【 白蓮と桔梗たち 合流 の件 】
〖 司隷 洛陽郊外 にて 〗
桔梗「フフフッ……。 少し見ぬ間に……なかなか肝が据わった行動が出来るようになったの? 白蓮よ!」
ーーー
雷「ホント凄かったわよぉ! 十常侍のナントカが……偉そうな態度で、白蓮に声掛けて『漢の忠臣ならば、我々に従えぇ~!』なんて言ってきた時、どうなるかと思ったわ! それなのに……拳でガツーンと殴るんだものッ!」
電「白蓮さん! カッコ良かったのですー!」
響「………Хорошо!(素晴らしい!)」
暁「レディたるもの……己の確固な意見があれば、それを貫かなくちゃいけないと思うのよ! ………な、なによ! そんな微笑ましい視線を私に向けないで!! お子様じゃないんだからぁ!!」
ーーー
鈴々「にゃははははッ! カッコ良かったのだ!」
愛紗「白蓮殿……お見事です!」
桃香「ホントだよ! 白蓮ちゃん!!」
ーーー
白蓮「お、おいッ! 私は普通に──コイツらの行動に腹が立って、殴り飛ばしただけなんだぞ!? そんな賛辞や褒め言葉なんか止めてくれ!!」
★☆☆
事の次第は、要約すると……
①《 十常侍の趙忠、高望、韓悝の三人が幽州に向かって逃走! 桔梗と第六駆逐隊が追撃! 洛陽郊外で追い付く!! 》
②《 丁度、白蓮率いる公孫軍が迫る。 十常侍が助けを求め、公孫軍に飛び込み、桔梗達と対峙! 趙忠が、高飛車に公孫軍へ『自分達の護衛と追っ手の迎撃』を命令! 白蓮は『相手の事情を聞いてから……』と応じない! 》
③《 高望が罵り、韓悝が嘲り、趙忠が怒鳴る! 『汝、漢の忠臣に成らず! 強き者に尾を振る犬也!』と。 白蓮、激する三姉妹を抑え、一人十常侍に向かい、笑みを浮かべつつ拳の嵐を見舞う! 全員……唖然とす! 》
④《 白蓮が叫ぶ! 『民の血税を食い物にし、漢王朝に依存する虱のような輩に、誇りある私達の生き様を汚すなッ!』 桔梗が感嘆し、止めるのをワザと遅らせ、桃香は急いで止めに入るが……止めれず義妹達に助けを求む 》
⑤《 三人の十常侍……顔を腫らして桔梗に捕縛! 礼を述べに行けば、白蓮が声を掛け、記憶の有無を聞く。 驚く桔梗は、第六駆逐隊を紹介しつつ、一刀の事を話す! 白蓮達も驚き、真名を預け洛陽へと向かう 》
これが、主な行動の記録である!
★★☆
白蓮「………えらく……サラッと流された感じなんだが……」
桃香「うぅん! 大事な事もキチンと紹介してあるよ! ほらっ! 《笑みを浮かべつつ拳の嵐を見舞う!》とか、渋くてカッコ良い白蓮ちゃんの人柄が、こ~うなんて言うのか……滲み出ていると思うの!! うん!!」
白蓮「あのなぁ……それじゃタダの乱暴者じゃないかッ!!?」
愛紗「まあまあ! 白蓮殿のお陰で、皇帝陛下に危害を加えた罪人を、捕縛できたのですよ。 これは、まさしく白蓮殿の手柄です!」
桔梗「その通り! これだけの手柄を上げれば……白蓮の望みも叶えて下さるじゃろう! 桃香さま……いや、桃香殿を……どこかの役職に封じる事、疑い無しじゃ!」
雷「大丈夫よ! 私や第六駆逐隊、それに『司令官』も味方してくれるわ!」
電「他の皆も、協力してくれるのですよ!」
白蓮「あぁ……ありがとう!!」
ーーー
響「友情……インプット完了……」コーホー
暁「響……? 今、何か言った?」
響「いや……別に……」
◆◇◆
【 噂をすれば……の件 】
〖 司隷 洛陽 門前 にて 〗
白蓮たちは、こうして……洛陽に到着。
先触れを出していたので、門前では人集りが広がっており、かの公孫伯珪を一目見ようと、路上に溢れ出ていた!
