No.784942

秋月八雲争奪戦! 中編

争奪戦の続きを書きました~!!

誰を書くかでものすごい悩みましたよ…
そのせいか、キャラが一層崩壊している様な気がするのですが、それは大目に見てもらえると嬉しいです。

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2015-06-21 14:04:16 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1049   閲覧ユーザー数:954

朱金と山吹の番が終わっただけで、精神的にも肉体的にも疲弊しきった八雲を追い込むように由真と平良は次の挑戦者を入場させようとしていた。

 

 

「さて…由真君、次は誰が出てくるのかな?」

 

 

「えぇ~っと、次は…」

 

 

由真が書類を見ながら挑戦者の名前を読み上げようとした瞬間、新がものすごい速度で馬に乗って乱入して来た

 

「八雲ぉ~~~~~~~~~~~~~!」

 

 

「よ…じゃなかった。新!?」

 

 

「八雲、大丈夫?あの意地悪そうなおばさんに何かされなかった?」

 

 

既に挑戦を終え観客となっていた山吹は過去の事を思い出し、一瞬だけ青筋が立っていた。

 

 

「次はあれよ」

 

 

「新君か~なにをしてくれるんだろうねぇ~」

 

 

新が馬に乗って乱入したせいで最後までしゃべることが出来なかった由真は嫌がらせの意味を込めて名前を呼ばずに新の事をあれ呼ばわりしていた。

 

 

「だ、大丈夫だって…それより新はなんで馬に…というか、いつの間に馬を連れてきてたんだ?」

 

 

「あたしの馬なんだからここにいてもおかしくないでしょ?それより八雲のためにすっごいのを持って来たんだよ~!」

 

 

「す、すっごいの…?」

 

 

すると新は懐から1枚の紙を取り出し、八雲に差し出した。

八雲はそれを見た途端に顔色がドンドンと変わっていき…ものすごい汗をかき始めていて、思わずしゃべることすらも忘れてしまうほどになっていた。

 

 

「なにやってんのよ…あいつは…しょうがないわねぇ~」

 

 

見かねた由真が実証をしていた場所から移動して微動だにしない八雲の所に行き、新から受け取った紙を八雲の背後から覗き込む。

 

「な、なによ…これ!!!ど、どういうことなの!!!」

 

 

「だって、あたしのせいでいつも八雲のお店とかに迷惑かけてるから…これだったら、八雲はもう困らないかなぁ~と思って~」

 

 

「だからって、これはやりすぎでしょ!!!」

 

 

「由真君、何が書かれてるのか教えてくれないか?」

 

 

思わず由真は八雲からその紙を奪い取ると新に見せる。

状況が飲み込めない解説をしていた平良が由真に説明を求めると由真は戸惑いながらも話し始める。

 

 

「さっきの越後屋とはレベルが違うわ…この紙には現将軍のお墨付きで新とこの男の婚姻を認めるだけじゃなく、将軍補佐の役職を与えるって書いてあるのよ!!」

 

 

「「「「なんだって~~~~~!!!」」」」

 

 

恐ろしいくらいにその場にいた全員の声が見事に揃っていたが、当人はそんなことは全く気にすることはなく…

 

 

「ねっ!八雲、凄いでしょ~!!!だてに次期将軍候補と言われてないでしょ?」

 

 

「いや…むしろ次期将軍がこんなことすると前途多難の様な…」

 

 

「と、徳田さん!!!そんなこと私は聞いてないですよ!第一、お父様がそんなことを許しになるはずが無いです!!!」

 

 

「詠美ちゃんのお父さんも分かってくれたよ?最初はダメだったけど、先生から教えてもらった通りにしたらすぐに許可してくれたよ。」

 

 

「「先生???」」

 

八雲と詠美が同時に問いかけると、新は由比のいる方を指さしていた。

(あの女~~~)と言わんばかりの表情の詠美を無視するように由比は新に向けて手を振っていた。

 

 

「なんであの人が新と…?」

 

 

