No.78622

華雄の真名 後編

komanariさん

遅くなってしまいました。

期待してくださっていた皆様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

すみませんでした。

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2009-06-12 20:19:49 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:8484   閲覧ユーザー数:6531

~華雄回想~

 

「父上!今日も椿に稽古をつけてください!!」

 

私がまだ張飛と同じくらいの年だったころ、父上に頼んで毎日武芸の稽古をつけてもらっていた。

 

「よ~し、椿。今日もビシバシ稽古をつけてやろう!」

 

父上はそう言って笑顔で私に稽古をつけてくれていた。

 

「はいっ!!」

 

私はそんな毎日が大好きだった。

 

「椿は稽古をつけて何になりたいんだ?」

 

「父上より強くなります!!」

 

「はは。そーか。」

 

毎日の稽古も、少しでも強くなるとすぐに褒めてくれる父上も、私は大好きだった。

 

武官として活躍して、父上に喜んでもらいたい。

 

そう思って私は毎日稽古をしていた。

 

そのおかげか、同年代で周りに敵はいなかったし、年上の大人たちにも勝てた。

 

しかし、強くなった代わりに、友人と呼べるような者はいなかった。

 

はじめのうちは、父上に喜んでもらえるだけでよかった。

 

だが、父上の他にも私を認めてくれる大人が出てきた。

 

そうした大人たちは、漢王朝につかえる武官や文官などだったが、父上以外の人にも喜んでもらえることが、私はとてもうれしかった。

 

いつしか私は、父上に認められることより、こうした大人たちに認められることを目標とするようになった。

 

そうした私を見て父上はあまりいい顔をしていなかった。

 

 

しばらくして、私を認めてくれる大人たちの勧めもあって、漢につかえる武官となり洛陽で働くようになった。

 

武官となった後も、私は活躍をつづけ、その度に私を認めてくれる大人たちも喜んでくれた。

 

しかし、それは私が勝ち続けている間だけだった。

 

朝廷からの命令で、江東の孫堅を討伐に向かった時、私は初めて負けた。

 

武力では孫堅に後れを取らないと思っていたが、私は孫堅に大敗した。

 

私にとっては初めての敗北だった。

 

それまで、負けたことがなかった私にとって、それはとてつもない屈辱だった。

 

しかし、本当の意味での辛かったのはその後だった。

 

討伐失敗の報告が役人たちに届き、私が帰った時には、すでに周りも者たちが皆、私が負けたことを知っていた。

 

それまで私を認め、褒めてくれていた者たちもそのことを知っていた。

 

これまでなら、私が帰ってくると我さきにと褒めてくれていた者たちが、誰ひとりとして出迎えてはくれなかった。

 

私が話しかけても、そっけない返事しかしなくなっていた。

 

それまで私を褒めてくれていたのに代わって、今度は何進を褒めるようになっていた。

 

悔しかった。

 

ただ、一度負けただけで皆が私を褒めてくれなくなった。

 

悔しくて、悔しくて、それまで以上に鍛錬を行った。

 

そして、名誉挽回の機会を得るために、何度も討伐に行かせてくれと頼んだ。

 

しかし、その願いが認められることはなかった。

 

私が行きたいと言っても、

 

「その討伐には何進殿に行ってもらうことになった。」

 

と言われるだけだった。

 

そう言われるたびに、私は自分の力が足りないのだと思い、鍛錬の量を増やした。

 

ただ強く、皆に認めてもらえるように、ただ強くなろうと思った。

 

そんなある日、私が城内を歩いていると、聞いたことのある話声が聞こえた。

 

「いやはや、何進将軍は使えますな。」

 

少し近づいてみると、昔私を褒めてくれていた文官と武官が話をしていた。

 

「まったくです。肉屋の娘でも、あのように使える駒は本当に便利です。」

 

『駒』とそう武官は言った。

 

「しかし、昔の駒が最近うるさくてかないません。」

 

武官がそう言って笑うと、文官も笑った。

 

「あぁ、華雄とか言う駒ですな?昔は皆で持ち上げたものでしたが、孫堅ごとき逆臣に負けるようでは使い物になりませんからな。」

 

私は頭に血がのぼり、二人の所に殴りかかりに行こうと思った。しかし、

 

「いや、あの者は仕方がないのですよ。何せ咲き誇った後には首が落ちるのが、あやつの定めですからな。」

 

武官がそう言って笑った。

 

「そう言えばそうでしたな。あやつの真名は、首が落ちるのでしたな。」

 

そう言うと、二人はお互いに笑いあって、どこかに歩いて行った。

 

私は二人の話を聞いて、先ほどまで頭に上っていた血の気がサァーっと引いて行った。

 

「・・・・・・」

 

私はしばらく、その場に立ち尽くしていた。

 

 

数日後、私は洛陽を離れ、故郷の関西に帰った。

 

その道中、私は自分の真名のことばかり考えていた。

 

「椿の花は咲き誇ったあと、首を落とす」

 