『十常侍を殴り飛ばして、叱りつけた幽州太守 公孫伯珪』
偶然……これを見た旅人がおり、話が広まり洛陽内で知らぬ者は居ないほどになっていた。 そのため、見物客が集まったのだが……中には、見物だけが目的では無い者もいる。
今の漢王朝に不満を抱く者たち、逆に漢王朝に仇成す者を成敗する輩とかが、白蓮の人物を推し量ろうと……虎視眈々と……機会を窺ってもいた。
★☆☆
公孫軍は、門前で待っていた者の案内により、兵士を洛陽郊外に駐屯。
愛紗「───では、兵士たちを駐屯させる準備をして参ります! 準備できましたら、戻ってきますので!」ダッ!
愛紗たちは、兵士を率いて、定められた場所に移動して行く。
桔梗は、門前の衛兵と話をし、主である一刀に言付けを頼み、都城へと使いの者を走らせた。 また、桔梗たちが居なかった間に、起きた情報も……それなりに聞き込み……手に入れている。
門前には、白蓮と桔梗、第六駆逐隊が残った。
ーーー
桔梗「……白蓮、凶報が入っておった。 皇帝陛下が……崩御されたと……」
白蓮「……そうか。 いや、間に合わない可能性も考えていたんだ。 けど……同じ『歴史』を味わう事になっても……陛下の崩御は慣れないな……」
桔梗「仕方あるまい。 例え、名ばかりの皇帝陛下とはいえ、わし等にとっては、雲の上の存在。 そう……幼き頃より教育されて来たのだからな。 お館さまに感化された身であっても……キツいものはキツい……」
電「電は……慣れない事が普通だと思うのです。 慣れれば……その分、大事な感情を失ってしまう……そんな感じがするのですよ?」
桔梗「……お主等は、お館さまの居た天の国とは違い、戦を日常的にやり合う世界から来たと……北郷殿より聞いた。 そうか……お主等ほどの強者でも、やはり慣れぬのが……普通というのか……!」
響「幾ら……私たちの任務が戦だと言っても、敵や味方の命を軽々しく思ってないさ! 得たい物は……遠く儚く……! 失う物は貴重で……際限が無い! だから、救える者は救うのさ! 得た物を分かち合うため!」
暁「ちょっと! レディの暁に分かるけど、他の皆には意味が分からないじゃない! 得る物と失う物の説明ぐらいしなさいよ!!」
雷「響の言いたい事なんて、簡単に分かるわよ!?」
暁「アイエエエ───ッ!?!?」
雷「な、なによ! その声は!? コホン! それじゃ言うわね! 間違えていたら、訂正して頂戴! ………遠く儚いと云えば……『平和』じゃない! 失う物は……『命』または『資材』と読み解く事ができるわ!」
ーーー
雷の言葉に第六駆逐隊の面々や桔梗、白蓮が驚嘆する!
ーーー
電「はわわわ……雷ちゃん凄いのですよ!!」
白蓮「あぁ……なるほど!」
桔梗「ほぅ!」
響「ハラショー!!」
暁「………ふ、ふん! 思った通りだったわ!」
ーーー
雷「あのねぇ! みんなしてぇ私の事……馬鹿にしてない!? そんな比喩的な事を言ったて、ちゃんと分かるんだからね! 私だって、電と敵兵を助けた事もあるのよ!!」
電「雷ちゃん…………」
雷「どれだけ……命の大事さ、平和の尊さが貴重なんだって事、理解できるのよ! だからぁ、もーっと私に頼っていいのよッ!?」
暁「待ちなさい! どうせ頼るのなら、ネームシップで艦隊のレディである、この暁を頼りなさいよ!! こ、こらぁっ! そこは笑うとこじゃなぁーいッ!」
暁の言葉に……皆が皆……笑顔で笑った。
★★☆
白蓮「はははっ! おっと……すまんすまん! そうか……今の一刀は、こんな頼もしい仲間たちと共に、大陸を平和に導こうとしているのか! 私たちの居た時とは、また違う絆の深さを感じる……」
??「………どう比べて……分かるんだい?」
白蓮「あの頃の私達は、互いに国を競い合い、大陸を統一するのに腐心したさ! 相手の腹を読み合い、己の軍を一刻も早く精強な兵に仕立てあげ、如何に自国が有利な状態で勝つのか……悩んでばかりだったよ!」
??「その割には、白蓮の日常的な物って……子守の真似事ぐらいしか『記憶』に無いんだよ。 これも『記憶』が、まだ出て来ない為なのかな?」
白蓮がハッとする!
