修行の成果をあからさまに見せつける一刀は絡繰人間12号を簡単にあしらってみせる
だが、絡繰人間12号はまだ隠していた本気の力を解除して
邪悪な変貌を遂げたのだった…………
十二節 〜形態変形〜
絡繰人間12号「でやあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
一刀「よっ!!!おっと?」
絡繰人間12号は2倍以上に肥大化した極太の両腕を大きく振り回す
一刀はそれを難なく躱していく
絡繰人間12号「死ねえぇぇぇぇっ!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は右手を大きく振りかぶって一刀に向かって振り下ろした
一刀「よっ」
シュンッ!!!
一刀は寸前のところで『空走』をして回避する
絡繰人間12号の右手はそのまま地面に一直線
そして直撃した瞬間
ドッカアアァァァァンッ!!!!
小規模な爆発を起こし右手は地面に陥没し始めた
思春「なっ……………!!?」
七乃「いぃいっ!!?」
祭「何という一撃じゃ……………」
『神域の結界』の中にいる全員が目を丸くする
小蓮「あんなの1回でも喰らっちゃったり、受け止めでもしたら……………」
小蓮は顔を青ざめて言う
雪蓮「身体全身の骨が砕かれちゃうわ………………」
雪蓮も背筋が寒くなる
明命「最悪、原型を留めない可能性も……………………」
明命も鳥肌を立たせながら口にする
蓮華「一刀……………!!!」
一刀「おぉ……危ない危ない………」
一刀は絡繰人間12号から数m離れて陥没した地面を見る
一刀「…………流石にあんなの喰らっちゃったらひとたまりもないな……」
一刀は苦笑いをして腕を組む
絡繰人間12号は態勢を立て直して不気味に微笑む
絡繰人間12号「ふっふっふっ………貴様が人肉団子になるのも時間の問題だぞ」
一刀「それは遠慮しておくよ」
一刀はきっぱりと断る
絡繰人間12号「遠慮するな………すぐ楽にしてやるからな…………
おぉうりゃああぁぁああぁぁぁぁっ!!!」
絡繰人間12号は叫びながら一刀に向かって走り出した
こころなしか一歩一歩進む度に軽く地面が揺れているように感じる
一刀「おぉ?おっとっと………?
まるで地震だな…………」
一刀はゆっくりと拳を構えて絡繰人間12号の攻撃に備える
絡繰人間12号「おぉうりゃああぁぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は歩数を合わせて一刀のいる場所のタイミングで右足の蹴りを放つ
腹部を狙った鋭く重い蹴りだ
一刀「うっと」
一刀は身体を僅かに捻って蹴りを受け流す
絡繰人間12号「躱してばかりでは俺を殺せられないぞ?
でえぇりやああぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
一刀「っと?っ!!!ほっ!!!」
絡繰人間12号の挑発にのることもなく、平然と躱していく
絡繰人間12号「くっ!!!このぉっ!!!」
絡繰人間12号は歯ぎしりをしてその場から大きく跳ね除ける
絡繰人間12号「これならどうだ……っ!!!」
ギュォォッ!!
絡繰人間12号は両手を広げて立ったまま大の字になり、赤黒い気の塊を作り出す
雪蓮「っ!!!きたっ!!!」
明命「一刀様っ!!!『誘導追跡爆弾』なのですっ!!!」
一刀「あれが噂の『誘導追跡爆弾』か…………」
一刀は戦闘状態を解除しないで絡繰人間12号が作っている『誘導追跡爆弾』を見る
絡繰人間12号「これで貴様も終わりだぁっ!!!吹き飛べっ!!!『誘導追跡爆弾』っ!!!」
ゴオッッ!!
絡繰人間12号が両手を前に突き出すと赤黒い気の塊である『誘導追跡爆弾』が発射された
雪蓮達の時と同じようにゆっくりと進行していく
一刀「…………本当にゆっくりだな」
一刀は実物を目の前にして率直な感想を漏らす
『誘導追跡爆弾』は一刀に接近するにつれてどんどん巨大化していく
一刀「………………………」
一刀はその場から一歩も動かず、堂々と仁王立ちをしている
雪蓮「一刀っ!!?何をしているのっ!!?」
蓮華「もうそこまで着ているのよっ!!?」
亜莎「一刀様っ!!!」
皆は一刀のしようとしている事が全く読めなく、ただただ焦る
一刀「ふうぅぅぅぅ…………」
一刀は皆の声に全く反応せず、息を吐き目を閉じて腰にある得物の日本刀『龍終』に手を添える
絡繰人間12号「ふんっ!!!得物で斬れるとでも思っているのかっ!!?」
絡繰人間12号は一刀に向かって『両手を突き出したまま』、歪んだ笑みを浮かべる
一刀「思ってなかったら……………!!!」
フォンッ!!!