幼いころは大好きだった自分の真名が、その時の私には、途方もなく悪いものにしか思えなかった。

 

「おぉ、椿。よく帰って来たな。疲れただろう、さ、中に入れ。」

 

家についた私を父上はそう言って迎えてくれた。

 

家の中にいた年老いた侍女が、父の声を聞いて外に出てきた。

 

「華雄お嬢様がお帰りになられたのですね!すぐに夕食の支度をいたします!」

 

侍女はそう言うと、うれしそうに家の中に戻って行った。

 

父上と2人だけになった時、私は父上に聞いてしまった。

 

「・・・・父上は、なぜ私にあのような真名をつけたのですか?」

 

家の中に入ることなく、私はそう言ってしまった。

 

「・・・・何かあったのか?」

 

父上は心配そうに私を見た。

 

「父上が・・・・父上が・・・・」

 

私は洛陽で感じた怒りを、父上にぶつけようとしていた。

 

「父上があのような真名を私につけなければ、私は武官として活躍ができたのですっ!!」

 

そう叫んだ私を父上は驚いた顔をして見ていた。

 

「あのような真名のせいで、私がどれだけ鍛錬を積んでも、どれだけ強くなっても、私はもう認めてもらえなくなったのです!一度負けたら・・・・一度首を落としたら、もう私は認めてもらえない・・・・」

 

父上はそんな私を、見つめていた。

 

「私がどれだけ武の磨こうと、この真名がある限り、私は認めてもらえない・・・・、いくら強くなろうと、この真名が私を縛りつけるのです・・・・・。この真名がある限り、私は何度も首を落とし、武の高みには近づけないのです!!」

 

私は流れでる涙を拭うことなく、そのまま言いつづけた。

 

「私が皆に認められるために、武の極みに到達するために、邪魔になるような真名だったら、私はいらない・・・、私は・・・・・・・・」

 

この先を言ってしまったらもう後には戻れない気がした。

 

それでも、私は言葉を止めることができなかった。

 

「私は・・・・真名を捨てます・・・・・」

 

「・・・・・」

 

父上はしばらく黙ったまま私を見つめていた。

 

「・・・・お前は、武を極めてどうするつもりなのだ?」

 

父上はそう静かに聞いた。

 

「・・・・私が、最強であることを天下に知らしめます・・・・」

 

認めてくれる者がいなくなり、私に残されているのは武力だけだった。

 

武を極め、その力を天下に認めさせること以外に、私は何も考えていなかった。

 

「天下に知らしめた後はどうするのだ?」

 

「・・・・・・・」

 

父上の言葉に、私は答えることができなかった。

 

「椿、お前はその武で何をしたいのだ!?」

 

「っ!!」

 

父上の言葉に、私は一瞬、身を縮めた。

 

「・・・・・・・さい・・・」

 

「椿、今なんと言った?」

 

しかしその時の私には、そうした父上の問いかけが、私の武を否定しているようにしか聞こえなかった。

 

私に唯一残された武を否定しているように。

 

「うるさい!!!」

 

自分に残されている武を否定されてしまったら、私には何も残らない、そう思う恐怖心が私にそう叫ばせていた。

 

「椿・・・・」

 

父上はそう叫ぶ私を静かに見つめていた。

 

「・・・・っ!」

 

私は荷物も持ったまま、その場から駆け出した。

 

「椿!!」

 

父上がそう呼ぶ声も無視して、私はそのまま走り続けた。

 

 

 

 

~華雄視点~

 

私はそこまで話終えてから、大きく息をついた。

 

「その後は、天水で私を拾ってくださった董卓様にお仕えした。まぁ、お前たちに敗れるまでだがな。」

 

私がそう言うと、北郷は少し考えを巡らせているようだった。

 

「「・・・・」」

 

少しの間、沈黙があたりを包んだ。

 

「・・・・それで、華雄は武で何をしたいか見つけられたの?」

 

北郷が静かにそう聞いた。

 

「・・・・・私にはまだ見つけることができていない。」

 

あの時は、ただ反発することしかできなかった質問に、私はすんなり答えていた。

 

「・・・そう。」

 

北郷はそう答えると、自分の手を見つめた。

 

「俺はさ、この前初めて人を殺したんだ。この手で・・・・」

 

私は北郷の言葉を静かに聞いていた。

 

「それはさ、自分が強くなりたいって思ったからじゃない・・・・。五胡のやつを憎いと思ったからじゃない・・・・。命を・・・華雄を守りたいって思ったからなんだ・・・・・・。」

 

北郷は自分の手を下ろし、私を見つめた。

 

「・・・・華雄は何で鈴々・・・張飛があんなに強いか知ってるか?」

 

「・・・・才覚があるからか?」

 

そう言った私に、北郷は静かに首を横に振った。

 

「確かに才能もあるけど、張飛は、あの力を力ない人々を守るために使おうとしているから強いんだ。」

 

北郷はそう言うとふっと表情を緩めた。

 

「張飛だけじゃない。関羽や他の娘たちも、みんな何かを守りたくて、それで自分の力を使っているんだ。」

 