……自分と会話していた者は『男』?
しかし、この場所には、若い娘ばかりで、男は兵士のみ!
だから、タメ口で話し掛ける『男』など居ない!
では……知り合い……に……は!?
まさかと思いつつ、後ろを振り向くと───そこに!?
ーーー
白蓮「─────か、一刀!?」
一刀「やぁ……久しぶり!! 公孫伯珪殿!」
ーーー
桔梗「ほ、北郷殿? 記憶が………?」
ーーー
『────えぇッ!!』
ーーー
一刀「………いや、思い出したと言うか……『普通』に分かったと言うのか……。 公孫伯珪殿の姿を見たらね。 色々と思い浮かべれるんだよ!」
白蓮「じゃ、じゃあ………私の真名が言えるのか?」
一刀「言えるけど、まだ……この世界では預かっていないんだ。 預からないと呼ぶ事は、失礼なんだろう?」
白蓮「………預ける! 私の真名を預ける! だから……呼んでみろ!」
一刀「…………ただいま……『白蓮』!」
白蓮「か、一刀────ッ!!!」ガバッ!
ーーー ーーー
こうして───恋姫の中で──初めて記憶にあった女の子『 公孫伯珪《 真名 白蓮 》』と、再開する事ができたのである。
◆◇◆
【 余話 の件 】
〖 司隷 洛陽 門前 にて 〗
白蓮「しかし、何だか……しっくり来ない理由だな。 私の事は『普通に覚えていた』だなんて……。 もう少し……何かのきっかけとか、鍵になる物や助言をする者のお陰で、記憶が再生された方が……感動するんだけど……」
気分が落ちついた後、顔を赤らめたまま……一刀を交え、話を開始する白蓮。
しかし、桔梗は白蓮の言葉に、些か憤慨する!
桔梗「何を贅沢な事を言っておる! わしらは白蓮よりも早く合流し、数月経つが……未だに記憶が無い状態のままなのだぞ! 会って直ぐに覚えていて下さった事……感謝せねばいかん!!」
桔梗の話によれば……『五人も北郷殿と出会ったが……何れも北郷殿には記憶は無く、自分たちだけしか持っていないため、非常に切ない思いをした』と。
『それなのに、北郷殿に記憶があり、しかも……声を掛けられると言う奇跡が起きているのに関わらず、それが不満だとは何事だ!!』と言う事らしい。
確かに贅沢な悩みであるため、白蓮は桔梗へ素直に謝罪した。
★☆☆
白蓮「………そういえば……前の一刀じゃ……なかったんだよな。 この場合……どう接すれば? 記憶はあっても……一刀本人じゃなくて……別の世界の一刀……。 しかし、一刀本人には違いない………!?」
一刀「………うん。 前の北郷さんは……既に他界されて居ないそうだよ。 それで……俺が代わりに『北郷一刀』として呼び込まれたと、貂蝉より聞いているよ。 だから……俺で良ければ……北郷さんと同じように……」
白蓮「よし! それなら……お前を『前の世界の一刀』として協力する! お前も……一刀と同じように、大陸を平和にする為に動くんだろう? ───そうか! それなら……私も仲間に入れてくれ!!」
一刀「白蓮……ありがとう!!」
───チョン、チョン
一刀「………ん? 何だい……」
雷『司令官! ………私たちの事、忘れちゃたのッ!?』
一刀「い、いや! 俺は元々○○鎮守府の北郷一刀だから───!!」
響『……遊び……だった?』
一刀「はぁ───ッ!?」
暁『ひ、ひどい! 私たちをおも……おも……。 ヒソヒソ(ちょっと、電! この漢字なんて読むのよ!)』
電「ヒソヒソ(玩具《オモチャ》……なのです! それと、その字が弄ぶ《もてあそぶ》と……)」
