「おいアンタ、大丈夫か?」
「う、うぅ・・・」
誰かが呼びかける声が聞こえる。
いったい誰だ?昨日は寝るのが遅かったんだ。
我の眠りを妨げるものはシバクぞコラぁ!
・・・とか言ってみたいな。チキンだから言わないけどね。
「おい、起きろ。・・おかしいな。何で起きないんだ?」
「・・・・・・・・・」(イラッ)
おい、いい加減にしろ!眠いっつってんだよ!
はい、もう決めた。チキンだから言わないとか言ったけどもう切れました。
男だったらボコボコに殴ってやる。リンチですよリンチ。
え、女だったら?そりゃお友達になるに決まってるじゃん。
俺は女性には超紳士で通ってるからな。
「・・・・・・・・・・・」
そしていざ目を開けてみると、そこには見慣れない男がいた。
・・・・・ウホ、いい男!
いや、別にそっちの趣味はないよ?念のためだけど。
俺ってば女の子大好きだから。
「・・・あんたは?」
「お、目を覚ましたようだな。どこか痛いところはあるか?」
話聞けよ。思いっきり無視しやがったなこの野郎。
「いや、別に痛いところは・・・じゃなくて、誰だあんたは」
「俺か?俺は華柁。五斗米道の教えを受けた、流れの医師さ」
「華柁・・・?」
華柁って、おま、あの真・恋姫無双に出てたあの華柁か!?
そういえばよく見るとたしかに顔つきといいファッションといい本物の華柁っちじゃん!
ってことはアレだな!俺は人類初の二次元に入れた唯一の男ってことか!
起きたてだけど今は最高に「ハイ」ってやつだアアアアアアアア!
ヒャッフゥゥゥゥゥゥゥ!!
「それで、君の名前は?」
「俺か?俺は・・・」
ん?そういえばここで本名を言っていいものかどうか迷うな。
北郷の名前でも出しておこうかな?いやいや、もしこの世界に本物の北郷がいて
リアル北郷さんと出くわしちゃったらマジやばいからなぁ。しかも彼イケメンだし。
・・・俺ってば勝てる要素ゼロじゃん。知略も凄いし剣道やってて腕もそこそこ。
おまけに全自動フラグ製造機とかお前・・・。
もう死ね!イケメンとリア充はみんな死ね!世界の女は俺のもんだ!
「そういえば見慣れない服を着ているな。都ではそういう服装が流行っているのか?」(何だ、この殺気は・・・)
「服?服がどうし・・・OH!!」
ちょ、この白い服ってまさか聖フランチェスカの制服か?
スゲー!白い制服とかマジでスゲー!どこの生徒会だよ!
おっ?それになんか髪もなんかいつもと違うぞ?
なんというか柔らかく、かつツンツンの髪の毛というか。
そうか、これが二次元補正か。恐れ入るぜ。
ん?なんかポケットにも入ってるな。お、携帯じゃん。しかも○oft○ank。
俺は○u派なんだが。まあいいや。んじゃ写メで俺の二次元ver.の顔でも拝むとするかな。
ピロリロリ~ン☆
「不思議な音のする箱だな」
さすが華柁っちだな。冷静に分析してるよ。
他のヤツらだったら『妖術か!』とか言って首刎ねられそうだし。
ってうおお!なんじゃこりゃあああ!これって100%俺の顔じゃねーよ!
明らかに北郷さんの顔じゃないっすか!先輩マジイケメンっすね!
ってことはアレか。俺は北郷に憑依してるのか。つまり今の俺が北郷一刀とそういうわけか。
「取り込み中悪いが、結局君の名前はなんなんだ?」(何を難しい顔をしているんだ・・?)
痺れを切らしたのか、華柁っちが再び聞いてきた。もう顔が北郷だし北郷でいいよ。
イェス!アイアム、かずとほんごー!よろしくぅ!
「そうか北郷というのか。変わった名だな」
華柁っち未だに冷静とかマジパネエっすね。
「しかし驚いたな。流れ星が落ちたあたりに北郷が倒れていたんだからな。
流れ星に衝突したのかと思って焦ってたところだよ」
だったらもう少し驚こうよ。限定された立ち絵じゃないんだから。
・・いや、メタ発言は自重しよう。
「北郷は何故こんなところに?この辺りは黄巾のやつらがいて危険だぞ」
「・・・俺は、俺にはやるべきことがある。そのために来た」<キリッ!
