【 荒れる恋姫 の件 】
〖 司隷 洛陽 都城内 謁見の間 にて 〗
春蘭「そんな馬鹿な! どこをどう見ても『北郷』……貴様しかありえん!」
翠「………全部が全部って言うのはよ……流石に無いと思う! だけど、その顔で、その姿で───ッ!! ご主人様じゃ無いって、どう言う事だよ!?」
一刀「…………すまない。 だが、俺は生まれも……育った場所も! 目指した場所も! 全部覚えている! そして……この俺に付いてきた艦娘たち、俺の家族に等しい存在が───此処に居る!」
金剛「………提督ゥ!」ギュッ!
長門「それに、あの貂蝉とかいう者の話では……貴女方と共に居た『北郷一刀』は………既に生を閉じた………と」
桂花「馬鹿を言わないでぇ! アイツはね! 一刀は……数々の修羅場をくぐり抜けた奴よ! 春蘭の斬撃、様々な激戦、私の作った罠! そんなアイツが……既に死んだなんて───誰が信じるのよ!!」
美羽「ぬ、主様が………死んだ? わらわの父上や母上と同じように……この世から……居なくなった? な、七乃……何かの間違いであろう? あの主様が……この世から居なくなったのなど………」
七乃「美羽さま……………」
ーーー
北郷側と記憶持ちの恋姫の間に……激しい口論があった。
『天の御遣い 北郷一刀』を……自分たちの想い人と信じ……出会いを夢見て、この戦乱を生き抜いて者たちに取って……残酷な結末。
また、一刀たちも……油断していた。
今まで会った恋姫の多くは……話せば分かってくれた。
多くを話さなくても……何か納得する事があり……一刀を『北郷一刀』の生まれ変わりの如く慕ってくれたのだ。
今回も……大丈夫じゃないか……と予測をしていたが……まさかの波乱が起きてしまった!
★☆☆
何進(コレデ……コノ世界ノ恋姫トノ連携モ……取リ難クナル。 人ノ心ヲ闇ニ落トス事ナド……赤子ノ手ヲ捻ルガ如ク……容易イ! コノママ……互イニ憎シミ合エ! サスレバ……私ノ一人勝チ……ダ!!)
皇女たちを守護しながら……様子を眺める何進。
一刀たちに、案内役へ身を窶す(やつす)よう指示したのも、何進の進言である。
表向きは……『何皇后』より姿を眩まし、その真相を直に確かめる事。
何皇后は上の権力には弱く、下の者には強気な態度を取るため、一刀の前では腰が低くなり、何皇后の目的が分からなくなる恐れがあった。
だから、『身分の低い者の姿になり、実際の様子と考えを見ておけ』……と進めたのだ。 他の艦娘と一緒に───!
しかし、この考えには『裏の目的』がある。
それが……恋姫との仲違い。
今まで一刀の接した恋姫たちは……前の世界で……国の結末が幸せ寄りの者ばかり……。 最後まで『北郷一刀』が傍に居たパターンである。
今回は、魏の将が居る。
『北郷一刀』が……歴史修正をしたため、行方知れずになった結末の国。
そんな国の将だからこそ、一刀を待ち望む気持ちは……人一倍強かった! 凪が良い例である。
そんな折に、全然関係無い若き娘たちと急に現れ、『君達の事なんて知らないよ? ボクは知っている彼氏とは違うから!』と言われたら、どうなるか?
心の準備が出来ない、思考能力の低下、反射的な応対、嫉妬、悲しみと負の感情が多くなり、最終的に喧嘩になる。
因みに……方程式だと……こんな感じ。
(驚き+嫉妬+悲しみ)×寂しさ-心の準備=憎しみによる喧嘩
別にテストにも出ないから、覚えなくても大丈夫。 ただ、魏の将たちは……他の恋姫より……悲しい思い出が多かった。
記憶を忘れた方が幸せだった……と思う程に……!
