晴天おさかなセンター。
「にゅにゅ、ここのお寿司屋さんはいつ来ても美味しいにゅ~」
「みゃあ、ネタも新鮮だしたまんないよねw」
「ホントホント。シャリもお酢が効いてたし!」
「ねーw」
仲良く回転寿司店から出てきたのは晴天中学校2年生の女子グループ。
高井戸ミミナ、六浦真緒、紀ノ川美銅鑼、戸隠真実の4人だ。
「じゃあ次どうするー?」
「みゃっ!このあと電車に乗ってお買い物…」
と、ミドラが言いかけたそのとき、マミンはふと、何かの気配を感じた。
「あ、ごめん…あたし用事ができちゃった」
「えーっ、残念だにゅ…」
「まぁまぁ、急用ならしょうがないわよミミナ」
「気をつけてねマミンちゃん」
「うん、ホントごめんね!」
マミンは申し訳なさそうに走り去っていく。
さて、マミンが向かったのはあたご寫眞館。
「どうしたんですか?」
マミンが切り出すと、店の主である愛宕寧子は悲しげに答えた。
「ええ…大切にしていたカメラが盗まれてしまったの」
「カメラが…ですか?」
さらに、店の手伝いに来ていた寧子の孫の今河雪歩が続く。
「それもただのカメラじゃないんだ!とっても古いけど大切な、ばあちゃんの思い出のカメラなんだ!」
「だけど、朝起きたらなくなってて…一応警察にも被害届けは出したのだけど…」
マミンはすぐに、カメラの場所を聞き出す。
「そのカメラ、どこに置いてたんですか?」
「…店のバックヤードのタンスの中よ。鍵がかかってて私以外には開けられないはずなんだけど…」
「寧子さん、そのタンスは!?」
「こっちよ。いらっしゃい」
寧子はマミンを連れてカメラが入っていたというタンスの前へ。
「これがそのカメラが入っていたタンスよ。鍵がかかっているのにどうして盗まれたのかしら…」
「……」
マミンはしばらくタンスを見つめた後、こう言った。
「わかりました。そのカメラ、あたしが取り戻してきます!」
「え?でもどこに行ったのかもわからないのよ」
「大丈夫…さっきタンスを見たときに、犯人はわかっちゃいましたから!とうっ!!」
「あ、マミンちゃん!」
マミンは軽い身のこなしですばやく飛び去っていった!
その夜…人里離れた林の中。ここでは、青ネコ形セリアンスロゥピィの兄弟がなにやら話をしていた。
「やったね兄ちゃん!これだけ古いカメラならきっと高く売れるよ!」
「ああ!そうすりゃ俺たち大金持ちだ!しかしあの婆さんもお気の毒になw」
と、笑っている兄弟だが、彼らのもとに影が近づいているなど知る由もない。
そう、彼らのすぐ近くにはマミンが忍び込んでいた。
マミンは晴天流忍術の35代継承者…すなわち現役の忍者なのである。
彼女は忍装束から小型無音カメラを取り出すと、数枚写真を撮った。
「…これで犯人は押さえたわ。あとは…どうやって取り返すかだけど…」
マミンはカメラを取り返すべく動いた。だが…。
「!!」
なんと、近くにあった木の枝を踏んでしまった!
枝が折れて弾けた音が林の中にこだまする。
「!?お、おい!誰かいるぞ兄ちゃん!!」
「なんだと!?くそっ、あっちだ!!」
兄弟はすぐさまマミンを追う!急いで逃げるマミンだったが、なんと運悪く開けた場所に出てしまった!
「よぉお嬢ちゃん、こんなところで何やってるのかなぁ?」
「身体の大きさから見るに女子中学生かなあ?でも運がなかったなあ」
「俺たちの悪巧みを聞いちゃったからな~。イタい目にあってもらうぜ」
じりじりと詰め寄る兄弟。だが、マミンは懐から筒状のものを取り出した。
「…おやぁそれはなぁにかなお嬢ちゃん」
「警察を呼んだって無駄だよ~。呼ぶ前にあーんなことや、こーんなこと…」
「残念ながら…ハズレよ!!」
マミンは筒の中身を取り出すと、それを思い切り兄弟の足元に投げつける!!
