序章 5話 斉天大聖
一刀の元から紅が巣立って幾久ばかりの歳月がたっていた
姿を消した一刀と鷹はと言うと
??「く~~~~~~~~~~~~~~~ちゃ~~~~~~~~~~ん!!!!また来たよ~~~~~~~~~!!」
ドーーーーーーーーーン
突然やってきた女性に一刀は抱き付かれていた
一刀「ああクソッ、鬱陶しいぞ妲己!!毎度毎度来やがって!一体何をしに来てるんだ!」
一刀は抱き付いている妲己を引きはがそうとするが妲己は器用に一刀の手から逃げながら一刀の体の至る所に引っ付き続けた
妲己「妲己じゃなくて狐(コン)って呼んでよ、く~ちゃん!!そうしないとはなれてあ~~~げない♪それと、何しに来たって、それはもちろんく~ちゃんの性奴隷になるためだもん♪」
一刀「さっさと離れろ!!この狐(きつね)!!それにくーちゃん等と俺を呼ぶな!」
妲己「え~~~なら、何て呼べばいいの~~?私く~ちゃんの名前、他には美猴王しか知らないもん。そんな可愛くない名前よびたくないも~~~んだ!プンプン」
一刀「何が可愛くないだ!!それに、俺はもう孫空と呼ぶな!この名はあの娘が居たから着けた名だ。もうアイツ・・・・・紅が居ないのでは必要無い名だ」
妲己「え~~~じゃあ、白沢が呼んでるのはいいの?」
一刀「・・・・・鷹はそれが呼び慣れていると言うからそう呼ばせているだけだ」
妲己「じゃあ、私もそっちで呼ぶ~~~」
一刀「あ~~~、もう如何でもいいから早く離れろ!鬱陶しくてしょうがない!」
妲己「え~~~駄目だよ~~。かずくんはまだ私の事、狐(こん)て呼んでないも~~~ん」
一刀「わかった、呼べばいいんだろう。速く離れろ狐」
狐「は~~~い」
やっと名を呼ばれたことに納得したのか妲己事狐は一刀から離れたのだった
一刀は着崩れた服を治しながら毎度訳も無く来ている狐を問いただし始めた
一刀「それで、何しに来た?」
狐「だからさっきと言うか毎回言ってるじゃない。かずくんに添遂げて、性奴隷になるために来たって~~」
一刀「それは聞き飽きた。本心は何だ?何が目的だ?お前は何者だ?」
一刀はある日突然にやってきたこの妲己が不審でしょうがなかった。行き成りこの場所をやってきたかと思うと、一刀に抱き付き結婚して、奴隷にしてと言い続けているのだ
この場所は普通の者では付きとめる事が出来ない場所である。いかに妖狐(一刀が滅ぼした後に生まれた)と言えど、いや妖怪程度では見つける事の出来ないはずであるからだ
狐「何々、かずくんそんなに私の事が知りたいの?も~~~しょうがないな~~~~大好きな人に自分の事知りたいなんて言われたら教えてあげたくなっちゃう~~~~キャッ大好きて言っちゃった」
狐は体をクネクネとさせだした
一刀「・・・・・・・いいから話せ。そろそろ俺も限界だ・・・・それに、お前の口ぶりから鷹とも知り合いの様だが?」
狐は一刀の問いかけ全く聞いている様子も無く
狐「それじゃあ、お布団の所行こう♪そこで私の隅から隅まで教えてあ・げ・る♡」
一刀の腕を引っ張り、何時調べたのか的確に寝台がある部屋に向かいだした
そして狐の行動で一刀がとうとう切れた
ブチッ
ドッコーーーーーン
一刀は狐が抱いている腕を払いのけるのと同時にその勢いのまま狐を壁に弾き飛ばしたのであった
ヒョコ
狐はすぐに顔を起き上がらせ
狐「あ・・・ああ・・・・・・愛を・・・愛を感じる~~~~~~~~!!!!初めてかずくんから私に触ってくれた~~~♪それに、こんなに激しく!これは私への愛に違いないわ。もっと、もっとしてかずくん!!」
一刀は狐の言動を見て流石にひいていた
今までこの様な行動をとる生き物を見たことが無かったからだ
一刀「う・・・・・流石にこれは・・・・」
一刀はどうするべきかと考え出そうとした時
鷹「今の音は何だ一刀?」
狐が壁に叩きつけられた音が気になり鷹がやってきたのだった
一刀「おお、鷹か。調度いいときに来た!お前は毎回こいつが来たときは何処にもいないし、何か聞こうとすると言葉も濁すからな。今日は全て話してもらうぞ!」
