「へぇ、つまり大企業のご令嬢さんって事になるのか?」
「大まかに言えば、そういう事になりますわ」
OTAKU旅団アジト
デルタ、二百式、miri、ガルム、竜神丸、ZERO、げんぶ、Blaz以外の旅団メンバーが一通り揃っており、突然
「刃、お前もよく案内役なんか引き受けたな」
「仕事柄、どうしても身体が動いてしまいまして(まぁ、俺がやる必要性が見えなかったがよ)」
「にしても、バニングス家に月村家ともねぇ……彼女達とも仲良くやってるんですか?」
「よく三人で話をする事もありますわ。たまにすずかさんと一緒に、アリサさんから愚痴や惚気話を聞かされる事もありますけど」
「…アキヤ、お前って奴は…」
「う……だ、だって、普段の任務も忙しくてさぁ…」
「そんなの他のメンバーに任せるとかしてさ、ちったぁ相手とかしてやれよ。女子にとってはなぁ、自分が好きな相手に構って貰えないって地味にキツいんだぞ」
「「…そうなのよねぇ」」
支配人の言葉に、朱音と瑞希も思わず溜め息をつく。
「私がどれだけ迫っても、アン娘は男の子らしい反応を全く見せてくれないし…」
「私がどれだけ愛情を見せても、あの人はこちらの気持ちに気付いてくれてませんわ…」
「「…はぁ」」
(しまった、重い空気になっちまった…!!)
朱音と瑞希が精神的に沈んでいっているのを見て、支配人は失言をしてしまった先程の自分を殴りたいという気持ちに駆られてしまう。ちなみに肝心のUnknownは…
「さ~て、次の任務もまた無人世界での活動になるから、機体調整はちゃっちゃと済ませて、団長からもコジマ使用の許可を貰う事さえ出来ればまたコジマカーニバルが出来るっと。あぁ楽しみだ、コジマのパワーをフルに発揮出来るなんて滅多に無いチャンスだぞフフフフフフフフフフフフフフフフ…」
(((((本人はずっとあんな調子だし)))))
次の任務に備え、機体調整の準備などに集中している真っ最中である。仮にもOTAKU旅団No.2の座に就いている男が、本当にそれで良いのだろうか。
「…まぁそれはともかく。私もアン娘さんの婚約者の一人として、彼の事を諦めるつもりなんて微塵もありませんわよ。そういう事だから朱音、申し訳ないけれど諦めてくれないかしら?」
「…ほう、言ってくれるわね? 後から遅れて頭角を現したところで、今更あんたに遅れなんて取り戻せるのかしらねぇ……ミ・ズ・キ?」
「あらあら、何年も一緒にいるにも関わらず進展していない時点で、そちらの状況を察する事なんて非常に簡単ですってよ? ア・ヤ・ネ?」
「この…あぁ言えばこう言う…!!」
「あぁ二人共、ここで喧嘩したら流石の私も怒るよ?」
「何を言ってるのかしらアン娘ちゃん、私達はずぅ~っと仲良しよ? そうよね瑞希」
「勿論ですわ朱音。だからアン娘さん気にしなくても大丈夫ですのよ?」
「「ホホホホホホホホホホホホホホホホ♪」」
(女って大変だなぁ…)
(そんな事、今更知るような事じゃないだろうに)
Unknownが注意した途端に朱音と瑞希は肩を組んで微笑み合うのを見て、支配人とawsの二人は改めて認識させられる。あぁ、女とはどれだけ複雑で面倒で難しい生き物なのかと。
「ところで、瑞希さんは今回どうしてここに?」
「えぇ。実はちょうど海外での仕事も終えた後でして、それで少し様子を見に来たんですの。アン娘さんも朱音も、元気そうで何よりでしたわ」
「…あんたにそう言われると、何だかこっちも複雑な気分になるわね」
「あら、これでも純粋に心配はしていましたのよ? 同じ社長令嬢としてね」
「ちょ、何でここでそれを言うの!? あぁもう、私も大企業のご令嬢の一人だって皆にバレちゃったじゃないの!!」
「あれ、朱音さんもそうだったのか?」
「わ~い、仲間が増えた~!」
「ちょい待ちこなた、重要なのはそこじゃないでしょうに」
「…あぁもう、何このカオス」
「カオスはカオスで面白いと思うけど…!」
この時、kaitoはある事を閃いた。
「瑞希さん、ちょっとよろしくて?」
「? 何でしょう」
kaitoは瑞希にある事を耳打ちし始める。
(瑞希さん、あなたもアン娘さんの事が好きなんですよね?)