「うわっ!?なんだこりゃ!」
「ぎゃぁ!くそっ!かんしゃく玉か…」
マミンが使ったのは五遁忍術のひとつ、火遁術である。
かんしゃく玉を破裂させ、相手がひるんだ隙に逃げ出したのだ。
しかもマミンは、ただ逃げたわけではない。ちゃんと行動を計算していたのだ!
「に、兄ちゃん!あいつせっかく盗んだカメラを!」
「カメラは返してもらうわよ!おバカさんたち!!」
「なんだとーっ!」
すっかり逆上してマミンに襲い掛かる弟。
だが、マミンは金串を取り出し、相手の足元めがけて投げつける!
「くそーっ!」
「もういい!ほっとけ」
「で、でも兄ちゃん!」
「金は手に入らなくなっちまったが…また盗めばいいんだ」
「そ、そうだな!そもそも俺たちが盗んだって証拠がないもんな!」
だが兄弟は気づいていなかった。自分たちの姿がしっかりと撮られていたことに…。
翌朝、あたご寫眞館。
「寧子さん、盗まれたカメラとり返して来ました」
「まあ、これだわ!ありがとうねマミンちゃん」
「でもマミンさん、肝心の犯人はどこ行っちゃったんだよ?また盗まれるかも知れないぜ」
「大丈夫よ。犯人の証拠は押さえてあるから」
…そしてその夜。
「さて、今日もいっちょ仕事と行きますか」
「今度は大物が盗めるといいね兄ちゃん!」
「どうせ俺たちゃ捕まらないもんな…」
と、林の中の隠れ家で悪巧みをしていた青ネコの兄弟だったが、突然強烈な光が二人を照らす!!
「動くな!無駄な抵抗はやめておとなしくしろ!!」
林の中に警官の怒号が響く。声の主は風天警察署の九重久遠だ!
「な…馬鹿な、この隠れ家は見つからないはずなのに!!」
「証拠の入ったビデオをある女の子にもらってね。一緒に添えられていた地図を頼りにここまで乗り込んできたってワケさ」
クオンは詰め寄る。銃などもっていない兄弟は大人しく両手を上げるしかなかった。
「に、兄ちゃんどうしよう…!」
「ああ、もう駄目だ弟よ…このまま大人しくしてよう…」
ふと、クオンは近くにテントが張ってあるのを見つけた。
「…このテントの中身はなんだ!」
「は、はいっ…いろんなところから盗んだものですぅ!!」
「そうか…以前から市内を騒がせていた連続窃盗犯はお前たちだったんだな!?さぁ、大人しくお縄につけ!」
「「は、はいいいいいい!!」」
かくして、青ネコ兄弟は御用となったのでありました。
そしてまた翌朝。晴天中学校2年A組。
「おはよーっ」
「おはようにゅマミンちゃん」
「みゃあ、今日の新聞見てみて!連続窃盗犯が捕まったんだって!」
ミドラが出してきた新聞には『泥棒兄弟、ついに御用』という見出しが書かれていた。
「ついにってことは今まで捕まらなかったんだよね。証拠でも掴んだのかな?」
と、真緒が訊ねると、マミンは得意げに答えた。
「実はね…証拠を押さえたのはあたしなの。一昨日の夜、人気のない林に潜伏してたところを抑えたってワケ」
「あー、それであの時飛び出していったのかにゅ」
「でもどうして犯人の潜伏場所がわかったの?」
「うん、説明するのは難しいんだけど、わかっちゃうんだよね。なんとなく」
「みゃっ!そうか、マミンちゃんって忍者なんだよね」
「ちょっとミドラ、そんなに大きな声で言ったら…」
「みゃ?ごめん真緒ちゃん」
「大丈夫だってば。みんなあたしが忍者だって言ってもなかなか信じてくれないしねw」
「それは言えたw」
かくして、少女忍者・マミンの活躍により一つの悪は潰えた。
だが、彼女の密かな戦いに終わりはない。走れ!少女忍者マミン!
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ねえ、マミンちゃんったらマミンちゃん。
すましていないで教えてよ。
■出演
ミミナ:http://www.tinami.com/view/740375
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