No.804319 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルートsoranoさん 2015-09-26 00:45:57 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1253 閲覧ユーザー数:1130 |
同日、15:20――――
ヨアヒムが去って3時間後、転移魔導によって次々と姿を現した貴族連合の残党に加えて貴族連合が所有していた”結社”の人形兵器、更にはヨアヒムが召喚した悪魔の軍団がリベール王国に向けて侵攻を開始し始めると、行く手を阻むかのようにミュラー少佐率いる”第七機甲師団”が待ち構えていた。
~リベール王国領、エレボニア帝国領、メンフィル帝国領国境・ハーケン街道~
「―――来たか。これより貴族連合の残党の捕縛を開始する!ただし人形兵器や悪魔に容赦する必要はない!帝国正規軍の誇りにかけて一人たりとも後ろに通すな!」
「イエス・サー!」
ミュラー少佐の号令を合図に第七機甲師団は戦闘を開始し、ミュラー少佐もまた大剣を振るって戦闘を開始した!正規軍の練度は高かったが、対する貴族連合側は人と兵器、悪魔の混成軍の上数も圧倒的に上だった為、正規軍はジリジリと後退をしながらも敵を決して後ろに通さずに戦っていた。
「クッ……やはりこの数では抑えきれんか……(仕方ない。ハーケン門に使者を送って―――――)」
状況が劣勢である事に唇を噛みしめたミュラー少佐がある判断をしたその時2体の機甲兵がミュラー少佐を左右に挟み撃ちにしてそれぞれ武器を構えていた。
「挟まれたか……!」
挟み撃ちにされたミュラー少佐が迎撃の構えをしたその時!
「―――右の機甲兵は私が無力化する!君は左の機甲兵を無力化したまえ!」
突如自分にとって聞き覚えがあり、また懐かしい男性の声が聞こえて来た!
「なっ!?……!」
男性の声を聞いたミュラー少佐は驚いたがすぐに気を取り直して左の機甲兵に向かい、それを見た右の機甲兵は自分に背を向けたミュラー少佐に武器であるライフルの銃口をミュラー少佐に向けた。
「―――させん!光輪斬!!」
しかしその時黒い軍服を着た男性の抜刀技によって発生した刀気の輪によってライフルの銃口は斬られ
「散り逝くは叢雲………咲き乱れるは桜花……今宵、散華する武士(もののふ)が為、せめてもの手向けをさせてもらおう!はぁぁっ………!せいやっ!秘技!桜花残月!!」
「―――――!?」
更に男性の大技によって片脚を破壊された為、転倒して戦闘不能になった!
「おおおおおおっ……!喰らうがいい――――ヴァンダールの剣!!」
一方ミュラー少佐も強烈な攻撃で両脚の関節部分を破壊して機甲兵を戦闘不能にした!
「ミュラー少佐同様生身で”機甲兵”を制圧するなんて……!」
「す、凄い……!」
「何者だ、あの者は……!?」
二人の戦闘を見ていた正規軍の兵達は驚きの表情で二人を見つめ
「―――”影の国”以来だな、リシャール殿。何故貴方がこちらに?」
ミュラー少佐は口元に笑みを浮かべた後すぐに気を取り直して男性――――かつてリベールでクーデターを起こした主犯であり、”リベールの異変”の際カシウスの手筈によって特例措置として一時的にリベール軍に復帰して窮地に陥ったリベールを救った事で恩赦が与えられた事によりクーデターの主犯でありながら僅かな期間で釈放され、今は民間の調査会社を営んでいるアラン・リシャールを見つめて問いかけた。
「フフ、カシウス准将の指示と言えばわかるだろう?」
「!まさかこうなる事もカシウス准将は察知されていたのか……!?」
リシャールの答えを聞いて目を見開いたミュラー少佐は信じられない表情で尋ねた。
「ああ。先程メンフィルから数時間後に貴族連合の残党がリベールに侵攻する可能性ありという情報の提供があってね。その情報を知ったカシウス准将が即座に”もう一つの可能性”―――――”D∴G教団”によって傀儡にされた貴族連合の残党がリベールに侵攻する事も察知されていたんだ。だが、幾らかの”教団”の仕業でエレボニアの侵攻によるものでないと理解しているとは言えすぐにはリベール軍を貴族連合の残党を喰い止めているエレボニア正規軍の援軍に向かわせる事はできない……そこでリベール軍に所属していない”民間人”の私達がエレボニアへの”旅行”の最中に巻き込まれ、結果的に君達エレボニア正規軍に助太刀したという形で我々を投入する事にしたのさ。」