「そうか」(違う・・北郷は他の誰とも違う何かがある気がするな)
カッコイイー!俺って超かっこ良くないか?『俺にはやるべきことがある』<キリッ!
だっておwwwwwww
「・・・それを聞いてもいいか?」
「ああ。・・・この戦乱に太平をもたらす。それが俺の・・天命だ」
「!?」(やはり北郷は、いやまさか・・・・)
天命(笑)とかwwwww。恥ずかしー!すげー恥ずかしい!
現代日本だったら間違いなく黒歴史ナンバーワンに君臨し続けられるなこれは。
「さきほどから質問ばかりで悪いが・・北郷はどこから来たんだ?」(これですべてがわかるはずだ)
どこからか。日本からきますたwwwとか言っても『日本語でおK』とか言われ・・・
はしないだろうけどイミフということには変わりないか。
・・・・よし。
「・・・・・・・・・天」
空に指差しながら俺はそう答えた。けど天ってお前、世紀末覇者拳王じゃないんだから。
いや、なんとなくカッコつけてラ○ウ様の真似しちゃっただけなんだけどさ。
「・・・なんだって?」
「俺は天から来た。・・・そう言ったんだ」
「!?」(まさか、本当にあの噂の天の御使いなのか?だとしたら・・・)
え、えーーと・・・調子に乗っていろいろ言ってみたけどマジで信じてるのか?
でも華柁っちって基本いいヤツっぽいしな。うーん、微妙に罪悪感が。
「オイ、そこのお前ら!身ぐるみ全部置いて行きな!」ドーン
と、ピュアボーイな華柁っちに罪悪感を感じている最中、突如として現れた
黄巾族A、B、C。こいつら空気読めなさすぎだろ!
「・・・お前ら、黄巾党のやつらか」
「だったらなんだ!さっさと荷物を置いて行きな!そうすれば命だけは助けてやるぜ」
「さすがアニキだぜ!これだけ脅せばトラだって裸足で逃げ出すぞ!」
「さ、さすがなんだな!」
お前ら悪役のセリフそのまんまじゃねーか!捻りも何もあったもんじゃないですね。
しかも小物っぽいところがさらに雑魚っぽさを演出してるね!雑魚の鏡だね!
ってちょいマテー!なんで?なんでそんなバカでかい剣を抜刀してるの?
脅しなの?あ、そういえば最初から脅しでしたね、はい。
「黄巾党・・?お前たちこの辺りで悪事を働いている連中か?」
「はっはっは!よく知ってるじゃねーか。わかったら荷物と有り金ぜーんぶ置いて行きな!」
「そうか・・。お前ら!今まで三回以上悪事を働いたか!」
「三回なんかじゃきかねーな。両手両足の指があっても足りないくらいだぜ!」
「三回までなら許したものを・・・いいだろう!ならば五斗米道の教えにしたがい
お前たちを成敗してやろう!うおおおおおおおおお!!」
きた!華柁っちの必殺技クルー!?
そういえば華柁っちってめちゃくちゃ強かったんだよな!
頼むぜ華柁っちいいいいいいい!!!俺ってばヘタレだから代わりにがんばってくれ!
「お前たちのような大陸にはびこる最低最悪の病魔、この五斗米道が治療してやろう!
覚悟するがいい!」
「うるせい!野郎ども、やっちまえ!」
はっはっは!馬鹿め!そのセリフは死亡フラグだぞ!
◆
結果的にいえば完勝だった。
針でツボをついて立てなくしたりなどと北斗○拳のような神業をやってのけたからだ。
もしかして華柁っちって伝承者じゃないよね?
「ありがとう北郷、助かった」
「・・・いや、俺は何もーーー」
「謙遜することはない。あの『邪気眼』という技、危ない技だったんだろう?
それを使おうとしてまで俺と一緒に戦ってくれようとしたんだ。ありがとう」
「っっっっっっっっ!!」
やめてー!中二全開だったのはあやまるからそれ以上傷口を広げないでー!