一刀は一度、言葉を区切って『龍終』を素早く抜くと同時に、刃を『誘導追跡爆弾』に向けて横一文字に斬りかかった
そして何事もなかったかのように『龍終』を鞘に戻すが、完全には戻さないよう柄を指で止めておく
一刀「得物なんか使わないよ…………?」
そして言い切った瞬間、『龍終』を完全に鞘に戻した
その時、
ゴォォォォォォォォォッ!!!
ドッカアアァァァァンッ!!!!
明命「はぅわあぁぁぁぁっ!!?」
思春「くっ!!?」
七乃「『誘導追跡爆弾』が爆発しましたぁあぁぁぁぁっ!!?」
絡繰人間12号「くっ!!!(いや、違う…………!!!
爆発したのではなく………『斬られたのだ』っ!!!)」
絡繰人間12号は『誘導追跡爆弾』の爆風から退けないように態勢を立て直そうとしている
絡繰人間12号「まさか……本当に得物で斬るとは…………!!!」
絡繰人間12号は必死に爆風から身を守っていた
………………
……………………………
数十秒後には爆風は完全に収まっていた
一刀「どう?斬れただろ?」
一刀は仁王立ちのまま、腕を組んで堂々としていた
絡繰人間12号「うぐ……………!!!」
絡繰人間12号はぐうの音も出ない
一刀「『北郷流・菊一輪(きくいちりん)』………………
居合により僅かな気の振れを察知して強力な一撃を叩き込む技さ…」
絡繰人間12号「ぐっ!!!ぬぬぬ………っ!!!」
雪蓮「凄い…………凄いわ一刀っ!!!」
雪蓮は喜びを爆発させて声を荒げる
思春「まさか本当に斬ってしまうとは………」
亜莎「不可能を可能にする…………一刀様らしいです………!!!」
亜莎も笑顔で微笑む
一刀「しっかし、今のがお前の全力ならガッカリだな…………
もう少しやるのかと思ったんだが…………やれやれ」
一刀は残念そうに肩を落として落胆する
絡繰人間12号「な、何だと……………!!?」
一刀「………………仕方ないから待ってやるよ………
早く『制限解除』をしたらどうだ?」
絡繰人間12号「な、舐めやがって…………!!!」
絡繰人間12号の表情は怒り一色となる
絡繰人間12号「この俺様に向かって『[制限解除]をしろ』だとっ!!?」
ギュォォッ!!
怒りにより頭が沸騰しているのか、知らず知らずに赤黒い気を放出している絡繰人間12号
絡繰人間12号「なら貴様の望み通りにしてやる……………!!!
後悔したところでもう遅いぞっ!!!ぶっ殺して粉々にしてやるっ!!!」
絡繰人間12号は顔を真っ赤にさせて激怒して叫ぶ
絡繰人間12号「いくぞっ!!!『暗証番号入力』、番号・『4290』っ!!!『制限解除』だぁっ!!!」
すると
機器音声「『制限解除』の番号・及び声紋認証確認……………
『制限解除』、発動許可します。」
機器音声により絡繰人間12号の『制限解除』が認められた
それと同時に
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
ビキビキビキッ!!!
絡繰人間12号の身体が又もや膨れ上がってるきた
『制限解除』特有の巨大化である
一刀「ようやくお出ましか………」
雪蓮「さ、更にデカく…………」
七乃「あわわわわ…………」
七乃は目を見開いて冷や汗を垂らしながら身体を震わす
小蓮「いぃっ!!?」
小蓮も驚きのあまり腰を抜かしてしまう
亜莎「も、最早貂蝉さんや卑弥呼さんよりも大きいです…………」
絡繰人間12号「ぬわあぁぁあぁあぁっ!!!」
絡繰人間12号は天に向かって大きく叫ぶ
身長は凡そ2m50cm
はるかにでかい
絡繰人間12号「どうだ!!?北郷一刀っ!!!