(そうですけど…それがどうかしたのですか?)
(良いんですか? このままだと、朱音さんの方が一歩リードしてるような状態ですよ? 何せアン娘さんと同じナンバーズメンバーの一人なんですから)
(む…それは、確かにそうですわね…)
(そこでです。あなたもナンバーズメンバーの座に、身を置いておくという手はどうでしょう? 少しでもアン娘さんに近付ければ、あなたも本望でしょう?)
(!! そ、そうですわね……ですが、よろしいのでしょうか? そんな勝手に決めてしまって)
(大丈夫ですって。うちの団長、実力がある人は積極的に旅団に迎え入れる人ですから。それに……ナンバーズメンバーになる事で、アン娘さんを美味しく頂ける日が来るかも知れませんよ?)
(…それ、良いですわね)
(でしょう? さぁアン娘さんに近付く為に、あなたの実力を見せてやりましょう)
(分かりましたわ、kaitoさん)
「「フフフフフフフフフフフフフフフフ…♪」」
「…おいどうしたよ、そんな気味の悪い笑い声を上げて」
怪しげな笑い声に対してロキが嫌な予感を感じ取っている中、二人はドス黒い笑顔を浮かべながら一同の方へと振り返る。
「皆さん……私、決めましたわ」
「な、何を…?」
FalSigが恐る恐る問いかけると、瑞希は堂々と言い放ってみせた。
「私、桐山瑞希……OTAKU旅団ナンバーズメンバーに立候補させて頂きますわ!!」
「「「「「…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」」」
そんな一同の会話など知りもしないであろう、研究室では…
「お待たせしました、ZEROさん」
竜神丸は手に持っていたスーツケースを開き、その中身をZEROに見せていた。スーツケースの中には認証前の戦極ドライバー、そして『LS-20』と描かれたレッドピタヤ状のロックシードが収納されていた。ZEROはそれを見て小さく笑みを浮かべる。
「やっと出来たってか……お前にしては、ちょいとばかり遅いんじゃねぇのか?」
「申し訳ありません、最終調整に少しばかり時間がかかってしまいまして。まぁそれぐらいは大目に見て下さると助かるのですが」
「はん…」
ZEROはスーツケーツの中から戦極ドライバーとレッドピタヤロックシードを取り出し、自身の懐に収める。特に疑う事なく受け取っている辺り、一応お気に召してはいるようだ。
「これで俺はアーマードライダーの力をも手に入れた。今度はそうだなぁ……お前や支配人が使っている新しい方のベルトも、俺に寄越して貰おうか?」
「他のゲネシスドライバーはまだ調整中です。いずれはあなたの分もきちんと用意致しますので、それまではしばらくお待ち下さい」
「…ふん、まぁ良いさ。だが、戦極ドライバーとロックシードは普通に授けておいて、ロックビークルは何一つ俺に渡さないとはどういうつもりだ? 竜神丸」
「あなたにヘルヘイムの森で暴れられるような事があっては、貴重なロックシードを根絶やしにされてしまいかねませんからね。それについては、今までのご自分の行動を振り返ってから文句を言ってみては?」
「チッ……お前やスタイリッシュの野郎みたいな科学者共は皆、すぐそうやって俺の行動をいちいち制限しようとしやがる…」
「それはあなたの自業自得でしょうに……ただ、ロックビークルの代わりとしては何ですが、これもあなたに渡しておきましょう」
「あん?」
竜神丸は懐から別のロックシードを取り出し、それをZEROの方へと投げ渡す。渡されたのは『LS-10』と描かれたスイカロックシードだった。
「コイツは…」
「通常のロックシードの中でも、特に異質な代物です。パワーが高い代わりに燃費は非常に悪いので、ご利用は計画的に」
「…なるほどな」
ZEROは面白そうに笑いながら、スイカロックシードも懐に収める。そんな時、竜神丸のタブレットにディスプレイが映し出される。
『竜神丸』
「おや、団長。どうかしましたか?」
『少しばかり、お前に頼みたい任務があるのだが……ZEROも一緒か』
「よぉクライシス。相変わらず、俺の顔を見た途端に嫌そうな顔しやがるなぁ……まぁ良い。俺にも何か任務を寄越しな。手に入れた力を試してみたいところだからなぁ」