私は北郷の言葉を待っていた。

 

「だからいつか・・・・・、いつか華雄にもその武を使うべきものが、守るべきものが見つかるといいね。」

 

なぜだかはわからなかったが、北郷の言葉は私の心の中にスッと入ってきた。

 

「・・・・あぁ。」

 

私は自然にそう答えていた。

 

「あと・・・・」

 

不意に北郷がそう続けた。

 

「俺はいい真名だと思うよ。華雄の真名。」

 

そう言ってほほ笑んだ北郷の顔に、なぜだか私は癒されていた。

 

「花は落とすけど、椿の木はちゃんと種を残しているし、寒い冬の中でも頑張って咲き誇ってる。俺はそんな椿が好きだけどな。」

 

北郷は椿の木のことを言っているのに、なぜだか私のことを「好きだ」と言われているような気がした。

 

(・・・・わ、私は真名を捨てたのだ!)

 

そう必死に思って、赤くなっているのがばれないように、私は顔を伏せた。

 

「・・・・・ねぇ、華雄の故郷って関西なんだよね?関中の西の。」

 

北郷がそう聞いてきた。

 

「・・・・あぁ、そうだが?」

 

「一応関西も蜀の領内だから、次はそっちに向かってみようと思うんだけど、どうかな?」

 

北郷の言葉に私は少し戸惑ったが、すぐにその問いに答えた。

 

「五胡がいつ襲ってくるか分からんからな。ついて行ってやろう。」

 

「ありがと。」

 

そう言って笑う北郷に、私も笑顔になっていた。

 

 

 

「すっかり寒くなったな。」

 

そう北郷が言うとおり、山を歩く私たちの頬を撫でる風は、すっかり冷たいものになっていた。

 

「旅を始めてもう2ヶ月だもんな・・・・・、もうじき冬かぁ。」

 

一刀はそう言いながら、外套の中の肩を縮めた。

 

私が北郷と出会ったのが今から約1ヵ月半前、その時は蜀の中でも南西のあたりにいたが、その頃はまだ秋の中頃だった。

 

しかし、今は関西に向かうため蜀の北部に来ており季節も秋の終わりだ。

 

「華雄。あとどれくらいで着くの?」

 

北郷がそう聞いてきた。

 

「あと少しだ、あの峠を越えてしばらく行ったところにある。」

 

私がそう答えると、北郷は

 

「わかった。」

 

と言って、自分に気合を入れなおしているようだった。

 

(あの峠を越えたら、父上がいる・・・・。どんな顔をして会えばいいのか・・・・)

 

ふとそんなことを思っていると、北郷が話しかけてきた。

 

「・・・大丈夫だと思うよ。華雄のお父さんも、華雄に会いたがってると思うし。」

 

「なっ!」

 

突然そう言われた私は、思はずそう声を上げてしまった。

 

「華雄の顔に、『心配』って書いてあったからさ。」

 

「・・・・っ(///)」

 

笑いながらそう言う北郷に、私は顔を赤らめていた。

 

「は、早く峠を越えなければ、日が暮れてしまうぞ!」

 

「ふふ、はいはい。」

 

恥ずかしさを紛らわすために私がそう言うと、北郷は笑った。

 

 

 

「ここが華雄の故郷?」

 

峠を越えて、町についたのはその日の夕方だった。

 

「・・・あぁ。」

 

あの日、家を飛び出してから一度も来ることがなかった故郷は、夕陽の紅に染まっていた。

 

「それじゃ、華雄のお父さんに会いに行こうか。」

 

町に入ると、北郷がそう言いだした。

 

「も、もう夕暮時だ。今から訪ねては迷惑だろう。」

 

私がそう言うのを聞かず、北郷は私の腕を引っ張った。

 

「自分の家なんだから、迷惑とか言わないの!それに、ずっと前に出てったままなら、お父さんもきっと会いたがってると思うし!」

 

北郷に引っ張られるまま、町の中を歩いていると、ふと北郷が立ち止った。

 

「・・・どうしたのだ?」

 

私がそう声をかけると、北郷が私に聞いた。

 

「・・・・それで、華雄の家にはどうやって行くの?」

 

少し恥ずかしそうにそう聞く北郷が面白くて、私は少し笑った。

 

「ふふ・・・・・。」

 

父上に会うことへの不安が少し薄れたような気がした。

 

(本当に不思議なやつだ。こちらの不安など、どこかに放り投げてしまう。)

 

「な、笑うことないだろう!?」

 

北郷が顔を赤くしていた。

 

「ふふ・・・、すまんな。そこの角を右だ。」

 

私がそう言うと、北郷は恥ずかしさからか、すぐに歩きだした。

 

(本当に不思議なやつだ・・・・。)

 

私は北郷の後を追いながら、そう思っていた。

 

初めて会った時は私に食事を分け与え、次に会ったときには私の命を救った。

 

人を殺めたことにずっと心を痛めながらも、その原因である私を一度も責めない。

 

