No.810315

九番目の熾天使・外伝 ~短編㉔~

竜神丸さん

ナイトレイド&イェーガーズ

2015-10-27 17:52:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1978   閲覧ユーザー数:1034

これはナンバーズがNo.20まで揃い、No.13のZEROが投獄されていた頃の話…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「No.101が言ってたのはここか…」

 

楽園(エデン)から少し離れた場所に位置する、自然豊かな無人世界。人は誰もいない筈のこの世界で、人間の生体反応を感知したという報告を部下の自動人形から聞かされ、okakaは一人、黒装束を纏ったアサシンとして調査に出ていた。

 

(ここは無人世界で、原生生物しかいない筈……だとすれば管理局の魔導師か、それとも…)

 

okakaは周囲を見渡す。一見するとただの森林だが、落ち葉がたくさん落ちている地面に、僅かに足跡があるのを彼は見逃さなかった。

 

(…この世界の原生生物の物じゃないな。用心はしておくか)

 

万が一の事態に備えるべく、ワームホールから取り出したファイズドライバーを腰に装着するokaka……そんな彼の様子を、木々の陰から見据えている者がいた。

 

「…ひとまず、部隊に連絡するか」

 

フードを深く被ったokakaがファイズフォンを開き、楽園(エデン)に連絡しようとしたその時…

 

 

 

 

 

 

-ヒュンッ-

 

 

 

 

 

 

「ッ…!?」

 

一本のナイフが飛来し、okakaの顔に突き刺さった。okakaは力なく倒れ、そこに隠れていた襲撃者がバッと姿を現す。

 

「けひ、やりましたスタイリッシュ様! このトローマ、例の組織の構成員を早速一人仕留めました! 引き続き任務を続行します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その連絡を、離れた位置から聞いている者達が複数…

 

 

 

 

「―――スタイリッシュ様、目標が沈黙しました。トローマが仕留めた模様」

 

「んっん~、上出来よ。上手く敵に接近したようね、桂馬」

 

黒髪に白いメッシュ、そして眼鏡をかけた白衣の男―――Dr.スタイリッシュは、まるで女性のような口調と仕種でニヤリと怪しげな笑みを浮かべる。そんな彼の背後には、筋肉隆々な革ジャケットの男、鳥のくちばしのような鼻を持った男、耳が鋭く伸びた少女のような少年、そして複数のマッチョな強化兵達が並んでいる。

 

「…!」

 

「どうしたの?」

 

「…どうやら、目標もかなりのやり手みたいです。まだ生きています……トローマはどうしますか?」

 

「あら、使えないわね……まぁ良いわ。どうせ彼は捨て駒の予定だったし、他にもまだ駒はいるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けひひひ…」

 

倒れたまま動かないokakaに振り返らないまま、上機嫌に笑い声を上げて次の獲物を探すトローマ。彼は獲物を仕留めたと思い込んで油断していたのか……背後でokakaが無音で立ち上がって来ている事に気付かなかった。

 

≪Ready≫

 

「え……がはぁっ!?」

 

okakaの取り出したファイズエッジが、トローマの背中を後ろから刺し貫いた。トローマが右手でクルクル回転させていたナイフが地面に落ち、トローマは驚愕した表情で振り返る。

 

「な……お前……何故、生き…て…」

 

「トローマっつったか? 残念だったな、お前の気配なんかバレバレだったし、ナイフなら歯で噛んでキャッチさせて貰った」

 

「な、な、な…」

 

≪5 5 5 Stunding by≫

 

「変身」

 

≪Complete≫

 

トローマにファイズエッジを刺したまま、okakaはコード入力のされたファイズフォンをファイズドライバーに装填し、仮面ライダーファイズに変身。そのままファイズフォンを開き、エンターキーを押す。

 

「情報をありがとな。じゃ、さよならだ」

 

≪Exceed Charge≫

 

「ま、待て―――」

 

ファイズエッジはそのままトローマを上方向に斬り裂き、トローマは『Φ』のマークと共に灰化して消滅。ファイズはファイズエッジを払った後、別方向を向いてから宣言する。

 

「覚えておけ。見えたり聞こえたりしているのは、お前等だけじゃないという事を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――目標、変身しました。どうやら帝具とは違う模様……そしてどうやら、こちらの存在に気付いた様子。すぐに撤収していきます」

 

「帝具とは違う変身……恐らく、噂に聞く仮面ライダーという奴ね。ん~面白くなってきたじゃな~い♪ 何人か後を追いなさい、奴等の拠点を突き止めるのよ!」

 

「「「「「ハッ!!」」」」」

 

スタイリッシュの命令で、彼の背後にいた強化兵達が一斉に跳躍。okakaが立ち去った方向に向かって移動を開始する。その様子を楽しそうに見ながら、スタイリッシュは通信用デバイスである人物に連絡を取る。

