りそうな気配だもんね」

 

及川「これはあれや、曹操軍が強すぎるやろ。わい達と互角の騎馬隊を持っとるうえに、騎馬隊以外の兵種の錬度も凄まじいでホンマに」

 

 

そう、これほど鍛えに鍛え抜かれた軍を持っているなら、俺達の力なんか必要ないはず。壺関を速攻で陥落させた事で興味を持たれた?

曹操は人材を愛し、身分や過去は問わず才能ある者を集めた人材コレクター。でも俺なんか欲しがらずとも、率いる軍に死角は無いはず

 

星「一刀殿、また難しい顔をされてますな。曹操軍の事をお考えになられてたのですかな?」

 

一刀「その通りなんだけど……一つ星に聞きたいんだけどいいかな」

 

星「私で答えられる範疇の事ならば。もちろん今まで相手にしてきた夜の人数等も、一刀殿が知りたいと仰るなら教えるのも吝かではないですがな」

 

一刀「なんの話しをしてるんだなんの……というか、星ってそっち方面豊富なの?」

 

星「無論ですぞ、私にかかれば男の1人や2人なんて事はありませんな」

 

一刀「星の経験談は興味あるけど、またの機会にさせてもらうよ」

 

 

そういって星の相手を辞めると、『そう簡単に流されるのも悔しいものが』と少しむくれていた。

意外と星も乙女なのかな?いきなり性事情を話しだそうとするのはあれだけど。

 

 

香風「お兄ちゃん大丈夫?顔色良くないよ?」

 

一刀「大丈夫だよ、ちょっと頭使いすぎちゃってね。心配してくれてありがと香風」

 

 

心配してくれた俺に香風の頭を優しく撫でる。

香風は撫でられて照れ気味だったが、お兄ちゃんが元気ならそれでいい言いつつ、座っている俺の膝にポスっと座り込んできて、ゆっくりと背中を預けてきてそのまま眠ってしまった。

 

前から思ってたけど、香風は小動物みたいで一緒に居ると癒されるんだよね。

決してロリコンだから癒されるとかじゃないと言っておこう

 

 

一刀達の周囲の兵士達は、まるで本物の兄妹のように安心しきって寄り添う二人を見て、自然と表情がほころぶ。

そんな微笑ましい光景を見ていた曹操軍のある将は自分も混ざりたいと鼻息を荒くしていた……

 

 

 

曹供「あぁ~徐晃さんの安心しきった顔がたまりませんわ~!あの殿方、場所変わってくれないかしら」

 

曹供は曹操の従妹であり、曹操軍の金庫番を任されている。軍を率いて戦う事も上手いが、彼女の真骨頂は集金や資産運用である。その能力はあの曹操が舌を巻く程だ。

 

そんな万能な彼女だが、ある悪い癖がある……曹供に限らず曹家にはなにかしらの悪い癖が存在する。

 

曹操は才を愛するが、部類の女好きでもある。自分の気に入った子は侍女に取り立てて愛でる程手癖が悪い

 

華侖はこれといった欠点はないのだが、俗に言う露出狂。外であろうと彼女は気分で服や下着をすべて脱ぎ全裸になる癖があるのだ。一応羞恥心はあると言う本人談だが……

 

そして曹供の悪い癖としてまずは大の男嫌いである。男なんて臭くて汚い者だとしか思っていなく、彼女に不用意に近づく男には容赦はしない。そしてそんな男嫌いの反動なのか、可愛いor美しい少女を自分の屋敷で囲い、着飾らせたりして愛でるのが趣味となっている

 

 

そして曹供の視線の先には……彼女の好みドストライクの香風が居るために釘付けなのだ。男はすべて汚らわしいと思っている曹供には、香風がなぜあんなに安心してべったりする事が出来るのかが理解出来なかった。

 

 

曹操「なぜあんなに懐かれてるのかわからない・・・そういう顔をしてるわね、栄華」

 

曹供「華琳お姉様……えぇ、そうですわね。わたくしにはなぜあそこまで男に心を許せるのかが理解出来ませんの」

 

曹操「あの男には他の男には無い不思議な魅力があるのよ。そうじゃなければこの私が興味を抱いたりしないもの」

 