むしろ私のことを気遣い、北郷と一緒に旅をした1ヵ月半の間、私はいつも穏やかな気持ちでいられた。

 

「華雄。つきあたりなんだけど、ここはどっちに曲がるの?」

 

先を歩いていた北郷が、こちらに振り向いてそう聞いてきた。

 

「・・・左だ。しばらく直進すると、茶屋があるからそこを右だ。」

 

「わかった。」

 

私が道順を説明すると、北郷はまた歩きはじめた。

 

(あの時。私が孫堅に敗れた時に、北郷が私の近くにいたら、今とは別の人生を歩んでいたのだろうか・・・)

 

外套を着た北郷の背中を追いかけながら、私はふとそんなことを思っていた。

 

 

「茶屋の角を右っと・・・・。」

 

そう言った北郷の後について右に曲がると、あの日飛び出した家が目に入ってきた。

 

「・・・・あの家?」

 

「あぁ・・・・・。」

 

久しぶりに見る実家は、どこか寂しさに覆われているようだった。

 

「「・・・・・」」

 

家の前まで来て私たちは立ち止まり、少しの間黙っていた。

 

家の庭には少し雑草が生え、家も私が出て行った日よりも少し荒れているような気がした。

 

(父上・・・・・)

 

胸の奥に強い不安を感じた。

 

それは、先ほどまで感じていた不安とは違うものだった。

 

「あ、あのぅ・・・・」

 

ふと後ろから声をかけられた。

 

「そちらのお宅に何か御用でしょうか?」

 

どこか聞いたことのあるその声の方に、私と北郷は振り返った。

 

「・・・あなたは?」

 

振り返ったところにいた老婆に、北郷は訪ねた。

 

「私はそちらの家で侍女をしていた者でございます。あなた方・・・・は・・・・」

 

老婆は私の顔を見て、驚いた顔をした。

 

「まさか・・・・、華雄お嬢様・・・・・・・ですか?」

 

そう言う老婆の顔をよく見ると、あの日夕食の支度をすると言って家の中に入って行った侍女の顔だった。

 

なぜか、先ほど感じた不安が大きくなった。

 

「華雄お嬢様・・・・、生きておられたのですね・・・・・・。」

 

そう言って涙を流す侍女に、私は聞いた。

 

「父上は・・・・・・・?」

 

すると、侍女は泣きながら答えた。

 

「旦那さまは、つい半年ほど前に・・・・・亡くなられました。」

 

(亡く・・・・なった・・・・・・)

 

その言葉を聞いて、その場に崩れ落ちそうになる私を、後ろから北郷が支えた。

 

 

「旦那さまは、華雄お嬢様が家を出ていかれてから、ずっとお嬢様のことを気にかけておいででした。」

 

侍女が続けて話始めた。

 

「お嬢様が董卓様の所で働いているという報せが届いた時には、それはそれは安心したお顔をしておられました。・・・・・しかし、董卓様を倒そうという連合との戦いで、お嬢様が打ち取られたという噂を耳にしてからは、毎日不安そうなお顔で、昔のお知り合いの方々に、お嬢様の安否をご存じないかと、何通も手紙を出しておいででした。」

 

私はあふれてきそうになる涙を必死にこらえていた。

 

「手紙を出しても、帰ってくる返事は少なく、お嬢様が生きておられるという報せもありませんでした。それでも旦那さまは、お亡くなりになる間際でも、お嬢様が戻ってくるかもしれないから、家の手入れを頼むっとおっしゃっていました。」

 

侍女はそこまで言うと、自分の顔を手で覆い泣いた。

 

「・・・・・お婆さん。華雄のお父上のお墓はどこにあるんですか?」

 

北郷は私を支えながら、侍女に聞いた。

 

「・・・・・華家代々の墓がある、町はずれの丘でございます。」

 

その答えを聞くと、北郷は小さな声で私に聞いた。

 

「その場所、わかる?」

 

私は小さくうなずいて答えた。

 

「お婆さん、これから華雄を連れてそのお墓に行ってきます。今日はこの家で休みたいと思うのですが、いいですか?」

 

北郷がそう聞くと、侍女は大きくうなずいた。

 

「もちろんでございます。ここは華雄お嬢様の家なのですから・・・・」

 

あふれる涙を手で拭いながら侍女はそう答えた。

 

「ありがとうございます。・・・・・華雄、行くよ。」

 

北郷はそう言うと、そっと私の手を握った。

 

「どっちに向かえばいいの?」

 

優しく問いかける北郷の声に、私は無言で墓のある方を指さした。

 

「・・・・わかった。」

 

それだけ言うと、北郷は私の手を引いて歩きはじめた。

 

 

しばらく歩き、墓の前についた時には、空にはかけた月が輝いていた。

 

「・・・ここ?」

 

そう聞く北郷に、私は頷いて答えた。

 

「「・・・・・・」」

 

少しの間、静寂が辺りをつつんだ。

 

その間も、北郷はずっと私の手を握り続けていた。

 

