パンの店ル・シャトン。
「ピキュキューン!ここのクリームパンはいつ食べても美味しいなぁ~」
店先でクリームパンを頬張るのは、トイランド星からやってきた王女、ヴィーボ・エル・トイランド。
天空市のみんなからは親しみを込めて『ヴィーボちゃん』と呼ばれているが、彼女は時折こうして地球を訪れてはバカンスを楽しんでいるのだ。
「いつもご贔屓にしてくれて嬉しいわヴィーボちゃん。もしよかったら1個サービスするわよ」
にこやかに対応するのはこの店の店主、ミーアこと飯田橋美亜。
ミーアとヴィーボが話しているその最中。
「なんだよー!急に増殖したかと思ったらマシーナリーだったのかよ!」
「ビックリさせないでよ唯ちゃん!もう、お腹すいちゃったじゃない」
「そうね、せっかくだからル・シャトンのパンでも食べていこうかしら。ね、詩穂ちゃんに歌穂ちゃんも食べるでしょ?」
「あ、じゃあご馳走になろうかな。ねぇ歌穂」
「ん~、そうだね~」
「こんにちはー!」
「はいこんにち…きゃ!?」
「え、どうしたのミーアさ…ビビっ!?」
「え!?」
ミーアとヴィーボがビックリしたのも無理はない。
なぜなら目の前に、同じ顔が…同じ顔が3つも並んでいたからである。
「えーっと…」
「な、なぁにミーアさん…?」
「…唯ちゃんって三つ子だったの?」
「いや、あの、そういうわけじゃないんだけど…」
するとヴィーボが、ミーアに一言。
「ミーアさんミーアさん」
「あら、どうしたのヴィーボちゃん」
「唯ちゃんは最初から一人っ子だよ。あとの二人は機械の身体。マシーナリーよ」
「な、なんだってー!?」
「あちゃー、ヴィーボちゃんにはわかっちゃったかぁ!」
と、一本とられたと言った様子の詩穂。
「でもなんでわかったのかな~?あたしたち、こ~んなにそっくりなのに~」
と、相変わらず間延びしたしゃべり方の歌穂。
「…あっ!そうか!」
「どうしたの和美ちゃん」
「いくらあなたたちが似てても、ヴィーボちゃんには一発でわかっちゃうのよ!だってほら…」
和美は一息ついてさらに続ける。
「…ヴィーボちゃんはトイランド星人だから。機械の身体だからよ!」
「って…それだけじゃ理由にならないだろ和美」
そこへヴィーボが口を挟む。
「あー、そのことなんだけどね。わたしの目は特殊な光線が出るようになってるんだ。それで相手の身体の構造を調べたりできるのよ」
「へぇー…じゃあつまりヴィーボちゃんの前じゃあっさりバレちゃうってワケねw」
「ま、そういうことwじゃあわたし先に別荘に帰るね」
と、ひとしきり話したあとヴィーボは去っていった。
「いやー、不思議なこともあるものね。あなたたち本当にそっくりだわw」
「えへへ~、どうもありがとうございます~」
「歌穂、それややこしいって言われてるんだと思う…」
姿かたちがまったく同じ女の子が3人。
あなたは誰が誰だかわかりますか?
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でも、ヴィーボちゃんにはお見通しでしたw
■出演
唯:http://www.tinami.com/view/742179
和美:http://www.tinami.com/view/743015
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