(確かに……有象無象の男達の事など、羽虫としか見ていない華琳お姉様が男の興味を持つのは初めての事ですわね。あの殿方には華琳お姉様には理解できて、私には理解出来ない能力・魅力が存在するのかもしれませんわ。まだまだ華琳お姉様には手が届きませんね)

 

曹供「馬超と孫尚香に抱きつかれてデレデレしているあの男はどうなのですか?」

 

曹操「あれは最初にも言った通りただのブ男ね、才能はすべての面で北郷の方が優れてるわ」

 

 

(初めて会った時も、あの男は華琳お姉様に罵倒されたにも関わらず、恍惚の笑顔を浮かべてた……あれは変態と自負しているわたくしでも、ああいう類の変態は理解出来ませんわ)

 

曹操「でもブ男の武だけは無視出来ないわね。戦わせてみないとわからないけど、うちに居れば春蘭・秋蘭に次ぐ武を誇るかもね」

 

及川を侮っているようで、しっかりと注意すべき点は見逃さない。それが曹孟徳という人物だ。

曹供はまた見抜けなかった……いや、男はすべて汚らわしい存在だと色眼鏡で見ていたために、一刀・及川の本質・才能を見落としてしまっていたのだ。

人を見抜く目を正しく養う為にも、男嫌いを直そうとなんとかしようと思案するが、一刀・及川が特殊なだけで、女性が圧倒的に有能なのは揺るがないのもまた事実。男を見抜く機会はやってくるのだろうか?と疑問が浮かんできた

 

悩みだす曹供をクスッと笑った後に、曹操は稀代の軍師・諸葛亮と龐統に話しを切り替える

 

 

曹操「さて、共闘している涼州軍の実力をどう感じてるかしら。今度は貴女達の意見を聞かせてもらうわよ」

 

諸葛亮「そうですね……まず優れている点はやはり騎馬隊の運用でしょうか。涼州に住まう人達は幼き頃より馬に慣れ親しんでいます。私達も騎馬隊の育成に力を入れていますが、騎馬隊に限った錬度は私達が負けていると思います」

 

曹操「ふむ、雛里はどう感じた」

 

龐統「今の所の話ですが、涼州軍は眼中にありません。確かに騎馬隊に関しては朱里ちゃんの言う通り涼州軍が勝っているでしょうしかし、軍全体の錬度では私達との差は歴然です」

 

曹操「私達との差は歴然としている、その理由をもちろん聞かせてくれるのよね?」

 

 

 

諸葛亮の答えも曹操自身が肌で感じ取っているために不正解では無い、しかし曹操を満足させるには少し足りなかったようだ。

次に問いかけた龐統の応答を聞いて、曹操は興味を引かれ龐統の説明を待っている

 

龐統「涼州軍の最大の武器は突破力です。馬と共に生き、生活しているため、馬上でも安定して攻撃を繰り出す事が出来ます。個々の武においても馬超さん・徐晃さん・及川さんの3人が控えており、留守を護っている馬超さんの妹達も猛者と聞き及んでいます」

 

 

ここまで聞く限りでは涼州軍は手強く、直接戦えば苦戦は必至。しかし龐統は眼中に無いと言い放った……この自信はどこからくるのか、曹操はますます続きが気になり始めた

 

龐統「しかしいくら個々の武・突破力が強くても、統率と知略に関しましたはお世辞にも優れているとは言えません。簡単に言うと猪武者しかいないのです。知略方面で優れているのは北郷さん1人のみ、軍全体を支えるのは不可能です」

 

龐統「対するこちらには曹操様・秋蘭様・栄華様・朱里ちゃんに私が控えています。多方面の戦況や緊急時の指揮など臨機応変に動く事が出来ます」

 

曹操「つまり、北郷一刀を取り除くことが出来れば涼州軍は烏合の衆に成り下がると言いたいのかしら」

 

龐統「はい、あの軍には頭数が絶対的に不足しています。逆に言えば軍師・統率型の将軍が加われば、華琳様の前に必ず立ち塞がる最大の敵になりえるでしょう」

 

曹操「期待以上の返答よ。どうやってそこまでたどり着いたのかしら」

 