『…面倒な奴に面倒な物を渡してくれたものだな、竜神丸』
「ご安心を。流石に今の彼には、ロックビークルを授けるつもりは毛頭ありませんので」
「ケッ」
『…まぁ良い』
ディスプレイに映るクライシスは頭を抱えた後、コホンと咳き込んでから真剣な表情に戻る。
「それで団長、頼みたい任務とは?」
『…緊急の任務だ。私は少しばかり、苛立ちという物を感じているよ』
「「…?」」
またまた場所は変わり、今度はとある次元世界…
「グギャァァァァァァァァァァァァッ!?」
ここでも多くのモンスターが、一人の狩人によって次々と討伐されていく。
「逃がしませんよ。我等がOTAKU旅団の為に、あなた方には塵も残さず消えて貰います」
「ピギャアッ!?」
デルタは逆手に持った軍刀をサラマンダーの首元にズブリと喰い込ませ、そのまま首を切断させて血飛沫を舞わせる。返り血を浴びてもなおデルタは動きを止めず、逃げようとするグールの全身を一瞬で細切れの状態へと変え、遠くから毒針を飛ばして来るマンティコアには取り出した大型拳銃を乱射してあっという間に蜂の巣にしてしまい、どんどんモンスターが駆逐されていく。
「うっは、相変わらず凄ぇなオイ」
そんな光景を、ガルムとBlazは離れた位置から眺めていた。Blazは純粋にデルタの無双ぷりを見て関心しているが、ガルムはある事情を知っているからか複雑な感情が表情に浮かび上がっている。
「ん、どうしたガルム?」
「いや、何でもない…」
デルタが薙ぎ倒したオークの頭を軍刀で滅多刺しにし続けている中、ガルムは幽霊騒動前にあった団長室での出来事を思い出す。
(嫌なもんだな。幻想郷の皆を守る為とはいえ、旅団の皆を守る為とはいえ……その為に、仲間の記憶を改竄する事になってしまうのは…)
クライシスから伝えられた真実の内容を思い出し、ガルムはやるせない表情になる。しかし今更そんな事を考えたところでもう遅い。何せ今の自分は、もう既に後戻り出来ない立ち位置にいるのだから。
そして場所は戻り、
「ミィィィズキィィィィィィィィ……いきなりナンバーズに入りたいとか言い出すなんて、一体どういう魂胆でいるのかしらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…?」
「あ~らア~ヤネ~、何をそんなに怒る必要があるのかしらね~? 私はただ、皆さんのお役に立ちたいから立候補させて貰っただけの事ですわよ~?」
「…アン娘」
「おい二人共、喧嘩するなら―――」
「「仲良くしましょう~オッホッホッホッホッホッホッホッ♪」」
突然ナンバーズ入りの志願をしてきた瑞希に、流石の一同(kaitoを除く)も驚きを隠せずにいた。案の定、朱音が瑞希に突っかかり、Unknownの忠告ですぐに仲良しになるフリをする始末だ。
「おいkaito、お前一体何を吹き込んだ」
「さぁ? 皆の役に立てる事を色々教えただけだよ~?」
(((((絶対嘘だ!!)))))
「いやいや、ナンバーズ入りしたいのは分かるが、それには団長から正式にナンバーズとして認定されなきゃ加入は認められんぞ? 勝手に話を進めて貰っちゃ困るぜ瑞希さんよ」
「むぅ……では、私は一体どうすればよろしいのでしょうか?」
「そりゃまぁ、団長に話を通すしかないだろうよ。とはいえ、あの団長だ。きちんと自分の実力を見せつけない事には到底ナンバーズ入りなんて―――」
『話は聞かせて貰った』
「「団長いつの間に!?」」
気付けば、一同の後ろに出現したディスプレイにクライシスの顔が映し出されていた。今日もまた、awsと支配人の突っ込みは輝いている。
『桐山瑞希と言ったか。君が経営する企業からの資金提供、こちらも本当に感謝しているよ』
「いえ、それほどの事でもございませんわ」
『せっかくだ。君もナンバーズに入りたいのであれば、少しばかり試験のような物に挑戦して貰う……まぁ、内容は普通の任務ではあるがな』
「え、普通に受けさせるの!?」
「ちょ、ちょっと団長、どういう事よ!? そんなあっさり引き受けるなんて…」
『旅団の戦力になり得るのであれば、可能な限りナンバーズとして迎え入れるだけの話だ。それとも朱音、何か文句でもあるのか?』
「うっ……い、いえ、ありませんが…」
「ふふん♪」
(こんのアマァ…!!)
