一刀「はっ!」
一刀が目を覚まし辺りを見渡す。
一刀「・・・・・どこだ?ここ・・・・。」
見慣れない部屋だ。
一刀「えっと、確か華琳達に出会ってそれから・・・・・・。」
愛紗「北郷様。目をお覚ましになりましたか?」
突然ドアの向こうから声が聞こえた。
一刀はあわてて答える
一刀「あっ、はい!」
愛紗「失礼します。」
そう言って愛紗はドアを開いた。
一刀「あなたは・・・・関羽さん?」
黒く綺麗な髪に凛々しい姿の関羽さんが部屋に入ってきた。
愛紗「はい!あなた様とはあまり顔を合わせておられなかったのに・・・わたしのことを覚えていらしてくれていたとは光栄です!!」
関羽さんは改まった態度でそう言った。
それに俺のことを様付けで呼ぶことにも驚いた。
一刀「い、いやそんなに改まってくれなくてもいいんですよ?様付けで呼ばなくてもいいし・・・」
愛紗「なにをおっしゃいますか!あなた様のおかげで今の我々がいるのです!!謙遜なさらないでください!」
と少し大きな声で関羽さんは言った。
一刀「か、関羽さん?」
自分の大きな声に驚いたのか関羽さんは
愛紗「す、すいません。大きな声を出して・・・」
一刀「い、いえ。気になさらないでください。ところで、ここは?」
愛紗「はい。ここは蜀の都『成都』です。北郷様が気絶した後、ここに運ばせていただきました。」
気絶?・・・・・・・・・・
一刀(思い出した!!確か華琳を怒らせておもいっきり殴られたんだ!・・・・『絶』で・・・・)
いわれてみれば頭がズキズキとする。
まだ怒ってるかな・・・・・あいつ。
一刀「・・・・・・華琳達は?」
愛紗「華琳殿達は、ぱーてぃーの続きをやっておられます。」
パーティーか・・・・・
はあ、どうせなら、目が覚めた瞬間、俺のベットに潜りこんでいて・・・・・・っていうハッピーな展開はないのかよ!!
と心の中で叫ぶ一刀。
関羽「北郷様?どうかなさいましたか?」
一刀「い、いや。なんにも。」
関羽「そうですか。北郷様、目を覚ましたなら大広間に行きましょう。皆が待っています。」
一刀「・・・・え?」
関羽さんに連れてこられ俺は大広間へと向かった。
そこで・・・・・
雪蓮「おっそ~~~い!一刀。」
桃香「待ってましたよ~~~。」
春蘭「遅いぞ北郷!!我等を待たせるな!!」
季衣「兄ちゃん!おはよう!」
そこには魏・蜀・呉の武将たちがいた。
一刀(そっか・・・みんな・・・)
皆の顔はとても輝いているように見えた。平和になったから・・・・良い顔でいられる。
一刀(なんか、俺もうれしくなるな。)
と思う一刀であったが、一人機嫌が悪そうな娘がいた。
一刀「えっと華琳・・・・まだ怒ってる?」
華琳「別に」
一刀(絶対怒ってるよ・・・・・ハァ・・・・)
雪蓮「さあさあ一刀!ここに座って」
孫策さんが指差す場所は・・・
一刀「・・・・・え?ここって上座だよね?」
雪蓮「そうよ?」
一刀「いやいや、まずいだろ?俺なんかが。」
雪蓮「いいから。今日はあなたが主役なんだから。座った座った!。」
と無理やり座らされた。
孫策「みんな準備はいい?じゃあ改めて・・・かんぱ~~~い!!」
一同「かんぱ~~~い!!」
みんなが騒ぎ出し、俺にいくつか質問してくる。
風「それにしてもお兄さん、ずいぶんと変わりましたね~。」
沙和「そうなの~~。隊長かっこよくなったの~~。」
真桜「2年でここまで変わるんか?」
一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
2年?そうえばみんな確かに綺麗になったとはいえ、そこまでっていうほど変わりはなかった。
まさか・・・・・・・・
一刀「ちょっ、ちょっと待って!2年?こっちは2年しか経ってないのか?」
華琳「どういうこと?」
華琳と他の皆も疑問に思う。
一刀「いや、俺の国ではもう6年経ってるんだ。」
季衣「にゃ?6年?」
稟「なるほど・・・だから一刀殿もこんなに変わってるんですね。」
紫苑「じゃあ、天界とこちらでは時間の流れが違うと?」
一刀「たぶん・・・・。」
季衣「そんな兄ちゃんずるい!!!」
一刀「・・・ずるい?」
季衣「そんなに大きくなっていきなりかっこよくなるなんてずるいよ!!」
春蘭「ずるいぞ北郷!!」
華琳「たしかに・・・・・ずるいわね。」(なんでそんなかっこよくなって現われるのよ!!)