一刀はいまだに愛~愛~と叫んでいる狐を指さしながら鷹に問い詰めた
鷹「あいつ?・・・・・ああ、妲己の事か」
一刀「やはり顔見知りだったな。それでアイツは何者だ?」
鷹「妲己が誰かって・・・狐だろ?」
一刀「狐なのは解っている!!俺は何故こいつがここに居るのかと聞いているんだ!」
鷹「それの事か。それはだな・・・・まあ、なんだ。簡単に言うと、お前を速く紅の事から立ち直らせるためだ。紅が此処から出て行ってかなり経つが、お前はいまだに気が沈んでいる。このまま気が沈んで、昔の気性の荒い時に戻られても困るからな。それで対処としてこいつを呼び込んだんだ。何でも昔、お前に助けられたとか言っていてな、もう一度会いたいと言う執念で妖怪になったらしい。しかもかなり妖術の筋が良い。その上僅かなりと仙術を使う。それも考慮してこいつを選んだんだ」
一刀「俺の心配してくれるのはありがたいが・・・・逆にこいつのせいで昔の俺に戻りそうだよ!!!」
鷹「そうか?結構楽しそうに見えるぞ?紅が出ていった時と比べて元気になっているみたいだしな」
一刀「う・・・・・・」
言いよどんだ一刀も自分自身、狐が来てから紅の事を考える時間が少なくなっていると感じていた
一刀「だが・・・・此処に知らん奴を入れて、勝手にアレをされたら俺が封印されるんだが」
鷹「それも大丈夫だ。こいつは妖怪でもあるが仙人に近しい者でもあるからな。こちらの事情はしっている。まあ、力は俺たちから見て下の下だけどな」
一刀「あれで・・・・仙人・・・・・仙人業界も人材不足なのか?」
一刀は狐をみて今までの言動を思い出しながらそう言った
鷹「そう言ってやるな。お前に会うために妖怪になり、力を付けてきたんだからな。それで、妲己が何者か理解したか?」
一刀「・・・・・ああ。しかし、納得はいかん」
鷹「何故だ?」
一刀「俺はあんな奴を助けた記憶は「何々?私をそんなに見つめて如何したの?」・・・・・離れろ狐」
狐「ブーブー、さっきはあんなに私を愛してくれたのに~~~。それで何の話をしてたの白沢?」
狐は一刀から離れ、機嫌が悪い一刀にではなく鷹に話を振った
鷹「お前についてだ。お前と一刀の出会いについて知りたいそうだ」
狐「え~~~!かずくん、あの劇的な出会い忘れちゃったの~~~」
一刀「忘れるも何も、お前と出会ったのは此処に狐が来だした時だと思うなんだが?」
狐「そんな~~~。あの時かずくん、怪我している私をあんなに優しく介抱してくれたのに。その時、私はこの人が私の運命の人だ!!って、思ってこんなに頑張ってきたのに~」
一刀「俺がお前を助けた?何時?何処で?」
狐「それは・・・・・あ、わかった。かずくん、私に出会った時の事、わざと話させて私のかずくんへの思いを確かめてるんでしょ~~~~♪も~そんな事しなくても、私はずっとかずくん大好きだよ!」
一刀「なあ鷹、本当にこいつ殺していいか?」
鷹「いや・・・その、すまなかった。おい妲己、そんな事はいいから話を進めろ」
鷹は本当に申し訳ないと頭を下げ、妲己に睨みつけながら話をを戻した
狐「何よ~もう、それで何の話だったっけ?・・・・・・ああ、そうそう。私とかずくんの出会いだよね。確かあの時、私は人間の罠にかかって足を怪我したんだ。それで動けなくなっている所にかずくんが薪拾いに来たんだ。それで、私を見つけたかずくんが住んでいる家に連れて行って私を治療してくれたんだ~~~えへへへ」
狐は笑顔で一刀との出会いを話した
一刀「俺が薪拾い?」
狐「うん。えっと、確かその時かずくんが一緒に住んでたのが筋肉ムキムキの変態だったよ」
一刀「筋肉ムキムキの変態?・・・・・!!あの時の事か!」
狐「名前は解んないけど、と~~~っても気持ちの悪い生き物だったよ」
一刀「うん・・・・あっている。あんな奴が他に居るとは・・・・・いや、あと一人いたな」
狐「え!?あんなのもう一人いるの?」
