No.79710

心・恋姫†無双 第十三話

南風さん

やってきました十三話。オリジナルキャラ・設定が苦手な方は申し訳ありません。また三国志の歴史が好きな方も申し訳ありません。駄文ですが楽しんでいってください。

2009-06-18 00:49:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:11938   閲覧ユーザー数:9031

心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第十三話 ~動き~

 

俺は今、紫苑の娘・璃々ちゃんと一緒に遊んでいる。

「ごしゅじんさまぁ~?」

「ん?」

「ここからどうすればいいの?」

「えっと、これをこうして・・・・・・・。」

璃々ちゃんに、俺はあやとりを教えているのだ。

 

本当の事はと言うと・・・・・・・・

成都の復興と、劉璋の残した負の遺産といえる前の規則の撤廃。

民達への負担を軽くした新しい規則や秩序の発足と忙しい毎日を送っている。

雍州の姜維さんと前回の使者さんとの約束を果たすため今日は会合なのだが、その前に中庭で一人でつまらなそうにしている璃々ちゃんを見つけたのだ。

 

「すごーい。これ、ちょうちょさんだぁー。」

「そうだよ。おもしろいだろ?」

「うん!」

 

「こんなとこにいたのか。」

「探したぜ。」

「・・・・・・・・・。」

そんな俺を探しにきたのは焔耶・嵐・白。

 

「おっともう時間か?」

「あぁ、すでに準備は整っている。あとはお前だけだ。」

「一刀に遊んでもらってたのか?」

「うん!」

「・・・・・・・それは?」

「ちょうちょさん!」

「・・・・・・・・凄いね。」

 

「じゃあ、璃々ちゃんは今度はこのお姉ちゃん達と遊びな。」

「ちょっと待て、私にそんな事が・・・・・・・・。」

「じー。」

璃々はじっと焔耶を見つめる。

「・・・・・・・はぁ、わかった早く行って来い。」

「わーい!」

「じゃあ、後は頼んだぞ!」

皆に手を振りながら一刀は足早にその場を後する。

 

「最近、まるくなったよな。」

「・・・・・・・そうですね。」

「何をこそこそ話している。」

「なんでもないでーす。な?」

「・・・・・・・はい。」

 

「んで、何して遊ぶよ?」

「あやとり!」

「・・・・・・・これの事?」

「うん!」

「この紐で何をするのだ?」

「こうしてねー、色々つくるの。」

「そうなのか。」

いち早く、璃々の真似をする焔耶。

 

「やっぱ、まるくなったな。」

「・・・・・・・はい。」

 

 

 

 

 

――成都、玉座の間――

玉座の間と言っても仮設の天幕のようなもの。

城で焼け残ったのは倉庫・書庫・城壁・倉庫と書庫に隣接する一部の中庭のみ。

他は焼け落ちている。

 

「ごめん待たせた?」

「いえ、姜維さんも到着されてませんので。」

「なら良かった。」

「何をしてらしたのです?」

「璃々ちゃんと遊んでたんだよ。」

「あら、そうなんですか。」

 

「そんな趣味がありましたか。」

「桔梗、さすがに怒るぞ。」

「冗談では無いですか。」

「冗談に聞こえないよ。」

明らかに俺の反応を楽しんでいる桔梗。

最近そういう事がやたらと多い。

本人いわく、「わしに内緒事をしている」との事。

それを聞いて意外と可愛いとこがあると思った俺であった。

 

 

 

「報告します!所属不明の軍がここに向けて進軍してきます!数は十万を越えるかと!」

「なんじゃと?」

「こんな時に、諸侯かしら?」

「さすがに早すぎます。それに今我々と戦う意味がないはずです。」

 

「大丈夫。」

一人慌てず、冷静な様子の一刀。

 

「ご主人様?」

「俺を信じてくれ。その軍はきっと味方だから。」

「もしや、この間のですかな。」

「あの使者のところと言うことですか?」

「使者さんですか?」

「あぁ、運が良ければ姜維さんも一緒にその軍の中にいると思うよ。」

席を立ち、外に歩き出す。

「どこにいかれるのです?」

「出迎えなきゃね。新しい仲間をさ。」

「「「・・・・・・・・・・。」」」

嬉しそうな一刀に何も声をかえられず三人は黙って着いてくる。

「ありがとう。」

 

 

俺たちは外に出て、砂塵が舞うほうを見る。

「この速さ、騎馬隊ですね。」

「騎馬・・・・・・もしや?」

「あぁ、そのもしやさ。」

一糸乱れぬ行動で綺麗に並んでいく騎馬隊と歩兵隊。

 

そして全軍が並び終わり、

 

掲げた旗は馬の文字。

 

隊のなかから将と思われる者が単騎で六名でてくる。

 

その者達が己が得物を高らかと掲げると、

 

馬の旗が降り、

 

変わりに上がったのは、

 

 

 

北郷一刀の十文字の牙門旗。

 

 

 