一刀「こらぁ! いったい何を見て──ッ!? ………この台本は?」
電「あわわッ! アリゾナさんが作った『司令官の気を引く三つの方法』の一つです! か、一刀さんが……この世界の女性に……取られそうなので……相談したら……これを………//////」
一刀「アリゾナ………アイツ……あんな性格だったか?」
響「司令官! この際だ……ハッキリ教えて欲しい! 司令官は艦娘の私たち、この世界の女性の将! どちらを娶る気なんだい!?」
一刀「ちょっと、その質問! 何か段階を幾つか飛んでないか!?」
雷「あぁ──私も聞きたい! 司令官は誰にするの!? 艦娘? この世界の女? もしかして……港湾棲姫って可能性もあるわね! 後は……大穴で北方棲姫とか!? ……幾らなんでも漢女は……論外よね!!」
暁「娶るって………『ケッコンカッコカリ』の事……じゃなくて? も、勿論、レディだから知ってるわよ! 一応確かめただけ、確かめただけなんだから! もし……勘違いしてたら……馬鹿みたいじゃないッ!!」
電「か、一刀さん! 一刀さんは……誰を選ぶんですか!?」
一刀「────それじゃ、ハッキリと言わせて貰う!」
『───────!』
一刀「………今の俺は……自分の事より……大陸の平和の方を優先したいんだ! それに、俺自身には……まだ……誰かを娶る資格も覚悟も無いんだ! だから……その話は大分先になる! これだけは───断言できる!」
響「ふふっ……了解だ、司令官!」
電「…………うぅぅぅ……仕方がないのです! じゃあ、牛乳を飲んで立派な女性に……はにゃあーっ!? この世界に牛乳が無いのですぅぅぅ!!」
雷「司令官に頼って貰えるように、頑張らないとね!!」
暁「ちょっと! 私を差し置いて話を進めちゃ駄目!! 私だって……子供じゃないもん! 選んで貰える資格は……充分あるんだから!! し、司令官! 頭をなでなでしないで! 可愛い……って、レディに失礼よ!!」
ーーー
白蓮より、劉玄徳、関雲長、張益徳の三姉妹が用事を果たして、此方に向かっていると聞き、待っている間の出来事であった。
◆◇◆
【 三姉妹 登場 の件 】
〖 司隷 洛陽 門前 にて 〗
────タッタッタッタッタッ!!
愛紗「白蓮殿ーッ! お待たせしてしまい申し訳───!」キュッ!!
鈴々「『ドンッ!』───ウワップ! あ、愛紗ー! 急に止まるなんて酷いの……お兄ちゃん? お兄ちゃんなのだ!! 愛紗──! 愛紗……?」
愛紗が白蓮に報告を行う途中、急に立ち止まり、後に続く鈴々が衝突! 鈴々から抗議の声が上がるが───まったくの無視!
愛紗「………………」プルプルプルプル
白蓮「あ、愛紗………? こちらが……天の御遣い北郷か『ご主人様ぁああああ───ッ!!』……ずと……って、紹介するだけ無駄か……」
一刀「は、初めましてぇ───『ガバッッ!!』うおぉおおおッ!!」
鈴々「愛紗っ! 狡いのだ!! 鈴々も───ッ!!」ガバッ!
一刀「ぐぉおおおーっ!? な、なんて力だぁ!! だ、誰か離すの手伝うか、離れるように説得してくれぇえええ───ッ!!」
白蓮の紹介より先に、愛紗が抱き付き、鈴々がそれに続く!
一刀も、見目も綺麗な女の子たちに、突然抱きしめられ、目を白黒させる!
だが、見た目に反して……熊をも絞め殺さんばかりの勢いに……流石に救いの手を頼んだ!
しかし────!