龐統「華琳様は障害無き覇道はつまらないと常々仰っております。そして男に初めて興味を持った華琳様ならばこう考えるだろうと推測して考えました」

 

龐統は主がただの気まぐれで、交流の無い軍と連合を組むお人好しなんかじゃないのは理解している。そんな曹操の興味対象は男である北郷一刀、男の身でありながら曹操に興味を持たれる存在。そんな存在を曹操の軍師たる自分達が警戒しないわけにはいかない。口にはしなかったが、親友である諸葛亮も同じ思考にたどり着いている。

 

 

曹操「見事よ回答よ、朱里の回答も間違いではないのだけれど、雛里と同じ所まで察しているのならば、私を満足させる回答をしなければダメね」

 

諸葛亮「ぅぅ……次は必ず満足のいく回答を雛里ちゃんより先にしてみせます!」

 

龐統「次も負けないよ、朱里ちゃん」

 

曹操「私が認めた才能を持つ者同士が牙を磨き競い合う……なんていい光景なのかしら」

 

曹供「あぁ~お互い小さい体を一生懸命大きく見せようとするその努力……両者負けじとむぅーと頬っぺたを膨らませるその愛らしい姿……たまりませんわね(ハァ……ハァ……」

 

曹操「栄華……いつ正気に戻ったのかしら」

 

曹供「お姉様愚問ですわ!小さい子達がお姉様からのお褒めの言葉を受け取りたいと、切磋琢磨してる姿をこのわたくしが見逃すはずがありませんわ!」

 

 

(女好きの私が言えることじゃないのだけれど、この子の小さい子好きも大概ね。北郷一刀、ついでに及川と接して男嫌いが少しでも治ってくれれば、今後あの子が率いる兵達との衝突が減るんだけど……

私もお母様から男の影が全くないのねと言われるけれど、決して男嫌いでは無い。私と釣り合う能力、そして私が惹かれる人物が現れるのを待っているだけ……生理的に男を嫌っている栄華とは根本的に違う……はずよね?なんか自分で言ってて自信が無くなってきたのだけれど。)

 

 

夏侯淵「華琳様、どうかなさいましたか?」

 

曹操「なんでもないわ。貴方がここに来たという事は、なにか問題が起きたのかしら」

 

夏侯淵「軍や黄巾党に関する問題は起きていないのですが、孫伯符が軍を率いてやって来ております。どうやら我等と合流して青州の黄巾党を滅ぼしたいと言っておりました」

 

曹操「孫策……江東の虎と言われた孫堅の娘だったわね」

 

夏侯淵「はい、そして今は兗州・豫州を治めており、現状一番勢力が強いと思われます」

 

曹操「私達以上に力のある孫策軍が合流……ね」

 

夏侯淵「いかがいたしますか、華琳様」

 

曹操「もちろん会うわ、そんな相手が来るなんて面白いじゃない?」

 

夏侯淵「わかりました、呼んで参ります」

 

 

 

 

 

 

 

曹操軍も力があるとはいえ、北国の幽州一国と中原の交通の要所である兗州・豫州では国力が比べ物にならない。

それこそ孫策軍単体でも黄巾党の相手など余裕のはず、なのにこの連合軍の宿地であるここに来たからには目的が隠されている。

 

涼州軍に共闘を持ち替えた曹操軍、その目的を考える一刀

連合軍に共闘を持ちかけた孫策軍、その目的を考える曹操

 

まさかこの自分が考えさせられるとは予想しておらず、曹操は誰にも聞こえない声で『この私に考えさせるなんて……面白いわね孫策』と呟く。

 

そうこうしてる間に秋蘭が孫策を連れて戻ってきた

 

秋蘭「華琳様、孫策殿をお連れいたしました」

 

孫策「あなたが曹操ね、私が孫伯符。まずは参戦を承認してくれた事に礼を言うわ。私の背後に居る二人は周瑜公瑾と太史慈子義よ」

 

孫策は全身から覇気をかもし出し、威風堂々という表現が一番しっくりくる表現だろう

曹操の背後に控えていた夏侯惇は孫策を見て咄嗟に剣を抜くそうになる、秋蘭が止めなければ斬りかかったかもしれない。

夏侯惇は本能で孫策の危険性を見抜いたのかもしれない……主である曹操も楽しそうに笑みを浮かべる

 