「お館さま、これは・・・・・・・・」

「あぁ、涼州の人たちは俺たちに協力してくれるって。」

「ほぉー。」

「これは凄いわね。」

将と思われる人々が馬を降り、近づいてきた。

けど先程より数が多い。

「どうやら一緒に来たみたいだね。」

 

「久しぶりだね。」

初めに声をかけてきたのは涼州にこの人ありと言われた馬騰。

「いや凄かったよ。さすがって感じがするね。」

「そう言われるとやったかいがあるといもの。」

「もはやお主達が仲間になるとはの。」

「今度は友として互いに武を競おうではないか。」

「ふふっ・・・・・・・・そうするとしよう。」

 

「我ら、涼州の兵と将は約定にもとづき北郷一刀の配下となり、この身が滅びるまで忠義をつくす事を天に誓いましょう。」

馬騰が臣下の礼を一刀にとる。

それをきっかけに十万の兵全ても一刀に臣下の礼をとる。

「あぁ、こちらこそよろしく。」

「では改めて、我が名は馬騰・真名を翡翠(ひすい)。これから娘共々よろしくお願いする、我が主よ。」

「「「・・・・・・・・・・。」」」

一刀に見とれている馬三姉妹。

「ん?ほら!お前達も名を名乗らんか!」

 

「っは!え、えっとだな・・・・・・・馬騰が長子、名を馬超・真名を翠(すい)・・・・・・よ、よろしくお願いします・・・・・・・ご主人さま・・・・・・・・・・・・。」

 

「わ、私の名前は馬休・真名を雛菊(ひなぎく)って言うよ。・・・・・・・・よ、よろっ、しく・・・・・・お、お、お・・・・・・お願いします。」

 

「・・・・・・・・名が馬鉄・真名は姫百合(ひめゆり)。よろしくお願いします・・・・・・・・ご主人さま。」

 

「あぁ、こちらこそよろしく。」

一刀の固有能力・女殺しの笑み発動。

 

「「「・・・・・・・・・・・・。」」」

またも見とれる馬三姉妹。

 

「ん?どうかした?」

 

「ふふっ・・・・・・・・気にしないおいてくれ。後、この二人は我らに仕えてくれる者だが、我らにとっては家族も同然の者達だ。」

 

「蒲公英の名前は馬岱だよ。蒲公英が真名だからよろしくね、ご主人さま!」

 

「我が名は龐徳。真名を蒼(アオ)。我が忠義、全てあなたに捧げます。」

この前、一刀に使者として来た青い三つ編みの子。

 

「頼もしいな・・・・・・・二人は俺にとってもこれから家族だからよろしく。」

固有能力発動!

 

「「・・・・・・・・・・・・。」」

この二人も一刀によって篭絡されたのであった(笑)

 

 

 

「で、こちらが来る途中で合流した・・・・・・・。」

 

「姜維です。」

そこに現れたのは一刀が助けた黒髪の子。

 

「・・・・・・・君が?」

目を丸くし驚きを隠せない一刀。

 

「はい。えっとまた名乗るのを忘れていましたか?」

 

「あぁ・・・・・・・まぁうん。」

 

「これは、失礼なことをしました!」

頭を下げる姜維。

 

「それはこっちも悪いから頭を上げて。」

 

「はい・・・・・・・改めまして自分の名は姜維。真名を恵雨(エウ)です。それでこちらが・・・・・自分の一番の親友で軍師としても優秀な・・・・・・・・。」

 

「梁諸なのです。真名は涙(ルイ)なのです。」

恵雨(エウ)の後ろからヒョッイと姿を現す。

白髪のウェーブのはいった短い髪の小柄な少女。

そして頭に眼鏡を乗せている。

 

「ご主人さまには早速で悪いのですが、ご報告したいことがありまして。」

 

「何かな?」

 

「益州北方の漢中で、不穏な動きがあるのです。」

 

「不穏な動き?」

 

「はいなのです。昔は一つの邑だったのですが今は誰もいない場所にですね、盗賊とおもわしき集団がいるとのことなのです。」

 

「盗賊か。・・・・・・・でも普通とは違うと。」

 

「はいなのです。統率のとれた動きに統一された鎧。おそらくどこかの軍なのですが、様子がおかしいとのことなのです。」

 

「そうか・・・・・・・白!」

 

「・・・・・・・ここに。」

真名を呼ばれ、瞬時に一刀の前に現れる仮面の少女。

 

「さっきの話をもっと知りたいから調べてきて。」

 

「・・・・・・・御意。」

そしてまた瞬時に消えた。

 

「おぉ、随分と扱いになれましたな。」

「えぇ、私たちのご主人さまは女の扱いが上手いから。」

楽しんでいる桔梗と紫苑の笑顔に

「・・・・・・・勘弁してくれ。」

そう漏らす一刀であった。

 

 

 

