リベルテ貴族院図書館 ミカエルはザレア自治州の歴史を、いや、ザレアにおける公国の統治の歴史を調べてみることにした。しかし通り一遍の記録があるだけだ。「スミマセン、ザレア自治州の歴史を調べたいのですが」年輩の狡猾そうな目をした、それでいて真摯な表情の司書に尋ねる。
ミカエルは本のあるページに目が止まった。
「こ、これは・・・!?」
<保安物資出納帳>と書かれたそれには
事務的に綴られた資材食糧等の名称と場所日付
移動数量などが記載されている。ところが、
魔導鉱石(レアメタル)と書かれた欄だけが訂正され
明らかにザレア自治州からの輸出量、すなわち
公国への輸入量が減らされている。
「これはもしや、鉱石の横流し・・・」
ミカエルがそうつぶやいたその時
「勉強熱心だね!」
横に受付に居た初老の司書が立っていた。
驚くミカエルに、飄々と司書は一息いれんかねと答え、
異国(ザレア)の茶だとマグカップを差し出した。
カップからは湯気が立ち、ハーブの良い香りがする。
「学問に垣根はない。しかし、そこに囚われると物事の本質を見失う」
「はい?」
司書はがんばれ少年、とつぶやくと去って行った。
ミカエルは少々ばつが悪そうに
「少年ってトシでもないのですけど・・・」
髪をかき上げつつ司書の背中を見送った。
一体誰がせこいチョロマカシを・・・書院からの帰り道、一人思考に沈むミカエル。つぶやくと彼はメリッサとともに港へと歩みを進める。人気の無い通り道、傍らのメリッサが立ち止まった。「ミカエル引っ込んで」耳打ちする。察した彼がよけた刹那、飛び来る鋭利な飛行物をメリッサが居合いではじいた!
振り返ると、物陰の妖しい影が去る。ミカエルは「待て!」と叫んだが、港から照る真紅の夕焼けの最後の残光の中、影は闇へと消える。「無駄よ」なおも追いかけようとするミカエルを、メリッサはもう殺気を感じないと制した。無事で良かったわ、とメリッサが小さくつぶやいた時、岸壁の水平線へ陽が沈む
之は何だろう、リベルテ総督府の一室で持ち帰った飛び道具を検分するミカエル。それはもしやシュリケン、キースが目を輝かせる。あんたどうしてここに、メリッサの疑問など聞こえずに彼は大切そうに道具を灯りへかざして眺める。ソレはクナイというのよ、訳知り顔で語ったのはエステルだ。
組織ぐるみの横流しで、誰が関わっているかわからない以上、慎重に動くべきです。ミカエルはそう諭した。「ツマリ、リベルテが公に関わっていると?」メリッサが詰め寄る。そこ迄はとミカエルが受け流す。内部に関わりのある者は居るだろうなと、キースがエステルをチラ見しつつ呟く
エステルはそんなセコイことはしない、やるなら鉱山を自分で掘るわ、と首を横に振る。なる程、ゴールドラッシュのようなモノかとキースが頷く。ソレはイイのかとミカエルはツッコミを入れたくなったが聞き流した。横でリリムとメリッサがエステル凄い!(*゚Д゚艸)と感心している
総督府での会議が紛糾(?)する其の頃、ワイオネル平原をひた走る…トボトボ歩く一団の隊商が居た。見た所、主の商人と徒弟、護衛の剣士と魔導師という出で立ちである。傍らの荷馬がぃヒンと嘶く。何で店長の格好とかさせられるんスかねとタレる男に徒弟がワイス付髭似合い杉と笑う
何か前方に砂埃が上がっている。魔理沙さん少し見てきてと剣士が呼ぶと、分かったわアルフレッドと魔導師が箒に乗って飛んでゆく。大丈夫すかね隊長と、剣士に徒弟がささやく。問題ないテッド、マリーは万事上手くやってくれるさ!なぜかドヤ顔で答える隊長にテッドとワイスは首をかしげるのだった・・・
平原を横切り、レリアス皇国への潜入を試みるアルフと魔理沙一行。取り敢えず今夜は野営だ。先ほど魔理沙が星空対地レヴァリエで仕留めた「地走り」の肉を焚き火で炙る。ワイスが何でアイオン公国迂回して危険な荒野をとブツクサ言う。テッドは事もなげにアイオンもグルなのさと嘆く
アイオン公国を迂回してザレアからレリアス皇国へ入ったアルフレッド一行は、対魔獣戦闘で活躍した魔理沙を先頭に、意気揚々と歩いて行く。目指すはザレアの公国開発鉱山の情報収集と、皇国の内情調査である。地味な割に厳しい仕事ッスねとワイスが嘆く。無理
は禁物だとテッドが笑う
ザレアネオポリス~どういうわけか、見張りの皇国兵が居ない。拍子抜けする魔理沙一行に、酒場の親父が声をかける。あんさんたち交易商人かね、ここはもうダメだよ。兵隊さんたちが引けちまってから、商売アガッタリさ!アルフレッドがどうして去ったか訪ねても親父は首をかしげる。
その夜、うらぶれた宿に泊まった魔理沙一行。しけた料理っすねとモゴモゴと夕餉(ゆうげ)をかき込むワイスに、良くかんで黙って食えとテッドが答える。聞き込んだところによると、皇国兵らは暫く前に逃げる様に立ち去った。其の際にザレア沙漠、州都レビザレアの方角から光が見えた
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封印されし秘密とは・・・リリムたちは真理の扉へ迫れるのか☆彡