これで貴様は終わりだぁっ!!!」
一刀「けっ、その程度の大きさで威張るなよ?
お前よりも『否定過激派』の夜減児のほうがもっとでけーよ」
一刀はこの状況でも絡繰人間12号を煽る
絡繰人間12号「ほぉっ!!?それは誰かは知らんが、強さはどうかなっ!!?」
絡繰人間12号が一歩踏み出すと
ズシンッ!!!
一刀「おっとっと……………?」
あまりの身体の重たさにより先程よりも強い揺れが生じた
蓮華「……………離れているのに微弱ながら揺れを感じるわ……」
祭「見た目だけではないのは確かのようですの…………」
冷静に言う祭だが、頬には汗が流れている
確実に冷や汗だ
絡繰人間12号「でえぇりやああぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は大木のように巨大化した片腕を振り上げ、一刀の頭上斜め上から風を切りながら振り下ろした
その際にはとてつもない轟音が鳴っている
一刀「ふっ!!!『紅蓮掌打』っ!!!」
一刀は瞬時に身構えて強力な一撃の攻撃である『紅蓮掌打』を絡繰人間12号の攻撃してきた腕に放つ
ドォンッ!!!
2つの攻撃が同時に直撃した瞬間、激しい衝撃波が発生する
だが
絡繰人間12号「ぬっ!!?ぐぉおぉおおぉおおぉっ!!?」
絡繰人間12号は一刀の『紅蓮掌打』の衝撃に耐え切れず、そのまま大きく仰け反る
一刀はその隙を逃さず、地面を蹴って巨大化した絡繰人間12号の懐に入り込む
一刀「巨大化の弱点は死角範囲が拡大することだ……………!!!」
絡繰人間12号「ぬぐぁっ!!?し、しまったっ!!?」
絡繰人間12号の驚きをよそに、一刀は片手を絡繰人間12号の腹部に添える
一刀「『掌撃波・車飛(しゃとび)』っ!!!」
ドォンッ!!!
添えた片手から強力は衝撃波が放たれ、絡繰人間12号の全身に伝染していく
それは地面や廻りの岩にまで伝染していき、衝撃波により亀裂が入り粉々に砕け散る
絡繰人間12号「ごっはぁあぁぁっ!!?」
一刀「……………『車飛』は数ある『掌撃波』で広範囲型の技だ…………
流石の絡繰人間でも内部の部品等に支障を来してしまったらどうしようもないだろ?」
一刀は片手を放してゆっくりと絡繰人間12号から放れる
絡繰人間12号「うぐ………ぐぐぐっ!!!」
絡繰人間12号はその場に膝をついてしまう
一刀「もう諦めろ…………お前に勝ち目は………」
ない。
一刀がそう言い切ろうとしたその時、
絡繰人間12号「ぐぬぅおおおぉぉぉぉぉっ!!!貴様なんぞにこの俺様が負けるかあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!」
ギュォォッ!!
絡繰人間12号は大声を上げ、口から吐血しながら赤黒い気を更に放出し始めた
そして衝撃発言を発した
絡繰人間12号「『制限解除』第二段階だあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!!!!」
一刀「っ!!?『制限解除』っ!!?」
雪蓮&蓮華&小蓮「「「『第二段階』っ!!?」」」
その場にいた全員が目を見開いて声を揃え大にして叫ぶ
一刀「…………………っ!!!そうかっ!!!
3体の絡繰人間の『全情報収録板』を取り込んでいるから『制限解除』も複数回重ねて発動出来るのかっ!!!」
一刀は歯ぎしりをして絡繰人間12号を睨みつける
雪蓮「それじゃあ………………まずいじゃない………!!!」
皆の危機感をよそに絡繰人間12号は
絡繰人間12号「うごおぉおぉおおぉおっ!!!!!!」
更なる巨大化を始めていた…………
……終……
Tweet |
|
|
5
|
0
|
追加するフォルダを選択
駆けつけてきた一刀は絡繰人間12号との一騎打ちを開始する!!!
だが、一刀の修行の成果が現れ始め絡繰人間12号の劣勢が見え始める
それでも一刀は攻め続け、戦いは更なる加速を始めたっ!!!