No.779915

恋姫英雄譚 Neptune Spear

リアンがDEVGRUオペレーターとしての能力を発揮させる。

2015-05-27 07:18:09 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:844   閲覧ユーザー数:789

 

Mission29:His real ability of DEVGRU

 

 

 

オペレーション‘‘ワルキューレ”……。

 

かつて第2次大戦後半の1944年7月20日にてクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を中心としたクーデターにて利用された国内予備軍導入‘‘Operation Walküre”と同じ名前だ。

 

今回はその表向きであった外国人労働者の暴動と李傕・郭汜による反乱と重ねただけで目的そのものは違うが……。

 

作戦を立案して直ぐに俺は準備を済ませ、辺りが暗い内に長安東部に回り込み、第1目的地である興慶宮内にある龍池に繋がる水路にゆっくりと入り、音を立てずに水路を進む。

 

そして城壁に差し掛かった地点で敵の気配。俺はすぐに背丈が高い水草に身を隠し、ゆっくりと伺う。

どうやら敵は1人のようであり、背中をこちらに向けて眠たそうにしていた。城壁にも敵はいるようだがこちらには向いていないので仕留めることにした。

 

ゆっくりと泳いでいき、幸いにも浅瀬になっていた奴のすぐ背後に回り込むとGerber Mk9を取り出し、タイミングを見計らって敵の口を塞ぎつつ足を蹴ってバランスを崩し、無防備になった首に深々と突き刺した。

 

絶命した敵兵の体を物音を立てずに水路へと引きずり込み、川底に沈めておくと再び水路を突き進む。

 

 

「全く……水路からの侵入は想定していないのか?」

 

 

小声でそう言ってしまった。いくら風景を重視させたかったとはいえ、侵入者対策どころか鉄格子を何もしていないのだ。

これじゃ‘‘通って下さい”と言っているようなものであるが、今の状況では逆にありがたかった。

 

そこから龍池に入り、HK416を構えながら壁際沿いに進んでいると少し離れた場所で敵兵2人が何か話していた。

 

 

 

 

「眠いったらありゃしれねえな………」

 

「我慢しろ、もう少ししたら交代の連中が来る時間になる」

 

「どうせ敵なんざ来られねぇんだから、見回りなんざ無意味なんじゃねぇ?」

 

「油断すんな。なんでも敵の指揮官っつうのが噂の‘‘天界の戦士”らしい」

 

「はん‼︎どうせ単なる噂話だろ?俺に比べれば大したことねぇに決まってるさ」

 

 

………ここが池だけにまさしく‘‘井の中の蛙大海を知らず”だな。

 

というかなんだか腹が立って来た……。

 

そんな会話の中で有力な情報を聞き出したかったが結局は何の手がかりも掴めず、仕方がないので2人が移動したのを確認して再び壁際沿いに移動していく。

 

そしてここで次の障害があったがこれはすぐに解決した。本来は門をくぐって夾城を目指す予定だったが目の前に塀よりも高い木が植えられていたので、それによじ登って道に出た。

 

遠くからは連合軍と反乱軍の戦いが聞こえてきており、連合軍が防御に阻まれているようだ。

 

 

「………急いだほうがいいな」

 

 

敵の巡回ルートを避け、HK416を構えながら移動していく。時には物陰に隠れてやり過ごし、避けられそうにもない敵に対しては背後から忍び寄って暗殺。死体は確実に見えない場所に隠してから移動。この繰り返しだ。

 

潜入開始からしばらくして第2目的地である夾城が見えてきた。ここにも門番が警備をしていたので頭を撃ち抜いて中に潜入した。

 

ここで情報を手に入れておきたかったので手頃な奴に狙いを定め、背後が隙だらけであった衛兵の首を軽く締めてGerber Mk9を突き付けた。

 

 

「静かにしろ。騒げば解るな?」

 

「…………(コクリコクリ)」

 

「よし、手短に聞くぞ。ここの兵力は?」

 

「ぐっ……じ……13人だ」

 

「民間人は?」

 

「侍女が7人………」

 

「何処にいる?」

 

「み……南側にある…部屋だ」

 

「よし、いい子だ………」

 

 

 

 

聞きたいことは聞いた。最後に衛兵の声帯を切断して始末し、死体を隠すと侍女がいるとされる部屋に向かった。

そして南側に移動したらちょうど部屋の前に侍女がいたので素早く背後に回り込み、口を塞ぎながら問いかけた。

 

「むぐっ⁉︎」

 

「安心しろ。敵じゃない」

 

「ムー‼︎ムー‼︎」

 

「騒がないでくれ。俺は董卓様の指示で帝を反乱軍から救いに来た者だ」

 

「……………」

 

「この城を爆破する。だからすぐに他の侍女達を連れて安全な場所に避難するんだ。正門を開けてある。いいな?」

 

「………(コクリ)」

 

 

それだけ言って手を離すと侍女は騒がないで他の侍女達がいる部屋に入り、みんなを連れて正門へと向かった。

それを確認したら城内へと侵入して、1番効率的な設置場所を考える。夾城自体は大した大きさではないので1個の爆発物を仕掛ければ大丈夫だろうが、今回は合図も担っているのでよく見える場所………つまりは最上階に仕掛ける必要がある。

 

城内を巡回している敵兵を倒しつつ、階段を見つけて一気に3階に駆け上がり、適当に近くの部屋の扉を開けてクリアリングを実行する。

 

 

「ルームクリア」

 

 

制圧を確認したら部屋の隅にバックから取り出したものをセットする。

 

今回の作戦で用いるのはAN-M14特殊焼夷手榴弾を用いた‘‘テルミット爆薬”だ。

半径は極めて狭いが燃焼温度は実に4000から5000度以上とされている。加えて雨の中でも使えるので今回のような合図での火を発生させるには最適だ。

リモートスイッチも一緒に組み合わせているので俺が安全地帯……つまり次の目的地である皇城に繋がる跳ね橋へ脱出したらスイッチを押して起爆させる。

 

主力部隊の攻勢に備えて次の目標である跳ね橋へと急ぐのであった……………。

 

 


 
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