孫策「人の顔を見て笑い出すって失礼ね、私の顔に何かついてるかしら?」

 

曹操「いえ、こちらの事情よ。気を悪くしたら謝るわ。それで、孫策はなんでこの連合軍に加入を希望したのかしら」

 

孫策「なんだと思う?」

 

曹操「質問を質問で返さないで欲しいのだけれど。そうね……恐らくだけど目的は私と一緒かしらね、この連合軍に居る”誰か”に会いに来たのでしょ?」

 

孫策「誰かって誰かしらね。言ってくれないとわからないわね」

 

曹操「その返事で言ってるようなものよ」

 

孫策「あらら、つれないわね。それじゃあ私はその”誰か”の所にも行ってくるから、軍議があれば呼んで頂戴。それじゃあね」

 

 

来るときは威風堂々、帰るときは飄々として掴み所が全く無かった。

曹操軍でもトップクラスの武を誇る夏侯惇ですら咄嗟に剣が伸びた程、覇気で圧倒されていた。

そんな覇気を受けて小柄な諸葛亮・龐統は気絶してしまっている……

 

そんな光景を目の当たりにして曹操にはある確信が浮かぶ

 

曹操「孫策……あれは間違いなく私と同格の存在ね。いずれ私と雌雄を決する相手ね」

 

栄華「お姉様、現状一番危険な勢力は間違いなく孫策軍です、これは速めに河北四州を制覇するべきですわ!」

 

曹操「それはこの子達の意見を聞いてからね……朱里、雛里起きなさい」

 

 

諸葛亮・龐統「ッハ!」

 

曹操「おはよう、気絶から回復して早々で悪いのだけれど、孫策達の印象を聞かせてもらえるかしら」

 

諸葛亮「そうですね……先程雛里ちゃんが言ってたように表現しますと、孫策さんは間違いなく華琳様と同格の存在でしょう、野に放たれている虎という印象でしょうか」

 

龐統「孫策さんの存在もさることながら、背後に控えていた周瑜さん、太史慈さんも要注意人物かと。周瑜さんは私達、太史慈さんは春蘭さんに匹敵すると思われます」

 

諸葛亮「そして何より私達との国力の差ですね、大都市の陳留・許昌を治めているのと、汝南も支配下に置いているのは大きいと思います。そして栄華さんが仰っていた河北四州の統一ですが……」

 

龐統「私達は”まだ”動く時ではないと具申します」

 

栄華「気絶しててもちゃんと聞いていたのですね……それで朱里さん、雛里さん、なぜまだ動く時ではないのですか?このままズルズルいけば、更に国力の差が広がってしまうと思うのですが」

 

諸葛亮「栄華さんの懸念も解ります。漢王朝に諸侯を従える力が無いのは明白ですが、まだ漢王朝に忠誠を誓う諸侯も多いのが現実です」

 

龐統「今領土拡大の野心を見せれば、忠誠を誓う諸侯の格好の的になってしまいます」

 

曹操「そうなれば少なくとも、涼州軍・孫策軍を同時に相手しなければならないわね。今の私達で両軍同時に勝つ事は出来るかしら?」

 

 

現段階で大陸屈指の軍事力を持つ孫策軍、馬術の使い手である涼州軍を同時に相手取るのは、いくら曹操軍でも不可能に近い。

孫策軍・涼州軍に加え、各国の諸侯も名乗りを挙げれば、曹操軍は風前の灯である。

 

それが解っているために、動こうとしないのではなく動けないのだ。

 

曹操「そう心配しなくても大丈夫よ栄華。いざとなれば……こちらにはあの存在が居るのだもの」

 

 

将来的に涼州・孫策軍を敵に回そうとしているにも関わらずこの余裕……

この余裕がどこから来るのかは……曹操軍の者しか知る者は居ない

 

 

 

 

 

 

一方、曹操軍の陣を後にした孫策一行はそのまま涼州軍の陣へと向かった。

涼州軍の将と対面する時は先程と真逆の態度、いつも通り軽い雰囲気の孫伯符で接していた……

これには周瑜も溜息をつくが、止めても無駄だと諦めた。

ついでに曹操軍に連れて行った配下は周瑜・太史慈の2人だけだったが、今回はもう1人連れて来ている

 

