ショタカノの本音
ショタキド目線。
・・・
6時30分、珍しく私はお姉ちゃんよりも先に目が覚めた。今日は休日で、カノやセトもまだ寝ている。私はリビングに行ってカーテンを静かに開けた。
眩しい太陽の光がカーテンに透き通っていた。
キド:まだ皆寝てる・・・なんでこんなにも早く起きちゃったんだろう・・・
と呟いた。ふと昨日の事を思い出した。
昨日の夜、そういえば私はカノと喧嘩したんだっけ?まあ、したと言ってもカノは何も強く言い返さなかったんだけど、それが原因。
カノはいっつも本当の事を言ってくれなくて、嘘ばかりつく。最近、うまく使えるようになった『目を欺く』能力で、本当の自分を見せてくれない。
今では騙せない人や物もなくなっていると、カノは言うけど
キド:ねえカノ、それって本当に?
私は、カノの言う事を信じてあげたいとは思ってるけど、どうもそうはいかないらしい。
カノ:どうかな~?
カノは笑いながら・・・いや、欺きながら言ったんだ。この『鹿野修哉』に、誰がなんの為にこんなにも厄介な能力を宿らせたんだろうか。私はこんなカノ、大っ嫌いだよ。
そこから始まった昨日の喧嘩。
・・・そうか、あの時喧嘩が酷くなって、泣いた私は人一倍早く眠りについたから・・・皆より早く目が覚めたんだ。
やっぱりカノの本当の事が聴きたい。今日私は、
キド:カノの本音が聴きたい!!
・・・あああああ!!つい叫んで私のバカあああああ!!\\\
その途端、「ガチャッ」と、ドアの開く音がした。後ろにはパジャマ姿のセトが立っていた。
セト:どうしたんですか?朝から叫んで・・・、発作?
キド:なんで!?って言うか聞こえてたの!?起こしてごめん。忘れてよ、・・・っカノは!?カノは起きてない!?
あの声カノに聞かれてたら、色々と面倒な事になってるよ・・・。もしくは私殴ってるよ、カノの事。
セト:まだ寝てるみたいですよ。
キド:そっか、良かった。というかセト、アンタいい加減敬語直しなよ。
セト:あはは・・・(苦笑)
ショタカノ目線。
・・・
カノ:キド、聞こえてないとでも思ったのかな?
僕は布団の中でドアの向こうのキドのさっきの声聞こえて・・・いや、聞いてたんだ。
にしても昨日あんなにも僕の事叱っていたのにも関わらず、
「僕の本音が聴きたい」
なーんて・・・可愛いなあキドは。まあ、僕の本音はいくらキドでも分からないだろうけどね。
・・・いつからだろ・・・っ僕に能力をくれた化け物は、こう言ったんだ。
「嘘をつき続けろ」
って。 なんで僕は、こんな命令に答えたんだろう。じゃないとどうなるの?殺されるの?あの化け物はなんでこの『僕』だけにこんな
能力を宿らせたんだろうか。こんなのなんの役にも立たないじゃないか。
昨日はキド、僕のために泣いてくれていたじゃん。
もしかして、大好きなキドがどれだけ僕の事思ってるか、試す為にあるの・・・?
カノ:・・・っ 最低だな・・・僕
僕はベットの中で泣いていた。
キド:カノ、起きてる?もう10時だよ?入るよ?
ドアの向こう側に、キドの声がした。
僕は、その時泣いていたから、キドに見られたくないと思い、急いで能力を発動した。これでキドには、笑ってる表情の僕にしか見えない
・・・はずだ。
『ガチャッ』
キドが僕の部屋に入ってきた。
キド:修哉・・・、昨日はごめんね。
珍しい。キドが僕の事、いつもは「カノ」って呼んでるのに、名前で呼ぶなんて・・・なんかあったのか・・・?
それにしても、この発言には驚いた。また怒鳴られると思っていたし、キドがこんなにも素直になるなんて。
カノ:ああ、昨日の事?大丈夫大丈夫!!全然気にしてないしさ!ほらキドも元気だして!ね?
僕は欺いた笑顔でそう言った。本当は凄く気にしてた。一番素直じゃないのは僕の心だ。でもさ、『素直』って、ワガママの事だよね?僕はキドを振り回したくないんだ。
いつもは素直じゃないキドの言うワガママ(本音)を聞き、受け入れたいんだ。・・・好きだから。
あれ?今キドは「ごめんね」って僕のずっと待っていた『本音』を言ってくれたのに僕は、素直に受け入れてなかった・・・欺いてたよね?ずるいよね・・・?
ボガアッ!!
キドが僕を殴った。その途端、顔が欺けなくなり、嘘が吐けなくなったのか能力を見破られた。キドの目には、泣いてる僕の顔が映ってんだろうな。
キド:バカ!!バカノ!!なんで本当の事言ってくれないの!?本当に気にしてないの!?泣いてんじゃん!!
僕を殴ったのは、僕の事嫌いになったからじゃなかったんだ。 良かった。
僕は、キドに今まで吐いていた嘘の事、能力の事、全てを伝えたんだ。
・・・
キド:今修哉が言った事は私、信じてあげてもいいよ。
信じてくれた。今まで嘘をつき続けていたのに。
カノ:ありがとう。
キド:これから私の前では本音を言ってよね。もしまた欺いてたら、また殴って目を覚ましてあげるんだから。覚悟しとけよっ!!
今日のキドはロリータっぷりがすごいなw
カノ:・・・やっぱりキドには叶わないな!
僕は本当の笑顔でそう言ったんだ。
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あれから6年後、俺は16歳になっていたわけなんだが・・・お姉ちゃんが亡くなって、メカクシ団の団長になっていた。
キド目線。
6年前の10歳の夏のあの喧嘩・・・まだ忘れていなかった。いくらシンタローでも6年前のことは覚えられないんじゃないのか?
それほど目に焼き付いてたんだ。俺は今日の夕方、アジトのリビング(?)にカノを呼び出した。
キド:カノ、6年前の夏の事覚えてるか?
カノ:え?何の事?そんな前の事覚えてないよ~?
・・・
カノの記憶にはもう無いのか?その事カノにとっては大したことない事だったのか?俺はこんなにも目に焼き付いていたのに。
いや、本当は覚えていて顔をまた欺いているんじゃないのか?殴ってやろうと思ったが、その前に・・・
キド:それじゃあ、あの時俺が わ・・・「私の前では本音を言え」って言った事も忘れたのか・・・?
するとカノが、少し思い出した様にこう言った。
カノ:そ・・・それは・・・覚えて・・・なくもないけど・・・
欺いていない本音で照れ隠ししたように言ったんだ。
キド:どっちだよw
本当は寂しがりやな癖に、絶対表に出さないのは、俺に心配かけたくないからだと、17歳のカノは言ったんだ。
http://img.tinami.com/illust2/img/432/561b66f5d681e.png
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セト目線。
俺はその日、マリーの内職の造花を一緒に終わらせて来たんっす。マリーをおぶって夕方にアジトに帰宅して来たんっすよ。
107号室のドアを開けた先のリビング(?)に、カノとキドが6年前のあの事を話していた物っすから、水を差さないようにマリーと物陰に隠れていたんっすよ。この状況が分からないマリーに俺は、
セト:カノとキド、なんだか微笑ましいっすね!マリー!
マリー:・・・? うんっ!!
眩しい夕焼けの光が、カーテンを透き通っていた。
END
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今回初めて小説を書いてみました(*^^*)10歳の私が書いたので、文字とか間違えているかもしれませんが、そこら辺は大目に見てくださいm(_ _)m