No.814117

不完全燃焼

YowaNepuoさん

過去に書いた作品です。
その当時にとあるゲームでレアアイテム目的で狩りまくったモンスターとの戦いです。
つなぎで描いた作品なので短めです。

2015-11-17 01:08:29 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:485   閲覧ユーザー数:485

神次元のプラネテューヌのゲームセンター。

以前改装して機能や遊び方が飛躍的に増えた。

そのおかげか利用者も増えてずいぶんと賑わっている。

 

ネプテューヌ「おおー!みんな盛り上がってるね。」

 

このゲームセンターは改装以来定期的に新しいモンスターが追加されている。

今日ネプテューヌが来たのも最近実装されたモンスターで遊ぶためだ。

 

モブA「あれ?ネプテューヌ様じゃない?」

モブB「あ!本当だ!」

 

皆の視線がネプテューヌに集まる。

戦う場であるこのゲームセンターでは戦闘で最強を誇る女神は注目の的だ。

皆の視線を浴びながら空いてる部屋を探す。

運よく空いた部屋を見つけたのでゲームを開始する。

 

ネプテューヌ「へ~、こっち(神次元)のルウィーと雰囲気が似てるなー。」

 

新しいモンスターに合わせて追加されたステージは神次元のルウィ―のような和風のステージだった。

城の中にある広場が舞台だ。

ステージの景観に見とれていると霧のようなものが発生してモンスターが姿を現す。

白い鎧を身に纏った巨大な武者の姿をしたモンスターだった。

 

ネプテューヌ「へ~これが新しいモンスターか。」

 

武者は刀を構え静止する。

ネプテューヌは武器も持たず、これといった身構えもしない。

先に動いたのは武者のほうだ。

その巨躯からは想像できないような俊敏な動きでネプテューヌに襲いかかる。

鋭く力強く、速い斬撃。

 

ネプテューヌ「ぅおっと!?」

 

予想外の速度に意表を突かれるが冷静に間合いを見切り回避する。

武者の攻撃は止まることなく次々と斬撃がとんでくる。

ネプテューヌは斬撃の回避に徹している。

表情は落ち着き、余裕がある。

 

ネプテューヌ「確かに速くて強くて間合いも長いけど太刀筋は直線的だし、これなら避けるのも難しくないな。」

 

武者はこのまま続けても意味がないと感じたのか攻撃を中断する。

すると武者の頭部と腹部が紫色に光りだし、体から紫色の炎のようなものが溢れだす。

そして再び接近して斬りかかる。

 

ネプテューヌ(さっきと同じ?)

 

先程と同じように見切ってかわす。

が、突然氷塊が4つとんで来た。

 

ネプテューヌ「えっ?」

 

突如出現した氷塊に戸惑うが即座に反応し氷塊を拳打で破壊する。

武者が返す刀でネプテューヌを再度斬りつける。

左腕で防ぐが反作用で壁まで吹き飛ばされてしまう。

ネプテューヌが衝突した衝撃で壁が崩れる。

だが武者は攻撃の手を休めない。

巨大な氷塊を作りだし、それを刀で斬りつける。

砕け散った氷塊を散弾のように浴びせる。

たいていの生物ならオーバーキルもいいとこだろう。

だが武者は気を緩めず、構えたまま様子を見る。

 

ネプテューヌ「それじゃあ私は斬れないよ。」

 

武者は刀に目をやる。

刃がボロボロになっていた。

ネプテューヌは衣服についた汚れを払いながら立ち上がる。

見たところダメージを負った様子はなく平然としている。

 

ネプテューヌ「氷を生み出してるのは体から噴出している紫色の炎みたいなもの。特殊な模様を描いて氷を生み出し操ってる…ってところかな。」

 

武者は氷塊を4つを放つと同時に力を溜め始める。

体の中心部が光り輝く。

ネプテューヌが4つの氷塊に反応して動きはじめる直前に体を一回転させ刀を振るう。

すると刀の軌道をなぞるように巨大な氷が生み出されネプテューヌに押し寄せる。

ブラフの4つの氷塊ごと巻き込もうとする。

例え防御したとしても氷結し身動きできない状態になるだろう。

 

ネプテューヌ「氷塊を囮にするとはね。あぶないあぶない。」

 

だが氷はネプテューヌに届かなかった。

氷はネプテューヌを避けるように広がっていた。

 

ネプテューヌ「別に特別なことはしてないよ。こうして…。」

 

ネプテューヌは手をゆっくりと頭上まであげる。

 

ネプテューヌ「一気に振り下ろす。」

 

右手が消えた。

視認を許さぬ速力。

これほどの手刀をもってすれば大抵のものは切り裂けるだろう。

そう例えば津波のように押し寄せる氷の軌道など。

だが真に恐ろしいのはこれらのレベルの体術ですら彼女の本領ではないということだ。

ネプテューヌの刀剣による攻撃はより速く強い。

武者が動くと同時に巨大な氷は崩壊した。

 

ネプテューヌ「じゃあ今度は…。」

 

言い終わる前に侍が仕掛ける。

冷気を込めた4連斬りを放つ。

斬り裂くものを凍てつかせる4つの斬撃がとんでくる。

今までの攻撃よりも力強く、速い。

 

1撃目、横斬り。

しゃがんで回避する。

 

2撃目と3撃目、上下から挟み込むようにとんでくる斬撃。

挟まれる前に前方に跳んで回避する。

 

そして最後の4撃目の縦斬り。

手で横から力を加えて軌道を変え、逸らす。

こうして全ての斬撃をやり過ごす、が。

 

武者が間近に迫り既に次の攻撃態勢に入っていた。

 

4連斬りではなかった。

最後の一撃も含めて1つの技だったのだ。

ネプテューヌに必殺の刺突を繰り出す。

刃がネプテューヌに届く直前にそれは起こった。

 

刀身が消えた。

 

いや消えたのではない。

折れている、というより切断されている。

原因はネプテューヌの細く小さく柔らかな手。

そこから繰り出された光速の手刀。

それは鋼鉄の刃をも断ち切る不可視の一撃。

ネプテューヌは武者の足元に降り立つ。

 

ネプテューヌ「今度は…私のターン。」

 

瞬時に両足を拳打で打つ。

足を覆っていた鋼鉄が砕けてバランスを崩し、前方に倒れ込む。

 

ネプテューヌ「力の源はここと…!」

 

倒れこんできたところで、武者の腹部にある紫色に光る結晶に蹴りを入れる。

結晶は砕け、武者は腹を押さえ膝をつく。

 

ネプテューヌ「ここ!」

 

ネプテューヌはもう一か所、紫色に光る頭部を狙う。

 

ネプテューヌ「ジャンピングアーツ!」

 

跳び上がって武者の顎を蹴り上げる。

そしてあげた足をそのまま振り下ろす。

止めのかかと落としで頭部を守っている兜ごと角を砕き、頭部を粉砕する。

武者は地面に勢いよく叩きつけられるとピクリとも動かなくなる。

敵を倒したことでゲームが終了し、周りの景色が少しずつ消えていき、やがて元の部屋に戻る。

 

ネプテューヌ「面白かった~!けど、な~んか不完全燃焼だな~。」


 
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