No.808613

真・恋姫無双 覇王伝 第三十三話

ZSANさん

北郷軍、西涼軍 両陣営の動き

2015-10-17 23:12:44 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3028   閲覧ユーザー数:2719

 

~一刀視点~

馬騰を討ち取った事により、西涼軍は撤退した

此方も被害が大きい上、俺も負傷したので追撃は断念

負傷者の治療と並行して、夜営の準備を行った

俺も応急手当てを受けて一段落ついてから天幕に入った

 

「一刀さん 宜しいでしょうか」

直ぐに静里がやって来た

静里の用件は報告と簡単な治療だった

応急手当は受けていたが出血を止めるだけの物だったので治療を受けながら報告を聞いた

「そうか・・・

 疾風が討ち取られたか」

疾風が討ち取られた報を聞き、そう呟くと

「申し訳ありません

 私の考えが強引過ぎたのかもしれません」

静里が自分を責めるような事を言うので

「いや 全ては俺が決断した事だ

 だから静里が責任を感じる事じゃない」

「でも、一刀さんにまでこんな深手を負わせることになってしまって・・・」

今日の静里はちょっと自虐的になっている

だから務めて軽い口調で

「俺の怪我なんて大した問題じゃ無いよ」

「一刀さん!!」

静里が俺の発言に激昂した

「一刀さんは私達の君主なんです

 大した問題じゃ無い訳ありません!」

「いや 俺が戦死しても鞘姉や巴を皆が補佐してくれれば」

そうすれば俺の穴は埋めれる そう言おうとしたら

「一刀さん 冗談でもそんな事を言わないで下さい!

 一刀さんが死んだら、私も後を追って自害します!」

「静里、それは止めてくれ」

「だったら、もっと御自分を大切にして下さい!

 鞘華さんや巴さんが『天の御遣いの一刀さん』の代わりは出来ても、『一刀さん』の代わりは居ないんです」

静里は涙目になって訴えて来る

「私は一刀さんに仕えたんです

 鞘華さんでも巴さんでもありません 『天の御遣い』様でも有りません

 北郷一刀さんが私の唯一無二の主君なんです」

そう言って抱き付いて来た

俺も静里を落ち着かせる為に軽く抱きかえす

 

「一刀さん・・・」

俺の腕の中で静里が上目使いで俺を見つめる

(あの静里 美少女の涙も上目使いも男にとっては強力な武器なんだぞ)

そして静里が目を閉じる

(つい先日、鞘姉に告白したばかりだろ!)

(何言ってんだ 静里に恥をかかせるのか!

 それにばれなきゃ問題無いし、ばれても一夫多妻制の世だぞ

 ついでに『据え膳わぬは男の恥』だ)

天使と悪魔 二つの意見がせめぎ合うが、それも束の間

後者の意見を採用 男って美少女に弱いよな

静里の頬に片手を添えて顔を近づけたその時

「一刀殿 捕えた馬岱を連れて来ましたぞ

 入っても宜しいでしょうか」

星の声がしたので二人共慌てて離れた

 

~建業にて~

「なんかメンマを買わなきゃならない気がしてきた」

「鞘姉も?私も急に」

「実は私も」

「私もだ」

鞘華、巴、凪、蓮華が発言する

「メンマ?4人とも星のメンマ教にでも入信したのか?」

冥琳の問いに

「そんな事も無いんだけど・・・」

すると雪蓮が

「静里が一刀に迫って、それを星が邪魔したとか」

と笑いながら云うと4人からとてつも無く黒い気配が立ち上り

「星(さん) 感謝するわ(します)」

~西涼軍陣営~

馬騰を討ち取られ、軍の動揺が広まる前に撤退した西涼軍

夜営の準備が終わり直ぐに部族長が集まり今後の事で軍議を開いた

 