その心情を……効果的演出で煽ったのが……何進だったのである!
◆◇◆
【 華琳の想い の件 】
〖 謁見の間 華琳視点 にて 〗
私は……唖然として見ていた。
『天の御遣い 北郷一刀』たちに問う桂花、春蘭を………!
ーーー
春蘭は、かなり以前から『北郷一刀』なる者を知っていた。
武一辺倒で、調略とかの謀が大の苦手な娘だったのだが、この『北郷一刀』だけに関しては、執拗に訴える。
『必ず……華琳さまや秋蘭が……必要になる人物だから』……と。
桂花も……また同じだった。
桂花は、麗羽から私の下へ移ってきた軍師。
その理由も……《麗羽では無い『元の主の願い』の為に来た》と言う異色の経歴を持つ将。
今でも……私に忠誠を誓うと言っていたが、『元の主』に尽くす態度を崩さない。 鉄面皮のまま……私の命令を受け入れて、淡々とこなしていく。
しかも、私でさえも持て余す膨大な仕事……数々の政務、戦への準備、敵に仕掛ける謀略、しかも逆の防諜までを……何食わぬ顔で担う有能な人材。
その桂花が……今まで見せなかった素顔を晒し、必死になって懇願している!
だけど……何故……『華琳』……私のため?
しかも……『真名』で……呼び掛けている!?
『北郷一刀』と私には面識なんて………痛ぅ! あ、頭が痛い!?
くぅぅ………何故……? 何が……あったの?
私と貴方に……何が……あったの………!?
◆◇◆
【 詠の記憶 の件 】
〖 謁見の間 詠視点 にて 〗
月「え、詠ちゃん!! ご主人様が……ご主人様が!」
ボクの懐に……月が飛び込んできた。 大きな目に涙を溜めて……可愛い顔をクシャクシャにさせながら、勢いよくボクの胸の中に………
普段なら、顔を赤らめて、オタオタするボクだけど……ボクの身体からも……熱が奪われる。
覚えてなんかいないのに……記憶なんか……無い筈なのに!
─────あっ!
ーーー
ーーー
??『詠は本当に……ツン子だな!』
詠『ちょっ!? 何よ──その言い方ッ! ボクはツン子なんかじゃないわよ! 月がアンタに匿ってくれてるから……仕方無く……』
??『そうか? お茶の入れ方が、かなり上手くなったよ。 これも、日頃から飲む人の事を考えて、お茶の量とか湯加減を調節している為なんだろう?』
詠『ふ、ふんッ! 軍師としての性よ。 どんな相手にも全力出して戦ったら、此方の補給が無くなるじゃない! どのくらいで味が美味しくなるか、どの湯加減で茶の旨味が出るのか……ちゃんと確認して───はっ!?』
??『ありがとう……詠。 何時も月と一緒になって、俺たちの為に頑張ってくれて。 これからも──頼むよ!!』
詠『月を大事にしてくれば……私は裏切らないわよ! 絶対にね!』
??『あぁ! 二人とも大事にする! ───約束だ!!』
詠「ば、馬鹿! ボクは、そのぉ……どうでも………」
ーーー
ーーー
月「………ちゃん! 詠ちゃん!!」
詠「あっ! ……月?」
月「……どうしたの? 何かあったの?」
詠「思い出したわ! 『北郷一刀』……反董卓連合でボクたちを救った……お人好し! そして……メイドで散々こき使ってくれた『見境無しのド変態』だったわね……!」
月「詠ちゃん───ッ!?」
詠「何がぁ……月とボクを大事にするだッ!!? あの馬鹿! よくも月を泣かしたわね!! 月、そこを退いて! ボクも文句言ってくる!!!」
月「へうぅぅ~! 駄目だよ、詠ちゃん! それじゃ──騒ぎが余計大きくなっちゃう~!! ご主人様が余計に困っちゃうよ!?」
詠「あんな変態を信じた……ボクが馬鹿だったわ!!」
◆◇◆
【 面目躍如 の件 】
〖 謁見の間 にて 〗
謁見の場が……様々な修羅場となり、恋姫の業を巻き込んで行く。
蜀側の将は『一刀への再会の想いを砕かれ』
魏側の将は『一刀との再訪の願いを消され』
呉の将は……
呉の将は………?
