艦隊コレクション岩川基地
~00××鎮守府~
これは鎮守府の中でも性格に難があったり、性能が正規の者より大きく劣ったりと、難がある艦娘達の吹き溜まり・・・岩川基地00××鎮守府での一つの物語・・・
語り―北郷
響が帰還してから数日、響は工廠に入り浸りだった。俺は俺でそれを打開する策を考えるために海に出ていた。釣りって行動自体は精神集中にもってこいだったからな。餌なんて付いてない釣り針だけ付いた糸を海面に垂らしながら、考え続けた。
勿論仕事は有るからな、そこの所は片付けては居たよ。おかげで速攻仕事を片付けるスキルを身につけられたくらいだ。そんな時に浜である物を発見した。よく見るとそれは艤装だった。
すぐに工廠に居る妖精達に頼んで運んでもらったよ。どうやら海流に流されてたどり着いたみたいだった。赤城の発着甲板、金剛の外付けの41cm単装砲、大和の46cm三連装砲、大井と北上の改造魚雷61cm六連装酸素魚雷とよくもまあ流れ着いた物だと思ったよ。
それからさらに数日後、工廠から悲鳴が上がってきた。何事かと駆け付けると妖精達が慌てていて話にならなかったから、近くに居た大鳳に聞くと響が妖精達を追い出して工房に籠ったと言うじゃないか。
すぐにその理由は分かった。工房からふらふらと出て来た響の体は駆逐艦のそれじゃあ無かった。おそらく外付けで無理やり装甲を増やしたんだろう。重巡クラスまで体が大きくなってたんだ。
無論、無理をするなと止めたが、響は聞く耳を持たなかった。自分で何が出来るか、何をするべきか考えた結果だと、そう言われてしまっては俺自身も黙るしか無かったよ。響が自分で決めたことだからな。
響自身の考察した自分改造計画は書面にして提出する事を条件に了承し、その後俺はまた釣りに戻った。今度は響の報告に有った敵をどうするかという問題だ。岩川基地に打診しても納得のいく返答はもらえなかったからな。だったら俺がどうにかするしかない。そんな時に釣り針に有る物が掛かった。そのある物って言うのが・・・お守りだった。
裏面には金剛の文字が刺しゅうされていた。見間違える筈が無い。自分で作って自分で渡した物だからな。それから俺はそれこそ頻繁に釣りをするようになった。時折響の悲鳴が聞こえてくるがそれも仕方ないと釣り糸を垂らす毎日だった。
一年してまた釣れた。今度は北上と大井のお守りだ。あいつ等は沈んでも一緒なんだなと笑みがこぼれたもんだ。さらに三年たって大和のお守りが釣れた。もう偶然じゃない。あいつ等は此処に帰ろうとしてるんだと信じて釣り糸を垂らす毎日だ。響の改造も終わり、初春と叢雲が入って、それから旗艦たる者を何人か入れたが・・・それも長く続かなかった。
語り終わり
北郷「あれから七年。第二艦隊の旗艦にふさわしいと思われる戦艦が遂に見つかった。それが長門。お前だ。こんな鎮守府だ。まともに来たがる艦娘など居やしない。だからこそ、現在で最高で過去最強と思われる艦隊が出来たと思ってるよ。・・・・・・どうした?お前ら。」
初春「グズ、ごの、おばぼりび、ぞんなおぼいが、グズン、ごめられでいだなんでぇぇぇぇ!!」
叢雲「でいどぐ~~~。ばだじぜっだいしずばないよ~~~~」
長門「・・・グスン。」
北郷「うぉう!?そんな泣く事か!?」
大鳳「・・・まったく、思い出してしまったじゃないか。・・・提督のバカ」
ゆー「ズズ、提督は酷いよね。」
響「(顔真っ青)」
北郷「響は自分の改造の時思い出して顔を青くしてるな。そこは自業自得だろう。」
響「・・・そうだった。忘れてくれ、提督」
北郷「まったく・・・さ、辛気臭いのは忘れろ。お前らはお前らでやる事をやりきれ。俺は赤城の帰りを待って、待ち続けて、そして帰ってきたら・・・最後は皆で笑ってすごす未来を歩いて行こう。」
全員「「「「「はい!!!!」」」」」
北郷の言葉に全員が涙を拭き、敬礼を返す。そしてそれぞれが部屋に戻り、それぞれの思いを胸に眠りつく。そして夜は明け・・・鎮守府にサイレンが鳴り響く。敵艦隊接近の緊急警報である。
今回の登場人物
丸ペケ鎮守府提督―北郷
第一艦隊旗艦―響
第二艦隊旗艦―長門
第二艦隊装甲空母―大鳳
第二艦隊潜水艦―ゆー
第二艦隊駆逐艦―初春
第二艦隊駆逐艦―叢雲
岩川基地第00××鎮守府について
遂に語られるお守りの意味、そして鳴り響く警報。物語は徐々に終焉へと歩み出す。
あとがき
丸ペケ鎮守府に響く警報。出撃する長門達。そして一人お留守番の響。え?北郷提督?彼は相変わらず釣りです。
一刀「なんだろう、こうなった経緯を聞いてもサボりにしか見えない。」
まあ・・・一刀だからな。
一刀「どう言う意味だ!?」
警邏と書いてサボり。散歩と書いて性行為。食事と書いて女あさり。風呂と書いて混浴。上げればキリが無いが?
一刀「すんませんでした!!」
今日のゲストさんはあちらで貴方を白い目で見ていらっしゃいます。
一刀「え?」
黒子「(じ~~~~)」
一刀「男嫌いで有名な人じゃないですか、やだー」
黒子「やはり男は山猿ですのね。」
俺はそんな・・・
黒子「えっと・・・『ユウヤはロリコンなのですよ。はぅあぅあぅ!!(怒)』ですって。」
じゃ、あとはよろしく。羽生今行くよーーーーーーーーーーーーー!!!!
一刀「・・・どうしろと?」
黒子「では次回。二つの呂旗~現代史~第八話『体育祭騒動Ⅰ』ですの!」
一刀「お、同棲騒動は終わったのか?」
黒子「ま、全員揃って落ち着きを取り戻したって事ですの。」
一刀「そうか・・・それで黒子さん。」
黒子「なんですの?」
一刀「自分を抱きしめながら俺から距離を取るのだけは止めてください。」
黒子「ああ、さすがに傷付き・・・」
一刀「襲いたくなります。」
黒子「緊急退避!!(ヒュン)」
一刀「あ、逃げられた・・・仕方ない。(プルル)あ、美琴?一刀だよ~。黒子がお姉さまグヘへ今夜あたり襲う計画ですの。って言ってたよ。あ・・・切れた。もう・・・気が早いなぁ。冗談だって言おうとしたのに(ニヤリ)じゃ、皆さんまた次回~」
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第七話は北郷提督の語りとなります。
それでは本編どうぞ