ーーー
桔梗「ほほぅ? 愛紗と鈴々の抱きつきを、同時に受け止めるとは……なかなかに鍛えていらっしゃる! 鍛錬の稽古が……非常に楽しみだ!」
ーーー
電「流石は一刀さんなのです! 日々の鍛錬の成果が出ているのですよ!」
暁「……金剛さんの毎日一回は必ず受ける『Burning Love!!』の飛び抱きつきを耐えれば、誰だってアレくらいの耐久性は付くわよ!」
響「……いや……この前のバレンタインデーの時に、遂に『Burning Valentine Love!!』を受け止めれたって……言っていたが?」
雷「えぇッ!? 『Burning Love!!』の数倍の威力を誇るアレを!? 司令官が、そんなに鍛えられちゃうと……私に頼ってくれなくなっちゃうじゃない! でも、格好いい司令官も……憧れちゃうのよね………」
ーーー
羨望と嫉妬の入った眼差し、勘違い等あり……哀れ一刀は、男を見せる結果となり……そのまま耐久戦に挑む事になったのである。
★☆☆
愛紗「も、申し訳ありません! あまりにも……『ご主人様』……に似ていらっしゃるので……」チラッ! チラッ!
鈴々「絶対──お兄ちゃん! お兄ちゃんなのだ!!」
白蓮「うん……まぁ……事情は話した通りだよ。 一刀……起きれるか?」
一刀「………ごめん……。 まだ……体力が……駄目………!」グッタリ
ーーー
桔梗「わしらが離そうとしても、説得しても……半刻(約一時間)も抱きしめられれば……な。 しかし……羨ましいの……」
暁「あ、あれが……レディの、大人の愛情表現☆!」
電「た、確か……『大人の夜戦』を寝台でやると……男の人は一刀さんみたいに疲労するって……はわわわわわーッ!!!」
ーーー
響「……いいな」
雷「べ、別に羨ましくないんだか……あっ! 桃香さーん! こっちよ! こっち!! 私を必要としているみたいだから、案内してくるわね!」
響「そうか……了解。 あの二人なら……相性良さそうだ……」
★☆☆
雷「ほらっ! 私が曳航するから!」
桃香「あ、ありがとう……雷ちゃん。 (うぅぅぅ……こんな小さな子に、手を引かれ案内されるなんてぇ……恥ずかしいよぉぉぉ……!)」
ーーー
ーーー
ーー☆
愛紗「桃香さま!」
鈴々「むぅ───お姉ちゃん、遅いのだぁ!!」
桃香「愛紗ちゃーん! 鈴々ちゃん! やっと……追い付いたよ……ッ!! もぉー酷いよぉ! 自分たちの仕事が済んだら……パァッと走って行ちゃうだもん! 私の方が……まだ出来ていなかったのに………!!」
ーーー
雷「こらぁ!」
桃香「ひゃっいっっっ!!」
雷「桃香さん! 人に親切にされたら、御礼を言わなきゃダメ! 暁だってできるのよ!」
暁「当然じゃない! お礼はちゃんと言えるし!」
桃香「……はい、ありがとうございます……」
雷「よし、よしっ! いい子ね!」
桃香「うぅぅぅ…………///////」
ーーー
愛紗「桃香さま……申し訳ありません! ご主人様に逢えると思ったら……身体が動いて……//////」
鈴々「仕事をこなすのが遅いからなのだぁ! 鈴々は、パァーとやってサァーと終わらせて……愛紗? その目は何なのだ!?」
ーーー
白蓮「……後で確認しに行くよ……」
愛紗「白蓮殿……申し訳なく……」
ーーー
一刀「…………よ、よいっしょ………」
桔梗「北郷殿……お立ちになられても大丈夫で?」
一刀「……あ、あぁ……! 将が来られたのに……無様な格好で居るなんて……失礼だからね! ぐぅ……き、桔梗……肩を貸して貰っても?」
桔梗「うむ! 如何様にでも……」
愛紗「い、いけません! そもそも……私が原因なんですから! 私が手伝います! 桔梗の手助けは無用!」
鈴々「鈴々も───ッ!」
愛紗「お前では、背の高さが釣り合わぬ!」
一刀「それじゃ……反対の腰を支えて貰えないかな? そうすれば……助かるよ! 片方だけじゃ……動き辛くてね……」
鈴々「うん! 鈴々に任せて!!」
桔梗「………やれやれ……」
ーーー
こうして、一刀と桃香は……対面する事になった。
◆◇◆
【 桃香の記憶 の件 】
〖 司隷 洛陽 門前 にて 〗
桃香「お初にお目に掛かります……天の……御遣いサマ……?」
一刀「そんな堅苦しい肩書きはいいよ! 俺の名前は……『北郷一刀』! 漢中に拠点を構える……将でいいのかな? この子たちや桔梗の上官になるんだ! 呼び方は……北郷でも一刀でも……なんでもいいから!」