呉の将は─────!
蓮華「皆、鎮まれぇえええッ!!!」
『────────!!!』
その大音声に、北郷、魏、蜀の将たちが静まり返る!
ーーー
蓮華「私は孫仲謀! 真名は蓮華! この私の真名に掛けて誓おう! 北郷一刀は確かに死んだ! この事実は、泣き叫んでも怒鳴りつけても変わらない! 我が配下になった者が……それを教えてくれた!」
『そんな…………』
『分かってたんだ……。 分かってたんだよ……!』
『くそぉおおお───ッ!!』
蓮華の声に……あれだけ激しく一刀たちを問い詰めていた声が……哀しげな嘆き声に変わった。
誰もが信じたくなかった。
あの北郷一刀とそっくりな『天の御遣い』から……『別人』との言葉を受けたのが……余りにショックだったのである!
蓮華「──だが、絶望するには……まだ早い!」
『──────!!』
蓮華は、此処で更に声を上げて説明する!
これこそが、北郷一刀に対する最大の秘密であり、空母水鬼に対する弱点!
蓮華「その者の話に因れば……そこにいらっしゃる『北郷一刀』殿こそ、この世界に降り立った『北郷一刀』だ! そして、前の一刀の記憶も……この方が受け継いでいるとも聞いている!!」
『な、何ぃいいいッ!?』
ーーー
白蓮「───それは本当だ! 現に一刀は、私の事を覚えていた! 色々と話したが……まぁ……詳細な部分をも………よく覚えて……////////」
『へ、へうぅぅぅ────//////』
『きゃあ───ッ! しっかりしてぇ!!』
『ど、どういう事──ッ!? アンタを覚えていた理由を教えなさい! 理由を!!』
白蓮「………それが……普通に覚えていたって……」
『普通に……だと?』
『巨乳といい……普通といい……何でぇそんなに優遇されているの!』
白蓮「こらぁ! 普通は特別待遇なんかされていない!」
『だが……始めは私と同じ……真名無しだったのに! それが……今では! くっ! 羨ましくなど……羨ましくなどッ!!!』ダッ!
白蓮「待てぇ! お前は──誰だ!? 此処に居るはずがッ!?」
ーーー
蓮華「だけど……一刀の記憶を蘇えさせるには、封印を三つ解かなければ……ならない。 しかも、コレを解くと……他の将の記憶も蘇る仕組みになっているようね……既に一つは解けているようだけど……」
『じょ、条件は? 条件は何なの!?』
蓮華「それは───この者たちに聞いて欲しい!!」
────スッ!