一刀「ああ。それよりも俺が貂蝉の所にいた時に助けた狐か・・・・・変われば変わるものだな」
一刀は狐の上から下を改めて見まわしたが、何処をどう見ても人間の女にしか見えなかった
狐「えっへ~~~、凄いでしょ~~~♪この姿。かずくんに見初めて貰うために色々と勉強してなったんだよ~~~。それで、一度人間相手に何処までやれるか試したら、一つの国潰しちゃった♪キャハ」
一刀「は?お前如きが人間の国を潰すだと?」
一刀は絶対にありえないと言いたそうな顔で聞き返すと、狐では無く鷹から答えが返ってきた
鷹「一刀、こいつが言っている事は真実だぞ。こいつ人間を化かすの初めてだから、調子こいてやり過ぎたんだ。その結果その国で浴びるほどの酒を飲み、池を作ったり、人間全員が裸で朝から晩まで騒ぎ続けていた」
一刀「はぁ?人間は馬鹿なのか?」
鷹「まあ、否定は出来んが・・・それをやらせた妲己も馬鹿だから、余計酷いことになっていた」
一刀「なあ鷹、本当にこいつで良かったのか?」
鷹「改めて言われると・・・・・・」
鷹は頭を捻り出すと
狐「え~~~、私、もうかずくんから離れないもん。ずっとかずくんと一緒にいるからね!」
ギュ
狐は一刀の腕を抱え自分の胸の間に挟んだのだった
一刀「で~~い、いちいち引っ付くな!!」
狐「じゃあ、かずくん。私がここに居ていいて言って」
一刀「出ていけ」
狐「嫌だ、嫌だ。良いって言うまで絶対離さないもん!!」
と、この言い合いが永遠と続くかと思えたが
一刀「ああ、もうわかった。狐お前はここに居ていいから離れろ」
狐「え!?本当?やったーーー!!」
鷹「如何した?お前が先に折れるなんて珍しいな」
一刀「まあな・・・・・さっきお前が言った通り此奴のおかげで気が紛れてるのは確かだからな・・・・・それに、紅との約束を終わらせたら時が来るまで時間を持て余すだけだ。それを考えると少しぐらい変なやつがいた方が面白いだろう?」
鷹「確かにその方が昔を取り戻さないなら、そっちの方がありがたい」
鷹はまた荒れていた頃の一刀に戻ることを危惧してそう言った
もし一刀が昔の様に荒んでしまって暴れ出した時、自分がアレを壊して一刀を封印しなくてはいけない。最初の一緒に生活をしだした頃ならいざ知らず、今はそれなりの情、いや友情の様な物がある。それだけはしたくないと考えていた
ここで一刀の封印について説明すると、これは一刀の強さが世界の管理者たる仙人達(仙人でも一握りの人物達)より力が強い事から作り出された物であった
一刀の存在を無くすためには、管理者たち全員の力でかなりの時間と労力が必要である。そのために時間稼ぎとして作られたのがこの封印であった
この事は一刀自信も把握しており納得もしていた
そして一刀は鷹にこの封印に付いて全てを一任していた
これは一刀が鷹を信じきっている証でもあった
一刀「さて、俺は一度外に行ってくる。悪いが此奴の部屋の準備鷹に任せていいか?」
鷹「またか。お前が人間の世界を見て回っても何の得にもならんだろうに」
一刀「解っているさ。しかし、習慣になってしまっているから仕方ないだろう」
一刀が言う外とは、つまり花果山の結界の外を意味している
最初は紅が居ない事で気を紛らわせようと始めた事であった。そして、紅達の情報を少しでも知りたかったためであった
鷹「ハ~わかった。あまり遠くにはいくなよ。この前、久々に卑弥呼から連絡があった。元管理者の左慈と言うやつが完全に消息を絶ったらしい。そしてこいつは何かをたくらんでいるともな」
一刀「ふん、所詮仙人だ。俺の敵じゃない。それじゃあ行ってくる」
一刀は鷹の話を鼻で笑いさっさと外へと向かっていった
そして、一刀の元から出ていった紅は
ワーーーワーーーーワーーーーー
戦場にある天幕の中
紅「お父さんの元から出て来てもう何年たったのか・・・・・・光と供に戦乱を駆け抜けてていき、最初は賊の討伐から・・・仲間を増やし土地を得て、国を造り・・・・・・この戦に勝利すれば越や楚と言える大国たちと渡り合える力を得る」