「ふふっ、さすがはカシウス准将だな。……ん?”我々”という事はまさか――――」
リシャールの説明を聞いて苦笑したミュラー少佐はある事に気付いて驚きの表情で尋ねかけた。するとその時、黒い軍服を着た女性が黒装束の兵士達を引き攣れて戦場に現れた。
「これより貴族連合の残党の捕縛並びに人形兵器と悪魔達の掃討を始める!”機甲兵”には脚部関節に攻撃を集中し、動きを止める事を最優先にしなさい!」
「イエス・マム!!」
リシャールの秘書――――カノーネ・アマルティアは黒装束の兵士達――――リベール軍の諜報部隊であった元”情報部”に所属していた兵士達にして今はリシャールが経営している民間の調査会社―――”R&Aリサーチ”の社員達に号令をかけ、号令に力強く頷いた社員たちは交戦を開始した!
「”情報部”の”特務兵”……!かつて”リベールの異変”の際、導力兵器が使用できない状況で結社の猟兵達を撃退した話は聞いていたが、まさか”機甲兵”とも渡り合えるとは……!」
「―――見ての通りだ。諸事情でこの場に来れなかった者もいるが、可能な限り我が社の”社員”たちを招集した。―――今回の件は”百日戦役”の時と違い、エレボニア帝国の”意志”でない事は理解している。愛する故郷(リベール)が再び戦火に包まれない為に……戦争を望まないアリシア女王陛下達の為に……そしてリベールとエレボニアが良き友人であり続けられる為に私達も全力で協力させてもらおう。」
「……感謝する。」
リシャールの言葉を聞いたミュラー少佐は静かな笑みを浮かべて会釈をした。
「―――総員、今この場に現れた武装集団はリベールからの援軍だ!彼らと協力し、迎撃に当たれ!援軍を送ってくれたリベールの恩に報いる為にも一人たりとも絶対に後ろに通すな!!」
「リベールを愛する勇士達よ!愛する故郷を守る為に、今こそ共に力を合わせる時だ!貴族連合に……そして正規軍にも見せてやろう――――我らリベール王国の”誇り”を!」
「「イエス・サー!!」」
ミュラー少佐とリシャール、二人の勇将の号令にそれぞれ頷いて戦意を高めた兵士達は戦闘を再開した!
「フフ、”影の国”の件が終わってから更にどれだけ腕を上げたか見せてもらおう――――『剣聖』より受け継ぎし八葉の剣を。」
「フッ、それは私の台詞だ。こちらこそ、見せてもらうよ――――エレボニアの武の双璧の片翼を担う”ヴァンダール”の剣を。」
そして互いに口元に笑みを浮かべて視線を交わした二人は同時に突撃して戦闘を再開した!
同日、15:30――――
~エレボニア帝国領・ジュライ特区上空~
ハーケン街道で激戦が繰り広げられている中リィン達を乗せたカレイジャスはジュライ特区の上空に到着した。
「!あれは……!」
「魔煌兵!?何であいつらもいるのよ……!?」
「どういう事!?”煌魔城”が顕現もしていないのに、あんな数の魔煌兵がいるなんて……!幾ら何でも”D∴G教団”の秘術で、あれ程の数の魔煌兵の顕現をできる訳がないわ!」
カレイジャスの甲板からジュライ特区の様子を見て魔煌兵達がジュライ特区内を徘徊しているのを見たエマは血相を変え、セリーヌとクロチルダは信じられない表情で声を上げた。
「クッ……!エリゼ、ヴァイスリッターもいけるか!?」
「―――はい。いつでも出撃できます。」
「勿論パテル=マテルもいつでもオッケーよ♪」
ヴァリマールに搭乗しているリィンの声を聞いたヴァイスリッターに搭乗しているエリゼは静かな表情で答え、エリゼに続くようにパテル=マテルの傍にいるレンは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「こうなったら、ヴァリマールとヴァイスリッター、それとパテル=マテルで……!」
そしてリィンが声を上げたその時
「―――その必要はありませんわ!」
地上から女子生徒の声が聞こえて来た!地上には既にカレイジャスから降りたフェリスを始めとしたトールズ士官学院の面々やデュバリィ達”鉄機隊”、そしてクレア大尉率いる”鉄道憲兵隊”がそれぞれ武器を構えていた!
