No.78049

学園の恋姫たち

ぴかさん

天の御遣い帰還するの続きです。

桃香達の学生生活が始まります。
と言っても、桃香達は全然出てきません^^;
導入部分というつもりで書きました。

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2009-06-08 23:07:33 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:14488   閲覧ユーザー数:10661

まだまだ暑い日が続く9月1日。

夏休みが終わり、今日から学校がまた始まる。

昨日までの閑散とした状態が嘘のように、校門には多くの声が響き渡る。

その中をやや憂鬱そうに歩く1人の影があった。

北郷一刀、その人である。

憂鬱そうにしている原因は、もちろん桃香達であった。

 

 

一刀(東堂先輩にも手伝ってもらったから大丈夫だよなぁ。)

 

こっちの世界に戻ってきてからの数週間は、もうあっという間だった。

桃香達に、あっちの世界とこっちの世界の違いや、こっちにしかないモノの使い方を教えなければならなかったからだ。

エレベータの使い方やドアの開け方。

テレビや冷蔵庫、洗濯機やエアコンといったあっちの世界に無かったモノの使い方を教えていった。

とは言っても、この辺のを担当したのは東堂だった。

当初、一刀から桃香達は全くの無知だからキチンと教えてと言われ、どこの原住民よと鼻で笑っていたが、その通りだったので唖然となってしまった。

普段使い慣れているモノを、改めて教えるというのはなかなか難しいようでかなり四苦八苦していた。

日に日に疲れを見せる東堂に一刀はヤバいと思ったが、案の定部活でしごかれる羽目になったのは言うまでもない。

 

 

一刀は主に屋外でのモノの説明や、日本語の読み書きを教えていた。

仲間を捜して歩き回ったり、あてもなく彷徨っていたりしたせいで、女子寮周辺は見慣れたものが多かったが、それでも改めて説明を受けると珍しいモノが多く、鈴々や猪々子、蒲公英辺りが黙っているはずもなくはしゃぎ回るおかげで全く説明にならない日が何日もあった。

それ以上に熾烈を極めたのが、日本語の読み書きである。

言葉が通じても文字が読み書き出来なければコミュニケーションはなかなか取れない。

それに、夏休みが終わると学校が始まる。

イヤでも文字を読んだり書いたりしければならなくなるのだ。

そう言ってもなかなかはかどらない者が多かった。

その中でも、やはり優秀なのだろう、朱里や雛里、詠や音々音と言った軍師達は早いうちに日本語をマスターし、教える立場になった。

比較的優秀な桃香、根が真面目な愛紗、天才肌の星、城を任されていた紫苑や桔梗や白蓮や麗羽、月や斗詩と言った努力系な人たちはメキメキ上達していった。

だが、鈴々を筆頭とする武官達と美以や南蛮兵達はなかなか覚えが悪い。

特に、鈴々や猪々子、焔耶辺りは飽きっぽいと言うのもその悪さに拍車をかけていた。

数日前も朱里から

 

朱里「はわわ・・・。一刀さん、鈴々ちゃん達がまた逃げ出しました~。」

 

と、助けを求められたりもしていた。

 

ちなみに、璃々はこれからまだまだ学校で学ぶだろうと言うことで、あまり細かく教えなかったのだが、物覚えは鈴々よりも断然よかったのは余談である。

 

 

そんなこんなをしていると、新学期まであと数日。

一刀はここで全く宿題をしていないことを思い出し、昨日まで必死にやっていたわけである。

そんな自分を思い出し大きな欠伸をする。

と、ここで背中を叩かれた。

 

??「よっ、かずピー!!」

一刀「及川・・・。」

 

後ろを振り向くと、昔からの悪友である及川がそこにいた。

及川にとっては、約二ヶ月ぶりの再会だろうが、一刀にとっては一年以上会っていない事になる。

 

一刀(こんな奴でも懐かしく感じるんだなぁ)

 

そんなことを思っていると、及川が一刀の肩に手をかけた。

 

及川「なんや、朝っぱらから辛気くさい顔してんなぁ。」

一刀「昨日の夜まで宿題片付けていたから眠いんだよ。」

 

その回答に、及川はさも当たり前のような顔をして言った。

 

及川「夏休みの宿題は、さっさと片付けなあかんで!!」

 

その言葉に唖然となる一刀。

 

一刀「おい、去年までは終わり間際に一緒にやってたじゃないか!!」

 

及川がチッチッチッと指を振りながら答える。

 

及川「今年のわいはひと味違うんや!!7月中に宿題終わらせて8月はエンジョイライフやったんや~!!」

一刀「そんなのお前と違うだろ~!!」

 

一刀の嘆きに及川は笑いながら言った。

 

及川「まっ、来年はかずピーもわいを見習ったらええんや。」

一刀「くそっ!!」

 

こんなやり取りをしながら、昇降口に消えていく2人。

一刀はこんなやり取りも懐かしくそして、嬉しく感じるのであった。

 

 

教室に入ると、日焼けした子が多く夏休みのバカンスの話題で盛り上がっているようだった。

ちなみに、聖フランチェスカは元々女子校で最近共学になったばかりなので、男子生徒が圧倒的に少ない。

今も教室内は、女子達の熱気でムンムンとなっていた。

以前ならこの空気はあんまり好かなかった一刀だったが、女性とふれあいが多かったせいか、今は全く気にならなくなっていた。

 

一刀(こういう効果もあるんだなぁ。)

 

一刀は今はいない女神達に感謝をした。

 

しばらくして始業式の為に講堂に集まり、理事長の話を聞く。

話を聞きながら、一刀は心の中で理事長に感謝をしていた。

 

始業式も終わり、教室に戻る一刀達。

桃香達は始業式が終わった後にそれぞれの教室で紹介されるはずだ。

一刀は、誰がどのクラスか教えてもらっていない。

なので、一刀のクラスに誰が来るかは分からないのである。

さらに転入生が来るとなれば及川辺りが騒ぎそうなモノだが、全くその気配がない。

一刀は、理事長の情報統制の凄さを改めて感じていた。

しばらくして、担任が入ってきた。

 

 

担任「いきなりだが、転入生を紹介する。留学生なので、日本の事はそれほど詳しくないが仲良くするんだぞ。・・・さあ、入ってきなさい。」

 

担任がそう促すとドアが開かれ1人の女性が入ってくる。

その姿にどよめき出す教室。

腰の下辺りまで伸ばされた美しく長い髪。

非常に整った顔立ちと、抜群のスタイル。

男子はもちろん、女子も溜息の出る姿だった。

一刀は、別の意味で唖然となっていた。

それは、そこにいるはずのない人物だったからである。

 

担任「さあ、名前を。」

??「はい・・・。みなさん、初めまして。私は蓮華と言います。」

 

一刀(孫権・・・さん・・・。)

 

そう、そこにいたのは桃香でも愛紗でも星でもなく、孫権こと蓮華だった。

 

 

あとがき

 

いきなりやっちゃいました。

ここで予想外の蓮華登場です。

 

蓮華は前作、恋姫無双で一番好きなキャラだったので書きたいと思ってました。

で、思わず登場させちゃいました。

続きは・・・書けるかなぁ。

つじつま合うように考えないといけませんね。

 

及川の大阪弁、どうでしょうか。

いやぁ、難しいです。

でも、これが書けないと霞や真桜を出せませんからね。

精進せねばと思っています。

 

今回もご覧いただきありがとうございました。


 
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