冷たい夜風が吹く中で、その手だけが暖かかった。

 

「北郷・・・・・・。背中を貸せ・・・・・・・・・。」

 

私がそう言うと、北郷は静かに

 

「いいよ。」

 

と答えた。

 

・・・・・トン

 

私は静かに、北郷の背中に頭を置いた。

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

再び沈黙があたりをつつんだ。

 

先ほどまでこらえていた涙があふれて来た。

 

「父上は・・・・・いつも私を褒めてくれていた・・・・」

 

「・・・・うん。」

 

私が話し始めると、北郷は小さく相槌を打った。

 

「父上に褒められるのが嬉しくて・・・・ただそれだけで、私は武の道を歩み始めた・・・・」

 

(「もうそんな技まで出来るようになったのか!椿はきっと、天下無双になれるぞ!」)

 

そう笑いながら幼い私を抱き上げる父上の顔が頭の中に浮かんで、淡く消えた。

 

「それだけでよかったのに・・・・、私はいつしか勘違いをして・・・・・」

 

他の者に褒められることが嬉しくて、私を認めてくれる人たちに褒められたくなって、私と父上の距離は少しずつ離れて行った。

 

「周りに乗せられて、いいように使われて、捨てられて・・・・・・、それを父上のせいにして・・・・」

 

あの日父上にぶつけた怒りは、周りにいいように使われてしまった私自身への怒り。

 

それを父上にぶつけて、父上の付けてくれた真名を捨てて・・・・。

 

「それだけでも飽き足らず、父上に多くの心配をかけ・・・・、謝ることもできずに・・・・」

 

父上は死んでしまった。

 

私が旅などをしている間に、父上から聞かれたことに答えることもできないまま、私は父上を失ってしまった。

 

(「お前はその武で何をしたいのだ!?」)

 

「何も、答えることができないまま・・・・」

 

冷たい風が私の体を凍えさせた。

 

止めることのできない涙と北郷とつないだ手だけが、熱かった。

 

「うぅ・・・・」

 

言葉が出ずに、私はただ涙を流した。

 

「・・・・・・・・華雄。」

 

北郷が背中を向けたまま話しかけた。

 

「お父さんに、謝りたかったんだろ?」

 

そう問いかける北郷に、私は答えることができなかった。

 

「すぐそこに眠ってるんだから、ここで謝ってみたらどう?」

 

北郷はやさしく言った。

 

「・・・・・・・・・ね?」

 

こちらを振り向いてそう言うと、北郷は私を墓の前まで引っ張った。

 

涙を拭い足元を見ると、少し小さめの墓石があった。

 

「このお墓が一番新しそうだから、たぶんここだと思う。」

 

北郷はそう言うと、つないでいた手を放して、私の後ろに立った。

 

「さぁ、華雄。しゃきっとして!」

 

そう後ろから言う北郷の声が、どこか父上に似ていたような気がした。

 

(父上・・・・)

 

私は墓石の前に跪き、その墓石を見つめた。

 

「・・・・・・・・・」

 

北郷も私の後ろで、跪いた。

 

「父上・・・・・」

 

私の中にあった、父上に言いたかったいくつもの言葉を思い浮かべた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

(すみません・・・・。うまく・・・まとめられそうにありません。)

 

心の中でそう父上に詫びたあと、私は大きく息を吸い込んだ。

 

「―、申し訳ありませんでした!!!」

 

いくつもの思いを乗せて私はそう叫んだ。

 

あなたの問いに答えることができなくて、

 

真名を捨てるなどと言って、

 

たくさん心配させてしまって・・・・・、

 

他にもたくさんある謝りたいことを、私はその一言にこめた。

 

 

・・・・ビュゥゥンッ!!

 

 

一迅の暖かく強い風が私たちのいる丘を通り過ぎた。

 

「父上・・・・」

 

私にはその風が父上のように思えた。

 

「・・・よかったな華雄。お父さんも許してくれてるみたいで。」

 

後ろにいた北郷がそう言った。

 

「なぁ、北郷。ひとつ頼みがある・・・」

 

「何?」

 

私が風の通り過ぎて行った方を見つめながら聞くと、北郷がそう答えた。

 

「私の真名を・・・・呼んでくれないか?」

 

「っ!・・・・・・・・・わかった。」

 

北郷は少し間を置いたあと、私の真名を呼んだ。

 

「・・・・・・椿。」

 

その声が、幼い日に聞いた声と重なった。

 

(「椿。」)

 

「うぅ・・・・、うぁぁああぁぁぁっ、うわぁぁぁああぁぁ・・・・」

 

感情を抑えることができずに、私は座ったままの北郷に抱きついて泣いてしまった。

 

「・・・椿。」

 

そんな私の頭を撫でながら、北郷はもう一度私の真名を呼んだ。

 

その声が優しくて、私の頭をなでる手が温かくて、私は北郷の腕の中に包まれながら、ただただ泣いた。

 

 

私が泣きやんでから北郷は立ち上がり、来た時と同じように、私の手を引いて家まで帰った。

 