と華琳は少し頬を赤く染めて言う。
それに対して一刀は
ガクッ
一刀「あのなっ!逆に言えば皆と6年も会ってないことなるんだぞ?こっちは損した気分だよ。」
華琳「そんなことはどうでもいいわ。」
いや、よくないだろ・・・・
流琉「それにしても兄様。ずいぶんと変わった格好をしてますね。」
一刀は白いスーツを着ていた。これは親友の結婚式に出たためだからだ。
一刀「ん?ああ、これ?結婚式だったからな。」
魏一同「「「「「!!!!!!!!」」」」」
一刀「だからこういう格好を・・・・・あれ?どうしてみんな武器を構えて・・・・」
華琳「春蘭・・・」
春蘭「はっ!!!」
華琳「殺りなさい」
春蘭「おまかせを!!」
華琳はそう命令し、春蘭は剣を振るう。
一刀「ま、待って!ち、ちがう。違うんだ!!」
春蘭「問答無用!!!!!!」
凪「隊長~~~~!!!」
一刀「凪まで~~~~~~~~!!!!!」
二人はものすごい顔で一刀を襲う!
だけど一刀はこの6年間、遊んでいたわけではない。皆に追いつくために剣の修行をしたのだ。
紙一重で二人の攻撃をかわす。
春蘭・凪「「!!!!」」
一刀「ま、待てっ!!結婚は俺じゃなくて友達の結婚式なんだよ!」
魏一同「「「「「「「え?」」」」」」」」
華琳「!!ならそうと言いなさい!!!まぎらわしいのよ!!!!」
華琳は怒って言う。
一刀「いや、分かるだろ。」
華琳「あなた自分がしてきたことを胸に手を当てて考えてみなさい。」
一刀「・・・・・・・・・・すみません。・・・・なあ俺そんな信用ない?」
魏一同「「「「「「「「ない!!!!」」」」」」」
一刀「とほほ・・・・・」
一刀の結婚のことで騒ぎ少し落ち着いたところで呉の王、孫策が一刀に話しかけた。
雪蓮「そろそろあなたにお礼を言わないとね。」
一刀「お礼?」
雪蓮「ええ、周喩と黄蓋の命を救ってくれたことにね。」
一刀「!!!!!」
一刀は驚き華陀の方を向いた。
華陀「す、すまない。北郷殿。話してしまった・・・」
一刀「・・・・・・・そうか。」
翠「なあ、どうして二人を助けたんだ?」
このことに最初に疑問を持った翠が聞いた。
一刀は静かに答えた。
一刀「・・・・いつか三国が手をとりあい、分かり合える時が来る。そう思ったから・・・かな?あと・・・・」
祭「あと?」
一刀「綺麗な女性を見捨てることなんて男として出来るわけないからね。」
と笑顔で言う。
種馬スキル発生・・・・・・
冥琳・祭「っ////」
二人の顔が赤くなる。
それに対して華琳は
華琳「・・・・なに口説いてるのかしら!!!」
一刀「い、いや俺は本当のことをって『ギリギリ』痛い!痛い!」
華琳が一刀の首を絞める
いち早く我に返った冥林は咳払いをし一刀に問う。
冥琳「一つ聞きたい。北郷はこういうことになることを知っていたのではないか?」
その質問に一刀は
一刀「それは買いかぶりすぎだな。俺は神じゃない。すべてを知ることなんて出来るわけがないよ。例え華琳が覇道を歩んでも俺はそれを否定しなかった。」
冥琳「なるほど・・・・さすがは三国を救った英雄だ。」
そう言うとここにいるほとんどの者が頷いた。
だが一刀は・・・・・
一刀「俺は何もしてないよ。この平和を作ったのは魏・蜀・呉、皆の力さ。俺はただ華琳にほんの少しの助言をしただけだよ。」
風「お兄さんは少し自分を過小評価しすぎですよ~~。」
一刀「そうでもないさ。みんなと一緒に戦えたことに俺は自分に誇をもってるよ。」
そうやって一刀は答える。
ここにいるほとんどの者は今こう思っただろう。
外見だけではなく、中身もかっこいいと・・・・
だが華琳はどこか不安そうだ。
華琳(なんか嫌な予感・・・)
雪蓮「ふふ、いっぱい食わされたわね。」
冥琳「そうだな。」
冥琳は笑って言う。
雪蓮「一刀。わたしの真名は『雪蓮』よ。」
冥林「冥琳だ。」
小蓮「あ~~~!二人ともずる~~い。一刀!一刀!わたしの真名は小蓮よ。シャオって呼んで♡」
華琳(やっぱり!あの種馬~~!!!)