桃香「………………で、では……『ご主人様』……と!」
一刀「へぇ!? ───な、なんでぇ! 俺は……初めて君と顔を合わすんだよ!? それに……君には、北郷さんの記憶が無いと報告されている! 関わってもいないのに、何で……そんな敬称を俺に使うんだい!?」
桃香「お話しの通り……私に『前の世界』の記憶は、余りないんです。 でも、私の二人の妹に対する絆と……あの場面だけは……ハッキリ覚えているんです! あの桃の花の中で……『四人』が誓った言葉を……!!!」
一刀「だけど……それだけじゃ……」
桃香「それでは……『御苑の桜』をご存知ですか?」
一刀「あぁ……新宿で有名な桜の名所か! 昔……連れられて……よく行ったな! 懐かしい! でも……それが? と言うか……何で知ってるの!?」
愛紗「………桃香さま!」
鈴々「お姉ちゃん!!」
桃香「その時……白い服を着た『ご主人さま』は、桃園を見て……呟いたんですよ? 天の国にある……似たような場所が、そこだと……」
一刀「───────!」
桃香「……それに、鈴々ちゃんは別として、あんなに警戒心が強い愛紗ちゃんが、こんなに懐くんですから……信用しても大丈夫だと思ったんです!!」
愛紗「あ、あぁぁぁぁ………///////」
鈴々「にゃはははははっ!!」
一刀「………………」
桔梗「北郷殿……わしからもお願いする! どうか……桃香殿の申し出、受けて下さらんか? 桃香殿の記憶が蘇れば……どのみち呼称は『ご主人さま』じゃ! 寧ろ……わしも『北郷殿』より『ご主人さま』と………」
一刀「わ、わかった! その敬称でいいから! えーと……劉玄徳さん?」
桃香「私は『ご主人さま』に真名を預けます! 真名は桃香です!」
愛紗「わ、私も……『愛紗』とお呼び下さい!! そして、私も……『ご主人さま』と呼ばせていただきたい……のですが……」
鈴々「鈴々は鈴々なのだぁ────ッ!! 鈴々はお兄ちゃんと呼ばせて貰うのだ!!」
一刀「うん……三人とも……白蓮の配下だったよね! これからも……宜しく頼む! 他にも……仲間は多数控えているから、機会があった時に紹介しよう! ………さぁ! それじゃ案内するからね!!」
『─────はいっ!!』
ーーーーー ーーーーー
様々な出来事があったが……白蓮や桃香、愛紗、鈴々たちは、一刀と親交を迎える事になり、 一刀の案内で、都城に向かう事になった。
勿論、桔梗も第六駆逐隊も護衛として付き添う!
その間……
『白蓮の事を一刀が《普通》に記憶していた事に、愛紗が驚愕と羨望と嫉妬を抱いた話』
『鈴々の食事量が、赤城と匹敵すると聞いて……戦慄を抱く第六駆逐隊』
『一刀の周りに……若い女性が複数人も居ると聞いて、頭を抱える愛紗』
『電が鎮守府で、牛乳を常備するように申請をしようと、第六駆逐隊を説得して、連署での提出を承諾させた』
『雷に気に入られて……困惑する桃香』
『自分の《普通の定義》とは何なのか……思索する白蓮』
『良き話が土産話が出来たと……豪快に笑う桔梗』
等あったが……話が長くなるので、割愛させて貰う。
後日……話として出てくるかは……不明である。
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あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
やっと……一刀と恋姫たちの出会い……一部いませんけど……始まります。
それと同時に……(出番が殆ど無い)于吉や左慈、貂蝉等の動向を示し、恋姫たちの顔合わせ済ました後に、黄巾賊討伐編に入ろうと思います。
こんなに……前振りが長い話も……無いんだろうな。
追伸
スネーク提督
拝見致しました。
確かに……似ている。
この久秀と重なり合う……っていうのも変なものですが……有名な作品と似たような考えが出来たのは、光栄ですね。
情報提供、ありがとうございます!
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やっと……本編に戻りました。 今度は蜀です。 5/24 マルロクマルサン追加修正しました。 桃香が余計に情けなく……?