 

「本当は独り占めしたいところだけれど、まぁ仕方ないわね……こちらスタイリッシュ。例の組織の構成員を発見致しましたわ、カンナ隊長」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――そうか。よくやった、Dr.スタイリッシュ」

 

そして、楽園(エデン)に接近しようとしていた2体の空飛ぶエイ―――フライマンタ。その2体の上にはそれぞれ複数の男女が並び立っており、片方のフライマンタに乗っていた軍服の女はスタイリッシュの報告を聞き、待ってましたと言わんばかりに口元が大きくニヤつく。

 

「総員、戦闘準備だ!! 恐らくOTAKU旅団の連中は、相当な数の戦力をこちらに送り込んで来るだろう……さぁお前達、存分に楽しむぞ!!」

 

軍服の女―――東雲環那(しののめカンナ)は部下達にそう宣言し、部下達も一瞬で戦闘態勢に入り、次々とフライマンタから飛び降りていく。

 

そして彼等は一斉に、楽園(エデン)への侵入を図ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――む、okakaの報告書か。どれどれ…………!」

 

楽園(エデン)、団長室。そこに届いた通信メールを開いたクライシスは、その内容を見て目を見開き、指を鳴らして一人の自動人形を呼び寄せる。

 

「お呼びですか?」

 

「至急、No.13を除くナンバーズ全員に通信を繋げろ。厄介な敵がこの楽園(エデン)に迫って来ている」

 

「かしこまりました」

 

自動人形が退室し、クライシスは棒に引っ掛けていたシルクハットを手に取り、頭に深く被る。

 

「東雲環那にナジェンダ・ロットーか……これが上手く行けば、もしや…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十秒後、楽園(エデン)全体に緊急警報が鳴り始める。

 

 

 

 

≪WARNING WARNING≫

 

「!? おいおい、いきなり何だ…?」

 

「緊急警報か?」

 

≪緊急事態……緊急事態……現在、この楽園(エデン)に謎の部隊が接近中≫

 

「!? 敵襲だと…!!」

 

「ほぉ…?」

 

≪ただいま、クライシス様に通信を繋げます≫

 

『全員、聞こえるか?』

 

自動人形の緊急警報に続き、クライシスの声が楽園(エデン)全体に鳴り響く。

 

『敵はあの管理局に所属していた2つの部隊、ナイトレイドとイェーガーズだ。至急、この楽園(エデン)で奴等を迎え撃て。それから今、両部隊の構成員達に関連する詳細データを送った。そのデータに載っているメンバーは全員捕縛せよ……以上だ』

 

「んな、ナイトレイドにイェーガーズだと!?」

 

「おいおい、よりによってあんな厄介な部隊が2つ纏めて来やがったのかよ!?」

 

「あの~皆さん、自分は隠れていてもよろしいでしょうか~?」

 

「駄目だkaito、お前も来い」

 

「そんな殺生なぁー!?」

 

ナイトレイド・イェーガーズの襲撃の報を聞き、支配人やBlazが嫌そうな表情を示したり、敵前逃亡を図っていたkaitoをmiriが強制的に連行したりしていた中、awsは物言わぬまま刀を持って出動しようとする。

 

「ん? aws、先に行くのか?」

 

「あぁ。先程警報にあったナイトレイドとイェーガーズ……特にイェーガーズに、私の知り合いがいてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうするんだ? 竜神丸」

 

「どうもこうもありません。命令通り、ちゃっちゃと全員捕縛するのが我々のするべき事です……っと、お待ち下さいげんぶさん」

 

「? どうした」

 

ウイルス研究室にて、同じく出動しようとしていたげんぶを竜神丸が引き止める。竜神丸が持っているタブレットには、一つの生体反応が映し出されていた。

 

「どうやら既に、侵入されているみたいですよ」

 

「!? 何だと…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいはい、どいたどいたー!!」

 

「な、貴様……ぐわっ!?」

 

「どわぁあ!?」

 

楽園(エデン)内部。やたら露出の多い服を身に纏った金髪の女性は獅子のような耳、爪、尻尾を生やし、進む先にいたライオトルーパー達を片っ端から薙ぎ倒して行っていた。

 

「へっへーん、やっぱりこの帝具が一番、このレオーネにピッタリだねぇ♪ さぁて、この先には一体誰が待ち構えているのかなぁ~?」

 

「鉄砕牙!!」

 

「ん……みにゃあっ!?」

 

そんな金髪の女性―――レオーネの足元から、巨大な妖刀が床を破壊して出現。レオーネは慌てて後退し、破壊された床からはUnknownが鉄砕牙を構えてを現した。

 

「!? まさかの猫耳、だと…!!」

 