于吉「……これはこれは。 名高い名士の方々ばかりで私の身体が緊張してしまいますよ。 ご紹介にありました……孫仲謀に仕えし客将『于吉』と申します。 もしかすると、敵になる顔かもしれませんので、お見知りおきを!」
左慈「チィッ! また鬱陶しい(うっとうしい)奴らか! あの時の事を思い出すと……今も腹立たしいがな。 俺を覚えている者も居るだろうが……一応紹介してやる。 于吉の同僚……『左慈』だ!」
貂蝉「うふぅん! 謎のゲイシャ美女……『貂蝉』よぉん! 私も力を貸してア・ゲ・ルゥ! 頑張りましょうねぇーん!」
長門「お、お前たちは───どうしてぇッ!?」
ーーー
一刀たちより離反した……于吉、左慈、貂蝉の三人が立っていた。
◆◇◆
【 表と裏の理由 の件 】
〖 謁見の間 にて 〗
于吉「さて……簡単に説明しましょう。 今回、私たちは貴女たちの味方ですよ。 私の左慈を毒牙に掛けなければ……ですが……」
左慈「その誤解を招く言い草は止めろッ!! 俺はノーマルだ!」
貂蝉「………どうしたのぉ……何進ちゃん? 汗を大量にかいてるわよぉん! そんな事じゃお仕事に支障をきたすわぁん!!」
ーーー
何進「……………………!」
劉協「大丈夫か……何進?」
劉辯「コクッコクッ!」
何進「ご心配なされぬように………」
ーーー
左慈「ゴホン!………北郷の記憶封印の三つ鍵は、お前たちの誰かが持っている! 先に説明があった第一の鍵は、『周公瑾の病回復』だったんだ!」
『─────!』
于吉「私たちと敵対する敵は、前の世界で……無念の生涯を終えた恋姫の思念を、己の力に換えて成長を遂げたようなんです。 だから……その者の後悔する事象を潰せば……敵には渡らず、持ち主へと止まる事になります!」
貂蝉「逆にぃ……再度同じ事象が起こればぁ~更に強化されて私たちの力じゃ、及ばなくなっちゃうのよぉん!」
蓮華「ごめんなさい、一つ質問させて! 冥琳は私と一緒に一刀を覚えていたわ! それで、自分の病を治療したのよ! これって………」
于吉「これは……憶測ですが……なんだかの不確定要素があった……としか言えませんね。 例えば……何らかの善意をすれば供養となりえます。 亡き者が喜べば……の話ですが……」
蓮華「そう……ありがとう!」
ーーー
華琳「くぅ……頭が………」
左慈「さて、お前が……曹孟徳か!」
華琳「…………キャアッ!!」グラッ!
左慈「よっと! 『ガシィ!』 間に合ったか! ───ん? 体調がおかしいか? 気を付けておけ! 一国の太守さまだからな!!」
華琳「何を……私に触れているのよッ!?」バッ!
左慈「おっと───ッ!」スッ!
華琳「……とりあえず……地面に倒れ込まずに済んだわ。 礼は言わせて頂戴! ………ありがとう」
左慈「ふん! 俺が勝手にしただけだ! 礼など必要は無い!!」
桂花「お待ち下さい! この男……過去に北郷一刀と対峙した者! それに───!!」
春蘭「き、貴様! また、華琳さまを操ろうとしているのかッ!?」
左慈「俺は、そのような姑息な手は使わん! やるのなら……この手で直に下すまでだ! 今回、ただの手助けだけだ!」
桂花「……信用出来ないわ!」
春蘭「そうだ!」
左慈「それを決めるのは、曹孟徳だ! 貴様らでは無い!」
華琳「……………」
左慈「───どうだ? 命じられば、それなりの事をしてやる! 居住食を提供して貰えれば……その借りを返さねばならないからな!」
華琳「………確かに……人材が少ない我が陣営には、貴重な存在みたいね!」
桂花「華琳さまぁ──ッ!」
春蘭「お止め下さい! この者は!」
華琳「二人とも聞きなさい! 『江東の虎 孫伯符』の妹は、覇王や何進を前にして、あれだけの啖呵を切ったわ! その違いは何故だと思う?」
「「 …………… 」」
華琳「あの娘は、かなりの情報を集め、精査して真実に近付けた! 左慈と同じ得体の知れない者まで置いてね。 その大器、的確な判断、不敵な行動! 正に孫家の娘! 手強い敵になること間違いないわ!」
左慈「じゃあ……俺を……どうするんだ?」
華琳「いいわ──来なさい! そして……曹孟徳に力を貸すのよ!!」