「打ち合わせ通り、ここは私達にお任せ下さい!」
「皆さんはどうかそのままパトリック様達の救出へ―――!」
「ジュライ市内の方は私達が何とかしてあげますから、貴方達は後ろの事は気にせず今回の件の元凶であるヨアヒムの討伐に集中しなさい!」
「クレア大尉……!サリファさん……!それにデュバリィも……!」
「ああ、任せたぞ!」
「よろしくお願いします……!」
「どうかお気をつけて……!」
激戦が予想される地上のメンバーに向けてユーシスやマキアス、エリスはそれぞれ激励の言葉を送った。そしてカレイジャスが発進すると同時にフェリス達はそれぞれが相手する”敵”に向かって突撃した!
「ロギンス君、背中は任せたわ!」
「おお、そっちこそ!」
「行くわよ、エミリー!」
「ええ、テレジア!」
「フッ……フロラルドの名に賭けて!」
「アリサのライバルとして、絶対に負けませんわ!」
「お供します、ヴィンセント様、フェリス様。」
「01~04分隊は私と共に敵の掃討を。残りの分隊は手分けして避難経路の確保並びに市民達の避難誘導を行いなさい!」
「イエス・マム!!」
「エンネア!アイネス!”鉄機隊”の底力、存分に見せてやりますわよ!」
「ええ!”執行者”と拮抗する実力を持つ私達を味方にすればどれ程心強いか……そして敵に回せばどれ程恐ろしいのか、存分に見せてやりましょう!」
「”鉄機隊”――――出陣!!」
それぞれ戦意を高めた地上のメンバーは魔煌兵や貴族連合の残党、そして悪魔や人形兵器達との戦闘を繰り広げ始めた!
「いや~、こちらの出る幕は無いかもしれませんねぇ。」
一方その様子を見守っていたトマス教官は場所が戦場であるにも関わらず呑気そうな様子で答え
「それならそれで面倒がなくていいんだが……」
トマス教官と共にいるマカロフ教官も呑気にタバコを吸っていた。
「―――しかしアンタ。いい加減そろそろ本気を出さないのか?多分だが”アンタと敵対関係だった連中の最高幹部達”もアンタの”正体”にも気付いているだろうから、もう隠す必要もないと思うが。」
「あはは~、何を仰るのやら。……おっと、そうこうするうちに新手が現れましたよ~?」
マカロフ教官の指摘にトマス教官がとぼけた様子で答えたその時、1体の機甲兵が二人の背後から近づいてきた!
「やれやれ……煙草を吸うヒマもない。」
「それじゃあ始めましょうか~!」
そして二人も戦闘を繰り広げ始めた!その後カレイジャスは”ジュライロッジ”の近くに到着した。
と言う訳でまさかの懐かしのリシャール&情報部が援軍として登場しましたwwそれとリシャール、さりげなく生身で機甲兵を瞬殺しました!まあ、リシャールなら当然でしょうがw後、前から気になっていましたけどクロチルダはトマス教官の正体に気付いて……いないんでしょうね。気付いていたら何か対策を取っていたでしょうし(苦笑)なお、リシャール達の登場時のBGMは空か空EVOの”Challenger Invited”、ジュライ特区でのイベントBGMは零か閃ⅡのラストダンジョンのBGMだと思って下さい♪
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第94話