「あちゃ~、もう見つかっちゃったか~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽園(エデン)外部の城壁…

 

 

 

 

「よぉ侵入者共、覚悟は出来てんだろうなぁ?」

 

そこでは筋肉隆々なリーゼントの男性―――ブラートと、頭にゴーグルを付けた緑髪の少年―――ラバックがFalSig、Blazの二人と対峙していた。

 

「お、嬉しいね。俺の相手はお前という訳だな? よぉし、かかって来い!!」

 

「うわ、何か暑苦しそうな奴だなお前」

 

「はっはっは、そんな事は無いさ! …そう、そんな事は無いさ」

 

(うぉい、何で頬を赤らめてんだよ!?)

 

ブラートは楽しそうな表情で槍型アームドデバイスを構え、Blazは厄介な奴に当たっちまったとでも言いたげな表情で大剣を鎌に変形させる。

 

「上からの命令だからね、ここで纏めて捕まえちゃうよ~んっと」

 

「いやぁ悪いけど、捕まるのは勘弁してくれないかなぁ~……なぁんてね!!」

 

「!? うぉっと!」

 

一方でFalSigも、ラバックが両手の帝具“千変万化(せんぺんばんか)クローステール”から伸ばした糸を、瞬時に取り出した棍棒に巻きつかせる事で防御。そのままFalSigは同じように左手から糸を伸ばし、伸ばされた糸がラバックに巻きつこうと襲い掛かる。

 

「うげ、お前も糸を操れんのか!?」

 

「たぶん君ほどじゃないけどねぇ~…んじゃ、ミッション開始と行こっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び楽園(エデン)内部…

 

 

 

 

 

「くそ、もう内部にまで侵入されちまってんのか…ッ!?」

 

通路を全力で走っていたロキは、突然その場で立ち止まった。彼の前方には、明らかに戦場には似合わないくらいほんわかとした雰囲気を持ったチャイナドレスの女性が、パンダのレリーフが刻まれた巨大な鋏型の武器を構えて立っていたからだ。

 

「…何者だ。襲撃者か?」

 

「あ……どうも、初めまして。ナイトレイドに所属している、シェーレ・シュナイダーと申します。以後、お見知りおきを」

 

「へ? あぁ、どうも、ご丁寧に。俺はOTAKU旅団No.6のロキだ、よろしく……じゃなくて!?」

 

いきなり礼儀正しく挨拶して来るチャイナドレスの女性―――シェーレに対し、思わず同じように丁寧に挨拶を返してはノリ突っ込みをしてしまったロキ。そんな彼は自分の頬を叩いてから冷静さを取り戻し、改めてシェーレと正面から向き合う。

 

「それで、こんな所にわざわざ何の用だ?」

 

「はい、早速なんですが……私の任務はあなた方旅団メンバーを、一人でも足止めする事のようなので…」

 

シェーレは鋏型の帝具“万物両断エクスタス”を両手で持ち、その刃先をギラリと光らせる。

 

「申し訳ありませんが、相手をして頂けませんか?」

 

「…こりゃまた、とんだ形のデートに誘われたもんだな。ユーズ」

 

≪イエス、バディ≫

 

ロキもユーズから二本のデュランダルを取り出し、それをクロスさせた状態で構える。その構えはまるで、シェーレの構えているエクスタスのようだった。

 

「悪いが、策に嵌まるつもりは無い……全力で行かせて貰う!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は再び変わり、楽園(エデン)外部…

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ここから入れそうだな」

 

「ウェイブ、急ごう」

 

「あぁ、行くぞクロメ」

 

大型の槍を構えた黒髪の青年―――ウェイブ・グラハム。刀型の帝具“死者行軍(ししゃこうぐん)八房(やつふさ)を持った黒いセーラー服の少女―――クロメ。この二人も現在、屋外プールを通じて楽園(エデン)内への潜入を図っていた。

 

もちろん、そうは問屋が卸さない。

 

「行かせると思うかい?」

 

「え……うぉわ!?」

 

「!! ウェイブ……くっ!?」

 

プールサイドを走っていたウェイブをガルムが蹴り飛ばし、ウェイブはプールに頭から落下。それを見たクロメが応戦しようとした途端、真横から斬撃が飛来し、クロメはそれを八房で防御しつつ後ろに下がる。

 

「ぶはっ!? げほ、ごほ……くそ、いきなり来るとは思ってなかったぜ―――」

 

「相変わらず隙があるな、ウェイブ」

 

「え、その声……ッ!?」

 

プールから何とか上がって来たウェイブと、その隣に並び立ったクロメは驚愕する。二人の目の前にはガルムだけでなく、二人にとって恩師である人物が立ち塞がっていたからだ。

 