家につくと、先ほどの老婆が夕食の支度をしていてくれていた。

 

私と北郷は外で冷え切った体を、その夕食で温めた。

 

「それでは、また明日の朝に参ります。」

 

そう言って年老いた侍女は家を出て行った。

 

「ありがとうございます。」

 

と言って北郷は頭を下げた。

 

 

「・・・・なぁ華雄。俺はどの部屋で寝ればいいんだ?」

 

しばらくしてから北郷がそう聞いてきた。

 

「客間があるからそこで休んでくれ。」

 

私がそう言って客間に案内すると、

 

「久しぶりに布団で寝られる。」

 

と言って嬉しそうに部屋に入って行った。

 

「それじゃ、おやすみ。」

 

そう言って北郷が扉を閉めた後、私は自分の使っていた部屋へと向かった。

 

 

ギィ・・・・・

 

そっと扉を開けると、部屋の中は昔のままで、埃っぽくもなかった。おそらく、あの老婆が定期的に掃除してくれているのだろう。

 

「・・・・・・」

 

そのままじっとしていると、昔のことを思い出して泣いてしまいそうだったから、私はすぐに布団に入った。

 

 

 

私の視線の先には、小さな銀髪の少女とその父親らしき男がいた。

 

「椿は稽古をつけて何になりたいんだ?」

 

それは、私がまだ幼い頃の記憶。

 

「父上より強くなります!!」

 

そう答えた私に父上は笑っていた。

 

「はは。そーか。」

 

私を抱き上げた父上は、やさしい顔で続けた。

 

「俺よりも強くなって、それで椿はどうするんだ?」

 

それは、長い間ずっと忘れていた記憶。

 

「父上より強くなって、それでりっぱな武官になります!」

 

「そーか。じゃあ、立派な武官になった後はどうするんだ?」

 

そう笑顔で聞く父上に、私は悩んでいた。

 

「うーん・・・・・・、わかりません!」

 

そう私が答えると、父上は笑った。

 

「ははは。椿らしいな。」

 

そう言って私の頭をワシワシと撫でると、父上はやさしく言った。

 

「いいか?椿、よーく聞くんだぞ?」

 

「はいっ!」

 

「いい武官って言うのはな、ただ強いだけじゃダメだ。強くて、それで正義を持ってなきゃいかん。」

 

「正義??」

 

「そう、正義だ。強い力を何に使うのかをいつも考えて、それでみんなの役に立つように、自分の大切な人が笑っていられるように、自分の力を使うことだ。」

 

「なら椿は、父上が笑っていられるように力を使います!」

 

「そーか、そーか。椿は俺のために力を使ってくれるのか。」

 

「はいっ!」

 

「それなら、早く俺より強くならないとな。」

 

「はいっ!早く父上より強くなって、父上をお守りします!」

 

「俺を守るか。そうだな、いつか椿に守ってもらいたいものだな。」

 

「すぐに守って見せます!!」

 

「ははは、そうだな。それじゃあ、稽古の続きをするか!?」

 

「はいっ!」

 

そう言って楽しそうに笑うと、二人は遠くの方へ歩いて行った。

 

 

 

「夢・・・・・か。」

 

目を覚ました私は、涙を流していた。

 

「今頃になって思い出すとはな・・・・」

 

静かに流れていた涙をぬぐって、私は自分を笑った。

 

外を見ると、夜闇に包まれていた空が、少しずつ明るくなってきていた。

 

(そう言えば北郷も言っていたな、守るべきものが見つかるといいな、と・・・・。まったく、何から何まで、父上と似たことを言う奴だ。)

 

そんなことを思いながら私は少し笑った。

 

「・・・・・・自分の力を大切な人のために使う・・・・」

 

夢の中の父上が言っていた言葉を小さく声に出した後、私は家を出て、父上の墓に向かった。

 

 

墓のある丘につくと、そこには北郷がいた。

 

外套の下にわずかに見える服が、わずかに残る月明かりを受けて白く輝いていた。

 

「北郷。どうしてこんな所にいるのだ?」

 

私がそう聞くと、北郷がこちらを振り返った。

 

「華雄・・・。少し早く目が覚めちゃったからさ、散歩でもしようと思って。」

 

そう言って笑う北郷の足もとにある父上の墓には、まだ咲く季節ではないはずの椿の花がそっと置かれていた。

 

「・・・・・・それは?」

 

私が椿の花に気づき、そのことを聞くと、北郷は少しばつが悪そうに頭をかいた。

 

「・・・・早く起きてさ。庭を歩いてたら、庭にあった椿の木に一輪だけ花が咲いてたから・・・・、その・・・・・・・とってきちゃったんだ。ごめんね。」

 

北郷はそう言って頭を下げた。

 

(こういうところは父上には似ていないが、・・・・・嫌いでは・・・ないな。)

 

そう思いながら、私は北郷の足もとにある父上の墓とそこに供えられている椿の花を見つめた。

 