孫策「はぁ~い!私がシャオの姉である孫伯符よ、よろしくね♪」

 

及川「うっひょーーー!褐色美人や!本物の褐色美人でしかもボンキュッボン!めっちゃ好みやー!」

 

孫策「あら、美人なんて嬉しいわね。貴方がシャオのお気に入りの及川って子かしら。あの子からの手紙で聞いてるわよ」

 

及川「はい!及川ええます、よろしゅう!」

 

孫策「うんうん、元気のいい子はお姉さん好きだぞ。どう、君さえよければ……この後お姉さんといいことする?」

 

及川「ぜひ!」

 

 

『ダメーーーーーーーーー!』

 

 

孫策のお姉さんオーラに呆気なく陥落しそうになったその時、孫策の行動を見過ごせなかった二人が止めに入る。

もちろんその2人とは翠とシャオである

 

シャオ「ちょっとお姉ちゃん!シャオの居ない間になに誘惑してるのさ!佑はシャオのなんだからね!」

 

馬超「いきなりうちの将を誘惑するのは勘弁してくれないか、流石に君主として見過ごせないから」

 

シャオ「そんな言い訳なんか言っちゃって、素直に佑が取られそうになったから止めに来たって言えばいいのに」

 

馬超「べ、べ、別に及川が誰かに取られそうになってたって……私には関係ないし……」

 

シャオ「はぁ……本当に面倒な性格ね。まあそういうことだからお姉ちゃん、佑はもう売約してるから手出したら駄目!」

 

孫策「なんだ残念。もうちょっと遊びたかったのに」

 

 

孫策はからかっていただけだったのにで、案外素直に引き下がる。

及川は弄ばれて嬉しかったのか、満足そうな顔をしている、この男は平常運転だ

 

 

及川で遊んだ孫策は、本命である一刀を探し始めるが……陣内を見渡してもそれらしき男の姿は見えなかった。

孫策は一刀の居場所を及川達に尋ねる。及川達は特に不審に思うことは無く、自分の幕舎に居ると答え、幕舎の場所も教える。

 

孫策達は歩き回る事の許可を貰い、教えてもらった一刀の幕舎の前に到着した

 

 

孫策「教えたれた場所ってここよね」

 

周瑜「多分合ってるはずだ。声をかけてみれば答えはわかるだろう」

 

孫策「それもそうね、北郷一刀居るかしら?失礼するわね」

 

 

声をかけたまでは良かったのだが、声をかけたと同時に室内に入っていく孫策を見て、慌てて付き添いの3人が続く。

 

幕舎の中には一刀は、取次ぎも無しに客人が4人現れ何事かと驚くが、襲撃者なら武器の帯刀も無しで来るはず無く、純粋な客人だと理解して落ち着きを取り戻す

 

孫策「もっと取り乱すかと思ったら意外と落ち着いてるのね」

 

周瑜「返事も無しに乗り込んでおいて、その言い草かお前は」

 

太史慈「ごめんね~わたしの雪蓮が迷惑かけちゃって」

 

一刀「大丈夫ですよ、この程度の迷惑なら慣れっこだし……それで赤い服の……って3人赤い服の方いましたね。美人も……ここに居るみなさん美人だから、真ん中に居るピンク色の髪の方が孫策さんですか?」

 

身体的特徴で呼ぼうとしたのだが、4人中3人が赤い服、4人全員が美人、次にようやく出たのが髪の色だった。最初からそこに気がつけって話しになるが、涼州軍には居ないタイプの美貌を持つ4人を見てたじろいでしまっていた……

 

孫策達は先程の及川と違い、一切の下心無しで美人と褒められ若干照れていたが、名乗っていない自分の名を言い当てた事の方が驚きが大きかった

 

孫策「名乗ってもいないのによくわかったわね。もしかして私達の事知ってた?」

 

一刀「いえ、今初めてお会いしましたし、特徴も一切知りませんでしたよ?うちに居るシャオと外見が似てるんで、もしかしたらと思っただけですよ。ぶっちゃけ勘です」

 

 