紅は首にかけている首飾りを触りながら思いに更けていた
紅「それにしても、戦場に出て改めて思ったけどお父さんや鷹小父さんの強さは本当にすごかったんだね。二人には殆ど攻撃が出来なくて防御しかできなかったけど、普通の人相手だと私今の所敵なしだよ・・・・私女の子なのに余りにも強すぎるから仲間からも怖がられてるいし、お父さんと同じ『斉天大聖』何て呼ばれちゃってるよ・・・・」
複雑な気分を表していると
パサ
入り口の布を持ち上げて光が入ってきて
光「紅、そろそろ時間だ」
紅「うん、わかった」
光「すまないな紅。毎回お前に先陣を切らせて・・・・大将の俺が後ろで隠れるようなことをして」
紅「しょうがないよ。光は私達の王様。出来る限り危険から遠ざかってないと」
光「そうだがな・・・・・俺は孫空様との約束があるから、お前の隣で戦いたいんだが」
紅「駄目。光はさっきも言ったけど王様。そして光のお仕事は後ろから私や他の将、兵士に指示するのが仕事」
光「わかってる・・・わかってるさ。しかし歯痒くてな・・・・・」
紅「も~~しょうがないな~。それじゃあ、一つ教えるね。光、彼方は私の帰る場所であり、大切な人。そしてただ一人の私の王様。王様は私が帰ってくる場所を守って居て欲しいの。だから絶対無理をしないで」
光「・・・・わかったよ。紅、気を付けてくれよ。城には俺たちの大切な宝が待っているんだから」
紅「ええ、勿論よ」
紅は返事をした後、一度首飾りを一刀に『見守っていて』と言う願いを込めて触り歩みを進めた
そして、戦場
パカパカパカ
馬に乗って軍の先頭に進み
紅「聞け!!!!呉の勇敢なる兵士たちよ!!!我々呉はこれより戦闘にはいる。しかし恐れる事は無い!!お前達には武神に育てられたこの私、孫武が居る!!だから誇れ!!叫べ!!!お前たちは武神の加護がある!!力がある!!恐怖をされど、する必要はない!!」
ワーーーワーーーワーーー
「「「「「斉天大聖!!」」」」」
「「「「「斉天大聖!!」」」」」
「「「「「斉天大聖!!」」」」」
兵士たちは皆、武神の異名『斉天大聖』の声とともに士気を上げた
紅「いいか!!!敵を殺せ!!壊せ!!塵にしろ!!!我らは世界に覇を唱える呉王闔閭の最強の軍である!!!」
ワーーーーワーーーーーワーーーーーー
そして王の名と世界を取ると言う言葉を聞いて兵士たちの士気は最高潮になった
紅「全軍!!!!!突撃!!!!!!!」
ワーーーーーーーーーーーーー
戦は呉の圧倒的勝利で終わった
紅「光、ただいま」
光「ああ、お帰り。これで、大国と渡り合える力が手に入る」
紅「うん。でも、戦を始める前に・・・・・」
光「ああ、解っている。情報、それに食料、武器・・・・・ただそれよりも」
紅「うん、国を栄えさせる。戦は敵より優位になって初めて仕掛けるもの」
光「だな。・・・・・それにしても、紅の書いた書簡『孫子』アレは凄いな」
紅「ううん、あれは私が教わったことを纏めた物。私が凄いんじゃなくて鷹小父さんがすごいんだよ」
紅は首を横に振り自分の親達の事を思い浮かべていった
光「ああ、あの方たちに恥じない様に頑張ろう」
紅「うん!それで、次は何処を?」
光「次は楚だ」
この戦いから、紅は他国から計り知れない武を持つ者と恐れられ名実ともに『斉天大聖』と呼ばれるようになった
あとがき??
如何でしたでしょうか?
新キャラ妲己についてですが出したのは良いですがヒロインかと言われるとまだ決めてないです
話の構成上要るかな?と思いだしてみました
容姿は某無双の妲己を想像してください。ただ、内面はただのバカで変態です
もし、人気があるならヒロインにしますので感想お願いします
次回、何か色々起こして、その次の回で序章終わりかな~~と思います
どうか、項羽伝共々ご愛読お願いします
では、待て次回
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項羽伝共々ご愛読してもらえると恐縮です