だってしょうがないじゃん!華柁っちが必死に戦ってるのに自称・天からキタヨーって言ってる俺が
ボケーっと見てるわけには行かないじゃん!脅しでもいいから退散させることが必要だったんだよ!
だからあんなことを・・・。
◆
「だ、だめだ!あの男奇妙な技を使いやがる!こうなったらそっちの変な服着てるやつをねらえ!」
「わ、わかったんだな!」
「! しまった、逃げろ北郷ー!!」
「・・ふ、なあに心配いらないぞ華柁。ーーー見せてやろう、俺の邪気眼を。
はああああああああ!」
「あ、アニキ?こいつなんかおかしいですよ?」
「構うな!やっちまえ!」
「で、でも様子が変なんだな」
「なっ!ば、ばかな・・!邪気眼が制御できない!?この俺ともあろう者が!?
くっ・・右腕の邪気眼が暴走を・・・・!!!静まれ、静まれ・・!!」
「だ、大丈夫か北郷!俺の五斗米道ですぐに直して・・・」
「俺に近寄るな!!死にたいのか!!?」
『!?』×4
「く、まさか共鳴を?ということは俺以外にも能力者が・・!?」<ぶつぶつ・・・
「あ、アニキ!さっさと逃げよう!なんだかこいつ危ないぜ!タダ者じゃない!」
「こ、こわいんだな」
「くそっ、仕方ない!逃げるぞお前ら!」<タッタッタッタ・・・
◆
殺せー!だれか俺を殺せー!もうヤダよ!なんだよ邪気眼って!
黄色い救急車が必要なレベルのかわいそうな子じゃねーか!
もうお婿に行けない・・・・。
「しかし変だな。見たところおかしい場所はどこもない。北郷、あれは一体・・・」
「ふっ・・・」
「・・・・北郷?」
「邪気眼を持たぬ者にはわからないさ・・・」<鬱で自分でも何を言ってるのか気づいていない
「そう、か・・・」(やはり北郷、お前は・・・)
つーかそもそもおかしいんだよ。何で乙女だらけの三国志のはずなのに
さっきから男しかエンカウントしねーんだよ。男率少ないはずなのにこれは異常すぎるだろう。
「・・・北郷。俺からひとつ提案があるんだが」
「? なんだ」
「北郷と一緒に俺も旅をしたいんだ・・北郷の天命というのを手伝ってみたい」
「なん・・だと・・?」
え?え?何の展開?どうなってんの?
「俺は師匠と五斗米道の教えにしたがい旅を続けている。この大陸を蝕む病魔と闘うために。
だが、この大陸の病魔は大きすぎた。すでに個人でできることは限られているのかもしれない。
だが!俺は北郷、あんたに光を見た!」
え、その光って幻覚じゃないの?
仮に見えてもピンクだったり黒っぽい色だったりしてないか?
「北郷ならできる!北郷はこの大陸の・・・特効薬になるんだ!!」
「な、なんだってーーーー」<棒読み
「頼む!俺を北郷の・・御使い殿の旅の供をさせてくれ!」
「・・・・・・」
うはwwww超展開杉ワロタwwww
つかねーよ!激しくねーよ!だから知らないうちになんで好感度が上がってんの!?
しかも男じゃん!頼られるなら女がいいに決まってんだろ!何この展開?
原作にもなかったぞ!
「・・・・・・」
「・・・・・・」<ドキドキ・・
あー・・でも全く土地勘ないからなー。ここで断っても行く当てなんかないし。
どこに何があるのかもわからんし。最悪、また黄巾党に襲われるかもしれないからなー。
それに五斗米道ってすごいみたいだし、医者は一人いたほうが何かと便利だったりするんじゃないのか?
うーん・・・。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・華柁」
「! なんだ?」
「俺のことはこれから一刀と呼んでくれてかまわない」
「ということは・・・!!」
「ああ。一緒にこの大陸に太平をもたらす手伝いをしてほしい」
「おう!まかせておけ!」
テレッテッテー、華柁が仲間になった!
第一話完!
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*非常にひどい作品です。
ご覧になる方はイラっとしたと言って感想に悪口を書かないでください。
作者はもろいので再起不能になります。
そのあたりも含めてご覧ください