「ア、アンタもしかして…!?」

 

「ミロシュ、さん…!?」

 

「ウェイブ、クロメ、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

 

「へ? aws、あの二人知り合い?」

 

「あぁ、少しな……ガルム、お前は他のメンバーの方に向かってくれ。ここは私が引き受ける」

 

「え、いやでも…」

 

「不安か? 確かに私はお前達ほど強くは無いが、問題ないよ。良いから行ってくれ」

 

「…分かった」

 

awsの頼みで、ガルムはすぐさま上空に浮遊して別方向へと飛んで行った。プールサイドにはaws、ウェイブ、クロメの三人だけが残る。

 

「ミロシュさん、今まで何処で何してたんですか…!? 突然俺達の前からいなくなって、管理局からは指名手配されて……俺達、アンタの事ずっと心配してたんですよ!?」

 

「連絡、少しくらいはして欲しかった…」

 

「…すまないな、二人共。私もあれから色々あって、管理局から追われる身になっていた。今はこの旅団に所属させて貰っている身だ、もうあの頃のような傭兵仕事は出来そうにない」

 

「そんな…!! だったら、せめて連絡くらいはしてくれたって…」

 

「仮にお前が一人で管理局の全勢力に挑むとして、勝てる自信はあるのか?」

 

「ッ……それは…」

 

「…そういう事だ。下手に連絡などして、お前達にまで疑いがかかるような事態にはさせたくなかった。あの頃のお前達は私から見て、まだまだ未熟だったからな……ところでウェイブ」

 

「え、何…ッ!?」

 

「隙だらけだ」

 

瞬間、ウェイブの腹部にawsの右足が炸裂し、ウェイブの身体が大きく吹き飛んだ。壁に叩きつけられ、ウェイブは腹部を押さえて大きく咳き込む。

 

「がは、げほ…!? ミロシュ、さ……何、を…」

 

「ウェイブ!!」

 

「どういう形であれ、今の私はOTAKU旅団の一員だ。上から捕縛命令が出ている以上、私はお前達を捕縛しなければならない……覚悟は出来ているな?」

 

「ッ……皆、来て!!」

 

「!」

 

ウェイブを守るように立ち塞がったクロメの声に、awsの周囲に次々と武装した兵士や複数の原生生物が降り立って来た。

 

「カイザーフロッグ、エイプマンなどの危険種か。他の兵士は……生きた人間の肌色ではないな。クロメ、これはお前の能力か?」

 

「死者行軍・八房……斬った生物を骸人形に変えて、自在に操る事が可能になる」

 

「なるほど、その刀がお前の帝具か。という事は、この骸人形達は全て死んだ存在という事か―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-シュピィィィィィィィィン-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ならば、遠慮する必要は無い訳だ」

 

「ッ!? そんな…」

 

awsの刀が鞘に納まる。その瞬間、awsの周囲にいた骸人形達は、危険種を含めて全て細切れの状態にまで斬り刻まれてしまった。クロメがそれに驚愕し、その隙をawsは決して逃さない。

 

「油断し過ぎだ」

 

「!? く―――」

 

「グランシャリオォォォォォォォォォォッ!!!」

 

「!」

 

その時、クロメの背後から飛び出したウェイブは黒い鎧の帝具“修羅化身(しゅらけしん)グランシャリオ”を全身に纏い、aws目掛けて強烈なパンチを繰り出した。それを両腕で防御したawsは後方まで勢い良く後退し、ある程度後ろに下がった所で停止。awsはビリビリと痺れる自身の両腕を見た後、続いてウェイブの方を見据える。

 

「それがお前の帝具か。良い一撃だな」

 

「へへ……アンタのさっきの蹴りに比べると、まだまだです…!!」

 

「ウェイブ、大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だよクロメ」

 

クロメに支えられながらも、ウェイブは仮面の下でしっかりawsを見据える。

 

「正直、俺はアンタとは戦いたくない……けど、アンタがそこまでして戦いを挑んで来るんだったら、俺も黙ってやられる訳にはいかねぇ……じゃなきゃ、師匠であるアンタに申し訳ない」

 

「ほぉ、言うようになったな……ならば見せてみろ。お前達二人があれから、どれだけ強くなったのかを」

 

「ッ……行くぞ、クロメ!!」

 

「うん、ウェイブ!!」

 

awsが再び刀を抜いたのを合図に、ウェイブとクロメはawsを挟み撃ちにするかのように移動。そして二人は同時に駆け出し、ウェイブは拳を、クロメは斬撃を繰り出す。

 

 

 

 

 

 

「さぁ来い!!」

 

 

 

 

 

 

「「勝負です、師匠(ミロシュさん)!!」」

 

 

 

 

 

 

師弟対決は、ここから更に激化していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
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