(父上。あの時の約束を、父上を守ることはできませんでしたが、あなたのおかげで、私は守るべき者を見つけることができました・・・・・。)

 

「・・・・・ふふ。」

 

まだ頭を下げている北郷を見て、少し笑ったあと、私は北郷の前に跪いた。

 

「北郷一刀様・・・・・。」

 

私がそう言いと、山の隙間から朝日が顔を見せ、外套の隙間からのぞく、北郷の白い服を一段と輝かさせた。

 

「え?か、華雄??」

 

北郷は少し戸惑ったような声を上げていたが、私は気にせず続けた。

 

「この華雄。これより先、この身朽ち果てるまであなた様に仕え、お守りすることをここに誓う。」

 

はじめは少し戸惑っていたようだったが、北郷は静かに私の言葉を聞いていた。

 

「この誓い。我が戦斧、金剛爆斧と我が命をかけて、我が父の墓前で誓う。」

 

私は金剛爆斧を両手の上におき、北郷の前に差し出した。

 

「我が誓い。聞きいれてくれるか?」

 

私は目を閉じて、その答えを待った。

 

「俺としては、守られるよりも、守りたいんだけど・・・・」

 

そう少し困ったような声で言ったあと、北郷はスゥっと息を吸った。

 

「・・・・その誓い、聞き入れよう。これからはその力を、俺に貸してくれ。」

 

北郷はそう言うと、そっと金剛爆斧の上に手を置いた。

 

「御意!!」

 

私がそう答えると、北郷は金剛爆斧から手を上げた。

 

「つきましては、北郷様にひとつお願いがある。」

 

「うん?何??」

 

私は金剛爆斧を後ろに下げて、跪いたまま続けた。

 

「父上がいなくなった今、私の真名を呼ぶ者はもういない。」

 

「うん。」

 

「しかし、北郷様は私がこれからお仕えするお方。あなたには我が真名を呼んでもらいたい。」

 

「・・・・いいの?」

 

「あなた以外には呼ばせる気はない。あなたが呼ばないのであれば、この真名はもう使われないことになるだけだ。」

 

北郷は少し考えた後、静かに答えた。

 

「・・・・わかった。これからは椿と呼ばさせてもらうよ。その代わり、俺のことは一刀って呼んでくれると嬉しい。」

 

「・・・・・わかりました。一刀様。」

 

そこまで言って私は立ち上がった。

 

太陽は山を越えて、辺りを新しい光で染めていた。

 

「ただ、もう一つお願いがある。」

 

「何?」

 

「出来れば、皆の前ではこれまで通り華雄と呼んでもらいたい。」

 

そう言うと、北郷は少し困った顔をしたが、

 

「椿って呼ぶのは二人きりの時だけってこと?椿はそれでいいの?」

 

と言った。

 

「はい。」

 

「・・・・・・わかった。」

 

そう言うと、北郷は少し真剣な顔で私を見つめた。

 

「「・・・・・・・・」」

 

少しの間、私たちは黙っていた。

 

「・・・・・ぷっ。」

 

と、突然北郷が笑いだした。

 

「やっぱり、さっきのしゃべり方は椿らしくないよ。俺のことを様付けで呼ぶのなんて椿には似合わない。」

 

「な、それはけじめとしてだな・・・・」

 

私がそう言おうとするのを北郷が遮った。

 

「そんなけじめなんていらないよ。むしろ俺は、これまで通り、様なんてつけてほしくない。」

 

そう笑う北郷を見つめていると、なんだか先ほどまでの自分の言動がばからしくなってきた。

 

「わかった。お前がそう言うのなら、そうしよう。」

 

私がそう言うと北郷は付け足した。

 

「一刀だからね。俺が真名で呼ぶんだから、そっちもちゃんとそう言ってくれよ?」

 

「わかった、わかった。」

 

そう言って笑いあった後、私たちは家へと戻り、老婆に礼を言ったあと、その日のうちにその町を離れた。

 

 

 

 

私たちが町を離れる時、墓前に供えられた椿の花は、日の光を受けて誇らしげに咲き誇っていた。

 

 

 

~蛇足~

 

ご主人様がやっと帰って来たと思ったら、女を連れて来やがった。

 

どこかで見たことがあると思ったら、月の所にいた華雄だった。

 

全く、一人で旅に出たと思ったら、女連れて帰ってくるなんて、やっぱりご主人様はエロエロ魔人だ・・・・。

 

ま、まぁそれはいいとして、成都に帰ってきて早々、ご主人様に愛紗の雷が落ちた。

 

「あんな手紙を残して、我らがどれだけ心配していたと思っておられるのですか!!!」

 

そう言って腕を組む愛紗は、私たちに本気で怒るときよりも怖かった。

 

「ご、ごめん、愛紗。心配させたことは、謝るよ。」

 

「謝って済む問題ではありません!!!」

 

あまりの気迫で、ご主人様を出迎えに来ていた月が気を失ってたけど、私にはそれを庇いに行くことができなかった。

 

あ、愛紗が怖すぎて動けなかった訳じゃないんだからなっ!わ、私もご主人様に対して怒ってたから、目をそらしたくなかったんだ。・・・・うん。そうだ!きっとそうだ!!