左慈「承知したぜ! 俺の事は左慈でいい……字も真名も無い身だ! 後ろの二人も覚えておけ!!」
ーーー
于吉「私は……このまま孫仲謀側に! しかし……左慈の身が……清らかな身体が曹操の手にかかり……あぁぁぁ────『ゴチン!』ぐほっ!」
左慈「俺を使って、変な妄想をするなっ!!!」
ーーー
貂蝉「私の仕える将は~公孫伯珪さまぁん! 安心して頂戴ぃ!! 私が参加すれば、もう影が薄いなんてぇ言われないわよぉおおおッ!?」
白蓮「わ、私か───!? い、いらん! どこか別の勢力に───!」
貂蝉「もぅ~恥ずかしがっちゃてぇ~! ウブなんだからぁ!!」
白蓮「か、勘弁してくれぇえええッ!!!」
桃香「白蓮ちゃん! やったネ!」
白蓮「……桃香! お前、変われ! 私が一刀の方に行く!!」
桃香「無理だよ!!」
貂蝉「よろしくねぇん! ご主人様!」
白蓮「そ、その言い方は……何とかしてくれ!」
貂蝉「じゃあ~『マスター』『ボス』『ご主人様』のうち、どれがいぃい?」
白蓮「せめてぇ『主』にしてくれよぉ!」
★☆☆
長門「一刀提督! あの三人が離脱したとなれば、我が戦力は著しく低下する! 益州に戻り次第、演習や遠征を増やし戦力強化をしなければ!」
金剛「オネェサンたちがSecession(離脱)したネ! これじゃ……Teaが飲めなくなりマース!」
雷「司令官! 元気出して! 私が付いてるわ!」
電「一刀さん…………」
龍田「天龍ちゃん……足が震えているわ~! すご~い! こんな時に武者震いだなんてぇ~!!」
天龍「と、当然だろッ!? はーっはっはっはっはっ!!」
一刀「…………………」
ーーー
ーーー
〖 回想 〗
于吉『………いいですか? 私たち三人は……三国に別れて見張ります! 空母水鬼……何進は、必ず配下の者を利用して、この時代の争乱を再現するでしょう! 黄巾賊の蜂起、反董卓連合等を!!』
左慈『それに……アイツらも頑張っているが、改二どころか改造するレベルまでいかねぇ! これじゃ……空母水鬼や配下の姫、鬼系深海棲艦にも勝てない! 何か梃子入れを入れないと!』
貂蝉『だからぁ……一刀ちゃん! 私たちは、貴方たちから一時離れるのよ。 私たちぃが固まれば……何進は動き易いし、また狙い易い。 それにねぇ……民衆へ波及する被害も……馬鹿には出来ないわぁん!』
于吉『卑弥呼は、華佗と共に西涼と益州を守護、貂蝉が幽州等の東北部、私は呉周辺、左慈が魏を見守る役目になります! そうすれば、何進が何かすれば、情報は共有され対処へのロスが、かなり低くなると思われるのですよ!』
左慈「それに、俺たちを頼りにしすぎても……成長の阻害になる! 少なくとも俺たちを超える武力が必要なんだ! 出なければ……大陸も俺たちもお仕舞いとなる! だから、俺たちは《裏切る》決断した──お前たちからな!」
貂蝉『だけどぉ~本当に裏切る気なんてぇ全然ないのよぉん! 偶には一刀ちゃんから離れて、私からの想いを確認して貰いたいんだけどぉ!』
于吉『これは、何進やその配下から目を誤魔化すだけ。 情報も手助けも……気付かれないように行いますから、安心して下さい!』
左慈『それに、アイツらには実践稽古をさせないと、直ぐにサボろうとするんだ! ふん! 全く……なんで俺が、こんな事までしなくちゃならん! それもこれも……目を離す度に《食っちゃ寝するアイツら》が悪いッ!!』
貂蝉『私たちは……あの娘(こ)たちからすると……裏切り者になるけど……。 一刀ちゃん、貴方は覚えていて。 私たちは、あの娘(こ)たちや一刀ちゃんを気に入っていた事を………』
于吉『私や左慈は、どのみち敵役ですからね。 まぁ……気にしないで下さい! 左慈さえ味方ならば、世界を敵に廻しても平気です!』
左慈『ふん………! アイツらに伝えておけ! 悔しければ、改二になって早く俺を超えてみせろッ! ……………楽しみに待っている!』
ーーー
ーーー
一刀「…………無事に戻って来いよ………」
◆◇◆
【 恋姫たちの語り の件 】
〖 謁見の間 にて 〗
こんな出来事があり、一刻(約二時間)ぐらいで何進は解散を宣言。
全員退室となった……のだが!