「なにを言ってるんだ!」

翠が怒声を上げる

翠は明日にでも母 馬騰の弔い合戦を仕掛けるつもりで、その為の軍議と考えていた

だが各部族長から出た意見は『西涼への撤退』

翠にして見れば怒鳴りたくのも仕方が無い

「母様の仇を討つのが当然だろ!」

翠の意見に対して

「馬騰殿の件は残念です 確かに我等も可能ならば討ちたい」

「だったら!」

部族長の意見に翠は食いつく

「しかし、我等の被害は甚大

 返り討ちに会うのは目に見えております」

「そんなの、やってみないと・・・」

翠は食い下がるが

「やってみて駄目だった、では済まないのです

 我等の兵をいたずらに殺す訳にはいきません」

「左様 それに我等は馬騰殿を盟主に仰いでおりましたが馬騰殿の家臣では無い

 これは生前の馬騰殿も言っておられた事です」

「弔い合戦の言葉に酔っての『匹夫の勇』は受け入れられません」

全ての部族長が馬騰の弔い合戦への出陣を拒否していた

「そうかい それなら頼まない

 私達だけでやってやる!」

翠は完全に冷静さを欠いてしまった

「止めても無駄のようなので止めません

 だが、私の部族は帰還させてもらいます」

全ての部族長が冷静さを欠いた翠と決別を宣言した

翠の部隊の兵で出陣出来る数は約5千

~一刀視点~

「星か 入っても良いぞ」

静里と離れて星を招き入れる

「失礼します 馬岱を連れて来ましたぞ」

「引っ張らないでよ!」

反董卓連合の時に会ってたな それにしても

「星 何で『亀甲縛り』なんだ?」

「縛り方は私の趣味ですが天の国ではそう云う呼び名なのですか?」

星の趣味には何も言うまい

「いくら敗将と云ってもこんな恥ずかしい縛り方は無いでしょ!」

尤もだな

「だから解いて・・あん 引っ張らないで」

星も引っ張ったらどうなるか分かってやってるな 馬岱もそんな声出さない様にして欲しい

「星 解いてやっても良い」

「良いのですか?」

「ああ」

星が馬岱の拘束を解くと

「あ~、もうあんな恥ずかしい縛り方されて陣中を歩かされるなんて!

 信じられない!屈辱よ!恥辱よ!呪ってやるから!」

気持ちは分からないでも無い

 

「で、お兄さん!

 叔母様を討ち取ったって本当?」

「ああ」

馬岱の質問に簡単に答える

「なんで?!なんで叔母様が死ななきゃならないの!

 お兄さんが謀反なんて起こさなければ良かったのに!」

激昂する馬岱に俺は

「君は今の漢王朝が忠誠を捧げるに相応しいと思っているのか?

 馬騰はそう考えていなかった

 だから漢王朝に代わって強い力で世を纏める者の踏み台に馬騰はなったんだ」

馬騰の遺志を伝えた

「そんな・・・

 でも謀反なんて起こしたら大勢の人が死ぬんだよ!?」

「確かにな 俺は何万、何十万の命を散らせる人間だ

 だがその犠牲となった命を、後100年の太平の礎とする

 それが俺の覚悟だ 偽善者と呼ばれようが詭弁と云われようが構わない

 誰かがやらなければならない事なんだ

 それを『天の御遣い』として俺が為す それが俺の天命なんだ」

馬岱の目を見て宣言する

「お兄さん・・・

 本当は平穏に暮らしたいんだね だからそんな悲しそうな眼をしてるんだね

 だけど見て見ぬ振りが出来ないから、悲しくても辛くてもやり遂げる覚悟なんだ・・・」

馬岱の言葉に俺は答えなかった

「我真名の蒲公英をお兄さんに預けます

 お兄さんの臣下に蒲公英を加えて下さい」

「馬超と敵対することになるぞ」

「お姉様は次の戦闘で蒲公英が説得します

 説得したらお姉様の命だけは助けて下さい」

蒲公英の提案に俺は頷いた

 

「万事うまく行きましたな

 ところで静里よ 何故100年来の仇敵を見るような目で私を睨むのだ?」

「知りません!」

 

~あとがき~

 

静里と一刀の件は一刀の浮気とも言えます

以前コメントでも頂きましたが鞘華と引っついても他の恋姫は諦めないでしょう

その先陣が静里でした 

明確に拒否しない(出来ない)一刀も悪いのですけど だから種馬って呼ばれるんです

 

翠は直情型ですのでこうなるでしょう

無印では庇護を求める冷静さが有りましたが今回は戦える戦力が有ると思ってましたから

それが思いを裏切られ、冷静さを欠いてしまったわけです

 

蒲公英が味方になりました

私見ですが蒲公英は本当の意味での「賢さ」が有りそうな気がしてます

だから私怨を捨て、一刀の覚悟に共感したと云う事です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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