「どうだ」と言わんばかりにドヤ顔を浮かべる瑞希と、それに対して忌々しげに歯軋りする朱音。そんな重過ぎる空気にクライシスは知らんぷりを決め込んだ後、すぐさま真剣な表情を見せる。
『だがこれは、出来る事なら他のメンバーにも至急向かって貰いたい任務だ。既に他の任務に向かってしまっているメンバーは仕方ないとして、これは最優先にこなさなければならない。既に竜神丸とZEROの二人には、任務遂行の為にとある次元世界に先行して貰っている』
「へ、ZEROの奴まで!?」
「…てぇ事は、結構ガチな任務って事か」
ZEROまで出撃している、つまりZEROを出さなければならないほど急がなければならない任務だという事。それを理解した一同は先程までのようなふざけた雰囲気はなくなり、全員が戦士としての表情を見せる。
『…これからお前達にも、竜神丸やZEROのようにとある次元世界に向かって貰いたい。そこで例の集団が、非常に面倒なマネをしてくれたからな』
「…その集団の名前は?」
一拍置いてから、クライシスは一つの画像を一同に見せつける。
『時空管理局、最高評議会のバックアップを下に結成された……秘密警察ワイルドハントだ』
「「「「「…ッ!!」」」」」
その画像を見て、一同は思わず言葉を失った。何故なら画像には…
「…酷ぇもんだな」
屋内にて、逆さ吊りにされた男性達の死体。
服を剥ぎ取られ、全裸の状態で倒れている女性達の死体。
男女問わず、全裸のままズタボロにされた子供達の死体。
その大量に積まれた死体の上に…
【天誅 OTAKU旅団】
それだけ書き記された、一枚の紙切れが残されていたのだから。
某次元世界、××王国…
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
王都に滞在していた一つのサーカス一団……そのサーカス一座が立てた大きなテントから、一人の若い女性の悲鳴が聞こえて来た。
「な、何をする気だアンタ達…!?」
「何をする気かだと? 決まってんだろ……取り調べだよ」
サーカス一団のリーダーと思われる男性の胸倉を掴み上げているのは、顔に×字の傷を持った褐色肌の男。男の背後には、フードで顔を隠した五人の部下が控えている。
「ここ最近、各世界で次元犯罪が絶えなくてなぁ。ちょっとばかし、ここでも取り調べしようと思ってな」
「んな!? シ、シュラ殿!! 我々が、犯罪者を匿っているとでも!? 我々はただのサーカス一団で、ここにいるのは普通の団員達だけですぞ!?」
「おいおい、可能性ってのは0%じゃねぇ事くらい分かんだろ? あんまり口答えするようなら、それなりの対応をさせて貰うぜ」
「おいアンタ、いくら何でも横暴過ぎるぞ!! 俺達が犯罪者を匿ってるって証拠は―――」
-ドゴォッ!!-
「がはっ!?」
「―――うるせぇな。俺は今コイツと話してんだよ」
褐色肌の男―――シュラは文句を言おうとした青年を強く蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた青年は呼吸が出来ず、腹を押さえて苦しそうにもがく。
「俺のバックにいるのが何なのか分かってんのか? 時空管理局のトップ、最高評議会だぜ? 俺達に歯向かうという事は、管理局その物を敵に回す事だって事なんだぜ?」
「くっ…!!」
「おいお前等!! 取り調べ開始だ、存分にやれ!!」
シュラの言葉に、後方で待機していた五人の部下達はフードを脱ぎ、一斉に動き出した。
「流石はサーカス一団だ……歌姫に踊り子、良い女が揃ってるじゃねぇかぁ…♪」
「あ、あぁ…!?」
「おい、やめろ!!」
歌姫や踊り子などの女性団員達が怯える中、黒髪の男―――エンシンが舌舐めずりをしてから踊り子の服を引き裂いて全裸にし、無理やり押し倒して“行為”を開始。犯され始めた踊り子を助けようとした男性団員もいたが、そんな男性団員の前には、頭にリボンを付けたロングスカートの少女が立ち塞がる。
「おっと、お前さんの相手は妾じゃ」
「な……がっ!?」