未来予知とも取れる勘を頼りに自由奔放に過ごす孫策。孫策には劣るが、充分的中率の高い勘の持ち主である太史慈は、まさか自分達が勘のお株を取られるとは思っておらず、一本取られたと二人揃って笑い出した。

 

急に笑い出したことで何か変な事言ったかな?と不安がる一刀。

そんな一刀を安心させるように話を再開する

 

孫策「ごめんごめん、私と梨曼以外から勘なんて聞けると思ってなくついね」

 

 

(そういえば……手紙にも勘とか書いてあったな……

シャオの話しを聞く限り、孫策さんの勘は恐ろしい程当たるとか、そんな人達の前で勘なんて言えばそうなるか……か?待てよ、この場に居る孫策さんと真名の人が勘を得意としてるなら……もしかしたら後の2人も勘が得意なんじゃ……)

 

 

周瑜「なにか誤解しているようだから先に言っておくぞ、勘なんて得体の知れない者に頼っているのはこの馬鹿2人だけだ」

 

??「そうですね、雪蓮殿や梨曼殿と一緒にされるのは困りますね」

 

孫策「何よ2人して、しかも馬鹿なんて酷いわね」

 

太史慈「そうだ、そうだ~!雪蓮の勘は凄いんだぞ!君もそう思うよね!?」

 

一刀「え、俺ですか?」

 

太史慈「あ、名乗りがまだだったね、私は太史慈子義だよ!って事で雪蓮の勘どう思う!?」

 

孫策に続いてまさかの大物だよ……

北海の孔融の下とかじゃなくて、もう孫策と一緒に居るのか。

ってことは、もう1人仲良さそうにしてるのが美周朗なのかな?

 

一刀「そうですね……シャオに聞いた話しや、まだ会った事の無い俺や及川の事も手紙に書かれてました。それなら事を考慮して、孫策さんの勘は無視出来ないものだと思いますね」

 

一刀の返答を聞いて太史慈は満面の笑み、得体の知れないと言った二人は苦々しい顔を浮かべる

 

太史慈「ほら~冥琳聞いた!?この子はわかってるね~」

 

周瑜「北郷殿、あまりこの2人を甘やかさないで頂きたいのだが……後々調子に乗るからな」

 

一刀「……苦労してるんですね、周瑜さん」

 

周瑜「北郷殿も苦労しているようだな……」

 

お互いの苦労気質で分かり合えたのか、2人揃って哀愁を漂わせる。

普段はすぐ見抜くハズの周瑜がこの有様の為、もう1人控えていた者が一刀に尋ねる

 

 

??「北郷殿、なで公瑾殿の名を知っておられたのですか?孫策殿ならば妹君の尚香殿から答えを導けるかもしれません。しかし、公瑾殿にはそういうものが無いハズです」

 

 

控えていた者の一言でそういえば……と流しかけていた3人が気がつき、一刀に視線を向ける

 

一刀「あぁ、それはシャオから聞いてたんですよ。お姉様には親友の太史慈さん・周瑜さんが居ると。特徴とかは会ってからのお楽しみだって教えてくれなかったんだけどね。そっちの方が楽しそうだからって」

 

孫策「確かにあの子なら言いそうね~まったく、誰に似たのかしらね」

 

周瑜「それは間違い無くお前だ。ところで、この者の事も知っているのか?」

 

 

この者とは周瑜さんとは別に眼鏡を掛けた人物……

孫策・周瑜・太史慈は連想出来たけど、この女性だけは全く解らないな……孫家四天王の誰かか?

でも雰囲気は武人と言うよりも文官(軍師タイプ)だと思うから違うか。

孫家の軍師だと魯粛・呂蒙・陸遜辺りかな……でも判断材料が無いから下手に言えないし

 

一刀「ごめん、彼女の名前はシャオから聞いてないから解らないや。よろしければお名前を聞かせて頂けませんか?」

 

??「私こそ名乗りが遅れて申し訳ない。私の姓は郭名は嘉、字は奉孝と申します」

 

一刀「郭嘉……奉孝さん……」

 

郭嘉「その通りですが、私の名がどうかしましたか?」

 

一刀「あ、覚えようと呟いただけだから気にしないで下さい」

 

郭嘉「はぁ……それならいいのですが」

 

 

ちょっと待て待て、本当にどうなってるんだ!?