一刀「え?いいのか。大事な真名を俺が呼んで。」
冥琳「今さらなにを言う?命を救ってくれたんだ。真名を許すのは道理ってものだろう?」
一刀「・・・・・・・・」
祭「そうじゃな。北郷!わしの真名は祭だ。お主に真名をささげよう。」
思春「・・・・・思春だ。」
明命「明命です。一刀様。そ、そのよろしくお願いします。」
穏「わたしの真名は穏です~~。これからよろしくお願いしますね~一刀さん。」
亞抄「え、えと亞抄です。よ、よろしくお願いします。」
一刀は戸惑ったが
一刀「ありがとう。みんなの真名受け取るよ。これからよろしく。」
雪蓮「ほら、蓮華も」
蓮華「わたしは・・・嫌です!!」
全員「!!!!!!」
一刀「・・・・・・・・」
雪蓮「ちょ、ちょっと蓮華。あなた何言い出すのよ!?」
蓮華「冥琳を助けてくれたことは、お礼をいいます。しかし・・・・」
一刀はこのことに察しは付いていた・・・・
蓮華「祭の場合は別です!!北郷は祭に対して長江の下流付近に華陀を配置させただけだった!運が良かったから命は助かったものの、矢を胸に刺され、あまつ長江に流され、命を失ってもおかしくなかった!!」
孫権さんは怒って言う。
俺はそのことに対して何も言えなかった。
冥琳「しかし蓮華様。北郷がわたしたち二人を救ったのは事実です。」
蓮華「だがっ!!」
一刀「いえ、孫権さんの言うとおりです。」
雪蓮「一刀!?」
一刀は立ち上がり孫権の前に来た。
そして一刀は深く頭を下げた。
一刀「すいません。あなたの言うとおりだ・・・・。祭さ・・・黄蓋さんは一歩間違えたら死んでいた・・・・。」
蓮華「・・・・・・・・・・」
一刀「謝って許してもらおうと思いません。怒るのも当然でしょう・・・・」
華琳「一刀・・・・・」
祭「北郷。顔を上げよ。おぬしのおかげでわしらが生きているのは事実。・・・・権殿。」
蓮華「・・・・・・・・・・・・」
一刀は顔を上げ、また「すいません」といい
一刀「ちょっと外の空気を吸ってきます。」
そう言い一刀は大広間出て行った。
小蓮「おねえちゃん、言いすぎだよ!!」
冥琳「蓮華様、小蓮様のいうとおりです。もっと別の言い方があったのでは?」
蓮華「・・・・・・・・・」
一同「・・・・・・・・・・・・」
沈黙が続く
その時
華陀「あの、ちょっといいかな?」
沈黙を破ったのは華陀だった。
華陀「確かにあの時、黄蓋さんは矢を受けていた・・・・・だけど、矢尻が少し潰れていて矢は心臓まで全然届いていなかったんだよ。」
全員「!!!!!!!!!!」
華琳「どういうこと?矢尻が潰れていたなんて・・・・ありえないわ。秋蘭、あの時武器の管理責任者は?」
秋蘭「確か・・・北郷です。華琳さま。」
全員「!!!!!!!」
全員がさらに驚く。だけど一番驚いているのは・・・・・蓮華だった。
蓮華「そんな・・・・」
雪蓮「いかなくていいの?蓮華。」
蓮華「っ!!!!」
蓮華は慌てて一刀の後を追いかけた・・・・・・
Tweet |
|
|
125
|
15
|
追加するフォルダを選択
再び載せます