「ん~~と、この勝負にどうやったら勝てるかな~って話をしたら、お父さんに相談してみたら?って教えてくれたの。最初はみんな大反対だったけどぉ…私がじゃあ、将軍なるのとか全部やめるって言ったら、それ書いてくれたんだよねぇ~」

 

 

「バカの考える事は本当にむちゃくちゃね…」

 

 

「だって、私が将軍なるのやめても詠美ちゃんもいるし…みっちーもいるから安心でしょ?」

 

 

「そういう問題じゃないんだけどね…」

 

 

由真と平良は完全にあきれ返っていただけでなく、その場にいた全員が呆然として言葉が出なかった。

 

 

「新…さすがにやって良いことといけない事があると思うんだけど…」

 

 

「八雲~私の名前は吉音って知ってるのに、まだ私のこと新って呼ぶよね~。自分のお嫁さんの名前くらいちゃんと呼んでよ~!」

 

 

そう言って、新は八雲の腕に抱きつくと四方八方から殺気が飛び交っていた。

 

 

その時、会場にいた全員が「「「あの親ばか将軍…!」」」と思っていた事は言うまでもなかった。

 

「これ以上、続けるとそろそろ彼の命が危ないと思うから…彼女も強制終了で良いんじゃないかな?」

 

 

「そ、そうね。そのほうがいいわ」

 

 

いつもはこういった光景や雰囲気を楽しむ平良ですら、非常事態になりかねないと思い部下に指示を出すと新は強制的に連行されて行った。

 

 

実際のところ会場内には将軍家に仕える人達が何人も潜伏しており、新が仕出かした事を知った人が八雲を狙うように指示を出していたが、新の退場でその人達の殺気も消えていた。

 

 

「全く…あの女はここを血の海、いえ…戦場にするつもりだったんじゃないの?」

 

 

「まぁ~とりあえずは一安心といったところかな?じゃ、次の人行ってみようか」

 

 

「こんな爆弾を投下した女の後に出てくるのはきついわね…ちょっと同情する」

 

 

平良と由真が場を和ませようと必死になっている時に空気を読まずに豪快に入ってきたのは鬼島桃子だった。

 

 

「あたいを仲間外れにするなんていい度胸してるな~!!!」

 

 

桃子の姿を見るや否や由真と平良は意外な反応を見せる

 

 

「あれ…?今回、あの人参加するって話聞いてないんだけど?」

 

 

「同じく…彼女はなんでここにいるんだろうね~」

 

 

「シオンの奴に騙されたんだよ~~~~~!!!楽しい事があるって言うからよ~行ってみたら、シオンの取り巻きに縛られたうえにどっかに監禁させられてたんだよ!そしたら、祭りの参加の締め切りになってたんだよ!」

 

 

「だから、飛び入りで来たってことか…」

 

 

その時の事を思い出したのか怒りで冷静さを失った桃子とは対照的に既に観客席にいるシオンに向けて八雲は冷たい視線を送っていたが、シオン本人は悪びれる様子は一切見せていなかった。

 

 

「またシオンみたいに邪魔する奴がいると困るからな…秋月は連れて帰らせてもらうぜ!」

 

 

「はっ???何を言って…」

 

 

八雲が何かを言い終える前に桃子は八雲を抱えて会場から飛び出そうとしたが、その前に想と詠美が立ちはだかった。

 

 

そして、2人は表情は笑顔だが目は笑ってはおらず…

 

 

「鬼島さん…秋月君をどこへ連れて行こうとしてるんですか?」

 

 

「どこだっていいだろ!こいつはあたいの嫁なんだよ!!!」

 

 

桃子がそう言った瞬間、2人によって桃子は倒されてしまいそのまま強制的に退場させられていった。

 

 

その光景を間近で見た八雲はただただ2人の恐ろしさを再認識しているだけだった。

 

「とんだお騒がせだったけど、気を取り直して次の人に行こうか」

 

 

「そうね…えっっと、次は…ウソっ!!なんで?どうして?」

 

 

詠美と想に本来の場所に戻された八雲の前に現れたのは由真の姉である結花だった。

 