 

劉備の蜀漢建設を成し遂げた伏龍・諸葛亮と鳳雛・龐統が曹操陣営

曹操の下で名を馳せた三軍師の1人で、曹操自らその才を絶賛した天才・神算鬼謀の持ち主である郭嘉が孫策陣営。

 

残りの荀彧・程昱の居場所がますます気になってくる……

それと孫家の大都督・呂蒙や陸遜の居場所も探し当てないと、後々厄介な事になりそうだ

 

一刀「えーと……今日ここに来たのはなんででしょうか?」

 

孫策「そういえばその話をしてなかったわね。私達も黄巾党討伐の連合軍に加わろうと来たのよ」

 

太史慈「本当はもっと早く合流したかったんだけどね、荊州の黄巾党の数が予想以上に多くて遅くなっちゃったのよね」

 

 

なるほど……自分の領地だけじゃな無く、荊州まで遠征行ってたのか。

それでいて黄巾党本隊との決戦に間に合わせる軍事力は流石の一言だな

 

一刀「もう曹操さんには会いに行ったんですか?」

 

周瑜「もちろんだ、ここに来る前に挨拶に行ったさ。あれは孫策に並ぶ器の持ち主だ」

 

孫策「そうね……私が覇気をぶつけても、それに怯むことなく私に当て返してきたもの。あの少女は巨大になるわね」

 

郭嘉「私はその場に居合わせなかったですが、恐らく曹操陣営でも同じような会話が行われているでしょう。近い将来あの軍とぶつかるのは時間の問題でしょう」

 

周瑜「だろうな、あの曹操が我等を見逃すはずがないからな」

 

 

諸葛亮・龐統・曹操は孫策軍との決戦を画策し……

 

周瑜・郭嘉は曹操との戦いは免れない事を悟る……

 

 

両軍が誇る稀代の軍師達による読みあいは既に始まっていた

周瑜・郭嘉が緊張感を高まらせるが、その主である孫策は変わらず呑気そうにしている

 

孫策「もぉ、冥琳も稟も考えすぎ。今からそんな事考えてもしょうがないじゃない。大丈夫よ、今すぐ当たる事は無いから」

 

周瑜「それはお前の勘か?」

 

孫策「もちろん勘よ♪」

 

 

周瑜さんと郭嘉さんはやれやれと言いたげだったが、確かに今は目先の敵を屠る策を考えたほうがいいかと判断したようだ。あ、忘れてた。手紙に書いてあった内容まだ言ってなかった

 

一刀「ちょっといいですか?孫策さんに会ったらやる事がありました。ちょっと屈んでもらえますか?」

 

孫策「こうでいいかしら……っひゃあ!」

 

 

褒めてと手紙に書いてあったけど、なんて褒めていいかわからないから頭を撫でる事にした、妹によくせがまれてたから撫でるのは慣れてるからね。

 

孫策さんの頭をゆっくり、ゆっくりと撫でる。こうして撫でてみると、同じ女性でも髪質違うもんなんだな。孫策さんの髪はサラサラしてて、撫で心地抜群でいつまでも撫でていた気持ちにさせられるよ

 

太史慈「ちょっと北郷君!いつまで私の雪蓮を撫でてるの!?」

 

一刀「あ、ごめん。撫で心地が良くてつい」

 

周瑜「いきなり女性の髪を撫でるのは感心せんぞ?」

 

一刀「手紙に会ったら褒めてと書かれてたので、褒める手段がこれしか思い浮かばなくて……」

 

郭嘉「だからと言って、初対面の女性を撫でるという発想はどうなのですか」

 

一刀「やっぱりダメだったかな……孫策さん、嫌でしたか?」

 

孫策「嫌ではなかったけど……いきなりだったからちょっとビックリ……したかな」

 

太史慈「ちょっと……何その反応!雪蓮も満更でもなかったの!?」

 

孫策「そんな事…ないから」

 

太史慈「今間があった!待ちなさい雪蓮!」

 

 

照れて顔が赤くなった孫策は一目散に逃げし、太史慈はそんな孫策を問い詰める為に追いかける為に幕舎を飛び出す。

 

 

