No.809960

【サイバ】シナリオライター【交流】

古淵工機さん

ある意味究極のメタフィクションw

■出演
光太郎:http://www.tinami.com/view/789157
おれな(または執筆していた女性):http://www.tinami.com/view/763746

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2015-10-25 13:50:18 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:709   閲覧ユーザー数:675

放課後、風天中学校3年1組…。

 

「大変だドラゴ郎!おれなちゃんが!!」

慌てた様子で龍野吾郎のもとへ駆け込んできた北岡光太郎。

 

「また突然いなくなったのか?それならもう慣れっこだけど…」

「そうじゃないんだ!昨日の夜に居なくなったきりで…」

「そうか、居なくなったきりか…って何ィ!?」

 

ドラゴ郎は机をたたいて立ち上がった!

「みんな!こうしちゃいられない!すぐにおれなを探すぞ!!」

こうして、砥部おれなの捜索がはじまった…。

「おれなちゃーん!おれなちゃーん!…どこ行っちゃったのかしらおれなちゃん」

と、大声で呼びかけるのはセリナ・パートリッジ。

 

その頃、飯田橋ミウ、天満橋テムナ、アード・来迎寺の3名は…。

「いつもやったら光太郎のトコにひょっこり現れるねんけどなあ…」

「ねぇ地味子ー、そっちはどうー?」

「地味子じゃない!…あー、ここにはいないよ」

 

「いないってさ」

「しゃあないな、他探すかー。いくで地味子ー」

「だから地味子じゃ…はぁ…」

別の場所では、宮本久司とアンネ・フライベルクが捜索中。

「アンネ、そっちはどうだ?」

「全然。おれなちゃん本当どこいっちゃったんだろう…」

 

その後も校舎、体育館、プールなどなど、しらみつぶしに探して回ったがおれなは見つからない!

「一体どこに行っちゃったんだ…」

「おれなちゃん…」

肩を落としうなだれる光太郎に、ドラゴ郎は声をかける。

 

「心配ないよ光太郎。彼女はきっと…」

その頃、別次元…都内某所の賃貸マンション。

 

「『心配ないよ光太郎。彼女はきっと戻ってくるよ』…『そうだよな、きっと戻ってくるよな!』そう言って光太郎は立ち上がった。…と」

PCに向かい、コーヒーを飲みながらキーボードをタイプする女性が一人。

日本人にしてはかなり茶髪の…それこそ、タヌキの毛に似たような色合いの髪の女性だ。

 

「…うん、誤字脱字もないし…あとはこれで投稿するだけよね。『投稿する』っと…」

彼女が書き込んだのはフリーの小説投稿サイトだ。アカウントさえ持っていれば誰でも好きな時に、好きな物語を投稿できる。

「ふーっ、これでよしっと。…さて、そろそろ『向こう』に戻らないと、本当に光太郎くんたちが心配しちゃうからね…」

そう言って女性は大きく伸びをすると、PCのモニターに指を触れる。

 

するとどうだろう、彼女の指は液晶画面の中へと入り込んでいく。

その画面の向こう側に映る彼女の指は、髪と同じ茶色の毛でおおわれている…。

 

「よいしょ…っとぉ…」

上半身がすっぽり入ってしまう頃には、彼女の顔はタヌキ型獣人のそれに変わっていた…。

やがて全身が入り込んでしまうと、画面内の彼女は自分の手前にあるタスクバーを指で操作し、PCの電源を落としたのだった…。

 

…聡明なる読者諸君はもう、彼女の正体にお気づきのことであろう。

…風天中学校・校庭。

「やっほー光太郎くん!」

突然現れたおれなを前にして面食らう光太郎。

「どこ行ってたのおれなちゃん!?」

「ごめん、光太郎くんたちでちょっと物語作ってたとこなのw」

「物語って…じゃあ今までのことって!?」

「『わたしがいなくなった』あたりから全部わたしのシナリオ通りってわけw」

「いやいやいやいやwwそんなことがwww」

「で、このSSの最後でね『そうだよな、きっと戻ってくるよな!』っていうのが光太郎くんのセリフね」

「いやwwwそこまで書かれてたってちょっとwwwww」

 

そんな二人をよそに、ドラゴ郎はただ悩むばかりであった…。

「…ていうかおれな、君一体何者なのさ…」


 
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