 

「なんで結花ねぇが参加してんの!!!」

 

 

「あれ?聞いてなかったのかい?てっきり君も知ってるものだと思ったよ。だから、よく君はこんな事していられるな~って最初から思ってたんだけどね」

 

 

「一体何をする気なのよ…」

 

完全に取り乱している由真とは対照的に平然とした態度の平良の方を結花が向くとガッツポーズをして由真にアピールしていた。

 

 

「秋月さん…脳筋エロ女に金の亡者、人をはべらす節操のない女…空気を読まない戦闘バカ女に極め付けが大飯食らいの天然女…こんな変な人達ばかりで大変でしたね」

 

 

「えっ…ま、まぁ~でもまぁ…一応はみんな必死みたいだし、俺も真面目にした方が良いかなと…」

 

 

「あら…そんな真剣にこんなバカげた祭りに取り組んでたなんて秋月さんには驚かされます。ですけど、そんな必要はもうないんですよ?」

 

 

満面の笑顔で優しく微笑みかけるように八雲と話していた結花だったが、最後の方になると表情とは別に悪寒が走るような感覚が会場に広がっていて、当前八雲もその雰囲気は痛いほどに感じ取っていた。

 

 

「…と、言いますと?」

 

 

「うちのお店は由真がいるからあとは何の心配も必要ないから、安心して私は秋月君のお店に嫁げますよ。私は長女ですし、いざという時はウチのお店の方からでも融通は効きますから、あんな金の亡者と関わる必要もないですよ」

 

 

「いや…あの…」

 

 

「それに私はどこかの大飯食らいと違って食費などの管理はきっちりしていますし、脳筋エロバカ女や節操のない女とは違って慎みも持っています。まぁ、秋月君が望むなら私も同じようなことをしても構わないですけど…」

 

 

いつもとは違う雰囲気のうえに嫌みたっぷりで話し続ける結花に八雲は何も言えずにいた。

 

 

「由真君…君のお姉さんはいつもあんな感じなのかな?さすがにあそこまで来ると逢岡君並みに重いと思うんだが…」

 

 

「そんなわけないでしょ!いつもはこう…」

 

 

由真を黙らせるようと結花はグリンと首を回して由真をものすごい目で睨みつけたことで由真は黙り込んでしまった。

 

 

「答えは急ぎませんからね?ゆっくり考えても良いですけど、これだけは渡しておきますね」

 

 

結花はそう言うと八雲に2枚の紙を渡してから、その場を立ち去って行った。

八雲はその紙を見て目を見開いていた。

 

 

1枚の紙に書かれていたのは跡取りを産むために2人は子供が欲しい事と妊娠しやすい日が書かれており、もう1枚はあとは八雲が署名と捺印するだけの婚姻届だった。

 

 

当然、その内容は会場内にいた全員が仲村の情報網ですぐに知ることになり、得も言われぬ殺気が八雲に対して向けられていた。妹である由真は放心状態となっていた。

 

 

そんな事を尻目に結花はクスクスと笑いながら、自分の席へと戻っていた。

 

あとがき

 

 

誰を書こうか迷っていたら中編なる物が出来てしまいました。

正直、中編を作るつもりはなかったので内容がグダグダの様な…(いつものことか)

 

 

桃子と結花の登場は考えてなかったんですが、某SNSで入れた方が良いだろうと言われて書いてたら中編が完成したというわけでして…

 

 

けれども、次の後編で争奪戦は完結の予定です。終わり方は大体頭の中で固まってるんですが、多分納得してもらえないと思う…泣

 

 

後編は詠美と想と雪那の3人にしようと思ってます。誰が出るか楽しみにしてた人はすいませんm(__)m

 

 

もうすぐ30になるのに未だにニートとは人生が詰んだ俺ですが、長い目で作品を呼んでもらえると嬉しいです。

 

 

ちなみに俺は床は結構好きだったりします(笑) かつ、雪那を出すのは個人的に好きだからです(笑)


 
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