ロングスカートの少女―――ドロテアは男性団員の首元にガブリと噛みつく。その瞬間、噛みつかれた首元からどんどん身体中の血液を吸い取られていき、男性団員はあっという間にミイラのように干からびてしまい、その場に倒れ伏す。
「…ふぅ、なかなかに美味い血じゃのぅ」
ドロテアが満足そうにしているその横では、先程シュラに蹴り飛ばされた青年が、露出の高い衣装を身に纏った眼鏡の女性―――コスミナによって強引に押し倒されていた。
「は~いイケメンさん♪ あなたはこの私、コスミナが美味しく頂いちゃいま~す♪」
「な、何を……んむ、ぅ!?」
「ん、ちゅ……ぁむ…♪」
抵抗しようとする青年だったが、そんな青年にコスミナは正面から接吻。何の躊躇も無く接吻を開始した彼女はそのまま舌を入れ、青年の舌と絡ませてたっぷり唾液を舐め取っていく。
「…ぷはぁ♪ さぁ、一緒に良い事しましょう?」
「う、ぅあ……ぁ…」
コスミナに接吻され、抵抗の気力が消失してしまった青年。そんな青年を押し倒したままコスミナは着ていた衣装を脱ぎ捨てて全裸になり、青年と共に淫らな時間を過ごし始める。
「あぁ~……小さい子供いねぇかなぁ~…かったるいぜ…」
一方で、ピエロのような恰好をした太った男―――チャンプは退屈そうにしていた。自分が求めている存在がこの場にいないかどうか、テント内を見渡す彼だったが…
「…!?」
彼は見つけてしまった。団員達が次々と“取り調べ”をされていく中、物陰に隠れて見つからないようにしていた幼い少女の姿を。チャンプの目付きは一瞬にして変わり、物凄い勢いで少女の目の前まで駆け出した。
「いたぁ、いたよぉ!! 小さくて可愛い子供ォッ!!」
「ひっ!?」
興奮した様子のチャンプを恐れ、逃げ出そうとする少女。しかし、何がそこまで全力を出させているのか、チャンプは猛スピードで少女に追いつき、少女を無理やり地面に押さえつけて逃げられなくする。
「あぁ、天使だ……穢れの無い、純朴な天使…!」
「あぐ、ぅ…!?」
「おっと、苦しかったかい? ごめんねお嬢ちゃん。今から僕が、ペロペロして癒してあげるからねぇ…!」
チャンプは息を荒げながら少女の服をビリビリに引き裂き、全裸になった少女に覆い被さっていく。
「くそ、冗談じゃねぇぞ…!!」
「に、逃げるしか…!!」
エンシン、ドロテア、コスミナ、チャンプがそれぞれ楽しんでいる中、彼等の隙を突いてテントの外へと逃げ出そうとする団員達も数人いた。しかし、彼等に逃げ場は無かった。
-ザシュッ!!-
「「―――え」」
逃げようとした団員達は、その胴体が真っ二つに斬り裂かれて一瞬で絶命。血飛沫が舞う中、団員達を斬り裂いた侍風の男―――イゾウは自身の刀“
「んん! 今日もまた、江雪に血を吸わせる事が出来た……シュラ殿に感謝せねばな」
「ひぎ、ぃ……ぁ、ん…ッ…!!」
「おぉ、なかなか締まるじゃねぇか……こりゃもっと、取り調べしなきゃなぁ?」
そしてシュラも、歌姫である若い女性を押し倒し、全裸にされた彼女を無理やり組み伏せていた。女性が涙を流しながら嬌声を上げる中、シュラは自分の欲望のままに女性の中を蹂躙する。
(最高だ。こんなにたくさん“玩具”がある以上、やりたいようにやらなきゃ損だぜ)
「あ…ぁ……ぁ…」
「! …おいおい、もう壊れちまったのかよ。つまんねぇな」
既に目から光が失われ、精神が崩壊してしまっていた女性。それに気付いたシュラは舌打ちした後、女性の首を掴んだままゴキンとへし折って容赦なく殺害。女性はピクリとも動かなくなった。
(まぁ良い、まだ替えの“玩具”はいくらでもある。次はクリウスの野郎が監視役で派遣されているとかいう機動六課……だっけか。そこに加入してる女共も全員、纏めて奴隷にしてやるとしよう。罪は全部OTAKU旅団に押し付けちまえば良いだけだしなぁ…!!)
醜悪な笑みを浮かべるシュラ。彼は世界中にいる人間達を“玩具”としか認識していない。そんな性根の腐りはてた外道が率いる、時空管理局最高評議会直属の秘密警察―――“ワイルドハント”は、次なる獲物に狙いを定めようとしていた…
To be continued…
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