ーーー
翠「ご主人さま! ゴメン! 知らない事とはいえ、あたし……酷い事言っちゃった! 本当にゴメン!!」
月「ご主人さま! ご主人さま!! 詠ちゃん! ご主人さまが……また、この大陸に降りてくれて……良かったね! 本当に良かったね!」
詠「ふ、ふん! ボクや月の事……忘れている奴に……馴れ馴れしくしたくない! 約束守る……って言ってたのに………」
ーーー
蓮華「あ、あの……貴方が北郷一刀殿で? えっ? 一刀って呼んでいい? ほ、本当!? じゃあ……こ、こほん! 私は姓は孫、名は権、字は仲謀、真名は蓮華! この真名を一刀に預けるわ!」
蓮華「だから……一刀も……私を真名で呼んで欲しいの!」
ーー
冥琳「お初にお目にかかる! 周公瑾……真名が冥琳だ。 うむ、我が真名を預けさせて貰う。 ところで、一つ聞きたいのだが……北郷の毎日の食事に塩味は足りているか? そうか……益州は産地だったな」
冥琳「北郷が来て、初めて呉の地で戦があったとき、お前が食事の塩気が薄いと嘆いていたんだ。 雪蓮……伯符が貴重な塩を足そうとして、叱ったが……少々罪悪感があってな……。 そうか……大丈夫なら安心した!」
冥琳「北郷……孫呉の地にも……足を運んでくれ! 蓮華さまも、私も待っているぞ………」
ーーー
桂花「…………なによ? 何か私に話せって言うの? アンタの顔を眺めてて何か変なの? ……………だって、何から話せば良いのか………分からないのよ! あの時、一刀が居なくなって……皆が悲しんで………!!」
────中略
桂花「…………待ってたんだから! ずっと……何十年も……皆で待ってたんだから! 馬鹿、馬鹿、馬鹿一刀! やっと……やっと……華琳さまや皆からの言葉が伝えられる……『お帰りなさい! 一刀!!』……ウワァ~ン!!」
ーーー
春蘭「ふん! 私は桂花と違って……お前の事など心配しておらん! だがな……秋蘭と私の三人で誓った、華琳さまを守る約束を破った報いは受けて貰うぞ? この後……私と勝負しろッ! その性根を叩き直してやる!」
ーーー
美羽「主さま……本当に主さまじゃな? 良かったのじゃ! また、良い事をしたら……頭を撫でて欲しいの!」
ーーー
と、恋姫たちに詰め寄られ……相手をした。
記憶は未だに受け継がれず、容姿と名前が同じ『北郷一刀』は、ただただ……恋姫たちの深い想いを受け止めるしかなかったのである!
ーーーー
ーーーー
この後、一時帰国して……領国の体制を強化して一月後に……洛陽に再度集結する事になる。 目的は……黄巾賊討伐戦!
その攻略のための会議を行う為である!
ーーーーーーー
ーーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次回から……ようやく黄巾賊討伐戦の話へと移ります。
鳳翔編は、その中に含まれる拠点みたいな物と考えて頂くと、作者としては大変助かるんですが……。 因みに『モンド』も出そうかなと。
『忍殺』が面白かったので、作者なりの策と発想で出来たらいいなぁ……と。
今度は、一週間以上、更新が伸びるかも知れませんので、よろしくお願いします。
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次回から、黄巾賊討伐戦へ!