～西クロスベル街道～

「喰らえっ！！」

「うふふ、遅いわね♪」

「おっと！」

オルディーネは最初に生身の二人を撃破する為にルイーネとパティルナに攻撃したが二人は軽やかに攻撃を回避し

「クスクス、後ろががら空きよ！―――パテル＝マテル！！」

「――――！」

その時パテル＝マテルが巨大な戦斧を異空間から召喚した後それを手に持ち、オルディーネ目掛けて振り下ろした。

「喰らうかよ！」

パテル＝マテルの背後からの奇襲に対してオルディーネは機体を側面に動かして回避し

「隙ありだぜ！！オォォォォォォ……クリミナルエッジ！！」

更に攻撃によって隙ができたパテル＝マテルに溜めによる一撃を放った。

「パトリオットフィールド展開！！」

「――――！」

「チィッ！直撃は避けやがったか！」

しかしパテル＝マテルが瞬時に展開した結界に攻撃を阻まれ、パテル＝マテルは結界越しに伝わってきた衝撃によって後ろへと後退させられた。

「行くよ！飛来刃―――円輪！！」

「グッ！？」

その時パティルナがオルディーネの脚の関節部分を攻撃してオルディーネを怯ませ、その隙を逃さないルイーネは軽やかな動きでオルディーネの機体を利用してオルディーネの頭上に現れて攻撃をした。

「フフッ、この一撃に耐えられるかしら？―――ハアッ！！」

「ガアアアアアアア――――ッ！？」

ルイーネが放った急所を貫くクラフト―――アヴォーヴで片目を攻撃されたオルディーネからはクロウの悲鳴が聞こえ

「うふふ、受けたダメージが操縦者に反映するなんて、不便な兵器ね♪―――パラレル・スティング！カドラプル・ペイン！！」

クロウの悲鳴を聞いたルイーネは目にも止まらぬ速さで細剣を振るって目の部分を集中攻撃した。

「まずは右腕をもらうよ！―――烈震斬！！」

更にパティルナが跳躍してオルディーネの右腕の関節部分に強烈な一撃を叩きつけ

「グアッ！？調子に乗ってんじゃねぇ！」

「甘いよ！アークス駆動――――」

左腕でパンチを繰り出したオルディーネの反撃を武器で受け止めながら吹っ飛ばされ、空中で受け身を取って地面に着地をした後既にオルディーネから降りてオーブメントを駆動させているルイーネに続くようにオーブメントを駆動させ始めた。

「パテル＝マテル！ダブルバスターキャノン！！」

「――――！！」

「グウッ！？」

二人がオルディーネを翻弄している間に砲口にチャージを終えたパテル＝マテルは凄まじいエネルギーを放ってオルディーネにダメージを与えた。

「これでも喰らえっ！！」

ダメージから立ち直ったオルディーネはクラフト―――ブレードスローを放ったが

「パテル＝マテル！」

「―――！」

パテル＝マテルは機体を側面に傾けて回避した。

「ハッ、まだ終わらねぇぜ！」

「え……な～んちゃって♪」

その時オルディーネは加速して戻って来たダブルセイバーを手にパテル＝マテルに一気に詰め寄り、オルディーネの行動にレンは呆けたがすぐに凶悪な笑みを浮かべ

「そこだぁっ！！」

オルディーネはパテル＝マテルの頭目掛けてダブルセイバーを振るった。しかしダブルセイバーの刃がパテル＝マテルに届く寸前で止まった。

「なっ！？オルディーネ、どうなっていやがるんだ！？」

「周囲ノ空間ノ呪縛サレタ為、稼働ニ支障ガ出テイル。恐ラクハ敵機体ノ操縦者ニヨルモノダト思ワレル。」

「何だと！？――――な。」

オルディーネの報告を聞いたクロウは己の身に秘められた力を解放して銀髪赤眼になったレンが真紅の瞳を妖しく輝かしている所を見て絶句し

「うふふ、さすがは”蛇の使徒”が使っていた呪術だけあって効果は抜群ね♪―――今よ、パテル＝マテル！！」

クラフト―――魔眼を発動してオルディーネの動きを止めているレンは妖しげな笑みを浮かべた後念話でパテル＝マテルに指示をした。

「―――――！！」

レンの念話による指示を受け取ったパテル＝マテルはダブルセイバーを持っていないオルディーネの左腕の手の部分を両腕で握りつぶし

「グアアアアアアアアア――――――ッ！？」

敵を両腕で握り潰して圧死させる残虐なクラフト―――――ギガントプレスによってオルディーネの左手は完全に破壊されてしまい、左腕は使い物にならなくされてしまった。

「そのまま吹っ飛ばしなさい！」

「―――――！」

「グッ！？」

そしてパテル＝マテルは体当たりをしてオルディーネを吹っ飛ばした。

「塵も残さず燃えちまいなぁっ！ロードインフェルノ！！」

「うふふ、幾ら騎神と言えど、この連携に耐えられるかしら？エンドオブワールド！！」

「ガアアアアアアア――――ッ！？」

その時それぞれのオーブメントの駆動を終えたパティルナとルイーネは最高位アーツを発動した。するとオルディーネの頭上の右からは覇王竜が現れて灼熱の炎を放ち、左からは氷の女王が現れて絶対零度の吹雪を解き放ち、二つの最高位アーツを同時に受けたオルディーネからはクロウの悲鳴が聞こえて来た。そこにアーツを放ち終えたルイーネが一気に詰め寄り―――