そして、白の情報により漢中にいる者たちが判明する。

「董卓の軍だって?」

「・・・・・・鎧の特徴から董卓軍と思われますが、将と思われる者達に感づかれたため、それ以上の詮索は無理でした。」

「わかった・・・・・・ありがとう。」

「どうなさいますか?」

「ん~・・・・・・・・会いに行こうか。」

「お前は馬鹿か?」

きっぱりと言い切る焔耶。

「そんな事はわかりきってるだろ。」

追い討ちをかける嵐。

「酷い言われようだな俺。・・・・・・・大丈夫、会いに行くだけだし。」

「・・・・・・・・はぁわかりました。」

わかりやすい溜め息と不機嫌な空気をだす千里。

「・・・・・・・・・俺ってやっぱ駄目?」

 

「あぁ。」

「そうだな。」

「・・・・・・・・はい。」

 

「・・・・・・・・・・・ごめんなさい。」

 

 

 

 

俺たちが漢中へ行くことを決めて準備を進めているとき都では一つの動きが起きていた。

曹操が荀彧の手引きにより実質的に宮廷を支配下においたのである。

この事で曹操に反発したのが袁紹と袁術である。

今すぐにでも行動に移したいのだが、一つの邪魔な要因が存在した。

反乱軍である。

反乱軍は民に絶大なる支持を大陸で得ようとしている。

益州・雍州は反乱軍の手に落ち、涼州は反乱軍に降った。

今は荊州で反乱の動きがあるという。

諸侯は自分が治める地の民への人気取りで反乱軍と戦える力が無い。

下手をしたら自領で反乱が飛び火しかねないためだ。

反乱軍の事は今や大陸中に響き渡っているが、一刀の事はまだ誰も知らなかった。

これも千里や白の行動のおかげなのだが、この事が逆に曹操に対してつけいる隙をつくってしまう事になる。

 

「そう、まだ詳しい事はわからないのね。」

「はい、仕えている将の事は少しですが判明していますが・・・・・・・首謀者がまだ・・・・・・・・・。」

「なら結構。その方が動きやすいわ。」

「ですね、こちらとしては無駄な争いもなく益州の平定ができます。」

「そうね・・・・・・できるかもだけれども・・・・・・・・・劉備なら上手くやるでしょう。」

「では、使者を?」

「えぇ、お願いするわ。」

その場を去る荀彧。

 

曹操が今いる場所は玉座の間の玉座。

その玉座がある場所に上り座れるものは誰を除こう曹操のみ。

だが、その玉座の後ろに佇む影がある。

 

「・・・・・・・・これから私は覇を歩む。大陸を統一するわ。・・・・・・・・・・・・・・・それまで私を支えてね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・姉さま。」

 

影が動き僅かに顔が見える・・・・・・・その顔は曹操そのもの。

 

「・・・・・・・・・・えぇ、もちろんよ・・・・・・華琳。」

 

声も曹操そのもの。

 

「さて、益州州牧・劉備の働きにきたいしましょう。」

 

「・・・・・・・・ふふっ。」

 

「何がおかしいの?」

 

「・・・・・・・・変わってないのね。・・・・・・その癖。」

 

「何のことかしら?」

 

「好きなものを苛める癖よ。」

 

「っふ・・・・・・・当たり前よ。」

 

 

 

第十三話 完

 

 

 

 

キャラ設定

オリキャラのみキャラ設定を発表します。

馬騰

真名を翡翠(ヒスイ)。細かいこととは十話を参照してください。

 

馬休

真名を雛菊(ヒナギク)。

髪を二つにまとめている元気いっぱい、突進少女。

なぜか語尾に~よ。というのが付くのが口癖。

馬岱と仲がよく、恋愛事に興味津々だが姉とおなじぐらい初心。

一人称は私。

 

馬鉄

真名を姫百合(ヒメユリ)。

馬三姉妹の末っ子だが、上の二人の姉のせいかどこか素っ気無い。

何事にも興味が薄いように見られるが、実は恥ずかしいだけ。

馬岱と馬休のストッパーみたいな感じだが、経験の無さから直ぐにパニックになってしまう。

恋愛事に関しては初心である。

一人称は私。

 

龐徳

真名を蒼(アオ)。

全てにおいて、お堅い考えを持つ。

言動が少し古い。

忠義に熱く、翠とは一の親友である。

獲物の名は「銀光(ギンコウ)」と言う槍で、翠の槍とは姉妹槍にあたる。

一人称は某。

 

姜維

真名を恵雨(エウ)。

黒髪が綺麗な、カッコイイ子。

男か女かは今は内緒です。

一刀を心から尊敬している。

真面目な人物で一途なのだが、それが暴走することもしばしばある。

意外とおっちょこちょい。

一人称は自分。

 

梁諸

真名を涙(ルイ)。

不思議な感じのする子だが影が薄いというか、本人が目立つことを嫌う。

だが、軍師としての才は徐庶とならぶほどで、地道な努力の結果と言える。

口癖は~なのです。

誰かに似ている?ソレハキノセイデスヨ。

一人称は涙。

 

 

 

 

 

予告

まだ時代は動く。

 

人は歩む。

 

次回 心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第十四話 「動き 弐」

 

動く。

 


 
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