No.783237

【サイバ】孔子倒れ【交流】

古淵工機さん

おいおい、警察が当て逃げしちゃいかんだろうww

■出演
クオン:http://www.tinami.com/view/752406
将矢:http://www.tinami.com/view/752595

続きを表示

2015-06-12 23:27:04 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:793   閲覧ユーザー数:774

天空市内某所。

「しっかし、何もないと退屈なモンすね警部~」

パトカーの中であくびをしているのは、風天警察署捜査一課の九重将矢。

「そうぼやくなって。平和って言うのはそんなもんだ。何もないのが一番だよ」

と、ドライバーシートの九重久遠。彼女は将矢の妻にして上司である。

 

「でもヒマでしょうがないっすよぉ」

「ほら、寝ようとすんじゃない!巡回だって重要な任務なんだぞ!」

「へぇーい」

そんな感じで車内で夫婦漫才が続いていた、そのときだった。

 

『風天署所轄各車に通達!中央通で車輌と路面電車との接触が発生。付近の車輌は急行されたし』

「なんだって!?こんなときに…将矢、サイレン鳴らせ!」

「了解!」

クオンの駆るパトカー…スバル・インプレッサWRXがサイレンを鳴らし現場に急行する!

さて、事故現場。

「あぁぁぁぁぁ、どうしようどうしよう~…」

事故に遭って立ち往生した2310形2312号の目の前で頭を抱えているのは、運転士の油木佑。

そこに、クオンたちの乗ったインプレッサWRXが到着する。

 

「一体どうしたんです!?」

「じ、実はですね…側面から当て逃げされまして…」

見ると、2312号の特徴であるヨーロピアンスタイルの前頭部分は外板がへこみ、窓ガラスも一部割れていた。

が、運転していた佑はとっさに身体を翻したため無事、また電車も回送だったため乗客の被害はなかったようだ。

 

「なるほど、詳しく聞かせてもらえねえッスか」

「はい、あそこの信号機がありますよね。私が運転してたときにはちょうど黄色の矢印がついていたんです」

「黄色の矢印…?って何スか警部?」

「おいおい…おまえも警官なら、っていうか天空市民なら知っとけよ。黄色い矢印は『路面電車のみ進行可』の意味だ」

「で、その信号どおりに電車を進めていたんです。そしたら横から」

「あてられたってワケか…」

と、実況見分を進めていたクオンと将矢。だが、将矢の目にある一台の車が映った…。

「あのパトカー…たしかウチの署の。応援に来たんすかね」

「いや待て?…回転灯がついていないぞ…それになんだ?あのパトカーの後ろから破片のようなものが散らばって…まさか!?」

 

何かを察したクオンは、佑の方に向き直ると、一言だけ告げた。

「運転士さん、ちょっと気になることがあるので見て来ます。そこで待っててください」

クオンがパトカーのほうへ向かい歩き始める。

 

「…な、なんだこれは!?」

交差点の路上に停められていたパトカー…ホンダ・インサイトはフロントが破損した状態であった。

しかも、ドアガラスがハンマーで割られた形跡があり、ドライバーシートには誰もいない、無人の状態だったのである!

(衝突推定は5分前…まだそう遠くには行っていない!)

クオンは自らの特殊レーダー探知機を使い、このパトカーを運転していた人物を探し当てる!

その、事故現場から離れた位置にある路地裏…。

「はぁ、はぁ、はぁ…」

その路地裏に逃げ込んでいたのは、青ネコ形セリアンスロゥピィの男性警官と、オレンジ色のやはりネコ形セリアンスロゥピィの男性警官。

「こ、これ始末書で済みますかね…」

「さ、さぁな…とにかくこのあたりに隠れてれば…」

と、ほっと一息ついたのもつかの間だった。

 

「なるほど…アレを運転していたのは君たちだったか」

「「けっ…警部!?」」

追い詰められた男性警官。もう逃げ場はない。

結局、この二人組みの警官は懲戒停職のうえ、信号無視と当て逃げの反則切符を切られたのであった。

また、破損した2312号電車は事故処理の終了後、すぐさま風天車庫に回送され修理されることになった。

事故処理を終え、帰途に着くインプレッサWRXの車内。

「まったく…警察がこんなことでどうするんだよ…なぁ将矢?…将矢?」

見ると、助手席ではいびきをかいて爆睡中の将矢。

 

「…ふぅ、しょうがないな将矢ったら…」

クオンは、ため息ひとつつきながらも、一路風天署へと戻るのであった。

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択