 

そうこうしている内に事件は起きた。

 

「まったく、ご自分が何をしたか分かっておられるのですか!!」

 

「だ、だから、ごめんって。これからはちゃんといい子で政務も頑張るから。」

 

怒りが収まらない愛紗に、ご主人様が必死に謝っていると、ご主人様の後ろに控えていた華雄が口を開いた。

 

「おい関羽。一刀はさっきからこんなに謝っているではないか。それに、今回の旅は良い政治をするために行ったことなのだから、そこまで怒ることでもないだろう。」

 

「「「~「「「「っ!!!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」~」」」

 

華雄の言葉に、私を含め、ご主人様を出迎えた全員があっけに取られ、その場の空気が凍った。

 

「?何だ??私が間違ったことを言ったとでも言うのか?」

 

訳が分からないと言った顔でそう言う華雄に、何とか正気を取り戻した愛紗が口を開いた。

 

「お、おい、華雄・・・・・」

 

怒りのせいなのだろうか、そう言う愛紗の声がすこし裏返っていた。

 

「き、貴様は今、ご、ごごごご、ご主人様のことを、な、な、何と呼んだ?」

 

愛紗は、感情が高ぶりすぎてうまくしゃべれていなかった。

 

「うん?一刀と呼んだが、それがどうした??」

 

愛紗は頬の筋肉をピクピクと震えさせながら、微笑んだ。

 

「か、華雄?なぜ、貴様がし、神聖なご主人様のお名前を、しし、しかも呼び捨てで呼んでいるのだ??」

 

明らかに愛紗の後ろにはどす黒い殺気があった。しかも、それは実際に目で見えるんじゃないかってほど凄まじかった。

 

あとで、蒲公英にあの殺気が見えたか?って聞いたら、

 

「お姉さま。あれは殺気っていうよりもどす黒い嫉妬だよぉ。」

 

って言われた。

 

まぁ、とにかくどす黒い感情であったことに違いはないな。うん。

 

話を戻そう。

 

そのどす黒い愛紗にそう聞かれた華雄は、何を言っているんだという顔をして、

 

「一刀がそう呼べというから、一刀と呼んでいるだけだが?」

 

そう華雄が言った瞬間に、愛紗の目がギロリっとご主人様を見た。

 

「本当ですか?ご主人様??」

 

「ほ、本当です。」

 

ご主人様がそう言うと、愛紗はどこからか青龍偃月刀を取り出し、それを構えた。

 

「ご主人様?覚悟はできていますか??」

 

そうやさしげに言う愛紗の眼は、星が裸足で逃げだすんじゃないかってほど怖かった。

 

「関羽!貴様、一刀に手を出すというのなら、この私が許さんぞ!!」

 

明らかに空気を読めてない銀髪がご主人様と愛紗の間に入った。

 

「つば・・・・・じゃなかった、華雄!お前は下がって!!ここでお前が出てきたら、話がややこし・・・・」

 

ガキィィィン!!!!!

 

ご主人様がそう言ったのもむなしく、愛紗と華雄の戦いは始まってしまった。

 

城に勤める者たちの間で、『戦慄の1週間』として何十年も語り継がれることとなるだろうその戦いは、その名の通り1週間ほど続いた。

 

 

あぁ、そうやって華雄が戦っている間に、あたしたちでご主人様をボッコボコにしたのは、言うまでもないぞ?

 

まぁ、何はともあれ、ご主人様が無事に帰ってきてくれてよかったってことだな。

 

ち、違うぞ?今のは、ご主人様のことが心配で心配で夜も眠れなかったのが、無事に帰ってきてくれたおかげで、ぐっすり寝れるようになったって意味での良かったった事だからな。

 

あくまで、よく眠れるようになったことが良かったってことだからな!

 

か、勘違いするなよ!?

 

 

 

 

あとがき

 

どうもkomanariです。

 

まず、前作に多くの閲覧・支援・コメントを賜り、なおかつ「土日までには」と言っておきながら遅くなってしまい、本当にすみませんでした。

 

何といいますか、いろいろあって書けませんでした。

 

 

さて、後編でしたがいかがだったでしょか?

 

僕としては・・・・・・・・いつものように不安がいっぱいですorz

 

でも、少しでも華雄の魅力?みたいなものを表現できてたらいいなと思っています。

 

 

そして、今回も蛇足ですが、はじめにお伝えしておきたいのは、

 

「僕は愛紗が嫌いなわけではありません!」

 

ということです。

 

何といいますか、とてもいい感じに動いてくれるので、ついついあんな感じに使ってしまうんです・・・・。

 

とにかく、愛紗ファンの方々には申し訳ありませんでした。

 

 

さて、本編をあんまりにも長くしすぎてしまったので、あとがきはこれくらいにしておきます(あとがきも十分長いですが・・・)。

 

今回も、読んで頂きありがとうございました。


 
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