No.816073

宝城双斗のIS学園生活 第5話それぞれの夜

destinyさん

入学式前夜

2015-11-28 05:57:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:453   閲覧ユーザー数:448

 side双斗

 

 僕と簪は夕食を済ませて自分達の部屋に戻ってきた。しかし、僕は部屋の中のある場所だけが昼の時と変わっていることに気付いた。

 

 「ねぇ、簪。完全にベッドくっついてるよね?」

 

 「うん・・・」

 

 どうやら簪もそのことには気づいていたようだ。

 

 「とりあえず私はシャワーを浴びてくる・・・」

 

 「了解」

 

 簪はそう言うとバスタオルや着替えなどを持って洗面所に入っていった。

 

 「(とりあえず荷物の整理でもするか・・・)」

 

 暇になったので荷物の整理をすることにした。

 

 

 

 

 

 その後、簪がシャワーから上がると、今度は僕がシャワーを浴び始める。

 

 シャワーは15分ほどで終わり、僕はジャージに着替えて部屋に戻る。

 

 部屋の中では録画していたと思われるアニメを見る簪の姿があった。ちなみに今の簪の服装は上は白いYシャツで下は水色を基調としたハーフパンツを着ている。そのため、簪の綺麗な白い足が見えており、かなりドキドキしている。

 

 「(平常心、平常心・・・)」

 

 僕の心の戦いは寝る直前まで続いた。

 

 

 

 しかし、その戦いも無意味に終わった。なぜなら・・・

 

 「双斗、一緒に寝よう・・・?」

 

 顔を赤く染め、上目遣いで僕を見つめながらそう言ってきたからだ。

 

 これを断れる人間はこの世にはいないと思う。いるとしたらそれは人間の皮をかぶった化け物だ。

 

 「分かったよ」

 

 僕は寝不足になるのを覚悟してベッドの中に入った。すると、簪は恥ずかしがりながらも隣のベッドに入った。

 

 「双斗・・・」

 

 「もっと近くに行っていい・・・?」

 

 「うん。おいで」

 

 僕が手招きすると簪は緊張しながら僕のすぐ横に来た。

 

 「迷惑じゃない・・・?」

 

 「大丈夫だよ」

 

 僕は簪を安心させるように頭を撫でる。すると・・・

 

 「ねぇ、双斗・・・」

 

 「うん?」

 

 「これからはずっと一緒にいて・・・」

 

 「簪・・・」

 

 簪は僕に懇願するようにそう言う。

 

 「大丈夫だよ。心配しないで、これからはずっと簪と一緒にいるから」

 

 「うん・・・ありがとう・・・」

 

 簪はそう言うと安心したのか眠りについた。

 

 「お休み、簪・・・」

 

 僕はそう言って目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideナレーション

 

 場所はIS学園の屋上。

 

 そこには『天災』篠ノ之束と『世界最強』織斑千冬がいた。

 

 「お前、何があった?」

 

 「いきなりどうしたの、ちーちゃん?」

 

 「以前のお前なら私や一夏、妹の箒以外には興味すら持っていなかった。にも関わらず、宝城や更識と普通に話していた。おかしいと思うのが普通だろう」

 

 篠ノ之束は極度の人嫌いであった。そのため千冬や一夏、妹の箒以外には一切興味を持たず、3人以外の人間から話しかけられると一瞬にして機嫌が悪くなっていた。しかし、千冬の言うように今日初めて会った簪に対しては、とてもフレンドリーに話していた。

 

 「ここ3年間で色々あってね。人間も悪くないなって気づかされたんだよね~」

 

 「そうか・・・」

 

 「ねぇ、ちーちゃん」

 

 「なんだ?」

 

 「今の世界は楽しい?」

 

 「退屈はしてないな。お前はどうなんだ?」

 

 「私? そうだね・・・」

 

 束は少し考えると

 

 「すごく楽しいよ」

 

 そう言うと強い風が吹き、思わず千冬は目をつぶる。再び目を開けたときには束の姿は消えていた。


 
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