「恐怖に慄きなさい。サヨウナラ♪」

膨大な殺気と闘気を纏い、胴体の急所の部分を次々と攻撃した！

「ぐああああああああっ！？ち、畜生……！こんな所で倒れる訳には……いかない……んだよ………！」

急激な温度変化によって一時的に装甲の防御が著しく下がったオルディーネから伝わって来る急所を攻撃された時に感じる気を失ってもおかしくない激痛にクロウは悲鳴を上げながら何とか反撃の機会を練っていた。

「出し惜しみはしない！超飛来刃………爆炎斬！！」

するとその時武器に闘気によって発生した膨大な炎を纏ったパティルナが跳躍して胴体の部分を攻撃した！

「ガアアアアアアア――――ッ！？」

パティルナが繰り出した強烈な攻撃に耐えきれなかったオルディーネの装甲は破壊されて核（ケルン）の部分を剥き出しにしてしまい、仰向けに地面に倒れた！

「ハア、ハア……クソッ、仕方ねぇ……！―――オルディーネ、この場から離脱しろ！」

度重なるダメージによって疲労困憊になっていたクロウは戦場からの離脱を判断してオルディーネに指示をし

「承知シタ―――――ガッ！？」

クロウの指示に答えたオルディーネは立ち上がって離脱をしようとした。しかしその時側面から砲撃が放たれ、砲撃を受けたオルディーネは怯んだ！

「砲撃だと！？一体どこから――――！！」

突然の攻撃に驚いたクロウが周囲を見回すと何と街道側にエルミナ率いる”アハツェン”や銃を持つ”ドラッケン”や”シュピーゲル”、更には”ゴライアス”が並んでいた！

「あ、エル姉！山道の戦いは終わったの！？」

「ええ！マインツ山道だけでなくクロスベルに通じる街道全てに展開している国防軍の無力化並びに猟兵達の殲滅を完了し、各部隊はクロスベルを徘徊している魔導兵器の殲滅やオルキスタワー奪還作戦の為に動いています！」

「うふふ、思ったより早く終わったわね♪―――それじゃあ、エルちゃん。止めは任せるわね♪」

パティルナの質問に答えたエルミナの話を聞いたルイーネは微笑みながらエルミナに指示をした後パティルナと共にオルディーネから距離を取った。

「はい！―――これよりあの蒼い巨大人形兵器を撃破する！総員、構え！」

「ハッ！」

そしてエルミナの指示によって街道側に展開されている戦車や機甲兵、更にライフルを持つ歩兵は全て砲口をオルディーネに向け

「やめろ……やめてくれ……」

「―――総攻撃（オールアタック）！！弾幕を決して絶やさず、破壊するまで撃ち続けなさい！！」

エルミナはオルディーネに双剣の刃を向けて号令をかけた！

「イエス・マム！！」

「パテル＝マテル！最終殲滅（ラストジェノサイド）モード発動！！」

「―――――！！」

「やめろ―――――ッ！！」

クロウが悲鳴を上げたその瞬間街道側に展開されている全ての兵器の砲口が火を噴いてオルディーネに怒涛の砲撃による集中攻撃をした！

「ハハ……これが内戦を引き起こして、仲間達を裏切った愚か者への女神の天罰ってやつなのか……畜生……！”約束”を守れなくてすまねぇ、リィン……！」

今までの戦闘によって蓄積したダメージでもはや操縦する体力も残っていなかったクロウは寂しげな笑みを浮かべた後悔し涙を流し始め

「……スマヌ、クロウ。我ハココマデダ。セメテオ前ダケデモ――――」

するとその時オルディーネの声が聞こえた後クロウは光に包まれ

「オルディーネ！？まさか――――」

光に包まれたクロウが驚いたその時クロウはオルディーネによって無理矢理街道側に降ろされた。

「オルディーネ――――――――――ッ！！」

街道に降ろされたクロウは呆けた後集中攻撃され続ける事によって機体のあらゆる場所から連鎖する爆発を起こし続けるオルディーネを見て悲鳴を上げ

「ダブルオメガバスターキャノン発射！！」

「―――――！！」

「サラバダ、クロウ…………」

そして銃撃や砲撃の嵐の中に放たれたパテル＝マテルの膨大なエネルギーをその身に受けたオルディーネは大爆発を起こして完全に破壊された！

と言う訳でオルディーネはエルちゃんが連れて来た警備隊の砲撃の嵐と止めにパテル＝マテルのエネルギー砲を受けてスクラップになりましたｗｗそしてお気づきと思いますが今回の戦いでも急激な温度変化によってオルディーネは大ダメージを受けましたｗｗ