一刀「孫策さんみたいなお姉さんでも赤くなるんだ」

 

周瑜「いや……物心ついた時からずっと一緒に居るが、あんな顔初めて見たぞ」

 

郭嘉「雪蓮殿の新鮮な顔を見れたのは僥倖でしたが、ここは自軍の陣では無いのですから、少し落ち着いて欲しいです」

 

 

残された三者の反応は様々だった。

特に幼馴染の周瑜と、追いかけて行った太史慈の衝撃は半端ないものだった。

 

一刀「周瑜さんと郭嘉さんにお願いがあるのですが」

 

周瑜「ん?今度は私達か?」

 

郭嘉「私たちが出来る範囲内の事であれば検討しますが……北郷殿の願いとはなんですか」

 

一刀「2人の兵法・戦術を教えていただきたいんです」

 

周瑜「私達の戦術か……なぜ教わりたいと思ったのだ」

 

 

一刀はこれから始まる乱世、そして自分の前に立ちはだかるだろう強大な存在の曹操が脳裏を過ぎる。

今のままの自分達では乱世の濁流に飲み込まれるかもしれない……

 

そうなる前に強大な敵に対抗出切る切り札を用意しないとと、一刀は考えているのだ。

この2人相手に腹芸していも勝てはしないので、ここは素直に理由を話す事にした

 

一刀「これから始まるであろう乱戦に備える為と……曹操・諸葛亮・龐統に太刀打ち出来るようになりたいんです。今のままでは確実に潰されてしまいます」

 

 

周瑜・郭嘉も曹操を危険視し、漢王朝の力が無いとわかる大事件が起これば群雄割拠の時代が始まると予測していた。

自分の領地で才ある者を召抱えても、ここまで予測出来る者は居なかった。それをこの男は見抜き、それをなんとかしようと努力している。

 

そんな一刀を見て、周瑜・郭嘉の心は決まった

 

周瑜「やるからには手加減せんぞ?黄巾党討伐の間に教えられるだけ教えてやろう」

 

郭嘉「この連合軍ならば、青州黄巾党本隊といえど、潰されるのは時間の問題です。それまでどこまで吸収出来るかは……北郷殿、あなた次第です」

 

 

大軍師の2人が貴重な時間を割いて俺に教えてくれるんだ。

必ず曹操軍に対抗出切る存在になってやる……!

 

一刀「よろしくお願いします、周瑜さん、郭嘉さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孫策軍が討伐軍に加入編でした

 

 

色々ごちゃまぜになってますので、各陣営の将をまとめてみました。

孫策軍で出てない将が居ますが、次回出すので明記しておきます

 

 

涼州軍

(一刀 及川 翠 鶸 蒼 蒲公英 明命 香風 華侖 シャオ )

 

曹操軍

(華琳 栄華 春蘭 秋蘭 朱里 雛里 ???)

 

孫策軍

(雪蓮 冥琳 梨曼 粋怜 稟 蓮華 祭)

 

公孫讃軍

(白蓮 星 ??? ??? ???)

 

 

孫策軍もなかなかのチート軍団ですね。

若干キャラ崩壊してるような気もしますが……

 

涼州軍は頭数は居ますが、やはり……脳筋メンバーが揃ってますね~我ながらバランス悪いw

 

 

未配置のキャラは下記の通りです

 

桃香 愛紗 鈴々 風 穏 麗羽 斗詩 猪々子 桔梗 亞莎 音々音 華雄 桂花 焔耶 

 

七乃 美羽 月 詠 思春 季衣 流琉 華雄 天和 地和 人和 皇甫嵩 盧植

 

凪 沙和 真桜 恋 霞

 

一部のキャラは決まっているんですが、半分ぐらいのキャラをどうするかまだ決まってないんですよね……

特に月とか月とか月とか……

 

性格とかはオリジナルになりますが、盧植と皇甫嵩の参戦を決めました!

 

 

紫苑は決まってるので未配置には記してないのと、曹操軍と公孫讃軍の???には未配置のキャラが入ります。

どれか決め手ありますが、まだ公表せず、登場する時に名を出したいと思います!

 

 

今回は誤字が酷く、大変申し訳ありません(o*。_。)oペコッ

 

 


 
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